ガイアデルム

登録日:2022/11/02 Wed 19:05:00
更新日:2024/10/13 Sun 00:19:07
所要時間:約 8 分で読めます





彷徨える焔よ…還るべき場所を見つけたか



WARNING!!

この項目にはモンスターハンターライズ:サンブレイクの重大なネタバレが含まれています!











































深きものに その報せはもたらされよう

機は満ちたりと

深きものは吉兆に応えよう 集え 我の元へと

供されし命を喰らい 脅威は凄まじさを増して

ついにその威容を顕現するであろう


深淵から迫る絶望________
 冥淵龍 ガイアデルム 


モンスターハンター』シリーズに登場するモンスターの一種。
初登場は『モンスターハンターライズ:サンブレイク』。

◆概要

種族 :古龍種
別名 :冥淵龍(めいえんりゅう)
危険度:⭐︎10

本作におけるラスボス。
エルガド本国においておとぎ話として語られていた「深淵の悪魔」の正体にして、これまでメル・ゼナと共生していた噛生虫キュリアの真の宿主。
マガラ系統のモンスターを巨大化させたような姿だが、口は花弁のような形状となっており、翼脚は皮膜を持たずもう一対の腕として発達している。この翼脚は地中を掘り進むために発達したものであり、エルガドの脇に空いた大穴「サン」は巣作りのために空けたものである。
キュリアとは共生関係にあたり、地上のモンスターたちの養分を奪い取ってきたキュリアを吸い込んで捕食することで自らの糧としており、こうして得た養分は結晶化してガイアデルムの身体中に張り付いている。
これまでメル・ゼナの仕業とされていた大穴の発生やキュリアによるモンスターの死滅・凶暴化の全ての元凶であり、むしろメル・ゼナは嗾けられたキュリアを自分のものにしつつ縄張りに入り込んだガイアデルムを排除せんとしていたのが真相であった。

「猛き炎」によりメル・ゼナが討伐された後は、漸く邪魔者がいなくなったとばかりに城塞高地中の生物の生命を全てキュリアに吸い尽くさせ、遂に地上へ出現。これを予期してガレアス達によって作られた決戦型撃龍船から放たれた撃龍槍により地の底に叩き落すことは成功したもののまだ生存していることは明らかであり、抑止力となっていたメル・ゼナもいなくなった以上再び這い上がってくることは時間の問題であった。
今度こそ深淵の悪魔を打ち倒すべく「猛き炎」はフィオレーネと共にガイアデルムの落ちた「淵劫の奈落」へ向かうのだった。

◆クエスト『勇気の証明』

マスターランク M★★★★★★ 緊急クエスト
討伐クエスト
勇気の証明
目的地 メインターゲット 報酬金 32760z
淵劫の奈落 ガイアデルムの討伐
制限時間 受注・参加条件
50分 MR6以上
クリア後再受注不可
依頼主 提督ガレアス
……貴殿は大穴に潜入し、冥淵龍ガイアデルムと接触。
これを討伐してもらいたい。これは王国のみならず、
近隣諸国の命運も賭けた作戦である…。
我々も貴殿とともにこの災厄に立ち向かう。
カムラより来たる英雄よ、頼んだぞ…!

狩猟場所は決戦場フィールドの「淵劫の奈落」。
全部で三形態に分かれており、一部攻撃には爆破属性が付与される。
肉質は頭部と翼脚が柔らかく、弱点属性は例によって竜属性。次点で雷属性が有効だが、水と氷属性は無効となる。
破壊可能部位は両翼脚(結晶)、頭部、角、尻尾の計5ヶ所。第一形態では結晶の剥離のみだが、各部位へのダメージは蓄積されるため、事前に集中攻撃を加えていれば第二形態以降で簡単に部位破壊が可能。

第一形態

全身に結晶化したエネルギーが纏わりついた姿。
自慢の翼脚で叩きつける・薙ぎ払うといった行動がメインだが、定期的にこちらを吸い込んで正面に発生したエネルギーごと叩き潰して大爆発を起こす大技を仕掛けてくる。吸い込み前にジャンプの衝撃で岩が隆起するのでその陰に隠れてやり過ごそう。
ダメージを与える度に結晶のカケラが身体から剝がれ落ち、十分な量のカケラを落としていれば吸い込みの際に爆発を起こしてダウンをとることができる。特に両翼脚の結晶を部位破壊すればより多くのカケラを落とせるので積極的に狙いたいところ。戦闘開始から一定時間が経つと解放される連装式撃龍槍でもダウンをとれるため、エリア左にある信号弾を発射して撃ってもらおう。
ある程度ダメージを与えるとムービーが挿入され、撃ち込まれた三番撃龍槍が直撃。さらに奥へ落ちたガイアデルムとそれを追いかけるキュリアを追って翔蟲でこちらも後を追っていく。

