孤独のグルメ

登録日:2009/06/29 Mon 22:09:11
更新日:2025/04/03 Thu 02:05:24
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主人公、井之頭五郎は、食べる。



『孤独のグルメ』とは、久住昌之原作、谷口ジロー作画の漫画作品である。
扶桑社の「月刊PANJA」で1994〜1996年まで連載後、同社の「SPA!」で2008〜2015年まで復活連載されていた。

概要


個人で輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が、あるときは出先で見つけた町の定食屋で、
またあるときは買ってきた総菜や弁当を持ち帰って家で、またあるときは電車や公園のベンチで……と、
とにかく色々なあれこれを食べたり豊かな語彙のモノローグを展開したりといった、庶民的な食事を摂る姿を描いた作品。

話の題材となるのは、一般的な料理漫画のように高級食材や通な食べ方、高級料理店についてではなく、
主人公が立ち寄った大衆食堂とそこの客・店員や街の人々に関する事柄、注文した料理の味やどう食べ進めるか、
そしてそれに想起する思い出などへの中年男性の心理描写で、仲の悪い親子の料理対決や、一口食べただけで過剰なリアクションをとるキャラなどの、派手で華やかな展開はまったくない。

ちなみに、それらの漫画と比較してか、本作に関して、
「グルメじゃないよな、ただおっさんが食ってるだけじゃん」
という的外れな批判を聞くが、『孤独のグルメ』の「グルメ」は食通や珍しい食材好きという意味のグルメではない。
この漫画の「グルメ」とは、食に対する姿勢での拘りを意味するのである。

作中に出てくる店は、名前が変わってはいるがほぼ全て実在する。
しかし連載から時間が経っているため、閉店した店舗や販売終了したメニューもある。
また、板橋の洋食店については店長が横暴で店内で大声を出して店員を叱責するなど、マイナスイメージが強い描写がされている。
そのため店員は「勝手に載せられた」「漫画を見た面白半分の人が来ると固定客の人にちょっと……」とインタビューで答えている。
この作品に限った話ではないが、聖地巡礼の際には迷惑にならないようにするのがマナーである。

マイナーな漫画雑誌に連載された地味な漫画であったが、連載終了から10年も経った2007年頃、ネット上で独特なセリフやシュールさがネタになったことで口コミが広まり、唐突にブレイク。
加えて2012年から放送を開始したテレビドラマで一気に知名度を上げ、今や日本を代表するグルメ漫画の一つとなった。

単行本は1997年に1巻が発売され、2巻はテレビドラマ化後の2015年に刊行。
1巻発売から約18年の期間を経ての刊行となったことが話題となった。

2017年2月11日に作画担当の谷口が逝去。
原作担当の久住はこれを受け「3巻が出ることはありません」とコメントし、単行本は事実上2巻で完結となった。
ちなみに久住曰く「(谷口によって描かれなかった)最後の1話の未発表エピソードが存在する。」とのこと。

イタリア・フランスでも翻訳して発売され、イタリアでは10万部が売れたらしい。
その後、スペイン、ブラジル、台湾、韓国、ドイツでも翻訳版が出版されている。
2015年中には中国、ポーランド、デンマークでも出版された。
なお、本作の影響か、韓国では一人で飲食店に入ることは「知り合いもいない淋しい人」に見られるとして忌避されていたが、本作がヒットして以来そうした傾向は薄れつつあるとか。
さらに、同国の第20代大統領・尹錫悦のお気に入り作品でもあり、韓国での放送回では必ず視聴するという。


登場人物


主人公の井之頭五郎以外は、ほぼ1話限りのゲストキャラクターである。

CV:小山力也(ドラマCD)、堀内賢雄(アニメ)
演:松重豊
個人で輸入雑貨の貿易商を営む、独身の中年男性。具体的な年収は不明だが、富豪のお得意様もいるなど中々稼いでいると思われる。
家族関係はほとんど不明だが、父親が他界していること、出戻った姉とその息子である「太(ふとし)」という名前の甥がいることなどが語られている。
喫煙者で食事の後に一服する様子がたびたび描かれている。酒に関しては一滴も飲めない下戸だが、酒のツマミは好き。
作者によれば「弱点があるキャラの方が親しみを持ってもらえる」というのが下戸にした理由で、
さらに料理+酒を描くと限られている漫画のページ数が圧迫されてしまうからとのこと。

