人差し指(Library Of Ruina)

登録日:2023/01/07 Sat 18:54:55
更新日:2025/04/27 Sun 11:44:35
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私はもう流す血もないけどね~。

指令が戦争を望むなら、俺たちは戦争をしないと。

俺たちは指令の意思を代行するだけだからな。


どうも……代行者の皆さん。
新しい指令が下されました。


人差し指とは、『Library Of Ruina』に登場する組織、及びゲストのカテゴリである。



概要

作中の舞台となる「都市」、その「裏路地」に幾多にも跋扈する「組織」たち。その頂点に立つ5つ巨大組織が「五本指」。
「人差し指」とは、その五本指のうちの一つである。
同じく五本指の組織としては「親指」が作中に登場しゲストとして接待をする機会もあるが、こちらはこの記事では割愛する。

さて、ここで紹介することになる人差し指だが、五本指の中でも特に厄介な組織として作中で説明されている。

人差し指はその規模、武力を用いて「都市」の住民を危険から保護する役割を引き受ける。
一応これは人差し指に限った話ではなく、他の五本指やその下部組織も住民の保護を申し受ける場合があるらしい。
ただし、他の場合莫大な金銭や求める条件をクリアしている必要がある。
しかし人差し指は金銭や素質などどいった物品や条件を対価として要求することは一切ない。
そのため、それ以外の事情を何も知らない保護を求める人々からすればとても有り難がられている。

しかし上手い話には裏があるのは何時の世も同じこと。
物品や条件は必要ない代わりに、人差し指の庇護を受ける全ての住民及び構成員には「指令」と呼ばれる命令が定期的に下るようになる。
そしてそれを遂行し守ることを要求されるのだ。

ただの上からの命令に見えるが、この「指令」が非常に厄介。
「物品の簡単な宅配」などといった実行・遂行が十分可能なものなら幸運な方。
  • 「下水道の水でリゾットを作ってお隣さんに差し入れる」
  • 「三回目に会った人とじゃんけんして必ずグーを出し、勝った場合はその人の髪の毛を59本抜いて、
    スチロールだけを食べて育ったミルワームを加えたシーフードクリームパスタソースを三回かけてフォークで食べる」
  • 「自分の右足首を切り取ってミディアムレアに焼いて食べる(骨は食べなくてもいい)」
とか明らかに被害が出ること前提の「指令」もある。というかやらせようとする意図がまったく汲めない意味不明な内容もかなりある。
中には「あなたの描いた絵を殺せ」のみで初見では意味分からない故に受け手の解読・解釈が必要なものまである。

そして「指令」が適切に遂行できなかった・違反したとみなされたら、その「指令」の対象者は全員処刑される
……正確にはこれも、「処刑の行う立場の者に『違反者を始末しろ』という旨の『指令』が届く」という形である。
どこまでも「指令」によって動くハメになる、それが人差し指の庇護を受けるということなのである。

しかし構成員によると「それらの意味不明な指令をこなしていくと、巡り巡って人差し指という組織が豊かになる」とのこと。
単純に考えれば人差し指の支配者はいわゆるバタフライエフェクトを見越して利益が出るよう「指令」を出していることになるが……?
とにかく、得をすることを知っている「人差し指」の構成員たちは(内心大なり小なり疑問を持ちつつも)「『指令』を遂行すること」を絶対視している。

人差し指の指揮系統は上から順に
  • 指令」:ボス(?)。定期的に命令文である「指令」を送ってくる。
    それ以外の素性は一切が不明。個人なのか複数人いるのか、はたまた人なのかどうかすら謎。
  • 伝令」:「指令」が書かれた紙をそれに書かれた対象者に届ける者。
  • 代行者」:「指令」に従って行動する実働部隊。また前述の「指令」に違反した者を処刑する役割も担う。
  • 遂行者」:代行者に付き従って指令を遂行する補佐部隊。

の役職が確認されている。
ちなみに「指令」の大元が謎なのは、探ろうとすると「探ろうとしたものを抹殺する旨の『指令』」が代行者に送られるという事情もある。
代行者の実力もあり、「指令」の大元は「都市の星」に位置する存在として扱われている。
なお伝令と代行者は役割こそ違うが地位的にはほぼ同格のようで、また立場が違えど親指ほど厳しい上下関係を敷いている様子はない。

なお、人差し指という組織の運営も「指令」に依存……というか「指令」以外の秩序は皆無
構成員は「『指令』に明記されていることは絶対」という大原則には従順な反面、それ以外にはかなりルーズ。
逆に「指令」で禁じられていないからと言い訳をつけて独断行動に走ったり、逆に「指令」のうち明確な記述がない部分を放棄したりもしているらしい。
実際に作中でもこの理屈を言い訳に使うシーンがたびたび描かれる。
「『指令』への疑問を口にしたら殺す」とか「『指令』に対して無礼を働いたら殺す」というようなルールも無い。
「指令」側がコンタクトを「指令」以外の手段でとってくることもない関係上、構成員たちは普通に「指令」への疑問を口にしたりしている。*1

このため組織の雰囲気は一見すると緩めに見えるが、あくまでこれらは「『指令』は絶対」という前提ありきの話。
「指令」に書かれているのならば、たとえ顔馴染みや親族であろうとも……

構成員は人差し指そのものへの所属を決めるとまず遂行者になり、いわゆる下働きに近いことを行い続ける。
遂行者は全員目を隠すような装備をしているが、これは「指令」に書かれているわけではなく組織内の通例のようなものらしい。
その後、働きが認められて「代行者もしくは伝令になれ」という旨の「指令」が届いたなら、それに従って代行者もしくは伝令になる……という仕組み。