第二形態

キュリアをさらに吸収し、身体中の結晶が燃え上がった姿に変化。
攻撃に爆発するビームブレス・吸い込みからの叩き付けや薙ぎ払い・エネルギー弾を空から降らせる攻撃に加え、さらに大技として上空のキュリア目指して壁をよじ登る行動が追加。
投下されたバリスタを使って頂上にあるキュリアの群れまでガイアデルムが到達する前に背面のエネルギー塊3つを全て壊せば引きずりおろしてダウンをとれるが、揺れるように動くため照準を合わせにくい上にこちらをホーミングするキュリア弾を飛ばしてくるため、全て破壊するのは結構難しい。頂上まで到達したガイアデルムは広範囲にビームブレスを吐き、凄まじい爆発を起こす。喰らったらほぼ確実にBC送りになるため、翼のエフェクトが現れたらすぐに逃げる準備を。

緊急クエストでは3回目の発動時にバリスタの補給が間に合わず、逃げるしかない……と思われたが、なんとフィオレーネが翔蟲を使って高く飛び上がり、一撃でガイアデルムのエネルギー塊を全て破壊して引きずりおろす!
クリア後の通常クエストではフィオレーネが同行しないため、初回だけの特別演出である*1

第三形態

全身が更に激しく燃え上がり、周囲の景色も真っ赤に染まると更におぞましい形相に変化。BGMも『英雄の証:Sunbreak.ver』に変化する。
お馴染みの演出に否応なくテンションが上がる……が、ガイアデルムの方も本気になりより攻撃に苛烈さを増すため、体力があと少しだと思って無暗に突っ込めばあっという間に返り討ちにあってしまう。
歩いた跡に爆発するエネルギーを残す、片方の翼脚を突き出して勢いよく突進する攻撃が追加され、既存の攻撃も爆発が伴うとさらに苛烈な行動パターンとなるため、はやる気持ちを抑えつつ冷静に立ち回ろう。

見事体力を削り切れば今度こそガイアデルムは倒れ、周囲の景色は元に戻る。宿主を失ったキュリアも次々と死滅していくが、そんな中で1匹のキュリアが空に向かって勢いよく飛び去っていく。

「消えては…結び…

還るべきはいずこ

王国に伝わる詩だ。

まるで…このことを予見していたかのような…」


こうして生き残ったキュリアは後に「傀異化」と呼ばれる新たな脅威を引き起こすこととなる。

◆装備

◆武器

「冥淵龍派生」が該当。いずれもガイアデルムの角をベースに加工したためか全体的に捻じれていたり刺々しかったりとなかなかの異形揃いである。
性能としては高い攻撃力と素で80に匠延長も可能という長大な紫ゲージ、そして百竜スロットレベル3が持ち味。
代わりにマイナス会心と低い龍属性値、通常スロット無しという欠点を持つ。
全ての武器が生産時点で最終段階となるが、いずれも最高レア素材の「奈落の龍神玉」を必要とするのがネック。

◆防具

「冥淵纏鎧シリーズ」が該当。男女共に露出がほぼなく、鈍い金をベースに各所から水色の光が漏れ出ている異形の鎧となっている。また、防具では珍しく各部位毎に固有の名前を持つ。
一式で揃えた場合は弱点特攻と連撃がレベル3、逆恨みがレベル5となかなか優秀だが、特筆すべきはスキル「伏魔響命」。なんとハンターにどこからともなくやって来たキュリアが最大3匹纏わりつく。
この状態になると体力が徐々に減らされてしまうのと引き換えに攻撃性能が上昇し、纏わりついたキュリアの数に応じて疾替えの書【朱】使用時は属性値と状態異常蓄積値が、
疾替えの書【蒼】使用時は攻撃力と気絶威力上昇の恩恵を受けられるのである(つまりハンター版傀異化といえる)。
なお、疾替えを行うと纏わりついたキュリアの数に応じて体力が回復するが、キュリアが1匹になってしまうため、最大限活用しようとすると実質疾替え(と疾替えをキーとするスキル)が封印される。
このように非常にピーキーなスキルだが、特に属性値の上昇は本作での武器の属性値大幅上昇による需要増加とマッチしており、TAでは頻繫に見られる。砂原でに小突かれてあえなくキャンプに戻される光景も頻繁に見られる。

◆余談

モチーフは不明瞭だが、冥淵龍の堕翼爪に「かつて天を駆けた面影はない」と書かれてる点等から、堕天使とする見方が強い。
名前の由来も「ガイア」の部分は大地母神ガイアとみて間違いないだろうが、「デルム」の部分は諸説あり公式発表が待たれる。
ガランゴルムと名前が似てて紛らわしいという声もある

ストーリームービーで3本、クエスト中も1本以上は確実に撃龍槍をくらっており、最古参のラオシャンロンなどを差し置いて最も撃龍槍を受けたモンスターと呼ばれることも。

なお、『勇気の証明』は初回限定クエストで、クリア後は『悪魔の再来』というクエストに置き換わる。
マスターランク M★★★★★★
討伐クエスト
悪魔の再来
目的地 メインターゲット 報酬金 32760z
淵劫の奈落 ガイアデルムの討伐
制限時間 受注・参加条件
50分 MR6以上
依頼主 王国騎士フィオレーネ
バハリからの急報だ。
「穴の底にて、冥淵龍を確認」
…またしてもヤツめが、王国を喰らおうと現れた
ようだな。
この討伐を任せられるのは、貴殿をおいて他には
いない。…頼んだぞ、【ハンター】。
このクエストの依頼文は、MHRiseではたまにある文中に各々のハンター名に置換される箇所(上記文中の【ハンター】の部分)を持つ文章になっている。
しかし、論点は既にガイアデルムを討伐した前提の話になっていることであり、「またしても」という語まである。
つまりガイアデルムは普通に2体以上いるらしい