基本的に寡黙で、傍から見る分には落ち着いた男性に見えるが、モノローグでは割と饒舌かつ神経質。
「腹もペコちゃんだし 夜食でも食ってひと息つくか」など、唐突にユーモラスな独り言を洩らしたりもする。
ドラマ版では、空腹を意識すると商談(仕事)中でも食事(店探し)に意識が向いてしまう傾向もあり、
さっさと仕事に片を付けてそそくさと店探しに向かい、商談(仕事)相手を呆気に取らせることもしばしば。

「男は基本的に身体一つでいたい」という考えを持っており、一人を好む性格。個人で商いをしているのもおそらくそのため。
所帯や店を持つことについては「守るものが増えると人生が重たくなる」として敬遠しているが、
店に関しては趣味のショールーム程度のものなら開いても良いと考えている他、
結婚をする気は上述の通りあまりないようだが、過去に女性との交際経験はあり、
女優をしている小雪(さゆき)という女性の他数人と付き合っていたが、いずれも別れた様子。

五郎にとって食事とは、他人に構わず、社会や時間に捕らわれず、ほんの一時自分勝手になって幸福に空腹を満たすことであり、癒しでもある。
そのため、例えば客の目の前で外国人アルバイトをいびる店長の店に入った回では、
最初こそ提供されたメニューを黙々と食べていたが、店長がバイトいびりを行う度に眉を顰めるなど、不快そうな表情になっていき、
(ランチタイムギリギリで入店した)自分の前からいた店内の客がほとんどはけた時についに堪忍袋の緒が切れ、
お代をバンと机に叩きつけて立ち上がるや、客がいてもおかまいなしに(体罰込みで)アルバイトをいびることを批難し、
食が進まなかった影響で料理がほとんど減っていない自分の皿を見せて「空腹だったはずなのに食事が少ししか喉を通らなかった」と抗議。
さらに、喧嘩腰で応じてきた店長から「金なんかいらないから出ていけ」と宣告され、追い出されそうになると、
自分を突き飛ばそうとする店長の腕を流れるような動作で抱え込み、アームロックを仕掛けて悲鳴を上げさせるなど、
「メシがまずくなる」ような行為をされると普段の姿からは想像できないほどアグレッシブになる。*1

また、アームロックをかけるほどにならなくとも、食事となると、
  • メニューの食材がかぶることを激しく嫌う
  • 関西的なノリは苦手*2
  • 和菓子に目がない
  • ご飯が合う料理があるのにご飯がメニューにないと「残酷だ」とまで思うほどのご飯党
などなど、並々ならぬこだわりを持ち、それに反する状況になると凹んでしまう。

他にも、「これが食べたい」と思って入ったのに肝心のそのメニューが提供終了していたり、
行こうと思っていた店が閉店していたために楽しみにしていたメニューも当然食べられずに哀愁を感じたりするなど、
毎回目当てのものにありつけるわけではなく、アクシデントやトラブルに見舞われることもしばしば。

しかしその割に、「ブタ肉がメインのおかずを頼んでおいて豚汁も注文し、結果的に自分で食材をかぶらせる」など、うっかりも多い。
さらに腹具合の計算も苦手で、空腹時に調子に乗ってあれこれ頼みすぎてしまい、かなりの確率で「食べ過ぎた」と後悔する。

一方で、上述した彼なりの「拘り」に合わなかったり、期待したメニューと若干違う料理を出されてしまったとしても、
それを理由に席を立ったり、(満腹になる等、物理的にもう食べられない以外の理由で)出された料理を残したりすることはなく、
「もう席に着いた(注文した)のだから仕方ない」とばかりに、気分を切り替えて出された料理を味わう柔軟性も持ち合わせている。

普段着はほとんど背広姿で、自分の部屋でもネクタイすら外さない。
Tシャツにジーンズというラフな格好もするが、シャツの裾はジーンズに入れる。
高校生の頃まで古武道の師範であった祖父に鍛えられていた為、意外に服の下は筋肉質。
関節技もその時の修行の成果である。

