ギャラクシー賞

登録日:2020/06/06 (土) 23:35:36
更新日:2024/11/18 Mon 18:19:56
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ギャラクシー賞とはNPO法人「放送批評懇談会」が開催するテレビに関する賞。

概要

歴史は古く1963年に創設。懇談会会員から選ばれた委員会がテレビ・ラジオ・CM・報道の4部門に分けて表彰する。
基本は年1回、5月に大賞を始めとする各賞を決定するが、テレビ部門では毎月「月間賞」を選出。この中から年度の選考作品に選ばれ、各賞に選ばれなくても最終的に「奨励賞」として表彰される。

基本はドキュメンタリーやドラマが選ばれることが多いものの、時たまバラエティ番組が受賞することもあり、受賞で大いに盛り上がることも多い。
そんなわけで本項はアニメ・バラエティ番組を中心に受賞番組について解説を行う。


主な受賞番組

NHK

最終回が放送された2020年3月度部門の月間賞として受賞。
「アニメを作りたい」という思いで作られた「映像研」を舞台に3人の女子高生がアニメ作りに奮闘する。
アニメならではの「作中の現実世界」と「3人が考える『最強の世界(アニメ設定)』」がシームレスに入ってくる描写や、想像の世界ではSEも声で表現するといった「こだわり」が評価。
また、主人公の浅草みどり役の伊藤沙莉は本作に加え「これでは経費で落ちません!」(NHK)「全裸監督」(Netflix)など話題作での評価もあり2019年度の個人賞を受賞した。

  • ドキュメント20min.
「ニッポン探訪~北信濃 神々が集う里で~」
2023年11月19日放送。
俳優の宍戸開が長野県の山間にある「沓津(くっつ)村」を訪れる紀行ドキュメンタリー。
一件普通のドキュメンタリーのようだが、「花粉症がいなかった」と言いながらも花粉症が出ている男の子、ビスケットの天ぷら、1972年(昭和47年)3月31日で止まった日めくりカレンダーなど怪しい所はあるものの、神々に奉納する舞を見せてもらうなど普通にドキュメンタリーのようだが…


日本テレビ系

「激闘鯨合戦(前編・後編)」
1989年5月15日・22日放送。
ご存じグルメ漫画の金字塔で、児童向け作品ではないにもかかわらずゴールデンタイムでアニメ化され、3年続く人気作品となった。
とある店で鯨料理を食事中、捕鯨反対運動団体に出くわした山岡。その団体の中には山岡の知人でもある・ジェフの姿があった。かねてより捕鯨禁止運動に憤りを感じていた山岡は、ジェフを説得するため、ひいては日本の食文化を守るために立ち上がる。
捕鯨のみならず放送当時問題となっていた日米貿易摩擦や異文化への無理解などを巧みに取り入れた作風が評価されて、1989年度の選奨作品に選ばれた。
本作は美味しんぼのアニメで再放送・配信が実施されていないエピソードの一つで、合法的に視聴するにはDVD・BD-BOX1を買うか、横浜市にある放送ライブラリーに出向く必要がある。

「イモトが挑む南米大陸最高峰アコンカグア登頂スペシャル」
2012年1月29日放送。2012年度テレビ部門優秀賞受賞。
「イッテQ登山部」シリーズとして過去にキリマンジャロ、モンブランを制覇したイモトが南米最高峰・アコンカグアに挑戦。
しかし、アコンカグアは標高6962m、順調でも登頂期間2週間、さらにその成功率は20%という登山の中でも最高難易度。特に体力・技術だけでなく、人を簡単に死に至らしめる白い嵐「ビエント・ブランコ」に出くわさない運も要求される。
それでも2か月に及ぶ入念なトレーニングを経て登頂開始。
当初は順調に登って行き、年越しもキャンプ内で盛大に迎えるが、次第に天候と健康状態も悪化。特に終盤にはビエント・ブランコが吹き荒れそうという事からスケジュールを前倒しせざるを得ない事に。
運命の最終アタック日。しかし、ここに来てイモトは体調不良。それでも何とか1/3までこぎつけるが、「道を間違えれば即死」の地点、雪崩の前兆、強風、そして高山病。安全策を取り次々とスタッフが離脱していく中、急坂も乗り越えついに残り200mという所まで来た。
しかし、ここに来て一気に天候が悪くなってしまう。山頂までは1時間、もし登り切ったとしても安全には降りられない。