一応、昇格の「指令」は拒否することもできるが……その結果どうなるかは誰にもわからない。
わからないというのは、その際に来る「指令」にも一貫性が無いため。
「昇格を拒否した?じゃあそいつ殺しなさい」ということも「昇格を拒否した?かまわん。好きにさせなさい」ということも過去にあったらしい。
時には、本人が辞職を言い出す前に「こいつクビね」と先回りして「指令」が来たこともあったらしい。


本編で主にアンジェラローランらを擁する「図書館」が関わることになるのは、この遂行者や代行者たち、そしてとある伝令である。



登場人物

  • ヤン・ヴィスモク
サイドテールで髪を纏めた、銀髪糸目の男性。作中で登場した中では唯一の伝令でもある構成員。
人差し指の面々の中ではストーリー上で一番早く顔見せを果たしており、「都市疾病」のゲストである「謝肉祭」のシーンで初登場。
それ以降の人差し指の物語でも皆勤賞を果たしており、プレイヤーからも「人差し指といえばヤン」というイメージが染み付いている人も多い。

そんな彼の性格だが、「都市」で生きる住民としては珍しいことに心優しく、親切で他人思いの善人。
伝令である以上は「都市」の住民や代行者に対して時には死ぬ可能性すらある「指令」を届ける役目を持っている。
しかし彼は「指令」を届けた相手へアドバイスや「どのように『指令』を遂行すればいいのか」といった相談に乗ることも多い。
本人曰く「指令に『相談してはいけない』とは書いてないじゃないですか。」とのこと。
しかしそんな彼の優しさも、余りにも残酷な「指令」の前でできることは限られてくる。
「指令」を届けた相手の怨嗟の声、悲痛な訴えを前にする度に彼の心には暗雲が漂ってきていているが……?

  • エスター
ヒューバート/グローリアらと共に行動している構成員の一人。黒髪長髪かつ長身痩躯の男性で、冷徹な雰囲気を感じさせる代行者。
三人の代行者の中では一番知性的なのか、解釈が必要になるような曖昧な「指令」の解読も担当している模様。
他二人の代行者と同じく「指令」を遂行することに何ら疑いを持たず、人差し指そのものと「指令」に対して厳粛な態度で挑んでいる。
その一方で「指令」に疑問を持つヤンに対して、表面上は厳粛な態度を崩さなかったが幾らか思うところもあったようだ。
彼の本には「指令」の仕組みに対するある疑問への回答と、本人の所感が記してある。

  • ヒューバート
金属製のマスクを口につけた、体格の大きい男性の代行者。
寡黙でそれほど口数が多くない。話したとしても「『指令』は遂行されなければならない」くらいの意味合いのことしか言わない。
大きく湾曲した大剣を得物として用いる。バトルページのイラストや立ち絵を見る限り、どこからともなく腕に装着しているようだ。

  • グローリア
見た目は煙を吹き出す大きな対人兵器としか言いようのない外見の全身義体*2の代行者。長身である他二人を越して一番大柄でずんぐりとしている。
そんな見た目に反し、声は明るく幼さも感じさせるような女の子ボイスである。謝肉祭といいプロムンの性癖壊しここに極まれり。
性格は声に合うがごとく無邪気で子供っぽく、声だけを聞いていれば人懐っこい少女の台詞に聞こえなくもない。
その一方で残酷な発言や行動を何の躊躇いもなく実行し、その成果を朗らかに報告する一面も見せる。子供っぽい部分に合わさりサイコパス感がすごい。
「指令」に関しても忠実。というか作中の描写をみるに「指令」に従うこともその内容を遂行することにも何ら疑問を抱いている様子がない。
恐らく「指令」に対して一番信仰心が高いと思われる人物である。

  • アンジェラ
毎度お馴染み館長。いつものようにローランから「都市」に関する知識の解説を頂いた後、人差し指の皆さんの接待を行う。
人差し指の連中の「自らの自由意志を行使せず全ての運命を『指令』に委ねる」姿勢に疑問を持っている。
こちらを見れば分かるように、アンジェラ自身自由が欲しくて仕組みに反逆した経緯があるから尚更なのだろう。

  • ローラン
毎度お馴染み元一級フィクサー。
裏路地の組織の体系や人差し指について説明を述べた後、「無作為に見える無数の指令が結果的に人差し指の腹を肥やす結果になる」ことも語る。
その辺りについては本人も疑問を抱いていた様子。
それはそうと「人差し指まで接待しなきゃならないのかあ……」みたいなことを述べて憂鬱そうにしていた。「図書館」の脅威度が上がった以上仕方がない。
その言葉を語る姿はまんま過酷な業務に向かうブラック社員そのもの。いつもお疲れ様です……



ストーリーにて

「都市悪夢」人差し指 遂行者

いつものように「都市」の人々に「指令」を届ける役目を続けていたヤン。
様々な反応を目にした後、ヤンはエスター/ヒューバート/グローリアの代行者三人へ「指令」を届けに行っていた。

グローリアには「L社の巣で37歳の脊椎を抜き取る」という「指令」。エスターの解釈により、対象はL社の巣に住む全ての37歳に定められた。
ヒューバートには「今日14番目に出会う人の左足と、26番目に出会う人の右足を入れ替える」という「指令」。
そしてエスターへの「指令」は、たった今ヤンが届けに来た紙に書かれていた。内容は「親指を殺せ。期限は無制限」というもの。