また、仕事をしている姿は描かれる一方で私生活はほとんど不明であり、
夜遅くまで事務作業をしていた五郎が徹夜を覚悟し、気分転換も兼ねて夜食を買いに行く回はあるが、
この事務作業をしていたマンションの一室も、五郎の自宅兼事務所なのか、
それともそこは仕事場として借りた部屋で、自宅は別にあるのかは不明。


特徴的なセリフ

連載版と単行本でかなりセリフが変わっているものも多く、
ネットでネタにされるセリフの多くは単行本でのセリフになる。

「持ち帰り!そういうのもあるのか」(定食屋で持ち帰りを注文する客を見て)

「焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ」(昼食を取る店が決まらず、商店街をうろうろしながら)

「早くご飯来ないかなぁ 焼肉といったら白い飯だろうが」(焼肉屋で)

うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ」(同上)

「やっぱりこういうとこで食う物に文句言っちゃいけないぜ」(観光客向けの食堂で)

「このワザとらしいメロン味!」(チェリオのメロン味を飲んだ後)

「うわあ なんだか凄いことになっちゃったぞ」(コンビニで買った総額2000円以上の夜食をデスクに並べて)

「ソースの味って男のコだよな」(カツサンドを食べながら)

「いくつになってもケチャップ味に弱い俺…」(ナポリタンスパゲティを食べながら)

「こういうのでいいんだよ こういうので」(運ばれてきたハンバーグランチを眺めながら)

「モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず自由で なんというか 救われてなきゃあダメなんだ 独りで静かで豊かで……」(客前でも平気でアルバイトをいびる店長に)

「俺ってつくづく酒の飲めない日本人だな……」(餃子と焼きそばを食べながら、何度も白いご飯が欲しいと思う自分を省みて)

「なにも名物にとらわれなくてもいいじゃないか おいしけりゃそれで」(期待した名物とは少し違う料理を出されたが、どれも美味しい、満足のいく食事を終えた後に)

「人生には…大嫌いなものを黙って食べなきゃならない時もある」
「だけど 食うのは自分で決めること 他人にその自由を奪う権利はない」(嫌がる下戸の部下に無理矢理日本酒を呑ませる上司に)

「俺は並んで食べるのが嫌いというより 食べている時後ろで誰かが待っているという状態が嫌なんだ」(五郎が、ラーメンなどは昼下がりのガランとした店で食べたいと思う理由)

「さて、明日は浅草だ。何を食べよう?」


この他にも特徴的な台詞は多々あり、中年男性がそんなことを言ったり思っているというシュールさもあってか、インターネットなどでネタにされやすい。
「本編は知らないがこの台詞やこのおじさん(五郎)は知ってる」という人も多いのではないだろうか。
なお、『台詞』と書いたものの、五郎が食事中に独り言を口にすることは基本的になく*3、上記の台詞は基本的に心の中で思っているだけ
周囲の人から見れば五郎は(表情こそ変わるものの)黙々と食事をしているおじさんであり、
グルメ漫画に対してありがちな「いいから黙って食え!」というツッコミが成立しない珍しい主人公だったりする。


メディアミックス


ドラマCD
2009年9月26日発売。
1、4、5、16、3、12話の順番で収録され、そこにボーナストラックが追加される。
ボーナストラックは1話を『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアーのノリで語るバージョン。
ジャケットは谷口ジローの書き下ろし。
アニメ
スマートフォン向け配信アプリケーション「タテアニメ」で2017年11月29日より配信開始。同アプリの終了後は「アニメBeans」で配信されている。
内容は大体原作に沿っているが、一部でシーンカットがなされ、料理の詳細な説明が省かれている。
五郎のCVは堀内賢雄、アニメの監督は黄瀬和哉が担当している。
小説
2019年10月4日に『小説 孤独のグルメ 望郷編』のタイトルで発売された。
著者は原作漫画の初段担当編集者であった壹岐真也。