標高6890m、ここをイッテQの頂上にしよう。

ここに来ての断念は視聴者もスタッフも、何よりイモトが一番悔しいだろう。しかし、この断念こそが「山の厳しさ」を一番深く伝える結果となった。

  • アナザースカイⅡ
2019年11月22日放送分。
ゲストが海外にあるもう1つの故郷「アナザースカイ」を旅し、その想い出を語る番組。
この回のゲストは出川哲朗。舞台はクロアチアの首都・ザグレブ。
受賞するには意外に思う組み合わせだが、平和について興味深い回でもある。

約25年前に「進め!電波少年」にて当時の国連事務総長特別代表・明石康氏に「明石焼きを食べてもらいたい!」というアポなしロケで訪れた出川。
しかし、当時のクロアチアは内戦中であり厳戒態勢。さらに前日には隣国ボスニア・ヘルツェゴヴィナもボスニア紛争の為入国できないという過酷な状況。
そんな中でも何とかアポなしロケに成功し、ご褒美としてスタッフからクラブに連れていってくれたものの、クラブの中では誰も笑わずただ黙ってお酒を飲むという状況。その様子に「やっぱ笑ってる場合じゃないんだ…」とクロアチアの現状を目の当たりにしたのだった。

それから25年振りに訪れたクロアチアでは当時の国連施設が裁判所になっているなど時の移り変わりを感じ、さらに当時は入れなかったボスニア・ヘルツェゴヴィナにも入国。国境の街では笑顔が溢れており「笑顔は世界共通」「この仕事をやらせていただいて本当に幸せ」と「人々を笑顔にする芸人」という仕事に感慨を抱いたのだった。

  • それって実際どうなの課!? ゴールデン2時間SP
2023年11月28日放送。中京テレビ制作。
チャンカワイによる「ダイエット法検証」や狩野英孝による「激せま駐車場」など様々な噂を身体を張って検証する番組。
その中でも女優・森川葵の「ワイルドスピード森川」がピックアップ。
ダイススタッキングやアーチェリーなど様々な世界の達人技に挑戦する企画なのだが、普通の番組であれば「苦戦した末の成功→感動」という流れに対し、持ち前のセンスと飲みこみの速さ、そして諦めない心で達人でも数か月~数年かかるレベルの技を数時間(下手すりゃ一発成功)で習得してしまうという「バラエティスピード違反」を見せつける企画。
その中でも特にセンスの良かったスポーツスタッキングで本気で日本代表を目指すことに挑戦。練習の段階から「本番で出せば即内定」レベルを叩き出し、3回のチャンスしか与えられない記録会では選考基準タイムどころか日本新記録を樹立し日本代表内定。そして世界大会では個人銅メダル、ダブルス銀メダル、そして団体では強豪のマレーシアを破り初の金メダルを獲得。「世界のワイルドスピード森川」を見せつけた。

番組は2024年3月で終了したが、同年6月からはTBSテレビで「それって実際どうなの会」というタイトルで復活し、同年10月からレギュラー番組として放送開始*2
司会の生瀬勝久など一部出演者は本番組から続投しており、放送局を移籍したうえでゴールデンに昇格する形となった。

  • クイズタイムリープ
2024年8月11日放送。
日テレが生んだ伝説のクイズ番組「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」「マジカル頭脳パワー!!」「アメリカ横断ウルトラクイズ」に時を超えて挑むクイズ番組。
しかもただ番組の過去問に挑むだけでなく、最新技術により「CG合成によって作られた当時のセットにそのまま座り、当時のパネラーと勝負(画質はあえて当時のアナログ放送を再現)」「AIによって逸見政孝・板東英二・福留功男ら当時の司会やパネラーとやりとりする」というまさに「現代から時を超えて収録に参加する」という演出。
テレビ最大の武器である「アーカイブ」とそれを可能にした最新技術の融合という新しさと懐かしさ両方が味わえるところが評価された。

テレビ朝日系

「プロジェクトSEX 性の挑戦者たち」
2001年5月16日放送。
毎度おなじみ流浪の番組。鉄道や地理ネタでお馴染みだが、エロネタも番組の肝。そしてまさかのエロネタで月間賞受賞
日本初のシリコン製ダッチワイフを作るまでの開発と苦労をドキュメンタリータッチで放送。
実は製作したのは医療器具メーカー。当然の社内からの猛反発を押し切る熱意をみせ1/4モデルフィギュアからスタート。
その良さが評判となりいよいよ実物大の制作へ。
人間らしい質感の素材に苦労しつつも究極のリアリティを求めていきついに完成。しかし、あまりにもリアル過ぎて「猥褻物陳列罪」に触れかねないといった壁もありつつ、ついに完成。1体75万円という高級品ながらヒットとなった。
ネタこそはエロだが元ネタのNHKのドキュメンタリー「プロジェクトX~挑戦者たち~」と同じぐらいに硬派なドキュメンタリーに仕上がった1本。
しかし選考委員の嗜好が幅広すぎる。タイトルモロパクリなのに