グローリアは自身とヒューバートへの「指令」はいつものように曖昧なのに、ヤンが届けたエスターへの「指令」が妙に簡潔なことを訝しんでいた。
しかしそれでもエスターはいつものように遂行者を纏め上げ、親指殲滅の「指令」遂行に向かったのであった。

そして時系列は前後するのだが、親指の構成員はL社跡地の争奪戦を制しようとするために「図書館」に向かっていた。
その「図書館」に向かった親指も纏めて始末するために、「図書館」にゲストとして遂行者たちが訪れた……という流れである。

接待:人差し指 遂行者

人差し指相手の最初の接待は、脅威度レベル「都市悪夢」におけるゲストとして発生する。

我々は指令通りに動くだけです。
死ぬも生きるも指令の意。怖くありません。
定められたとおり、私の身を任せるだけ。指令が私の身体を動かすだろう。

人差し指 遂行者×4
  • 体力 99
  • 混乱抵抗値 62
  • 速度ダイス 1個
    • 速度 2-5
  • パッシブスキル
    • 指令の加護:毎幕ごとに斬撃、貫通、打撃のうち1つの威力+2
    • 指令通覧:舞台開始時、ページを1枚余分に引く。

耐性値 体力 混乱
斬撃 普通(1.0) 普通(1.0)
刺突 普通(1.0) 普通(1.0)
打撃 普通(1.0) 抵抗(0.5)

満を持してやってきた人差し指の皆さん。まずは名無しのモブ遂行者たちの接待である。
「モブ敵程度なら楽勝楽勝」……と言いたいところだが、この遂行者はモブでもなかなか厄介。

まず使うバトルページは平均してダイスの値が高く、考えなしにマッチしていると撃ち負ける危険性が高い。

処刑 コスト2 斬撃 3-5 「唯一」状態なら威力+4
斬撃 3-6

指令の向かう処 コスト2 使用時 「唯一」状態ならこのページの全ダイス威力+1
刺突 4-7 的中 次の幕 脆弱1を付与
刺突 3-7

+ 「唯一」状態とは?
「唯一」とは手札のバトルページが全て異なっていて、同じページが2枚以上存在しない状態のことを指す。
人差し指のゲストが使用する、あるいは人差し指から得られるバトルページには「唯一」の追加効果を持つものが多数存在している。
TCGの用語でハイランダーというものがあるが、それにとても近い。
そのため「唯一」効果を意識して作ったデッキのことを「ハイランダーデッキ」と表現することもある。

遂行者のデッキそのものが最初から「唯一」を満たせる構成であるため、全ての「唯一」効果はほぼ無制限で発動すると考えていい。
そのため遂行者と「図書館」側が使用するバトルページでは、同じコストでも「唯一」時の追加効果で強化されている分性能に差が出てしまうのだ。

それに加えて、遂行者は以下の行動パターンに従って行動する。

①ランダムにこちらの司書一名をターゲットに定め、その司書を優先的に集中攻撃する。
②パッシブ「指令の加護」によって強化された攻撃属性が使えるバトルページを優先的に使用する。

これにより遂行者と真っ向勝負ばかりを仕掛けていると、劣勢に陥りやすく苦しい戦いを強いられてしまう。
ダイス値によっては「シ協会」の「ユジン」のコアページ+「幽かな記憶」コンボによるその時に出しやすい強打点でも普通に負けることがある
こう言えばどれだけ殴り合いに強いかがお分かり頂けるだろうか。

とはいえ、そういう行動をしろと「指令」が出ている……のかは分からないが、決まりに決まった行動をしている輩なので対処法はある。
遂行者たちのターゲットの集中先を見定めることができたなら、その司書は守備ダイス主体のバトルページを使って被害を最小限に抑える。
そして他の司書でなるべく一方攻撃が多く成立するように遂行者を攻撃させて一人一人落としていく。
即ち「ターゲットにされた司書をタンク役にして、できた隙を徹底的に突いて倒してしまおう」という戦法である。


接待をクリアすると「人差し指 遂行者の本」が手に入る。
こちらを燃やすと「指令の意味」「指令遂行」といった「唯一」時の追加効果が含まれたバトルページが手に入る。
「都市悪夢」も時点ではまだそれほど「唯一」が活かせるとは言い難い。しかしこれらのバトルページは後になるほど非常に便利になる。

「人差し指 遂行者」のコアページは「速度」パッシブを持っていないため、メインで装備して使うにはやや難しいところがある。
しかしパッシブ「指令通覧」はなかなか便利。戦闘開始時の初期手札数を水増しできる。
そのままの初期手札数だと取れる選択肢が少なく心もとないが、このパッシブを帰属しておけばある程度解決できる。
とはいえ一つ前の「都市疾病」で手に入る「黒雲会」の「小夜」のコアページにも、帰属コスト以外は上位互換であるパッシブ「臨戦」がある。
その辺りは帰属コストや手に入る枚数とと兼ね合いで選択すると良いだろう。


また「人差し指 遂行者の本」を手に入れることにより歴史の階の4体目の幻想体バトルに挑戦可能になる。
そしてそれのクリア後、歴史の階の「最後のストーリー」を見れるようになる。


「都市の星」人差し指

「指令」の通りにL社の巣で抗争をしていた親指の構成員を全員処刑していたエスター/ヒューバート/グローリア。
親指の皆さんを生きたまま串刺しにして巣の中に飾り立てて、今回の「指令」は遂行された。

そこにL社の巣にふらりとやってきた「青い残響」アルガリアが現れる。
楽団員である「8人のシェフ」グレタの「調理素材」のために死体を回収している最中、エスターは不穏な動きを見せるアルガリアを威嚇。
しかしアルガリアは飄々とした態度を崩すことなくその場を去っていった。