曲がりなりにもMHR:Sのラスボスで、実力も深淵から迫る絶望に相応しい強敵なのだが、ゲーム内ではフィオレーネらに「キュリアに頼って身を潜めていた臆病者」と痛烈な罵声を浴びせられ、
次々と判明していくラスボスとは思えない設定面の不遇さ公式の扱いの恵まれなさ影の薄さ故にプレイヤー達からはラスボス(笑)扱いされている




…総括して、いくらなんでも酷すぎる扱いであると言わざるを得ない。
メル・ゼナはのちにキュリアに寄生されていない強化個体が追加され、ストーリーを締めくくる存在として登場しているのに対し、ガイアデルムにはガチのマジでなんのフォーカスも当てられなかったあたり、「メル・ゼナのかませ」あるいは「引き立て役」として生み出されたと言われても仕方のない描かれ方をされている。

臆病者だのなんだのと散々言われっぱなしなガイアデルムだが、勝てないと悟った相手から即座に撤退するという行動は生物としてなんら不自然でも無い行動であり、
結果的には失敗したものの、刺客を送り込んで弱体化を図り、自身はその間に療養に努めるという狡猾さはむしろ評価できる点であると言える。

「キュリアに頼らないと何もできない奴」とも表現されているものの、反対にキュリアにとってもガイアデルムは無くてはならない存在であり、お互いに共利共生の関係をとっている。
自然界を生き抜くために他種との間で効率の良い選択をしているだけに過ぎず、現実の生物においても似たような生態を持つ種などいくらでもいる*4
かなり露悪的な表現をされているが、別にキュリアの陰に隠れてイキがってるわけでは当然無い。


モンスターハンターにおいて「モンスター」とは、「ある時は脅威となり、ある時は恵みをも齎す大自然の化身」として、ある種の畏敬の念すら与えられる存在というコンセプトで描かれているのが他の狩りゲーとは異なる点であり、
これまでのシリーズ内でも度々念を押すように語られてきた内容なのだが、
そこに反しガイアデルムは、作中のどのキャラクター(主にフィオレーネ)からも徹底的に「悪・滅ぼされるべき敵・小物」として語られている。
これはモンハンのモンスターとしてはある意味かなり珍しい。

大体ガイアデルムからすれば食事をしようと穴を開けたところにたまたま人間(とメル・ゼナ)が大量にいたというだけで、別に積極的に人間を滅ぼしてやろうとかの意思があったわけではもちろん無い。
そもそもキュリアは人間からは生気を吸い取れないという致命的な欠点があるため、人間を襲ってガイアデルムにメリットなど全く無いのである。


ただし、悪意はなかったとは言え恨みを買ってしまった点は、人間からすれば正当な理由である。
エルガドの人々はかつてガイアデルムに故郷を滅ぼされてしまった壮絶な過去があり、激しい憎悪を向けるのも当然と言えば当然な話である。
上述のような様々な中傷を言いたくなるのも仕方ない面もある。

ではあるが、作中でガイアデルム側に立った発言をしたキャラクター*5はエルガド外の人物含め最後まで一人も現れなかった、というのがまたなんとも言えない。
ガイアデルム関係なく人間側の絶対的な脅威だったはずのメル・ゼナに対しては割と柔らかい(むしろ敬意すら抱いている)反応のキャラが大半だったのもそれに拍車をかけている。

…というより、ライズシリーズが終了を迎えた現在においても、生みの親であるはずの開発から最後まで1ミリのフォローもされず、あまつさえ株を落とし続けられたというのが、ガイアデルムにとって一番の絶望だったのかもしれない。






追記・修正は撃龍槍が沢山突き刺さったらお願いします。

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最終更新:2024年10月13日 00:19

*1 他プレイヤーの緊急クエストに参加する場合は再度見ることもできる。

*2 本作から入ったプレイヤー目線だと「ロクに何もしてない癖に何言ってんだこいつ」となるかもしれないが、実は過去のシリーズに遡ると、相方ともども世界観的に大ベテランのハンターである。その後の傀異化絡みのコメントといい、なかなか鋭い考察を働かせていたことがうかがえる。

*3 そもそもメル・ゼナと他の古龍達とで危険度に差はないので傀異克服とか関係なく普通に縄張りから叩き出される可能性も有り得ないとは言えない。

*4 生命に関わるほどでは無いが、雷光虫とジンオウガ、粘菌とブラキディオスの関係もそう。

*5 MH4のシャガルマガラ、MHWのムフェト・ジーヴァもまた人間にとって最悪の存在だったが、「悪」として断じたキャラは一人もいなかった。