「タモリ流レシピを訂正しよう」
2023年3月31日放送。
この回が40年の歴史に幕を閉じる最終回。が、そんな最終回の内容はネットに溢れる「タモリ流レシピ」が本当なのか、今一度本当の「タモリ流レシピ」を確認するといういつも通りのゆるゆる進行。最後も感極まることなくあっさりと終わっていった。
選考委員からは「バカバカしさも乗り越えて大人が真剣に遊ぶ洗練された番組」と称され、タモリには「放送批評懇談会60周年記念賞」が送られた。本人は「過大評価」「褒められ始めて気持ち悪い」と謙遜したが。

「複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する」ABCテレビ制作の長寿番組。

「アホ・バカ分布図」
1990年1月20日放送。
大阪出身の夫と東京出身の妻が喧嘩の際に「アホ」「バカ」となじられお互い傷付いたことから、境界線はどこにあるかを調べてほしいとの依頼。
調査の途中、岐阜県あたりで「タワケ」なる言葉も登場し、「アホ」と「タワケ」の境界線を調べる方針に転換し、関ケ原辺りが境界線という結果で調査終了。
スタジオ収録時も「バカ」と「タワケ」の境界や関西以西ではどうなるのか?など次々と疑問が生じ…というか、1度目の調査完了報告の時点で上岡局長が「それならアホ・タワケ境界線を調べないと何の意味もないのではないか(大意)」、さらにスタジオの探偵たちも次々に「徹底的な『短い単語でなじる表現』の調査をすべき」と意見を出したことから調査続行が決定。
各地の教育委員会への協力要請、そして視聴者から寄せられた意見を集めることで各地の「バカ」「アホ」に相当する表現を収集、同年5月までに分布図が完成し一旦終了した。

その後、番組は「民放連受賞を狙いたい」というABCの意向から1991年1月から調査が再開され、同年5月に分布図が完成し特別番組として放送された。
その内容は「最初に(当時の首都だった)京都で新表現が登場する」「それが距離的にどんどん「京都より遠いところ」へ波及する一方、当の京都や近畿圏では廃れることで別の表現になる」「この京都から来る・廃れるが他の地域でも繰り返されたことで、後のこの『アホ・バカ分布図』の状態になった」という仮説が実証され、学術的にも貴重な資料となった。
結果は狙いどおり民放連のテレビ娯楽部門最優秀賞の受賞を果たし、1992年5月に選奨を受賞。
この件がきっかけで、番組は関東地区でも放送されるようになった。
なお、受賞した番組は分布図の回だが、本項では便宜上元となった依頼の放送分を記載している。

レイテ島からのハガキ
2011年1月7日放送。2010年度テレビ部門選奨受賞。
戦時中フィリピン・レイテ島に出征した亡き父親が母に出した手紙は、年月の流れと母の死で判読できなくなってしまっていた。レイテに散った父がしたためた内容とは…?
いつものようにガチの古文書研究機関まで巻き込んだ解読作業の結果は、なんと…!

「10年以上口をきいていない父と母」
2013年4月5日放送。
奈良県の高校生からの依頼は「父が子ども(自分たち)にはちゃんと話しかけるのに母親に対してはずっと無視し、会話している所を見たことが無い。」ということからその理由の解明。
姉と母親の話から23年間会話をしていない事が明らかになる中、父親に直接聞いたその理由は「妻が子どもを相手するようになり、自分の相手をしてくれなくなった(すねていた)」という単純なもの。
そこで2人の思い出の場所・奈良公園で2人きりで23年振りの会話。父の謝罪と互いの日頃の感謝、そしてこれからはちゃんと会話をしていくという当たり前だけれど大きな一歩を踏み出した2人の様子に子ども達も竹山探偵もスタジオも号泣。
数あるナイトスクープの感動系依頼の中でも傑作の1つで、西田局長追悼回でも再放送された。

  • しくじり先生 俺みたいになるな!!
過去に失敗を犯した有名人が同じ失敗を繰り返さないために授業を行う番組。
時間帯などを度々変更しながらも放送が続いており、現在はABEMAの配信がメインで地上波放送は月一回のみ。