そんな彼らを尻目に、エスターはヤンに対して次の「指令」について訪ねた。
ヤンの方も「指令」を既に受け取っていたらしく「こちらをどうぞ」と「指令」の紙を差し出した。

しかし、

「エスターとヒューバート、グローリアと遂行者たちは、図書館へ向かえ……だろうな」
「ん、図書館か~。私たちも結局行くんだね~。」
「……どうして知ってたんですか?」

なんと、エスターはどういうわけか次に自分たちに下される「指令」の内容を、ヤンから紙を受け取る前に把握していた。
その理由は、ヤン伝令が通達していた「指令」は本来の「指令」ではなく、偽物だということがずっと前から分かっていたからだ

何故、ヤンの「指令」が本来の「指令」ではないかと分かったのか?
その答えは単純明快。エスターはヤンからの「指令」を受けた後に、更に別の「指令」を受け取ったからである。
その内容は、「ヤン伝令の伝える『指令』に忠実に履行しろ

ヤンが伝えた「指令」が本来の「指令」であるのなら、このような「指令」は届けられる意味がない。
ならば自然と「ヤンが通達している『指令』は本来のものとは考えにくい」と推察できたのである。
だがエスターは、ヤンを責めることも糾弾することもなかった。そのような内容は「指令」には書かれていないからだ。

それにヤンは偽の「指令」を届けたが、後に「ヤンの『指令』に従え」と本来の「指令」にはあった。
それに従って行動した以上、彼らにとってヤンの行動は何の意味もなかったことになる。
ただ下された「指令」を遂行しただけなのだ。

それに対し、ヤンは胸中の思いを打ち明かす。

「指令」のせいで、目の前の人々が傷つけられ、殺されて、大切なものを失わされ続けた。
それでも、罪悪感に苦しめながらも、ヤンは「指令」を通達し続けた。
「指令」は遂行されるべきだから。その結果が、必ず何かしらの成果となって帰ってくると信じて。

しかし、ならばそれを伝え続けるヤンの道はどうなのか?
多くの人を傷つけ続ける「指令」の存在から、ヤンは目を背けたがっていた。
ならばと思い、ヤンは偽の「指令」をでっちあげた。
それで初めて、自分の意志が貫ける。目の前にいる人だけでも、救うことだってできるかもしれないと。

だが実際は「ヤンが偽の『指令』をでっちあげることも踏まえた上で更なる『指令』が下される」だけだった。
ヤンが何をしても、『指令』はそれを全て承知の上だったのだ。

最後にエスターは「この都市に果たして、個人の自由意志なんてあるのか?」と言い残し、「『指令』通り」図書館に向かおうとする。

「図書館に向かえ」という「指令」はヤンのでっちあげだったが、「その『指令』にも従え」という「指令」でも下っていたのだろうか。
既にエスターの手には、図書館への招待状が握られていた。

接待:人差し指

1舞台目


人差し指 遂行者×5

上述した「都市悪夢」の時に相手したモブ遂行者が5名になっただけなので、ここの説明は割愛。
ただし使用するページが一部異なるほか、パッシブも別のものが追加されている。
強いて言うなら、2舞台目に備えて感情レベルを早めに上げておくことが推奨される。
また、余力も残した状態で2舞台目に向かいたい。

2舞台目


目を閉じろ。不必要なものに揺さぶられ無いよう。

エスター
  • 体力 200
  • 混乱抵抗値 145
  • 速度ダイス 3個
    • 速度 2-7
  • パッシブスキル
    • 揺らぎ:毎幕ごとに手元とデッキにある全てのページを消去し、使用するページを手元に追加。全てのページのコストが0になる。
    • 解禁:1舞台の間、異なるバトルページを6枚以上使えば全ダイスの威力が1増加する「解禁」状態になる。
    • 激流:異なるページを4つ使用するたびにページを1枚引く。
    • 指令の加護:毎幕ごとに斬撃、貫通、打撃のうち1つの威力+2

耐性値 体力 混乱
斬撃 普通(1.0) 普通(1.0)
刺突 普通(1.0) 普通(1.0)
打撃 抵抗(0.5) 抵抗(0.5)

ここで死ぬか生き延びるかは、指令だけが知ってるだろう。

ヒューバート
  • 体力 195
  • 混乱抵抗値 135
  • 速度ダイス 2個
    • 速度 4-6
  • パッシブスキル
    • 揺らぎ:毎幕ごとに手元とデッキにある全てのページを消去し、使用するページを手元に追加。全てのページのコストが0になる。
    • 解禁:1舞台の間、異なるバトルページを6枚以上使えば全ダイスの威力が1増加する「解禁」状態になる。
    • 強圧:守備ダイスとマッチをした場合、相手の守備ダイスの威力を-1
    • 指令の加護:毎幕ごとに斬撃、貫通、打撃のうち1つの威力+2

耐性値 体力 混乱
斬撃 普通(1.0) 普通(1.0)
刺突 抵抗(0.5) 抵抗(0.5)
打撃 普通(1.0) 普通(1.0)

ヤンも酷いねぇ~私たちだけをこんな場所に送って!

