絶対音感オトダマスター

登録日:2023/07/11 (火曜日) 14:00:00
更新日:2023/07/13 Thu 02:32:17
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『絶対音感オトダマスター』とは、2007年8月2日にハドソンから発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト。

ジャンルはRPG、もっと言えばポケモンやら妖怪ウォッチやらに近い、モンスター収集ゲームというジャンルになる。


それらと比べて特徴的なのはニンテンドーDSの内蔵マイクで取り込んだ音から音の精霊「オトダマ」を呼び出すという類を見ない前衛的なシステムである。

主人公は音の精霊「オトダマ」を「サウンドギア」で使役する「オトダマスター」となり、オトダマの力を借りて戦う。

ゲームシステム


根幹のゲームシステムはモンスター収集ゲームの例に漏れず、「モンスターを集めて」「戦ってレベルを上げて」「属性相性を考えてボスを倒す」というもの。
だが、オトダマスターはシナリオからシステム、用語まで「音」が関係すると言うのが特徴。

オトダマレーダー

いわゆる「モンスターを集める」部分。が、よくあるこの手のゲームと異なり、敵モンスターを捕まえるのではない
専用のレーダー画面からニンテンドーDSのマイクに音を入力することで、音の精霊オトダマを捕まえることができるのだ。

とはいえ序盤からあらゆるオトダマを捕まえられるわけではなく、ストーリー進行に応じて上がるランク(「f(フォルテ)」「ff(フォルティシモ)」「fff(フォルティッシシモ)」*1)に応じて、捕まえられるオトダマの『レベル』や『進化段階』が決まっている。

さらに、オトダマレーダー自体も三種あり、ストーリー進行によって使えるものが増えていく。

音で探す

最初期から使えるオトダマレーダー。
音程や音の長さによって出てくるオトダマが変わるほか、『特定の音』でしか出ないオトダマも結構いる。

代表的なものは以下
  • アドアド/ディエース/キューブイ:それぞれ「ゲームボーイアドバンス」「ニンテンドーDS」「ゲームキューブ*2」の起動音で出現。姿もそれぞれGBA、DS、GCを模しているゲーム機のオトダマ。現物を持っていないと手に入らない(DSは2台必要)、妙な入手難易度の高さ。
  • ガガガニクス:イメージソングであるURCHIN FARMの"存在音"……のボーナストラックに入手用の音源が付属する。
  • ドッシーン/ピカンダス/ヒュオーガ/ビュービュラ/ヘビーメタル:敵集団の首領、争音王子ノイズの使うオトダマたち。敵限定かと思いきや、公式サイトで配信されていた音源から手に入る。
  再序盤の「f」期、かつ「音で探す」で手に入る割に凄まじく強く、バランスブレイカー、あるいは初心者救済レベルの性能を誇る。
  今では公式サイトが消えてしまったため手に入らない……と思いきや、Youtubeに音源が残っているので今からでも一応手に入る。
  • シロボン/クロボン/ゴールドボン:今では本当に手に入らないのはこっち。ボンバーマンコラボキャラ。WHF(ワールドホビーフェア)のみで音源が配布されたため、正規個体数は極めて少ない。とくにゴールドボンは大会参加者のみに配られたので、非改造個体はわずか2桁。

ことばで探す

最初のノイズセクステット、ウーハーを倒すと解禁されるオトダマレーダー。
言葉を入力することでオトダマを捕まえられる。捕まえるための言葉はゲーム内でヒントがあったりなかったり。

オトダマを捕まえられる言葉にはいわゆる早口言葉「あめんぼあかいなあいうえお」だったりが多いが、「ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン」やら「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」でも出る。早口言葉っぽいけどさ……

代表的なものは以下
  • プリリン:「ウンコ!」で出現。ピンクのウンコのオトダマ。主プレイ層の小学生男子なら一度はやるだろうが……
  • キンプリン:プリリンを100回出すと100体目に出現する黄金のウンコのオトダマ。つまり100回「ウンコ!」と叫ばないといけない。小学生男子でもそこまでやらん。

メロディで探す

3人目のノイズセクステット、カシマシを倒すと解禁されるオトダマレーダー。
『音楽のメロディ』と言っているが、実際はソプラノリコーダー限定。主プレイ層の小学生はだいたい持っているとはいえ、まさかのピンポイントで物理アイテムを要求してくる。
要求するメロディも、小学校の音楽の授業でやりがちなものが多い。

