木場真一(高校鉄拳伝タフ)

登録日:2022/12/07 Wed 23:18:09
更新日:2022/12/10 Sat 02:55:23
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オレを殺してくれっ

殺される覚悟があるから殺すことができるんだ



木場真一は世界中で人気の漫画『高校鉄拳伝タフ』の登場人物。




【人物】

伝説のプロレスラー アイアン木場の隠し子。顔も体格も若い頃の父とそっくりであり、すれ違った通行人が木場本人だと間違えるほど。

父からは“憎しみ”だけを植え付けられたとのことで、もう少し長生きしていれば自分が殺せたと豪語するほどに憎んでいる。
憎しみを育てるように仕向けたのはカズ富士田なんやけどなブヘヘヘ
父に対する執着は異常なものであり、ある種のファザコンと考えられる。

後述する悲しい過去のせいで歪んでしまったのか、命を軽視している傾向が見られる。特に自分の命への関心は自殺願望があると言えるほどに軽薄であり、闘いの中で殺されることを望んでいる模様。

登場したのがアイアン木場の死後に開催されたT・D・Kだったこともあり、死去した父や猿空間にいる異母兄弟の活一郎との直接的な絡みは劇中では無かった。


【戦闘力】

父と同様に体格と才能に恵まれ、過酷なトレーニングによって一級品の戦闘能力を身に付けている。
闘えば殺されるとライオンに本能で察知させるほどの気迫と、そのままライオンが反撃に転じる間もなくフロント・チョークで絞め殺すほどの腕力を持つ。
この腕力でパンチを放てば、殴られた対象がコンクリートの壁にめり込むほどの威力を発揮する。

パワーだけでなく、ロー・キックの軌道から不意にハイ・キックの軌道に変化する変形型キックや、キー坊の灘神影流の技を冷静に切り抜けるなど技巧派の面も見せる。

また、プロレスラーの父親譲りの何度でも立ち上がってくる執念も持ち合わせている。
この異常なタフネスはかつてアイアン木場と闇試合で闘った静虎と同じように、さすがのキー坊も畏怖を覚えるほどである。


使用技

  • 鉄槌車輪(ハンマーホイール)
アイアン木場のジャーマン・スープレックス対策に編み出した技。
相手の両脚を脚でロックして前転を繰り返すことで、相手の顔面を地面に擦り付けるように連続で叩きつけ続ける。
珍しく「・」が入ってないっ

  • ブレーン・プレス
キバシン曰く「アイアン木場を殺すために編み出した必殺技」。
相手と対峙した状態で両腕を捕らえて後ろ手に拘束し、そのまま持ち上げて脳天から叩きつけるように地面へ垂直に落とす。
左門の“地獄落し”と同様に受け身・防御が一切不可能であり、また屈強なキバシンの全体重を乗せて地面に叩きつけるため、特に頑丈に作られているレスリングのダミー人形ですら いともたやすく破壊する威力がある。


【活躍】

リザーブ・マッチ

エンゾウとの試合で惜しくも敗退扱いとなったキー坊の決勝トーナメント進出(敗者復活)を賭けたリザーブ・マッチの相手として、リザーバーとして登録されていたキバシンが招集される。
道中、父の墓を掘り起こし、骨壺を小脇に抱えてスナック菓子のように遺骨をカリカリと美味しそうに頬張るという誰がどう見てもヤバい人にしか見えない奇行をしながら町を練り歩く。

そして会場に到着し、客席に紛れ込んでしばらく試合を観戦していた。
その後、静虎と接触し、父を憎んでいることとキー坊の敗者復活戦の相手になったことを伝える。そして最後に、キー坊を殺したら私を殺してくださいと訴える。
静虎は「もしあなたが熹一を殺したらあなたを殺したいと思うでしょうね」とだけ答え、それを聞いた彼は礼を言ってどこかへ姿を消す。


VS.キー坊(序盤)

試合には隙間が結構空いていてあまり顔が隠せてない覆面を被った“スーパーK”として出場。
リザーブ・マッチはボイラー室で行われ、完全に相手をノック・アウトして先にボイラー室から出てきた方が勝者となるという特別ルールとなっていた。
ボイラー室にはレフェリーはおらず、周囲が硬い配管やコンクリートの壁で囲まれた非常に危険な環境である。