グローリア
  • 体力 210
  • 混乱抵抗値 125
  • 速度ダイス 2個
    • 速度 2-7
  • パッシブスキル
    • 揺らぎ:毎幕ごとに手元とデッキにある全てのページを消去し、使用するページを手元に追加。全てのページのコストが0になる。
    • 解禁:1舞台の間、異なるバトルページを6枚以上使えば全ダイスの威力が1増加する「解禁」状態になる。
    • 強圧:守備ダイスとマッチをした場合、相手の守備ダイスの威力を-1
    • 指令の加護:毎幕ごとに斬撃、貫通、打撃のうち1つの威力+2

耐性値 体力 混乱
斬撃 抵抗(0.5) 抵抗(0.5)
刺突 普通(1.0) 普通(1.0)
打撃 普通(1.0) 普通(1.0)

人差し指 遂行者
  • 体力 99
  • 混乱抵抗値 62
  • 速度ダイス 2個
    • 速度 2-6
  • パッシブスキル
    • 指令の加護:毎幕ごとに斬撃、貫通、打撃のうち1つの威力+2
    • 指令通覧:舞台開始時、ページを1枚余分に引く。
    • 呼吸:幕の開始時、光が0なら光1回復。

耐性値 体力 混乱
斬撃 普通(1.0) 普通(1.0)
刺突 普通(1.0) 普通(1.0)
打撃 普通(1.0) 抵抗(0.5)

2舞台目ではネームド代行者であるエスター、ヒューバート、グローリアとご対面。
あとパッシブとか細かいところがさらに変更されてるモブ遂行者2人も。

代行者の三人は共通して「解禁」というパッシブを持つ。異なるページを6枚使用すれば「解禁」状態になって全ダイス威力が+1される。
更に「解禁」状態になると、それぞれの専用バトルページの使用も解放される。

専用ページ エスター コスト4 「解禁」状態のみ使用可能、マッチをする間、相手のダイス威力-12
刑罰
刺突 1-5 的中 本来のダイスの値×7だけ、相手に追加でダメージと混乱ダメージを与える
反撃(刺突) 2-7

専用ページ ヒューバート 遠距離ページ コスト4 「解禁」状態のみ使用可能
斬首
斬撃 13-25 的中 次の幕に 虚弱1と出血8を付与

専用ページ グローリア コスト5 広域攻撃-合算 「解禁」状態のみ使用可能
剔抉
打撃 12-23 的中 今回の幕、虚弱を1付与

専用バトルページはどれも高コストに見合う高性能で、まともに喰らうとひとたまりもない。
特にグローリアの「剔抉」は広域攻撃。運良く高い合算数値を出せて回避できたならいいが、ダイスが運である以上どうしても事故の可能性はある。
的中時の虚弱付与が珍しくその幕に機能するのもあって、一度負けるとその幕中ずっとマッチ負けが起こりやすい。
誰か1~2人を速攻で落とされてそこからズルズル劣勢に……という展開もあり得る。

しかしこれらの専用ページは「解禁」に至ってから……つまり最低でも4幕目からしか使用できない。
そしてこの接待では前哨戦である1舞台目が存在するため、接待に使用している階層の感情レベルは既にある程度上がっているはず。
そのアドバンテージを最大限活かし、優勢に進めていけば特に苦もなく進められるはず。

というか、別ルートで「赤い霧」のコアページを先に手に入れていた場合、「赤い霧」の試運転を適当にしてるだけでも蹂躙可能。
違うんです、赤い霧が強すぎるだけなんです……
そうでなくてもこのルートで前に相手する「親指」から獲得できるページも高性能なため、上手く生かせばそこまで苦戦はしないだろう。

強いて言うならば、事故の危険性が一番高い広域ページ持ちのグローリアは優先して倒すと安定して接待を完了させやすい。

悲しいけどぉ~どうしようもないかぁ……。
……既に決まっていたことに対する不満はない。
否定できないな。勝利しろとは書かれていなかったから……。
























以下、ネタバレ注意!





















「都市の星」???

エスタ-達が図書館へ向かった後のこと。
ヤンはある「指令」を受けてとある場所に向かっていた。
そこは特定の手順、特定の行動を取らなければ絶対に入ることができないような道のりが必要であった。
「指令」に記されている情報がなければ気づくことも到底できなかっただろう、と思えるほど。

部屋の中に入ると、とても巨大な……柱を思わせるような装置が置かれていた。
唖然としているヤンに、場違いな騒がしい声を立てながら誰かが駆け寄ってきた。

彼女は人差し指の「紡織者」モイライと名乗った。

ここで聞いたことがない用語である「紡織者」という言葉を聞き、ヤン(と我々プレイヤー)は首をかしげる。
しかし、そんなヤンに言葉を投げかけるモイライ。

貴様も指令の招待を受けてきたんですよね……?

どうしてそれを、と驚愕するヤン。しかしモイライは構うことなく続ける。
ここは「指令」に導かれた者しか来ることはできない。その頻度は少なく、よって訪れる者も稀なのだと。

ヤンがこの場所は「指令」と関係があるのかと聞くとモイライは「ここは指令が生まれる場所なんです」と返した。
その答えはヤンにとって聞き捨てならないものであった。
ヤンは「指令」によって傷つけたくないのに多くの人を傷つけてきて、心を痛めてきたのだから。

モイライは睨んでくるヤンを怖がりながら、説明を求められたためこの場所の解説を行った。

まずモイライは「『指令』が生まれるというこの場所」にいるが、モイライ自身が「指令」そのものを作っているわけではない。
モイライの役割は、柱のような装置の周りに無数に置かれている「糸車」と「織機」を守ること。
では何が「指令」を作っているのか?ヤンがそう聞こうとしたところ、振動が聞こえた。

モイライは声を潜めて、耳を澄ますように言った。この振動をよく聞くようにと。
ヤンがただの振動がなんだというのか?と聞くとただの振動なんてとんでもないと答える。
この振動は「都市」の心臓の鼓動なのだと。