実写ドラマ版


時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき

束の間、彼は自分勝手になり、自由になる

誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為

この行為こそが、現代人に平等に与えられた最高の癒しといえるのである


2012年からテレビ東京系の「ドラマ24」枠にて放送を開始。

当時はマイナー扱いされていた原作に加え、おじさんが一人で食べるだけのドラマが果たしてウケるのか?と思われていたが、放映されてみれば評判は上々で、
視聴率こそ放映時間の関係で(絶対的な数字自体は)大したことは無いが*4、録画率は『半沢直樹』に次いで2位となるほど。
深夜ドラマで料理を流すという構成から「夜食テロ」という言葉を一般化させた番組であり、
2023年までに連続ドラマが10シーズン、2017年からは毎年大晦日特番として新作が放送されるなど、今やテレビ東京を代表する番組の一つとなった。
そのため「鈴木先生」や「釣りバカ日誌」などテレビ東京の他ドラマともコラボをしており、両作の主役がカメオ出演している。

深夜ドラマであるが過激な描写は勿論ないため、地上波・BS・CSと電波を問わず頻繁に再放送が行われており、
特に地上波では元日の特番や平日夕方の帯など経費削減を兼ねて変わった時間帯での再放送が多い。

五郎役に選ばれたのは松重豊氏。
キャスティング発表時は『似てない』というある種もっともな理由で否定的意見も多かったが、
第1話放送後、その見事な食いっぷりと確かな演技力により『全然似ていないのに間違いなくゴローちゃん』と、原作ファンの視聴者からも好評を得た。
この番組が松重氏にとって初の主演作であり、それ以前はその強面な風貌からヤクザかマル暴の刑事(=ヤクザ顔)ばかりやっていたのだが、
放送後は映画やドラマ、CM(心なしか何か食べているシーンが多い)への出演が急増するなど当たり役となった。
そもそもゴローちゃん役への抜擢の理由がドラマ「深夜食堂」のよく食べるヤクザ・剣崎竜役であったりする。

ちなみにもっと早くからドラマ化の話があったが、その時のゴローちゃんのキャスティングは長嶋一茂氏になる予定だったらしく、
原作者である久住氏は「長嶋さんは嫌いではありませんが、ちょっと」と丁重にお断りしたという。
また、放送局についても最初はフジテレビに企画を持って行ったが、「おっさんが飯食うだけのドラマなんていらないよ」と却下されたため、テレビ東京に話が持ち込まれたという。

業界内でも好評で、出演を熱望している役者も多いとか。
なお、基本的にドラマでゴローちゃんが訪れる店の店員・店主役は俳優が務めているのだが、ご本人が本人役で出演することも稀にある。
ドラマに出てきた店舗へ「聖地巡礼」するファンも多く、放映からしばらくはお店が大混雑し、店員が捌ききれなくなるほど繁盛したという話も。
主演の松重氏も、「混雑するからロケに行った店に家族を連れていけない」とぼやいている。

ゴローちゃんが一人で物を食べるだけ、という大筋こそ変わらないが、ドラマ版では独自の要素や改変もある。
  • 実在の店舗を使うためか、原作にあったいわゆるハズレ回が存在しない。お目当ての品を食い逃すことも滅多に無い*5
  • season2以降は放映時間が30分から45分(season5以降は40分)に延びたため、ゴローちゃんの仕事シーンやおやつを食べるシーンが増量されている。
    が、season4以降は減少傾向にある。これは演じる松重氏の体調を考慮しての物。
  • ゴローちゃんの性格が原作に比べて柔和になっており、シニカルさが減少している。また、演者に合わせてか原作よりも歳を取っていると思わせる言動が多い。
    ドラマ本編内で原作版のエピソードについて触れる事があることから、ドラマ版は原作よりも数年後の世界を描いていることがわかる。
  • 上述のナレーションと共に、原作のコマを利用したOPムービー(seasonごとに異なる)が流れる。
    ナレーターはseason1~season4が柏木厚志氏*6、season5以降は野田圭一氏。
    なおどちらのナレーション担当も、本編に顔出し出演したことがある。
  • 終了時に「ゴロー♪ ゴロー♪ イ・ノ・ガシラ・フゥ〜!」と言ったエンディング(曲名:「五郎の12PM」)エンドロールと共に流れる。
    オープニングはseason毎に変わるが、エンディングは全season共通で歌詞が特徴的な為、嫌でも記憶に残る。
  • ドラマのシナリオは全てオリジナルの一話完結型。
    しかし、たまに過去のエピソードについて触れられる事があったり、原作のシーンや台詞が断片的に再現されることも(アームロック、「うおォン」等)。
    ちなみに、各seasonにおいて焼肉を食べる回が必ず一回はある。

