ヘリオガバルス帝

登録日:2022/12/13 Tue 00:19:00
更新日:2025/02/22 Sat 21:00:08
所要時間:約 8 分で読めます





概要


マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス帝(203年3月20日 - 222年3月11日)とは、ローマ帝国の第23代皇帝である。在位:218年-222年

本名ウァリウス・アウィトゥス・バッシアヌス。

セウェルス朝の君主としては第3代当主。つまりご先祖はあの「人類共通の敵」カラカラ帝
本名としては上の名前だが、ヘリオガバルス(Heliogabalus)か、エラガバルス(Elagabalus)と呼ばれることが圧倒的に多い。
これは彼が太陽神ヘリオスの信仰に由来する太陽神のエル・ガバルを信仰していたことが由来。



出生

元老院議員の父セクストゥス・ウァリウス・マルケルスと母ユリア・ソエミアスの子として203年にシリアのエメサで生まれた。
母方の祖母がセウェルス朝の開祖セプティミウス・セウェルスの妃の姉だったので、彼の母はカラカラ帝とは従姉弟の関係で、実際にロイヤルファミリーの一員であった。
幼少期は母方一族の家業である神官として育った模様。

そんな彼の転機は14歳のころに訪れる。



皇帝即位

クーデター


当時、先帝マクリヌスは東方の大国パルティアに戦争で敗れて屈辱的な講和を結んでいたので、軍隊からの信頼を失っていた。

それに乗じて、母ユリアは突然「自分はカラカラの元愛人で、今のウァリウスはカラカラの隠し子だ!」と主張し始める。

これには深い理由がある。

マクリヌス帝は北アフリカのマウレタニアの出身かつ騎士身分で初めて皇帝位に就いた人物であった。

彼はカラカラ暗殺の首謀者であったこともあり、セウェルス一族を宮殿から一掃した。

このうち中東の属州シリアに幽閉されたセウェルス一族こそ、ヘリオガバルスの家系である。


セウェルス家の復権をかけて立ち上がった少年ウァリウス。
軍を味方にして、ようやくマクリヌス帝を倒すことに成功する。

そして彼は帝位継承宣言をするが、当時は元老院はそれを認めていなかった。
とはいうのもクーデターの際、元老院はマクリヌス側についていたことが原因。しかしのちに元老院も彼の帝位を認証している。なおそれと同時にマクリヌスの記録は何から何まで抹消されてしまった。

なお一連の騒ぎの黒幕は彼の祖母で、前述の宣言をした娘ユリアは「姦婦」という不名誉な評価を頂戴してしまった。権力欲とは恐ろしい。

隕石とともにローマ入城


帝位を手に入れた少年ウァリウス、もとい皇帝ヘリオガバルスのローマ入場は即位宣言から1年以上経ってからのことだった。

シリアからローマという長距離に加え、何をとち狂ったのかエメサの神殿のご神体である「空から降ってきた巨大な黒い石」(多分隕石)をわざわざローマへ運び出したため、
一行のローマ到着は遅れに遅れたという。

やっとローマに15歳の若き新皇帝が到着するというので、一目見ようと集まった群衆が見た光景は…





地面に届きそうな長袖に錦糸をあしらった紫色の司祭服に、大量のネックレスや腕輪といったド派手な装飾品をつけ、さらには頭上に宝石を散りばめた冠で着飾った美しい女性の姿をした皇帝の姿である。

「なんだこれは…たまげたなあ…」(市民)



当然、市民はドン引きであった。


政策


祖母と母が執政権を握っていたこともあり、彼自身はまともに政治はできていない。
強いて言うならローマ古来の信仰を無視して太陽神を主神としたぐらいか。


追記・修正は女装してローマに入ってからお願いします。



































※WARNING※

この項目は史実上の人物の項目ですがホモエロネタが含まれています。
耐性のない方、18歳未満の方、その内教育委員会を巻き込んだ大問題にハッテンするのではないかと危惧するノンケは今すぐブラウザバックしてください。














や ら な い か













アッー!
※殿中です




























彼を後世まで有名たらしめているのは、政治改革を行ったからでも、幾多もの戦争に勝利したのではなく…

















































「ところで俺のキンタマを見てくれ、こいつをどう思う?」






「すごく・・・大きいです・・・」
※これも殿中です






















何を隠そう、彼は常軌を逸したド変態だったことである。





なんせあの後輩に睡眠薬入りアイスティーを飲ませて犯した先輩や、A-I学園の生徒に対してSMプレイをしたおじさんがマシに見えるレベルでクッソえげつないのである。













『女帝』ヘリオガバルス

ヘリオガバルスの薔薇


ヘリオガバルスは宴会好きで食道楽でもあった。
食道楽で有名な1世紀の人物であるアピキウスのレシピに書かれたものを食べるのが好きだったようだ。

だが、そのレシピは…




生きたままニワトリから切り取られた鶏冠
クジャクやウグイスの舌
ダチョウの脳
フラミンゴの脳
ヤマウズラの卵
ツグミの脳
インコ*1、キジの頭
ボラの腑
といった代物である。




