登録日:2023/08/20 Sun 02:03:15
更新日:2025/01/17 Fri 02:51:37
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夜明けの咆哮
木々をなぎ倒し
岩を打ち砕きながら
道を作ってきた
幾多の先人たちよ
その志を受け継いで
獰猛な獣が駆ける
凍てついた砂を
熱い咆哮で溶かしていく
いま夜は明けて
新たな時代が始まる
───名馬の肖像 2021年 フェブラリーステークス
シンコウウインディとは日本の元
競走馬。
目次
【データ】
誕生:1993年4月14日
父:デュラブ
母:ローズコマンダー
母父:ダストコマンダー
調教師:田中清隆 (美浦)
馬主:安田修
生産者:酒井源市
産地:浦河町
セリ取引価格:890万円
獲得賞金:1億8,844万円 (中央) /3,700万円 (地方)
通算成績:17戦5勝 [5-3-1-8]
主な勝鞍:97'フェブラリーS
【概要】
1993年4月14日生まれの栗毛の牡馬。父はデュラブ、母はローズコマンダー。
母馬であるローズコマンダーの12頭目となる産駒なのだが、デュラブとの配合については「たまたまシンジケートの会員だったから」という理由らしい。
生涯戦績は17戦5勝[5-3-1-8]、獲得賞金は2億2744万6000円。
主戦騎手は
シンボリルドルフの騎手としても有名な岡部幸雄の他、橋本広喜や田中勝春なども騎乗経験あり。
馬主は建材販売会社『新興産業』の創業者安田修。
落札額は890万円で、ノーザンファームでの育成の後、3歳になってから入厩した。
【戦歴】
東京競馬場の4歳新馬戦ダート1200mでデビュー。デビュー戦で初戦初勝利を飾って見せた。
その後はふきのとう特別、こけもも賞、ほうせんか賞といった芝のレースに挑むものの、入着はすれど勝利は得られず。
5戦目のダートレースであるあさがお賞でダートで2勝目を挙げたことからダート適性が見出され、以降はダート1本に絞られることに。
そしてシンコウウインディのイメージが決定づけられたレースの一つである、6戦目の館山特別。
中団から進んで直線で抜け出し2着まで上がってくるも、前を行くダイワオーシャンをどうしても抜ききれず、何を思ったか内を走るダイワオーシャンに噛み付くという珍事を起こす。
この行動で逆に失速してしまい、結局2着に終わるものの、この出来事がネタ的な意味も込みでシンコウウインディの名を一気に全国へと広げることになった。
そんな中で次戦として挑んだのが初の重賞となるG3のユニコーンステークス。
レース自体は2着止まりだったが、前を走るバトルラインが斜行により降着処分となったため、
繰り上がりという形ではあれど、初の重賞勝利を飾ることになった。
しかしその更に次戦となるスーパーダートダービーにおいて、またしても対戦相手のサンライフテイオーに
噛み付きに行くという狂暴性を発揮。
おまけにこれによってまたしても速度を落として2着止まりという全く同じ結果を叩き出したために、シンコウウインディのネタ馬イメージが更に加速することに。
その後もダービーグランプリに1番人気で出走するも3着止まり。
とはいえ、生涯通してこんな有様だった
というわけでもない。
5歳になってからは、周囲の馬を気にせずレースに集中できるようにとブリンカーを装着。その甲斐もあって、年明けにG3の平安ステークスで重賞2勝目を上げた。
迎えることになったのが当時、国内初のダートG1レースとして繰り上げになったばかりのフェブラリーステークス。
ダービーグランプリ勝者の皐月賞馬イシノサンデーや短距離重賞馬ビコーペガサス、G2時代のレース覇者ライブリマウントとの戦いでもあった本戦で、馬場が最悪に近く、まるで泥田のようなレース場をウインディは力強く駆けていき、ラストは1番人気のストーンステッパーとの一騎打ちに。
この際騎手を務めた岡部は「噛み付きに行くかと思った」と語っていたが、その狂暴性と闘争心が全てレースに向けられた結果、
ストーンステッパーとの競り合いにクビ差で勝利。国内ダートG1レースの初勝利者という歴史的な記録を残すことに成功した。
この功績から当時のダート界を引っ張っていく存在として一際注目を浴びていたのだが、
続くアンタレスステークスや帝王賞では勝利を掴めず、脚部不安から2年の長期休養に入ることに。
復帰後も往年の実力を取り戻すには至らず、復帰戦のなぜか芝な安田記念13着やその後のダート戦線でも勝利を掴めないまま、1999年9月の日本テレビ盃を最後に現役を引退した。
【引退後】
引退後は馬主の安田氏が所有するシンコーファームで種牡馬入り。
しかし、種牡馬入りから少ししてオーナー企業の経営不振による激動に振り回され、産駒数わずか20頭と大苦戦。最終的に2007年からシンコーファームを買い取った日高町のダーレー・ジャパンに身を置くことに。
こちらでは主に種牡馬ではなく試情馬、つまりは本命馬を昂らせるための
アテ馬として日々を過ごしている。
スタッフ曰く「色々なアテ馬を見てきたが、こんな馬はめったにいない、天才的に上手い」とのこと。
2023年に入っても健在で、2023年5月末に
ナイスネイチャが死去して以降、ウマ娘化した競走馬では最長寿となっていた。
....が、その4ヶ月後の同年9月27日に死去。訃報は翌日にダーレー・ジャパンのX(Twitter)で発表された。
ウインディの死去により、『ウマ娘化した競走馬で最長寿』の称号は
メジロドーベルが引き継ぐこととなった。
【創作作品での登場】
第1回フェブラリーステークス回で登場。
「今回のレースがキツい女として知られる「砂の女王」ホクトベガの婿探しを兼ねている」という噂で出走馬達がしり込みする中、一頭だけ特に気にする素振りを見せず平常運転だったため勝ちを譲られる事に。
なお結局噂はデマだった模様当のホクトベガは本話直後ドバイ遠征で無念の死を遂げたため、残念な事に誰とも添う事は無かった…。
また本編外だが同じ作者の本『思いこみ「馬キャラ」分析』で主役回を貰っており、取材に来た作者の前で何かと「噛む」という言葉にこだわっていた。
第7戦「シンコウウインディ~職人~」の主役馬として登場。
担当厩務員だった富岡靖二氏との(色々な意味で)奮闘の日々が描かかれている。ちなみにレース中の噛みつきは2回目のみ描写された。
噛みつきという絶大なインパクトもあってか、錚々たるメンバーに並んで初期から採用されている。
噛みつき要素から、一応高等部なのだが年齢的にちょっと心配になるくらい子供っぽいイタズラ娘というキャラ。やっぱり噛もうとはする。
一人称が「ウインディちゃん」かつ、語尾が「~なのだ」という事もあって、同じ動物擬人化アニメのアライさんを思い出すフレンズが続出した。
馬主の要素を拾って、こんなんでも実は社長令嬢という設定が後に判明している。
大丈夫かなその会社……
比較的初期から登場しているにもかかわらず次々と参戦するダートの猛者達に比べ出番が少ないことを憂う声が一部ファンから挙がっていたが、
ゲーム2周年目前の2023年2月にフェブラリーステークスを目前に控えての満を持して実装と相成った。
追記・修正は噛みつかずお願いします。
- 本来の当て馬って汁男優みたいな感じなのか -- 名無しさん (2023-08-20 04:35:44)
最終更新:2025年01月17日 02:51