主演を務める松重氏は食が細く、酒好きで甘いものが苦手、さらに禁煙者と演じる役柄とは正反対であり、
あの食事を旨そうに食べるシーンも、撮影に際してはなるべく一発撮りになるよう苦労しているとの事。
料理の映像を取るために、出された料理をしばらく食べられないこともあるらしく、
メイキングで「このまま食うなってのか!」とおどけた調子で松重氏がスタッフと笑う映像もあった。
また、酒好きであることから収録中に「酒が呑みたい」と思いながら食べていることもあるそうで、
ミニコーナーで酒を呑みながら料理を堪能する久住氏に(羨ましさのあまり)はらわたが煮えくり返る思いをしたこともあるとか。
「朝一で焼肉を大量に食べる」など非常に辛い収録になることもしばしばで、松重氏は当初ゴローちゃんを演じるようになってから太るどころか痩せたらしい。
seasonを重ねるにつれ、実際に食べる量をできる限り少なくするなどの配慮もされてきている他、
松重氏も自身の健康への配慮もあって、五郎のように酒を呑まなくなり、甘いものも嗜むようになったという。
なお、松重氏はseason3で降板するつもりだったそうだが、年配の方に「次はいつ(孤独のグルメを)やるの?」とよく聞かれたことで続投を決めたらしい。

その他、松重氏は「このドラマに出ることで俳優人生に傷が付くと思った」等、このドラマに関してはネガティブな発言を繰り返しており、
「『孤独のグルメ』(ドラマ版)の最大のアンチは主演俳優」とネタにされている。
作品愛などはしっかりあるようで、一部ドラマや劇場版では企画持ち込みや監督など、俳優以外の形でもかかわっている。
ちなみに劇場版は「興行収入10億行かなかったらシリーズ終了」とネタにしていたが、2025年3月5日に無事10億を達成し続編制作が(半ば)決定した。
こちらも「多分一番大ヒットを苦々しく思っているのは主演俳優(監督)」とネタにされた。

また、番組の後半は原作者の久住昌之氏がその店を訪れる「ふらっとQUSUMI」というミニコーナーが存在する。(ナレーション:植草朋樹)
このコーナーは麦ジュース酒が解禁されるのでそちらにも話題が及ぶ。
むしろ、店によっては飲みっぷりの方がメインになると言ってもいい。朝の収録だろうとお構い無しに飲む。
あまりの飲みっぷりが評判になったのか、久住氏が何も言わなくともお酒を出されたり、オススメの飲み方を紹介されることもあり、
久住氏はもちろんありがたくいただいているが、最後まで酒を飲まなかった回も一応ある。
ゴールデンサイダーやら井戸水やらぶどうジュースやら、言い換えのボキャブラリーが無駄に豊富で腹筋に来る。
もちろん料理も美味しくいただいており、舌鼓を打ちながら飲み食いする久住氏はゴローちゃん同様に飯テロ。
むしろ本編ではあまり出ない、酒に合うツマミなども紹介されるため、ドラマ本編でゴローちゃんが酒を飲めないことも手伝って、飲兵衛にとっては本編以上の威力。
なお、店の紹介も兼ねているためか、久住氏は基本的にドラマでゴローちゃんが食べたメニュー以外のものを注文している。
久住氏はドラマ本編にも毎season最終話にカメオ出演するのが恒例となっており、しれっと出てくる姿は毎回ファンを笑わせている。ちなみに出演パターンは以下の通り。

season1:五郎が入った店の先客。
season2:立ち食い蕎麦屋の客。
season3:五郎退店時に来て彼に席を譲ってもらった客。
season4:五郎退店時に入って来た客。
season5:不動産の物件を探しに来た客。
season6:酔っ払って介抱される男性。
season7:クラブで演奏する「The Screen Tones」*7メンバー。
season8:カウンターで飲んでいる客。
season9:橋を背に使い捨てカメラで写真を撮る人(マスク姿)。
Season10:水産市場の食堂で寿司とビールを飲む客。