「王道から外れちゃった先生」
2014年11月20日放送。
講師は球界屈指の「クセ者」元木大介
高校時代は甘いマスクと甲子園歴代2位のホームラン数という「天才スラッガー」として名を馳せたものの、同期が監督・コーチを務める中、自身はバラエティタレント化…なぜそうなってしまったのかを振り返ることに。
入団当時は「努力は人に見せる物じゃない」という美学を見せていたが、その1年後に「努力の天才」松井秀喜が入団。必死の努力とそれに伴った結果を出す松井に対し立場が無くなった結果「隠し球」などのトリックプレーに走り「クセ者」と呼ばれることに。
一方、引退後は通常解説者→コーチ→監督というルートを辿るのが王道だが、ここでも「クイズ番組」という禁断のオファーを受けてしまいおバカタレント化。
だが「番組の収録は野球の試合と同じ」とオファーを断らず全力で受けた結果、さらにバラエティのオファーが回って来るという形に。「王道から外れても全力で挑む」という姿勢を教えてくれたことが評価された。
その後も「ラーメン店を開業するも全店潰してしまった」先生として再登場するも、2019年からは巨人コーチに就任、現在は解説者やアカデミー校長などようやく王道ルートを進んでいる。

「ガセネタに惑わされないための授業」
2020年10月19日放送。
この回はカズレーザーが特別講師として登壇。
オイルショックでの「トイレットペーパーが無くなる」という騒動から現在に至るまで「デマ」に振り回される人間のために「デマやフェイクニュースに騙されないため」の授業を開講。
実際に起きた事例や専門家たちの研究による理論などを紹介し、デマへの対策を高めていく…

  • くりぃむナンチャラ
「第3回 もうええわを言わない相方たち」
2018年7月6日・13日放送。
一般的にボケにスポットライトが当たりがちなお笑いコンビ。そこで「ツッコミに感謝の気持ちを」ということで、普段「もうええわ!」で締めるツッコミが何も言わなかったらボケはどういう反応を見せるのか?というドッキリ企画。
これまでにもこれまでにない事態に困惑する人や「ネタを飛ばした」と思い激怒する人など様々。
この回ではドラゴンボール漫才でお馴染みアイデンティティ、西の実力派ダイアン、男女コンビの相席スタート、M-1ファイナリストのカミナリの4組が挑戦。
無理やり自分でオトして舞台裏で怒るアイデンティティ、舞台上で激怒して何発も肩パンされる羽目になったダイアン、パニックになり普段のキャラが崩壊する相席スタート、そして「悩みがあるのか」と舞台裏で真剣に相方の事を想ったカミナリと四者四様の姿を見せ「芸人の関係性や『ツッコミとはなんなのか』も見えてくる企画」と評価された。

最終回を迎えた月である2019年2月度の月間賞を受賞。
自らの願いを叶えるためにルパンコレクションを狙うルパンレンジャーと、市民を守るため正義のために戦うパトレンジャー。時に交錯する目的も正義も違う2つの戦隊の関係性を丁寧に描き「『特撮』の枠を超えた人間ドラマを描いていた」と評価。
また、登場人物も愛らしいと高評価。委員のお気に入りはパトレン1号/朝加圭一郎

TBS系

徳川慶喜を生で見たことがある人、まだギリこの世にいる説」
2015年7月15日放送。
江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜(1837-1913)を生で見たことがある人がまだ存命しているか、102歳以上(当時)の高齢者を調査。
入念な調査の結果、105歳の女性から「日本橋で行列を従えた慶喜を見た」という証言をゲット。専門家の検証でも慶喜が日本橋の銘板を書くなどゆかりのある人物であり証言が事実であると認定し説立証となった。
また調査過程でも夏目漱石、大隈重信、ダグラス・マッカーサーなど歴史上の偉人たちの目撃談、明治時代ということもあり「村に1人はちょんまげ姿がいた」というエピソード、関東大震災、太平洋戦争など歴史上の出来事について貴重な話を伺う事が出来た。
普段の番組にしてはかなりアカデミックな説のためスタジオの受けはイマイチだったが、まさしく「歴史の1ページ」に残る説である。