モイライは語る。この振動が起きるたびに、自分は糸車を動かして糸を紡ぐ。
その紡がれた糸の上にはインクが染み込んだ重りがぶら下がっており、それが振動によって揺れることで紡がれた糸に模様が描かれる。
モイライによると、この模様は「都市」の言語なのだという。

そして「模様が描かれた糸」を「織機」に入れることで、それは一つの紙になるのだ。

『指令』が記された紙」に。

ヤンは今しがた出来上がったという紙に書かれた内容を読み上げる。
「チェホンへ。三叉路で手を7回振る人に会ったら、その人の家まで付いて行きなさい」
……本当に「指令」は、ここから産まれてきていた。

「指令」の産まれる流れを知ったヤンはモイライに対して激怒した。
あんなに人を傷つける「指令」をお前は何も疑問を抱かずに送り届けていたのか、と。
ならば細工をするなりすり替えるなりして「都市」の人を傷つけないようにすることもできたはずだ、と。

しかしモイライは「そんなことをしたら私は指令に殺される」と語った。
そもそも、今日も広大な「都市」の至るところに「指令」が莫大な数送り届けられているのだ。
それをモイライ一人が全て担当しているとも考えにくく、彼女一人が「指令」に逆らったところで何にもならない。

では、と。ヤンは聞いた。
この「指令」は、誰か作っているのか。

モイライは答えた。それは「この『都市』そのもの」であると。

モイライは、先程の振動を思い出すようにしてから語った。
さっきの振動は「地上で忙しく歩く人々の足音」「工事現場の揺れ」「誰かが床に転がって生まれる振動」「悲鳴の響き」……
「都市」で起きる全ての出来事が振動としてここに届き、その振動が「指令」を描くのだと。

モイライは「結局、都市の人は都市から逃れることはできない」と述べた。
「都市」の人が行う行動は全て「都市」の行いであり。
「都市の意思」を「都市」の人々が代弁しているだけだと。

ヤンは信じられないかのように言った。あの残酷な「指令」の数々もそうなのか、と。
モイライは「人間が残酷だから。都市は人間が作ったから、都市も人間に似なければならなかった」と語る。

続けてヤンはこうして生まれる「指令」の紙が、どれだけの人を不幸に貶めるのかがお前には分からないのだろう、と言った。
しかしそれに対してモイライは、それは私が気にすることではないと語る。

そもそも「都市の意思」とは「都市で生きる人達の意思」でもある。
そうして多くの人々が望んた結果、作られた存在もあるのだと。

人間は弱く、誰かが作った道を歩みたがる。
自分で足掻いて生きるくらいなら、誰かにもたれ掛かって生きていく方を望む。それが人間だと。
そうして多くの人々が、導きを求めた。そうして神は作られたのだ。

「指令」とは、多くの人々が心の中で求めた「導き」。それそのもので、それを実現するために「都市」の人々が神を作った。
それだけの話である。


ヤンは、突き抜けた絶望を前にして悟った。
悟ってしまった。

自分が抱いた罪悪感に苦しんでいたのは、自分のせいではないと。
「都市」のみんなが望んだことで、「都市」の人々が苦しんでいるのだと。
どんなに純粋な願いも、どんなに残酷な願いも、それらは全ては例外なく「都市の意思」である。

ヤンは目の前の人を救おうとして、嘘の「指令」を伝達したことがある。
だがそれも結局は自分の意思ではなく、「都市の意思」だったと。
そんな「都市の意思」を……「都市」に生きる人たちの全ての願いを変えることなんて、自分にはできないと。


あなたもそう思う?


そうしてヤンは、「苦しんでいる人を助けたい」と祈り続けてきたヤン自身から目を背けてしまった。






ヤンは……彼は変わり果てた。
アンジェラ達「図書館」に属する存在なら、彼に起きた現象のことをこう呼んだだろう。
ねじれ、と。

ねじれてしまったヤンは、モイライに「図書館」への招待状を求める。
モイライが持っていたそれを受け取ったことで、彼は「図書館」に向かった。

……全ては「都市の意思」のままに。

接待:,D@;Q7Y


与えられた道を歩んでいく才能は十分あるから……
幸せにはなれなくても、すぐに足を踏み出すべき場所はある。それで十分だ。

,D@;Q7Y
  • 体力 500
  • 混乱抵抗値 280
  • 速度ダイス 3個
    • 速度 2-5
  • パッシブスキル
    • 揺らぎ:毎幕ごとに手元とデッキにある全てのページを消し、使用するページを手元に追加。全てのページのコストが0になる。
    • ,D@;Q7Y:自分の体力が301以上かつ、全ての手の体力が30以下になると他の手と合体する。
      自分の体力が300以下で他の手と合体した状態なら、幕の終了時に手と分離する。
      分離時に全ての状態異常を解除し、混乱抵抗値を全快する。
    • ねじれた剣手と合体した状態や、自分の体力が300以下なら周期的に広域攻撃ページを使用する。
      舞台が長引く場合にも広域攻撃ページを使用する。

耐性値 体力 混乱
斬撃 普通(1.0) 普通(1.0)
刺突 普通(1.0) 普通(1.0)
打撃 抵抗(0.5 抵抗(0.5)

左手
  • 体力 200
  • 混乱抵抗値 0
  • 速度ダイス 3個
    • 速度 2-7
  • パッシブスキル
    • 揺らぎ:毎幕ごとに手元とデッキにある全てのページを消し、使用するページを手元に追加。全てのページのコストが0になる。
    • 手:混乱状態にならず、体力が減っても破壊されない。幕の開始時に体力が30以下なら行動できない。,D@;Q7Nが居なければ破壊される。

