タモリ倶楽部

登録日:2022/09/18 Sun 7:54:50
更新日:2023/09/19 Tue 21:05:52
所要時間:約 15 分で読めます





「毎度おなじみ流浪の番組、タモリ倶楽部でございます」



タモリ倶楽部とは、テレビ朝日で1982年10月から2023年3月まで放送されていたタモリの冠番組である。
新聞のラテ欄では「タモリ」と略されることもある。

概要

1982年10月9日に放送開始。
氏の代表番組となる『森田一義アワー 笑っていいとも!』開始からわずか5日後に放送を開始している。

元々は同局で日曜夕方に1年間放送されていた『夕刊タモリ!こちらデス』というコント番組が源流。
『いいとも』開始で「恐怖の密室芸人」と呼ばれたタモリが潰れてしまわないようにとの配慮から、
息抜きの出来る番組として所属事務所の田辺エージェンシーの肝いりで開始された。

様々なマニアックな事象を取り上げるのが基本的な内容で、その企画は多岐に及ぶ。
BGMには人物や事象に関するダジャレが入っているのが毎回のお約束。
かつては「空耳アワー」を筆頭としたミニコーナーとの2部で構成されていた。

収録中に平然と車の通る音が入る、カメラマンやスタッフが調整のために闖入するなど他番組ではカットされるような描写も平然と放送されるため、そのゆるさから「元祖脱力系番組」とも呼ばれている。

ナレーターは開始以来長らく武田広が担当してきたが、高齢もあって2019年10月を最後に降板。2018年からは増谷康紀が武田と並行して担当し、2020年5月からは渡辺美佐に交代している。

『いいとも』終了後も長く続けられてきたが、2023年3月で終了することが発表され、同年31日の放送で無事最終回を迎えた。
40年6ヶ月の放送期間はタモリの冠番組ではもちろん最長。

2023年には終了を記念して、番組にギャラクシー賞月間賞が授与されている。

オープニング

Royal teensの「Short Shorts」に乗せて様々な下着を着用した女性がお尻を振る映像が使用されており、時代に応じたアレンジは行われているが基本構成は開始以来変わっていない。
お尻を担当する女性は定期的に入れ替えが実施されており、番組企画として選考会が実施されたこともある。
選ばれる女性は一般人が大半だが、過去には芸能人が選ばれたこともある。

タモリと『ミュージックステーション』で共演経験のあるテレビ朝日アナウンサーの下平さやか氏はお尻ギャルに応募したいと本気で嘆願したことがあるが、タモリから「絶対にダメです!」と断られている。

番組の流れ

冒頭はタモリが単独で時事ネタを軽く話し、そこにゲストが登場してトークを広げ、更に進行役が現れて企画の本筋に入る。
ゲストは進行役にはお笑い芸人が大半を占めるが、それ以外では俳優やミュージシャンなど、普段バラエティ番組に登場しないながらも本番組では常連という人も存在する。

番組は土曜日に収録が行われ、収録から約1か月後にオンエアされる。
放送時間は30分だが企画が盛り上がった時は7~8時間ぐらい収録することもあるとか。
なお、後述の電車クラブと空耳アワードを中心に2週にまたがって放送される企画もある。

全編ロケーションで、収録先は都内のスタジオや施設、テレビ朝日の中などが大半を占め、遠出をするとしても一都三県程度。
これは予算面に加えて『いいとも』があったためタモリのスケジュールに余裕がなかったのも理由。
このパターンはいいとも終了後も原則変わっていなかった。
番組の遠出記録は2016年にタモリ電車クラブのツアーで訪問した京都鉄道博物館。

なお、バラエティ番組としては珍しく総集編・未公開集、23時台などやや上がった時間帯でのスペシャル類の放送が非常に少なかった。

主な企画

ここではよく放送されるジャンルについて述べる。
企画にはタモリは一切関与しておらず、内容によってはタモリが全くやる気を見せないこともある。

タモリ電車クラブ

タモリと鉄道好きタレントがただただ大はしゃぎするだけの企画。
鉄道会社の協力の下臨時列車を運行する、開業前の駅に潜入するなど、番組らしからぬ非常に金のかかった企画でもある。
本クラブでの出演をきっかけに他局でも鉄道タレントとして活躍するようになった人も数多い。

エロ企画

地上波では数少なくなったエロネタもここでは今なお扱う。
AVやアダルトグッズのほか、アッーな方面のネタもしばしばあった。
ちなみにシンガーソングライターのあいみょん氏は出演企画が全てこれ系だったり。
余談だが、ラブドールの開発秘話を追った回は企画がパクリなのにギャラクシー賞を受賞している。

企業シリーズ

テレビ東京では絶対採り上げないようなマニアックな製品やサービスを扱う企業に訪問、または関係者をスタジオに招いて話を伺う。

料理企画

風変わりな食材や料理を題材に試食、またはアレンジレシピを作成するもの。
タモリが調理中に酒を飲みながら一人悦に入るのが毎回のお約束。

地理・地形企画

様々な地形や地図などで専門家やマニアと一緒にトークをするもの。
かつては古文書や遺跡などを頼りに過去の街並みをたどるという企画もあった。
予算・コネともどもNHKの番組には敵わないのでやらなくなったが。

コーナー

前述の通り、企画のほかにミニコーナーの2部で構成されていた。
一番有名な「空耳アワー」は当該項目を参照。

廃盤アワー→懐シネマ

廃盤になったレコードや古い映画のベスト5を決めるコーナー。

愛のさざなみ

タモリ扮する義一と中村れい子扮する波子が妄想メロドラマのコーナー。

東京トワイライトゾーン

孤独のグルメ」作者である久住昌之氏と東京近郊の不思議なもの・おかしなものを実際に見て回るコーナー。
鉄道雑誌「レイルマガジン」で人気を博したコーナーはここからタイトルを拝借したもの。

今週の五ツ星り

毎週応募した一般女性のお尻を品評するもの。コーナーには解説として山田五郎氏も出演していた。

マッチングタモリ

2020年に放送された、タモリと若手芸人がマッチングを図るコーナー。
空耳以外では実に28年ぶりとなる新コーナーだったが、わずか5回で終了。


余談

  • 第1回の企画は「オールナイトニッポンを終えたタモリ氏のその素顔を追跡?」というものだった。
  • 最終回の企画は「タモリ流レシピを訂正しよう」というもので、タモリが過去に披露したレシピが間違って伝わっている例が多いことから改めて訂正するというものだった。当初は3品作る予定だったが、時間が押してしまい2品で終了、最後までらしさ全開だった。
  • 一時期はタイトルが「帰ってきたタモリ倶楽部」となっていたことがある。これは本来の制作会社であるハウフルスが制作から一時離脱していたことが由来。
  • テレビ朝日での放送時刻は若干の上下はあるものの金曜深夜(土曜0時)で固定されており、開始から最終回まで曜日の移動はなかった。
    全編ローカルセールス枠のためネット局は多いものの放送日は系列局によってまちまち。
    特に大阪のABCテレビではテレビ朝日から半年以上の遅れが常態化しており、時勢に合わない内容の放送が頻発。そのせいか空耳アワーに「関西の遅れを何とかしてくれ」という苦情の手紙が来たこともある。
    タモリは「こんなもの同時ネットにしてもしょうがない」と一蹴していたが
  • 2020年からのコロナ禍においては、ロケではなくテレビ朝日のスタジオで収録した内容を放送する時期が続き、タモリもOPで「流浪しない番組」「不要不急の番組」と自虐ネタにしていた。


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最終更新:2023年09月19日 21:05