「先生のモノマネ プロがやったら死ぬほど子供にウケる説」
2017年6月7日放送。
学生時代の鉄板ネタ「先生のモノマネ」に神奈月、ホリ、エハラマサヒロ、ミラクルひかる、みかんの5人が挑戦。ある中学校の先生の映像を見て、それをもとにモノマネを作り上げ生徒の前で披露する。
「死ぬほどウケる」というこれ以上無いハードルの中、資料VTRを確認して仕草や口癖を研究。さらに登場順やネタの構成など綿密にネタ作りを行いついに完成。
当日は生徒たちの前にドッキリ形式でネタを披露。最初は戸惑っていた生徒たちも次第に笑いが止まらなくなり、ついには「原因不明で笑いながら泣く」という「死ぬほどウケる」を実現し説を立証。
生徒たちも大満足し芸人たちも「ここ10年で一番」と会心の出来を実感。検証結果も「らしからぬハートフルな説になってしまった」という自虐になる説となった。

「新元号を当てるまで脱出できない生活」
2019年5月8日放送。
2019年4月1日に新元号「令和」が発表。その前日から埼玉県の「平成荘」に監禁させられたお笑いコンビ・ななまがりが新元号を当てることに挑戦する。
当初は過去の傾向などから推測していくも全く当たらず。しかし「カイジ」さながらに支給されるお金で生活用品やヒントを買っていくルールが明かされると空腹や寒さという過酷な環境をタバコ2本で耐え凌ぎヒントを購入。頑張って耐えて最高ランクのヒントを購入するが…

「おぼん・こぼん THE FINAL」
長年不仲が続いている大御所漫才師「おぼん・こぼん」に密着した企画の最終章。

「昭和はむちゃくちゃだった系の映像、全部ウソでもZ世代は気付かない説」
2023年6月21日放送。
2021年4月15日に放送された「昭和、今考えるとめちゃくちゃ説」から派生して生まれた企画で、ダウンタウンがMCを務める特番『ダウンタウンVSZ世代』(日本テレビ)のパロディでもある。
「昭和のアーカイブ映像を見ながら昭和生まれのタレントが平成生まれ=Z世代のタレントに詳細を語る」という偽番組の収録の中で、昭和生まれが捏造された映像や写真をもとに昭和の世俗についてデタラメなトークを展開してもZ世代は疑うことなく事実として受け入れるかどうかを検証。
プレゼンターはケンドーコバヤシで、偽番組にもパネラーとして参加。
それ以外には藤本敏史(FUJIWARA)、中尾彬、伊集院光がパネラーとして参戦し、司会進行で千原ジュニアが担当。
昭和生まれのほうも収録当日に企画を知らされ、事前に映像をチェックしてトーク内容を練ることもできずアドリブを強いられたためトーク内容は時代設定も内容も齟齬まみれ。特に不良生徒への体罰について、中尾の「校庭でドーベルマンに追い回される」、藤本の「校舎から干し柿みたいにロープで逆さ吊りにされる」というウソエピソードはツッコミの嵐。
前述した「ダウンタウンVSZ世代」にも出演経験がある伊集院がなんとか全体をカバーしたことで説立証となり、松本に「伊集院がいなかったら終わってた」と言わしめるほどだった。

  • 有吉弘行のドッ喜利王
2015年10月21日放送。
まずは芸人たちに「振分親方(元・高見盛)に相撲以外で負けたら即引退」というニセ番組で大喜利を実施し有吉とバカリズムが採点。その後、有吉と出川哲朗が回答の中からいくつかを選出。その回答通りの事を回答者本人にドッキリとして仕掛け、そのリアクションの良さを採点。その合計点を競う形である。
大喜利パートとドッキリパートの2回に分けて撮影を行った為、野生爆弾のくっきーはその間に改名して名前が変わっているという事態も発生した。

例:「こんな心霊ロケは怖がりづらい 一体なぜ?」
A.「うっすらと『おさかな天国』が聞こえてくる」(FUJIWARA・原西孝幸)
→後日、ニセの心霊ロケ番組で本当にうっすらと「おさかな天国」が流れる。

例:日本一アウトローな人間ドックって一体どんな人間ドック?
A.「バリウムウォッカ割り」(安田大サーカス・クロちゃん
→後日、ニセの健康診断で飲むバリウムにウォッカが混ざる。

「大喜利」と「ドッキリ」というバラエティの定番同士を組み合わせて新たな魅力を生み出したほか、「自分が書いた答えが自分に降りかかる」という構図が見事と評価された。

演出家の藤井健太郎は番組の構造上、二度と出来ない企画*3だと語っている。

以上の2番組は藤井健太郎が制作に関与しており、ファンの間では「受賞=貯金」ということで獲得した分多少はやらかしても大丈夫だろう的なことを話している(もちろん多少はネタ交じりだが)。