代表的なものは以下
  • ハウル:「ミミド レ ミソソラソ レ ミ ド レソミ(童謡「朧月夜」)」を入力で出現する狼のオトダマ。スタイリッシュな曲からスタイリッシュな奴が出てくる。
  というか、リコーダー入力と言う都合上入手法に面白みのあるオトダマが一番少ないのがこの入手方法。童謡やら名曲を吹けばたいてい出る。

戦闘システム

味方三体、敵三体のバトル。

属性は「ド」<「レ」<「ミ」<「ファ」<「ド」の四竦みとほぼラスボス専用で無属性枠の「ソ」からなる。

そしてこのゲームで重要なのが『せんりつ』と『三重奏』。

『せんりつ』、つまり『戦闘BGM』を自属性のものに塗り替えることでオトダマは強力なトランス状態になり、さらにとくぎのSP消費がなくなる。

味方三体のオトダマが同属性で攻撃すると、『三重奏』となり、さらに攻撃のダメージが増す。

ストーリーとキャラクター


主人公オトヤたちが暮らすコダマ島にあるとき、争音王子ノイズ率いる悪のオトダマスター軍団が襲来。
世界征服を企むノイズを追って現れた、オトギ島の長老スズナリから力を与えられたオトヤは、音の精霊「オトダマ」の力を借りる「オトダマスター」となり、ノイズたちから平和な島を取り戻すため旅に出る。

オトヤと仲間たち

  • 鳴神オトヤ
主人公である活発な少年。バンドを組むのが目標で、バンドメンバーを探している。
オトダマスターの長老であるスズナリに素質を見込まれ、オトダマスターとしてノイズによる島の支配を打ち砕く旅に出る。

サウンドギアは「メガホン」であり、大声でオトダマを呼び出す。

  • ロック/チックル/ゲプー
初期に手に入る、オトヤの相棒オトダマ。「ロック音楽のオトダマ」で青いドラゴンの子供の姿のロック、「目覚まし時計のオトダマ」で目覚ましのマスコット姿のチックル、「ゲップのオトダマ」で黄色くてキモい一頭身のゲプー。
この手のゲームではありがちだが、ドラゴン型のロックのみイベントで進化できる。
終盤のイベントでこの三体でのバトルを要求されるので、ポッド送りにして育成していないと地獄を見る。

  • スズナリ
ノイズの出身地であるオトギ島の長老。世界征服に乗り出したノイズを追ってコダマ島を訪れたが、老いによりオトダマスターの力を失いつつあるため、才能を見出したオトヤに「サウンドギア」を託し、オトダマスターの力を授けた。

  • チリン
オトギ島からやってきた幼女で、スズナリの孫。オトヤと一緒に旅をするが、だいぶわがままでトラブルメーカー。
失踪した父親リンタロウを探している。

  • ブー
チリンの使役するオナラのオトダマ。戦闘には向かないが、オトヤとともに旅をしてサポートやアドバイスをしてくれる。
「オナラのオトダマ」でありながらかなり上品な執事風のオトダマで、当人もオナラというお下品な音から生まれた事は気にしている様子。

ノイズセクステット

今作の「悪の組織」。世界征服を企み、手始めにオトヤたちの住むコダマ島を支配してしまった。

  • ノイズ
巨大なリコーダー「サウンドギア・暗黒リコーダー」を背負った青髪の少年。「争音王子」を名乗り、なぜか浮いて移動する。

  • ウーハー
自然を愛する野生児。自然の音を愛しており、自然を大事にしていないと見做したセセラギ町の人々を困らせる。

  • ケタタマC
イロモノその1。UFOに乗った謎の宇宙人
実はノイズの部下を装ってるだけの一般侵略宇宙人。
名前は「けたたましい」より。

  • カシマシ
ノイズセクステットの紅一点。関西弁の女忍者。かわいい。
名前は「姦しい(かしましい)」より。

  • コン・ウー
イロモノその2。頭の上にピンクのウンコが乗ったハゲ。
いつでも「ウンコ!」と叫ぶ下品さに、味方からも困惑される謎の男。

  • カマビス
ノイズセクステットの(ノイズを除いたメンバーの)リーダー格の青年。ウェーブした長髪で貴族風のイケメン。サウンドギアもバイオリンで貴族風。
名前は騒がしい、の古典的言い換えである「囂しい(かまびすしい)」から。

  • ミュート
敵か味方かわからない謎の覆面の成人男性。


追記修正はオトダマスターにお願いします。

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最終更新:2023年07月13日 02:32

*1 それぞれ楽譜に記載される演奏記号で「強く」「とても強く」「とてつもなく強く」を意味する

*2 最後の「ドンッ」