耐性値 体力 混乱
斬撃 普通(1.0) 免疫(0.0)
刺突 抵抗(0.5) 免疫(0.0)
打撃 普通(1.0) 免疫(0.0)

右手
  • 体力 200
  • 混乱抵抗値 0
  • 速度ダイス 3個
    • 速度 2-7
  • パッシブスキル
    • 揺らぎ:毎幕ごとに手元とデッキにある全てのページを消し、使用するページを手元に追加。全てのページのコストが0になる。
    • 手:混乱状態にならず、体力が減っても破壊されない。幕の開始時に体力が30以下なら行動できない。,D@;Q7Nが居なければ破壊される。

耐性値 体力 混乱
斬撃 抵抗(0.5) 免疫(0.0)
刺突 普通(1.0) 免疫(0.0)
打撃 普通(1.0) 免疫(0.0)

…へ。弁当を作って今日の午後1時に11区のゴミ箱の上で食べる。

ねじれてしまったヤンの接待である。
異形と化した彼は虚ろに「指令」を呟きながら「都市の意思」を為そうとしている。
彼の悲痛たる思いを無駄にしないために、ここで悲劇を断ち切ろう。

「,D@;Q7Y」戦は本体と「左手」「右手」がそれぞれ独立した敵対存在として出現する。
パッシブをよく読めば、最初は分離状態から始まり、両手を追い詰めると合体してワンテンポ置いてから広域攻撃を使用。
そしてその後に分離……というルーチンで動くことが分かる。

まず戦闘開始直後は分離状態なので、分離状態からの解説をいきたいと思う。

…へ。62番目に会った人の指を清潔に切ってあげる。

分離状態時、主な攻撃は「左手」と「右手」が行う。
「,D@;Q7Y」本体は、反撃回避ダイス盛り沢山で戦闘開始時に両手へのバフやこちらへのデバフを付与するバトルページを使用する。

攻撃 コスト0 体力が31以上ある手がある時のみ使用可能
戦闘開始 相手が手の場合、パワー3を付与
反撃(回避) 20-30
反撃(回避) 20-30
反撃(回避) 20-30

保護 コスト0 体力が31以上ある手がある時のみ使用可能
戦闘開始 相手が手なら保護3を付与
反撃(回避) 20-30
反撃(回避) 20-30
反撃(回避) 20-30

警戒 コスト0 体力が31以上ある手がある時のみ使用可能
戦闘開始 相手は今回の幕の間、威力の効果を受けない。
反撃(回避) 20-30
反撃(回避) 20-30
反撃(回避) 20-30

見ての通りダイス値が非常に高い。この回避ダイスを上回ってダメージを与えるのは非常に難しく、初見では無視したくなる。
だが戦闘開始時の効果の欄に注目して頂きたい。バトルページのバフは「相手が手の時」にのみ適用される。
そのためこれらのバトルページからマッチを取り、ターゲットを手から移してしまえばバフは適用されない。
つまりマッチ勝利できないことを前提の上でマッチを取りに行く必要があるのだ。
マッチ敗北によってネガティブエモーションを獲得してしまうのは場合によってはよろしくないだろうが、これで手へのバフを防ぐことができる。

…へ。屋上の手すりで嫌いな人の名前を大声で叫んで飛び降りる。屋上の高さは問わない。

続いて、手の攻撃。

巨大な拳 コスト0 刺突 9-17 的中 相手に5ダメージ
防御 5-8
反撃(刺突) 4-7

圧縮 コスト0 防御 6-9
打撃 6-10 的中 次の幕 麻痺2を付与
打撃 4-8 的中 次の幕 虚弱1を付与
反撃(打撃) 3-7

専用ページ ,D@;Q7Y コスト3 斬撃 4-8
不吉な烙印
刺突 6-10 的中 腐食2を付与
防御 5-9

専用ページ ,D@;Q7Y コスト4 防御 7-9
施錠
打撃 12-19 マッチ勝利時 相手の次のダイスを破壊

ダイスの最小値や最大値がなかなか大きいバトルページが多く、マッチ制御が難しい。
パワー付与やパッシブの威力強化で出目を上げたいところだが、「警戒」のターゲットに取られていると全ての威力系効果が無効となる点に注意。
防御バトルページを多く採用したタンクを用意して、そのちらが「警戒」や他のバフ用バトルページのターゲットを取ると良いかもしれない。
また、あまり見ない状態異常「腐食」を付与してくる。
被ダメージ量・被混乱ダメージ量が増加する上になかなか減りづらい状態異常でこれも厄介。付与されたら被弾に気を付けよう。
「警戒」に気をつけて、強化したダイスで殴り続ければ手の撃破はそれほど苦戦はしないだろう。

…へ。白い壁から緑を見なさい。

手を削って本体と合体した後、「,D@;Q7Y」は反撃防御ダイスだけを搭載したバトルページを使ってひたすら耐えようとする。

耐久 コスト0 反撃(防御) 4-7
反撃(防御) 4-7
反撃(防御) 4-7
反撃(防御) 4-7

ここは地力が試されるので、頑張って攻めて「,D@;Q7Y」の体力を削ろう。
ただしある程度余力を残しておくことを推奨する。この形態になってから2幕目に広域攻撃バトルページ「ねじれた剣」を使用してくるからだ。