  • ザ・ドリームマッチ2020
2020年4月11日放送。
これまで12回開催されてきた「ザ・ドリームマッチ」が6年ぶりに復活。
実力派芸人たちが別の相方と新コンビを組み一夜限りのスペシャルネタを披露する。
「濃いめのキャラ漫才」千鳥・大悟と「ノリボケ」ハライチ・澤部、「コント風漫才」サンドウィッチマン・富澤と「ヤホー漫才」ナイツ・土屋などお互いのコンビの特徴をミックスした漫才や、お互いに音楽センスのあるハライチ・岩井と渡辺直美によるミュージカルネタ「醤油の魔神VS塩の魔神」、「強烈キャラ」のチョコレートプラネット・松尾と「伏線・トリック好き」の霜降り明星・粗品など「この2人しか作れない」コントなどいずれも高評価。
特に委員からは「醤油の魔神VS塩の魔神」を絶賛された。

テレビ東京系

  • ゴッドタン
「最初で多分最後のゴールデンスペシャル」
2017年8月26日放送。
芸人マジ歌選手権ファンタジー芸人No.1決定戦など普段は深夜でお笑い濃度MAXの企画を行う番組がまさかのゴールデンスペシャル。
マジ歌のスピンオフ「マジラブソング歌謡祭」、「マジギライ1/5」の特別編「真のマジ嫌われ芸人ナンバーワン決定戦」、女芸人による「私の落とし方発表会」が放送された。
特にマジラブソング歌謡祭では恋愛ネタではひと悶着あったベッキーがおぎやはぎ・小木のデュエット相手で登場し自虐ネタを披露するなどスタジオを沸かせた。
当日は24時間テレビの真裏であり、視聴率も決して良くは無かったがまさかの受賞に番組ファンからも「委員の中にファンがいるのでは?」と推察されたり、出演したおぎやはぎからも委員のチョイスに心配の声が上がった。

  • 和風総本家
様々な日本の文化や伝統の技術について取り上げる番組。
教養番組としても楽しめ、過去に2度受賞するほか、その他の賞も受賞している。
なお、番組の制作はテレビ大阪が担当しており、同局では初となる全国ネットのレギュラー番組でもある。

「世界で見つけたMade in Japan」
2014年2月6日放送。
世界各国に行き「あなたが持っているMade in Japanを見せてください」と質問。見せてくれた物の製造工程を日本に戻って取材。また、海外の使用者にそれが出来る工程を見てもらったり、海外から日本の職人へ感謝のメッセージを届けるなど1つの物から様々な物語を見ることができる番組の人気シリーズであり30回以上特集された。
刃物などその精巧性に納得のいくものもあれば、我々にはなじみが無いが同じ「プロフェッショナル」だからこそ細かな物までこだわり抜くという気合も伺うことができる。

「日本という名の惑星 パラオ編」
2015年6月4日放送。
この広い地球ではまだまだ「日本」という国を知らなかったり、知っていても「スシ・ニンジャ・ゲイシャ」で止まっているような国も数多い。
そこで各国のテレビ局に「日本を紹介する番組を作ってみませんか?」と呼びかけ、それに応えてくれたテレビクルーを呼び自由に日本を紹介する番組を作ってもらう。自国で放送された際の視聴者の意外な反応も見どころ。
この回ではかつて日本の占領統治下にあり、現在も深い関係があるパラオのテレビクルーが来日。
洋服をかけるハンガーを「衣紋かけ」と呼ぶ、日本のようにお汁粉(パラオはもち米ではなくタピオカ粉)や醤油があるなど様々な面で日本の影響を受けていることにテレビクルーが感動した一方、東京のビル群を「日本の個性」と認めた上で「パラオの自然の美しさを守りたいと思ったら、都市を包むテクノロジーを島に入れてはいけない。」と自然と発展のバランスについて考えさせられる一幕もあった。

フジテレビ系

「日本昔話」
2010年6月27日放送。
今回は「昔々のとある都」を舞台に逃走劇を繰り広げる。エリア内には桃太郎浦島太郎金太郎など昔話の登場人物も存在しており、逃走者に大きく影響することになる。
また、フィギュアスケート界からは浅田真央・浅田舞の姉妹W参戦に加え小塚崇彦、本田武史、野球界からは「板東JAPAN」として板東英二、佐々木主浩、元木大介、卓球界からは四元奈生美と幅広いジャンルのアスリートが参戦した。
意外な人物の意外な戦略、そしてラストの熾烈な戦いなど最後まで見ごたえのある回でもある。