オエーー!!!!
               ,, -―-、
             /     ヽ
       / ̄ ̄/  /i⌒ヽ、|    
      /  (゜)/   / /
     /     ト、.,../ ,ー-、
    =彳      \\‘゚。、` ヽ。、o
    /          \\゚。、。、o
   /         /⌒ ヽ ヽU  o
   /         │   `ヽU ∴l
  │         │     U :l
                    |:!
                    U

…まあ当時の味覚は現代人とは違うのかもしれない。

だがまだ序の口である。

彼は宴会場の天井に大量の薔薇の花を仕掛け、宴会途中に一斉に落とすというドッキリを仕掛けていた。

その結果、花に埋もれた参加者が窒息死するという事態になってしまった。
ヒエッ…

なおこの件については創作の可能性もある。


再婚に次ぐ再婚の果てに

最初の結婚相手はシリアの有力貴族の娘との政略結婚だったが、この結婚生活は長く続かず、その年のうちに2人は離婚した。妃が皇帝の性癖に耐えられないというのが離婚の理由。
離婚後、220年末に太陽神に使える巫女のアクウィリア・セウェラと再婚。
巫女たちは「神々に身を捧げる」という意味から、神に仕える間は処女を保つことが教義であった。なおその禁忌を破った場合には生きたまま穴埋めされた
しかしヘリオガバルスはその掟を破って彼女と結婚。

禁断の結婚をしたものの、結婚半年でアクウィリアとの婚姻を解消、221年7月に3度目の妻として迎えたのはアンニア・アウレリア・ファウスティナという美女。
アンニア・ファウスティナには既婚者で子供もいたが、この夫を処刑して結婚した。

と思ったらアクウィリアとまたよりを戻して4度目の結婚をしたが、その年のうちにまたも離婚した。処刑された旦那が気の毒。

その後の結婚相手は、あろうことか小アジア出身のカリア人奴隷の男性であるヒエロクレスであり、
さらにヘリオガバルス帝は彼の「妻」となることを宣言したのである。これもうわけわかんねえな…

結婚後は実際に奴隷ヒエロクレスを「夫」として愛し続け、ヒエロクレスもまた「妻」のヘリオガバルスを愛していたが、
ヘリオガバルスは他の男とも関係を持つ浮気性でもあった。なんせ宮中で売春するぐらいだし。
当然ヒエロクレスは「妻」の皇帝の浮気を責め、今でいうDV行為に及んだこともあったが、
ヘリオガバルスはヒエロクレスが自分を嫉妬し、束縛してくれている事に喜んだという。すごいドMである。

なお、何度か女性と結婚していることからも分かるように、彼は性的嗜好は所謂『両刀使い』だったと思われ、
実際に男性だけでなく女性とも奔放な性生活を送っていたようだが、一度抱いた女性と再度寝ることは(妻を除いて)なかったという。
後述の通り、彼自身の性自認は女性だったと思われることから、多くの女性を抱くことでその痴態を学習し、
それを男性と寝る際の自身の『女役』としての振る舞いに活かしたのでは、と囁かれている。


魔改造!ハッテン場と化した宮殿


前述したように、彼は超絶変態皇帝であった。

その勢いはどれほどかというと、当時の記録によると

密偵を放って、イケメンやイチモツがデカい男性を探させたうえで宮廷に連れ来んだ。
このとき皇帝は女性として振る舞いながら全裸で片手を胸に片手をアソコに当ててひざまずき、
男性に向かって尻を突き出して腰を前後運動させて顔を赤らめていた。

とのこと。ウホッ、いい男

さらには自分は女性だと主張し、公共浴場へお忍びで行っては女湯に入って、女性と会話をして一緒に脱毛を施していたようだ。

彼の欲望はそれにとどまらなかった。

しまいに彼はあることを要求する。



「性別適合手術をしてくれ」と。

…だが実際には行われなかった模様。「自分に膣を作ってくれた者には褒美をとらす」とも賜っていたらしいが…



しかし皇帝の性欲は収まることはなく、化粧と金髪のカツラをつけて酒場に入り浸り、一般市民の女性と酒を酌み交わすことをしつつ、
男を見つけるとたちまち売春にふけるという、皇帝の威厳がみじんも感じられない行為を始めた。
そのせいで「ふしだらな女」と陰口を叩かれることもあったが、本人は起こるどころか逆に喜んでいた。
やっぱりドMじゃないか(呆れ)

ちなみに、自分は浮気三昧のくせに、自分と関係を持ちながら「浮気」した男性のイチモツを切り落とし、神殿内の猛獣のエサにしたとか。






…そして遂に皇帝は宮殿までもハッテン場にしてしまった。





宮殿の一室にそのための場所をあつらえた上、ヘリオガバルスは化粧をし、女性用の下着をつけて部屋の前に立ちながら男を待ち、
男が通りかかると甘く柔らかい声を出して誘惑したという。


