専用ページ ,D@;Q7Y コスト7 広域攻撃-合算
ねじれた剣
斬撃 18-33 的中 腐食2を付与

広域攻撃としてのダイス期待値は高い方であり、事実上確実に防げるようなバトルページは存在しないためなかなか厄介。
どのように光やバトルページ配分を施したところで事故の確率は拭えない。
いっそのこと「ねじれた剣」使用のタイミングを狙ってバフを盛々にしておき、対抗できる可能性をなるべく高くしたほうがいいかもしれない。

…へ。職場で初めて自分を怒鳴った人の耳を切る。

合体から2幕経過すると、分離して左手と右手が再度出現。これ以降、接待終了までずっとこの形態のまま続行する。
基本は合体前と同じだが、感情レベルが上がる関係で「,D@;Q7Y」の速度ダイス数が多くなり、それだけバフを多く付与しようとしてくる。
また一度合体すると、分離後も「ねじれた剣」を2幕毎に撃ってくるようになる。

この2つの行動パターン追加により、分離後は一気に苦しくなる。
こちらも感情レベルは上がっているものの、それで増えた速度ダイスは相手のバフ用バトルページをスカらせることに使わなければならない。
そのうえで2幕毎に安定して阻止することができない「ねじれた剣」が飛んでくる。この広域攻撃連打が非常に厳しい。
できれば合体中に火力を集中して倒しきってしまうのが理想だが、分離まで長引いてしまった場合はなるべく短期決戦を心がけた方がいい。
E.G.Oなどの強力なバトルページをなるべく早く使い、手早く本体を倒すことに注力するべきだろう。

…へ。今すぐ家に帰る。家の前で犬が1回吠えれば外に出られる。


接待を完了すると「,D@;Q7Yの本」が手に入る。
バトルページは光回復とページ抽出を同時にできる「都市の意思」や光の前借りができる「不吉な力」など独自の効果が多く、個性的。
「,D@;Q7Y」のコアページは簡単に威力を上げれるパッシブの他、伝令である彼らしくサポート効果を持ったパッシブを持つ。
……装着する見た目はちょっとインクで黒く染まったヤンのものなので残念安心。
また専用バトルページとして「不吉な烙印」や「ねじれた剣」なども使える。
この「ねじれた剣」はデッキに投入できる広域攻撃ページであり、ループデッキを組むと毎幕使うことができる。



余談

  • ねじれてしまった後のヤンの名前はゲームの言語設定によって異なる。
    ・日本語:,D@;Q7Y
    ・韓国語:enlxmfflsdis
    ・中国語:rnfmabj
    ・英語:얀샋ㄷ요무
    一見すると意味不明な文字の羅列に見えるが、実はとある法則性がある。
    例えば日本語版は日本語キーボードのかな入力モードでこの通りに英字キーを押すと、それぞれの文字が「,」「D」と対応する。
    これを全て入力すると、名前が「ねし゛れたやん」になるのだ。
    韓国語・中国語も同様で、各国語のキーボードとIMEで打鍵するとそれぞれ「ねじれたヤン」に相当する訳語になる。
    なお英語にはIME切替がないので、ここだけ韓国語キーボード準拠になっている。
    ハングルとしては意味をなさない文字列だが、韓国語キーボードでこの通りに入力すると「d」「i」と対応。
    最終的に「distortedyan」となり、英語での呼称になるという仕組み。

  • 「,D@;Q7Y」との接待では、専用背景と専用ボーカル付きBGM『Children of the City』が流れる。
    専用曲を持っている、という点では同じ「都市の星」後半のゲストであるシャオを思わせる。
    しかしその戦闘に至る経緯、そして専用曲の雰囲気は真逆。
    こちらはヤンの絶望がひしひしと感じ取れるような淡々とした口調で、ヤンの思いを語っている歌詞である。
    Mili氏が手掛けた曲の中でもなかなか見られないような曲調なので評価は高い。

  • ヤンがねじれてしまう直前の台詞をよく見ると、「心の中から響くあの声」が聞こえていたことがわかる。
    彼にもシャオ残響楽団の面々、遡ればゲブラー(カーリー)*3と似たような状況ではあったのだ。
    つまり彼もまた自分だけのE.G.Oを手にして覚醒した可能性があったのである。
    ゲーム中のシナリオでは絶望してしまいねじれたヤンであったが、仮に全ての事実を知った後も「それでも」と言えたのなら……

  • ヤンがねじれてしまった経緯から
    「ヤン君が何をしたと言うんだ」
    ・「例え接待でもヤン君と戦いたくない」
    「ヤン君を曇らせてねじれに至るまでの経緯は最早芸術」
    ・「プロムンは人の心が分からない」

    などの悲喜こもごもの感想を述べるプレイヤーは多い。

  • ,ねじれてしまった後のヤンの声だが、韓国語・日本語音声共にこれがまた凄まじい事になっている。
    カタカタカタというタイプライター音と重なる歪みきった合成音声めいた声は、聞くだけで薄ら寒さを感じさせるだろう。



指令:Wiki籠りへ。e値を読み終えるまで追記・修正を止めないでください。2.718281...

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最終更新:2025年04月27日 11:44

*1 先述の通り従ってたほうが得するのを分かっているので反乱はない。

*2 作中において、肉体を機械に置き換える技術の括り。支配者である「頭」の方針により全身を変える場合人間からかけ離れた見た目になる。

*3 カーリーの場合は、聞こえたのは正確には作中に出てくる「あの声」ではなく「持っていた試作品のE.G.O.」から聞こえた話しかける声のようなものではある。しかしその前後に自らの内心に対して深い葛藤や熟考があったことは共通している。