2019年度テレビ部門特別賞受賞。アニメーション作品が特別賞を受賞するのは史上初。
アニメ第1シリーズ放送から50年の節目に放送を開始。50年間で6回目のアニメ化もさることながら、鬼太郎や猫娘の設定、それにとりまく現代社会の変化などはありつつも、妖怪の基本設定はそのまま。
「『社会や時代は変わっても人々が抱えている闇や怖さは普遍的』という事を教えてくれた。」「テレビアニメのあるべき仕事」と絶賛された。
なお、2007年には原作者である水木しげるのドキュメンタリー番組「鬼太郎の見た玉砕」(NHK)が入賞している。

2018年8月15日放送、単発特番3回目。
まだまだ模索中の時でありこの回では和をテイストにした明るいセットで行った回だが、この回から解答席のランプに各参加者のジャンルが書かれるようになったため「その人の人となりが見れる」と評価。
また前半はオールジャンルによる「無差別級」、後半は「平成の日本人」限定で行われた。

  • 全力!脱力タイムズ
「うわぁぁぁーダメだっての巻」
2019年11月29日放送。
キャスターの「アリタ哲平(くりぃむしちゅ~・有田)」が送る報道番組…風のコント番組。コメンテーターとして登場するゲストの俳優・女優と共にツッコミ役の芸人を様々な形で追い込むのが恒例。

この回はアンタッチャブル・柴田英嗣が登場。前半は紹介文やVTRが何に影響を受けているかを当てるクイズで送り、後半はゲストの新木優子が「アンタッチャブルの漫才が見たい」とリクエスト。これまで相方・山崎弘也(ザキヤマ)と称したコウメ太夫やハリウッドザコシショウに翻弄される展開が恒例であり、今回も見た目はザキヤマそっくりな俳優の小手伸也が登場。が、多忙でネタを覚えていなかった小手にアリタが激怒。重い空気の中柴田の先導でもう1回やることに。

  • 有吉弘行の脱法TV
2023年11月13日放送。
当初は「有吉弘行の30日密着(仮)」というドキュメンタリーの予定だったが、CS放送の「有吉ベース」では無茶苦茶出来るのに地上波でのOKとNGがあいまいな事を指摘。その基準を自ら探る番組として作られた。
番組ではフジテレビのコンプライアンス委員会や著作権などに詳しい弁護士がストップをかけた所でカラーバーが流れてVTR終了という形式のもと、「訴えられても勝てる『海賊版ガチャピン』を作る」「乳首を雑な落書きからどんどんリアルにしていったらどのレベルの絵まで映せるのか?」などの検証を行った。
懇談会からは「『厳格』なようで意外と『曖昧』」な「コンプライアンス」について「現在のテレビバラエティのあり方に対するひとつのメッセージ」と称された。

  • 新しいカギ
「学校かくれんぼ 1年間の激闘を総ざらいSP!」
2023年12月2日放送。
ハナコ・霜降り明星・チョコレートプラネット(と丸山礼)が様々な企画に挑む、令和の土8バラエティ*5

土曜移行後はロケに力を入れるようになり、2023年から全国の高校を舞台にカギメンバー+ゲストが隠れ、生徒が制限時間内に見つけ出せるか競う「学校かくれんぼ」の企画を開始。
フジテレビの美術チームがコントで培った技術を発揮し、一見しただけではまず見分けがつかない場所に隠れるのは勿論、回を追う毎にメンバーが建築物や学生・スタッフに擬態、謎解きなど様々なギミックが盛り込まれるようになった。
元々はコロナ禍で学校行事が中止になった学生への思い出づくりを目的に企画されたが、視聴者参加番組の新しい形を作ったことが評価された。
これ以降番組は「キングオブ先生とコント」など全国の学校を舞台にした企画を次々と放送し、2024年の「FNS27時間テレビ」のベース企画に選ばれるほど人気を博すことに。

ちなみに授賞回は1年間のかくれんぼを振り返るもので、いわゆる総集編が受賞する珍しい例でもある。

  • 私のバカせまい史
「いつからボケられなくなった…クイズ番組芸人の苦悩史」
2024年2月1日放送。
バカリズムを研究長に、研究員と呼ばれるタレントが「スケキヨの湖から出る死体の足史」や「大金拾得史」などバカせまい様々な物事を研究して発表する番組。
かつてフジテレビで放送されていた「カノッサの屈辱」や「トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~」の流れを汲む知的探求バラエティである。