前述した年末特番では2017年12月31日の瀬戸内出張編が最初となる。この回はシリーズ最長の90分に加えてラストの10分は生放送パートとして放送がなされた。
その影響か今回は「ふらっとQUSUMI」はカットされたが、久住氏はナレーションの植草朋樹と共に最初の番組説明パートとラストのプレゼント紹介パートで、
特に後者は年越し蕎麦を食べている五郎のすぐ後ろに登場するなど、出演自体はしていた。
翌年の2018年12月31日も年末特番として京都・名古屋出張編が同等の形式で、生放送パートを冒頭にも加えた上で放送された。
2019年12月31日には福岡・釜山出張編が放送された。松重は福岡県出身なので、彼にとってはある意味里帰りロケとも言える。
2020年12月31日には冒頭・結末を生放送パートで放送。なお、結末については天候に備えて事前録画バージョンも用意されていた。
2021-22年も大晦日SPが組まれたが、こちらは全編事前収録となった。

そして2024年7月、なんと劇場版の製作が発表され、2025年1月10日公開が発表された。
2024年10月からはテレビ東京開局60周年記念番組として、シーズン11「それぞれの孤独のグルメ」の放送が開始。
「それぞれの」と頭についているように、こちらでは主役ではなく準主役として毎回登場する五郎と、
多彩な俳優が演じる一話限りの主人公が、各々の「孤独のグルメ」を堪能する様子が描かれる。
ちなみにこの2作については松重氏が企画から関与し、映画版は脚本・監督も担当している。

ドラマ版エピソード一覧


season1(無印)
(2012年1月5日〜3月22日)


season2
(2012年10月10日〜12月26日)


season3
(2013年7月10日〜9月25日)


season4
(2014年7月9日〜9月24日)


season5
(2015年10月3日〜12月19日)


season6
(2017年4月8日〜7月1日)


season7
(2018年4月7日〜6月30日)


season8
(2019年10月4日〜12月20日)


season9
(2021年7月9日〜9月24日)


season10
(2022年10月8日〜12月24日)

スペシャル版


余談

台湾でもドラマ化されており、主演はウィンストン・チャオ。原作のゴローちゃんに近い風貌で、台湾のファンには「似てる」と絶賛されている。
日本の実写ドラマの台湾スペシャルでは、ウィンストンが後編にてまさかの出演。
二人のゴローちゃんが一堂に会し、それも会話を交わすというサプライズに、ファンからは喜びの声が上がっていた。

大阪教育大学映画研究会(ライパチフィルム)によってドラマが作られている。
内容は何だか……良くも悪くもカオス。
気になる人はYouTube等で見てみるといい。

Amazonで単行本を購入する際は、何故か森薫の「シャーリー」も購入するように薦められる。
これは某所で二作のコラ漫画が人気だったためである、予想外に感動的な話なので興味ある方は検索してみてもいいかもしれない。

某サークルからは『混沌(カオス)のグルメ』という二次創作の同人誌が発行されている。
内容は、五郎が様々な漫画・アニメの世界の定食屋を食べ歩くというもので、
異星だろうがファンタジー世界だろうが、マイペースで飯屋を探し回る五郎の姿は非常にシュール。



追記・修正というのはね 誰にも邪魔されず 自由で なんというか オナニー項目じゃなきゃダメなんだ

独りで静かで豊かで……

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最終更新:2025年04月03日 02:05

*1 ただし、ランチタイムの看板を仕舞うのを忘れる、泡の付いたコップで客に水を出すなど、一部のいびりを除いてアルバイト側にも注意されるだけの落ち度があったことも事実であり、その話は五郎がカッとなってしまったことを後悔するようなモノローグでラストが締めくくられている。

*2 ちなみに、ドラマCD版で五郎を演じた小山力也氏は関西(京都市)出身である。

*3 周囲に他の客がいなかったりすると声に出す時もあるが

*4 もちろん時間帯を考慮した視聴率で考えるといい数字である。

*5 season3の最終話や、season6の10話でお目当ての品を食べ損ねている描写はあるので、ゼロではない。

*6 役者の傍らテレビショッピングなどの実演販売人としても活躍していたが、2014年11月3日に45歳の若さで急逝。

*7 久住昌之を中心に作中のBGMを制作する5人組のグループ。他の4人も一緒に出ている。

*8 最終話のみ、「The Screen Tones」が演奏するジャズ風アレンジが流れた。

*9 原作2巻の鳥取回再現も兼ねている

*10 season4の特別編。