キー坊がまだ喋っている内にいきなりロー・キックを繰り出し、自己紹介も開始の合図も無しにいきなり試合が始まる。体格差でキー坊をはるかに上回るリーチの長さを活かし、打撃で徹底的に攻め込み、キー坊を壁に埋めるような勢いで顔面と脳天に二連撃の強烈なパンチを食らわせる。
ダウンして失神しかけているキー坊に「それでもライオンの子供か!?」「生まれたときから闘うことをプログラムされている格闘家の息子か!?」と叫び、殺意を込めて首を踏み潰ぶそうとする。
間一髪で踏みつけは躱されたが、まだ意識がもうろうとしているところをフロント・チョークで捕まえて、落ちてもなお腕を締め上げて執拗な口撃も加えてキー坊をいたぶる。

モニターから試合を観戦していた朝昇が試合を止めに実行委員会に訴えようとしたそのとき、キー坊の右手が動いてスーパーKの金的を捉える。
そしてそこから回転を加えたジャンプをし、拘束から脱出するともに睾丸をひねりつぶした。
股間から大量出血し、さらにキー坊の右手から臓物の生臭い臭いがしており、睾丸は文字通りに完全に潰れた。
後にキバカツもキー坊に金的を蹴りで潰されることになる。木場の子孫に悲しい未来っ
しかし「あの男の忌まわしい血を絶やせる」「呪縛から解放される」と、どこか満足気な様子。

といってもこのダメージはさすがに大きく、さっきまでとは打って変わって防戦一方の状態に追い込まれ、目つぶしと見せかけたフェイントで怯んだ瞬間に、キー坊にマスクをはぎ取られる。


素顔

アイアン木場にそっくりな素顔がモニターを通して全世界に発信され、キー坊の発言から正体もバラされてしまう。

「この顔も… この肉体も…」
「あの男から受け継いだあらゆるものに…」
「羞恥と嫌悪を抱く!!」

彼の心情も知らずに煽るキー坊の態度も相まってブチ切れ、重戦車のような体当たりを仕掛けたものの、壁を蹴って背後を取られ、アイアン木場が最も得意としていたジャーマン・スープレックスを喰らった。
…と思われたが、脳天が地面に激突する寸前、身体を腕で支えて耐えていた。そしてキー坊の両脚を脚でロックして前転、鉄槌車輪(ハンマーホイール)を繰り出す。
ゴロゴロとボイラー室内を転がり回り、ドラム缶を散乱させて飛び散ったオイルに引火しても止まらず、ついには「死のうぜ」と言いながら炎の中へと突き進んでいく。

炎の熱で目覚めたキー坊が拘束を解いて脱出したことでようやく車輪が止まった。
キー坊は憎んでいたアイアン木場が死んだことで生きがいを無くして自暴自棄になったのだと考え、キバシンの憎しみは歪んだ形の愛情だと言うが、彼の父に対する憎しみはそんなレベルではなかった。
「無能って幸せだよね」と言いつつキー坊にかかと落しをクリーン・ヒットさせて、必殺技の“ブレーン・プレス”を発動する。

しかしとっさに灘神影流の脱骨術によって拘束を逃れて足から着地されたため不発に終わる。その後、オニ平仕込みの“百足固め”を仕掛けてくるが冷静に倒立して百足固めを破る。
奇しくもかつてアイアン木場と同じ方法で百足固めを破ったのだった。
百足固めを破られたところで、キー坊は灘神影流の封印を解くことを宣言。灘神影流の“蛇縛包”仕掛ける。

だが“蛇縛包”を喰らってもなお冷静さを保ち、シャツの隙間に指を突っ込んで息を確保していた。
一瞬の隙を突いてキー坊の首根っこを掴んだものの、更に“毒蛾固め”を受け、これを無理矢理剥がした代償として右腕の肩と肘関節がぶっ壊れてしまう。
それでも執念で立ち上がり、闘うことを決してやめる事はない。