この回では以前ゲストだった伊集院光の発言が発端に。昔は「芸人といえばクイズ番組でボケ解答して笑わせる役目」だったのがいつからか「クイズ番組でも真剣に答えなきゃいけない」「ボケ解答すると批判されたり炎上したり」という状態に。なぜそのような状態になってしまったかを研究。さらに多くのクイズ番組に出演した伊集院からの伏字なし爆弾発言も飛び出す盛り上がりを見せた。


その他

  • 伊集院光 日曜日の秘密基地 (TBSラジオ)
2000年10月~2008年3月に放送されていた番組で、2002年度第40回のギャラクシー賞にて担当パーソナリティの伊集院が「ラジオ部門DJ賞」を授賞した。
この番組はその週話題となったニュースや用語を掘り下げたり、視聴者から寄せられた記憶の穴の手かがりを探すといった追求系のコーナーが多い番組で、レギュラーの芸人やゲストと共に深く切り込んでいく伊集院の姿勢が評価される形となった。
が、伊集院光は当時この番組とともに、現在も続く暴れ馬番組「月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力」を担当しており、スペシャルウィークの企画として、翌年行われたギャラクシー賞の授賞式で、壇上でのトークの際に履いておいたおむつへ放尿という暴挙を敢行。
アンタッチャブル・山崎の実況で放送され、壇上トークでの放尿はなんなく成功したものの、続くパーティーで様々な人と歓談している最中も続行した結果、おむつがキャパシティを越えて決壊。会場から逃走せざるをえなくなった。*6
当然の如く各所からお叱りを受け、普通こんな暴挙をすれば総スカンを食らってもおかしくないはずなのだが、2006年2月26日放送に放送された「どこの誰かは知らないけれど、話してみたらスゲー人スペシャル」で、今度は番組としてラジオ部門の大賞を受賞。ギャラクシー賞は懐が深かった。

「さよならむつみ荘スペシャル」
2019年8月31日放送。
「リトルトゥース」で知られる、ストロングスタイルの深夜トーク番組。
この日は4月に結婚し直後に不倫が発覚した春日が下積みの頃から住み続けていた阿佐ヶ谷の安アパート「むつみ荘201号室」を引き払うということで、引越し作業が進んでがらんどうになったむつみ荘から放送した。
20年近くここで過ごした春日本人はもちろんだが、若林にとっても佐藤満春や前田健といった芸人仲間、時には彼女と何度もこの相方の家を訪れ、さらには全く売れていない頃に10席ほどの舞台にして「小声トーク」というトークライブを行い、そこでのやり取りでズレ漫才のきっかけを掴んだ思い出の場所。
春日は「できることなら、毎週ここからやりたい」「ずっと住み続けてほしい、とむつみ荘から言われたことがある」など思い入れの強さを語り、
若林も「小声トーク」の思い出や、引越し中に偶然見つかった「ライオンのごきげんよう」のようなトークサイコロの思い出など、昔話に花が咲いた。
委員からは「本人のみならずリスナーもオードリー第1章の終わりを感じさせる内容で、どこか懐かしさのある深夜放送の本質を感じさせた」と評価された。

なお、この週むつみ荘から放送することは前々から告知されていたが、「深夜の住宅街に人が集まると迷惑になり、最悪の場合放送を止めざるを得なくなってしまうので当日は絶対にむつみ荘に来ないように」と重ねて呼びかけられた。
この甲斐あり土曜の夜の住宅街にリトルトゥースが押しかける事態は避けられ、むつみ荘の外にいたのは警備員1人だけだったという逸話がある。




追記修正はギャラクシー賞に名を残す良番組が生まれた時にお願いします。

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最終更新:2024年11月18日 18:19

*1 出典:https://life.ja-group.jp/recipe/detail?id=8213

*2 ちなみに番組の企画を立ち上げたスタッフはTBSからのオファーで中京テレビを退社しており、番組の移籍についてももちろん承認を得ている。

*3 出演者がシステムに気付いてしまう為。なお鳥居みゆきは最初の撮影の時点で「あの藤井さんがこんなありきたりな大喜利をやるなんて…?」と不審に思っていたとのこと。

*4 2人は「プライベートではこれまで通り親交があったが共演の機会が無かった」と語っている

*5 開始当初から半年間は金曜20時からの放送だった。

*6 この日は灰色のスーツで登壇する予定だったが、家から出発する直前に夫人からアドバイスを受けて黒いスーツで行った結果、バレずに済んだ。