シャトレーゼ

登録日:2023/05/16 (火) 18:05:10
更新日:2024/08/25 Sun 07:56:22
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自然のおいしさと。人の想うおいしさと。




シャトレーゼ(Châteraisé)とは、日本の菓子・食品メーカーである。


【概要】


創業者は齊藤寛。シャトレーゼホールディングスが運営しており、本社は山梨県甲府市に置かれている。
企業名はフランス語のシャトー(城)とレザン(ぶどう)を組み合わせた「ぶどうの城」という意味を持つのだが、言葉としては造語である。
シャトレーゼの創業地である山梨県甲州市勝沼町はぶどうの名産地として知られている。

会社のルーツは、1950年代に山梨県甲府市丸の内のオリオン通り(現:オリオンスクエア」)に今川焼きのお菓子を売っていた「甘太郎」という店。
砂糖を使った商品が好評を得た甘太郎はやがて企業として発展し、山梨県長野県などの地域を中心に展開していた。
ところが冬にしか売れない商品の性質を問題視した甘太郎の社長の兄である齊藤寛は、1964年に山梨の東山梨郡勝沼町(現:甲州市)にて大和アイスという会社を設立してアイスクリーム事業に乗り出す。

しかし、物事は簡単にはいかずに大和アイスのアイスクリーム販売は大手のライバルに押されてかなりの大苦戦を強いられてしまう。
そこでアイス販売の一方で開発していたシュークリームの販売にアイスの製造ラインを使うという手段を開拓、当時のシュークリームの平均的な相場の4分の1の価格のシューアイスを発売する。
シューアイスのヒットと共に企業は確実に成長、1967年に大和アイスが甘太郎を吸収する形で合併した菓子店「シャトレーゼ」が誕生するのだった。
1970年代に入ると首都圏への進出とフランチャイズ展開や各地への工場の設立が本格化していき、更に成長を遂げた。

成長の一方で、1984年に起きた主力工場の大火事、2000年代の金属片混入問題や水道水白濁問題などの不祥事による信頼の大きな失墜といった低迷もあった。
2010年代にはシャトレーゼホールディングスへと商号を変更し、食品専門部門としてシャトレーゼが成立する。
それ以降は海外菓子メーカーや亀屋万年堂を買収して傘下に加え、海外展開と和菓子展開の強化を進めている。

食品以外では国内でゴルフ場やホテルなどレジャー施設の運営を実施しており、それらの施設では自社のケーキやアイスが食べ放題というアドバンテージを生かしたサービスもある。

【菓子店としての特徴】


シャトレーゼは同業他社と比べても価格の安さに定評がある。
安さの理由は工場直売の店舗が多いためであり、これは1984年の工場の消失の影響で各地での販路を競合他社に奪われた影響から来ている。
百貨店やスーパーマーケットへの展開には消極的だったが、2010年代からはコンビニに展開するなど基本的にこの方針は薄れつつある。
また、「広告宣伝費を使うよりも良い素材を仕入れたい」という理由でCMやスポンサー契約などに力を入れていない*1ことも価格維持の理由の一つとも言われている。
低価格維持の弱点として、一部を除きクリームとスポンジを共有して作っている為、同じような味の商品が多い。

メニューは洋菓子と和菓子の両方を取り扱っていることから種類が多く、ワインやパンも展開している。
糖質オフやアレルギーに対応したスイーツの展開に力を入れており、制限を課せられた人でも食べられるような商品がある。

【主なメニュー】


  • チョコバッキー
食べていくとパリッとしたりバキっとしたりと食感が変化するという特徴を持つアイスバー。発売最初期は「パリッと巻きチョコバー」という名前だった。
アイスバーの個体ごとにチョコレートの入り方が異なっているが、これは不均一にチョコを入れることで変わる食感を実現させるため。
実は狙って作られた商品ではなく、新商品のアイスの開発においてチョコが不均一に入ることでイメージ通りの試作品が作れなかった際に、これはこれで面白いし美味しいからという理由で開発された。

  • 北海道産バターどらやき
自家炊き粒餡と塩味を効かせたバタークリームで作られたどら焼き。
年間に1,500万個以上売り上げているというシャトレーゼの大黒柱とも呼べる人気商品。

  • しっぽまであん
自家炊き粒餡とアイスがたい焼きモナカの中にサンドされた和菓子アイス。
名前が示す通り、尻尾の部分まで中身が詰まっている。

  • 笑みころん
ミルクキャラメルバタークリームがサンドされているダックワーズ。
子供でも安心して食べやすいことを売りにしており、香料や乳化剤を一切使用していない安心な素材と1個の価格の安さによる高いコストパフォーマンスがアピールポイント。

【アニヲタ的には】


競合他社の銀座コージーコーナーや不二家と比べるとサブカルチャー方面との交流は極めて少なく、サブカルとのコラボ商品と言った展開もあまり見られない。
東京ディズニーリゾートではシャトレーゼ製のミッキー&フレンズのおかきが販売されている。

【余談】


  • 創業者の齊藤はシャトレーゼの運営において無借金経営という状況に否定的だったことを明かしている。
    その理由は曰く「借金するからこそ知恵が出る」「会社が大きくなると危機感が薄れて怠惰な社員が増えるため、常に危機感があった方が良いから」とのこと。

  • 同社の広報室長である中島史郎はシャトレーゼの評価について「『安いのにおいしい』と評していただくことは多いのはありがたいが、我々が目指しているのは『おいしくて安い』(意訳)」と語っている。





追記・修正はシャトレーゼでケーキを購入してからお願いします。

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最終更新:2024年08月25日 07:56

*1 その代わり、情報番組などの取材を積極的に許可しており、これを実質宣伝に使っていると言ってもいいだろう。