末路


好き放題に生を謳歌したヘリオガバルスだったが、やがて5つ年下の従弟アレクサンデルによって、その人生に終止符を打たれることになる。

皇帝の変態ぶりと宗教関連の奇行によって、周囲の兵士たちや民衆は彼への愛想を尽かしつつあった。
加えて、彼の後ろ盾となっていた影の実力者である祖母のユリア・マエサも、そんな孫に見切りを付け始めており、
次の権力者(自らの傀儡)としてアレクサンデルに目を付け、ヘリオガバルスに彼を養子に取らせた。

ヘリオガバルスは最初は養子縁組を承知しつつも、真面目なアレクサンデルの人気が高まるとそれに危機感を覚え、
養子縁組を取りやめた上でアレクサンデルを幽閉し、近衛兵には彼が死亡したと伝え、民衆に発表しようとした。

しかし、真実を知る近衛兵たちにそのようなウソが通用するはずもなく、猛抗議されて慌てて発表を撤回。
解放されたアレクサンデルが近衛隊のいる砦に逃げ込むと、彼を歓迎した近衛兵たちはたちまち彼を担いでヘリオガバルスに反旗を翻し、
かくして結成された反乱軍は宮殿に進軍した。
既にヘリオガバルスに見切りをつけた兵士の大半は反乱軍に加わり、最早ヘリオガバルスに打つ手はなかった。

怯えたヘリオガバルスは衣類箱の中に隠れて宮殿から逃げようとしたが、すぐに反乱軍に見つけられ、
唯一自分に味方していた母のユリア・ソエミアス共々捕らえられて広場に引き出された。
そこで、兵士によって集められた、元々彼らに恨みを持つ女性たちによって心身共に辱められた後、命乞いもむなしく親子ともども殺害された。
その殺害方法も、ヘリオガバルスは性器を切り落とされて殺されるという残酷なものだった上、
集まった者たちの怒りは収まらず、親子の遺体は市中を引き回された後、首を落とされてテヴェレ川へ捨てられてしまった。


そして新帝アレクサンデルの手によって、マクリヌス同様彼の記録は破棄されてしまうのだった…


評価


案の定、後世での評価はご先祖と同じく最悪である。

歴史家エドワード・ギボンには「醜い欲望と感情に身を委ねた」として「最悪の暴君」とボロカスにたたかれている。

だが、ヘリオガバルスの生き方はデカダン派の運動で注目され、彼の生涯は数多くの創作作品に少なからぬ影響を与えている。

しかし、否定的なイメージとは反対に近年では性別に違和感を抱えていた(トランスジェンダー)ことから同情的な見方をされることも多くなってきており、
『ヘリオガバルスまたの名を戴冠せるアナーキスト』など彼が主人公の作品の舞台が上映されるなどしている。

漫画『ヘタリアWorld☆Stars』にもちょっとだけ登場。流石に全年齢向けかつほのぼの寄りなので単なる「女装皇帝」くらいに留められたが。

ちなみに上記の性癖も誇張されたもののようで、上の行動が記された『ローマ皇帝群像』や『ヘリオガバルス伝』を基にした情報では現代だと「ソースは2ch」と同じレベルらしいが…

尤も、皇帝として碌に仕事をしようとしなかった点は間違いが無く、
同じく若年で即位して後世に暴君呼ばわりされているネロが「ブリタニア反乱の原因を徹底調査して、属州民の人権尊重政策に舵を切る」、
コンモドゥスが「長年の戦役で疲弊した状況を鑑み、敵を痛撃したタイミングでローマ人捕虜の全員返還を条件に和睦*2」等、
即位直後の若年時代からリーダーシップや部下・民に対する優しさ・責任感を示す史実が有るのに対して、
ヘリオガバルスにはその手の逸話が全く無く、敬愛してくれる人間がまるで居なかった点は擁護のしようがない。
ただ、神からの賜り物として、定期的に老若男女問わず食事を振る舞っていたと伝わる他、
ヘリオガバルスは女性や平民に対して友好的だったため、彼を支持、あるいは親しみを持つ女性市民も少なくはなかったという。




追記・修正はヘリオガバルスの夫として生活してからお願いします。



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最終更新:2025年02月22日 21:00

*1 オウムはオーストラリアや近辺のインドネシア諸島の鳥なので流石に当時のローマ帝国で手に入れるのは難しい。「オウム科」まで広げてしまえばアフリカあたりにいるインコを含めて入手が見込める。

*2 コンモドゥスは捕虜と家族の再会を見届けてからローマに帰っている。彼が政権を保てたのも、精鋭であるドナウ方面軍団の関係者がこの件に恩義を感じていたのが大きな理由とされている。