そして、スーパーK…キバシンが何故父に対して憎悪を超えた憎悪を抱き続けるのか、その悲しい過去が徐々に明らかになっていく。


悲しき過去

キバシンこと木場真一は生まれて間もなくして母親から引き離され、少年時代を沖縄本島北部・山原(ヤンバル)で過ごした。
そこにはアイアン木場の秘密の特訓場があり、そこで元レスリング五輪代表候補の格闘家・カズ富士田から徹底的にシゴかれ、山原の深い森の中で動物を自力で捕らえて生きるサバイバル生活を送っていた。
日々のトレーニングの中で富士田からは父への怒りと憎しみを糧として強くなるように叩き込まれ、その言葉通りに父への憎悪を膨らませていく。

過酷な毎日を過ごしていたある日、キバシンの元を父が訪れる。
初めて対面して笑顔を見せる父に、強くなった自分を認めてほしいという思いから「お父さん」と呼びかけようとしたが……
父は豹変し、嫌悪と殺意を含んだ表情でキバシンを威圧したのだった。

言葉でなく…目で拒絶された
親であることを拒否された

このとき…初めて知った…
心が涙を流すことを…


VS.キー坊(終盤)

ボロボロになりながらも灘神影流読心術によってキバシンの記憶を覗いたキー坊との舌戦と打撃の打ち合いで激突し、壊れた右腕を狙ったミドル・キックを立て続けに受けて圧倒的劣勢になる。
しかしキー坊の渾身の右ストレートを喰らって満身創痍になっても立ち上がり、キー坊が殴っても殴ってもゾンビの如く立ち上がる。

一方、ボイラー室の扉の前では静虎とカズ富士田が邂逅し、木場親子に関する話をしていた。
かつて富士田はアイアン木場から鬼のシゴキを受けたが、そのおかげで痛みに対する恐怖心を克服できたことを話し、木場は「地獄を見せる」という愛し方しかできないのだと語る。
要はツンデレを超えたツンデレなのだと言いたいのだろう。しゃあけど…残念ながら限度ってもんがあるわっ
富士田の言葉に対し、静虎は「人は痛みに馴れることはない」「親を否定するということは自分を否定すること」「人は完璧を目指し過ぎると心が破綻して自己否定に走る」と返す。

そしてボイラー室では、キバシンがタコ殴りにされても起き上がりこぼしのように直立を保っていた。
そのすさまじい執念とタフネスを尊敬し、彼を育てたアイアン木場に感謝するキー坊。キバシンに敬意をこめて灘神影流“鰻絞め”を放つ。

父を超えることを目標とし、そのためだけに生きていたキバシンだったが、父が死んだことによって目標を失い、生きる活力も失くしていた。
失意の中、鰻絞めを仕掛けているキー坊から「生き続けることがアイアン木場を超えることなんじゃいっ」との言葉を受け、キバシンは倒れた。

意識を取り戻して復活した際に、改めて「お前が生きてる限りアイアン木場も生きとるんやっ」と言われ、そのときに自分を見守る父の幻影を見る。

「拒絶なんてしてへん」
「お前のことをしっかり見とるやん」
「お互い二代目はツライのォ」

と、手を差し伸べるキー坊。
しかし「なめるな」と出された手を無視し、ボイラー室の出口の扉に手かけるキバシン。

「勝者はキミだっ キー坊…」

振り返った彼の顔は穏やかなもので、誇り高い男がついに敗北を認めた。
キバシンの前を歩くキー坊がボイラー室の出口をくぐり抜け、デス・マッチの勝敗は決した。


その後

ボイラー室の出口で待っていた静虎にまだアイアン木場を憎んでいるかと問われるが、「キー坊と闘ったらそんなものキレイに吹っ飛んでいった」と答える。
闘いの最中で父に対する歪んだ感情も解消され、受け入れることができたのだった。

そしてリザーブ・マッチ決着後は行方を晦ませてストーリーから完全にフェードアウト(猿空間送り)
試合後にカズ富士田から激励の言葉を受けたシーンを最後に作中で一切登場せず、続編の続編『龍を継ぐ男』にてギャルアッドアシュラキバカツガルシア(クローン)と次々に猿空間から生還した高校鉄拳伝時代の懐かしいキャラクターが再登場する中、キバシンは名前すら出てこなかった。



キバシンの再登場を願っている方は追記・修正お願いします。


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最終更新:2022年12月10日 02:55