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当て馬

登録日:2011/04/10 Sun 11:41:07
更新日:2026/08/16 Sun 16:26:44
所要時間:約 4 分で読めます





「………あのさ」

「ん? なぁに?」

「…………もうやめよう……俺達…間違ってたんだ……」

「―――っ!?」

~♪(オープニングかエンディングに突入)


()(うま)とは以下のものを指す。

1.「当て馬」とはそもそもの種付けの際、その気にならない馬を興奮させる為だけにあてがわれる馬を示す。正式名称は「試情馬(しじょうば)」。
当て馬は対象馬を興奮させ、その気にさせた所で本命である馬へバトンタッチする。生殺しなんてもんじゃないぜ…。
ただし稀に当て馬が本当にやらせて貰えるケースがあり、1988年オークス馬コスモドリームは父が当て馬な事(母が暴れ馬だったため本命を試しづらかった)で知られている。

活躍しなかったサラブレッドは当て馬か乗馬か馬刺かの大体三択になり、ウマ娘化した事で知られるG1馬シンコウウインディも、一度は種馬になるも様々な事情により種牡馬を引退せざるを得ず、その後は当て馬として余生を過ごしていた。
なおこのシンコウウインディ号、興奮した牝馬に蹴られても怖気づいたりせず、スタッフからは「天才的に上手い」「こんなに素晴らしい当て馬は見たことがない」と大絶賛されていた。

また逆に適切な当て馬を一緒に連れてこないとそもそもヤッてくれない困りものの種牡馬の事例もあり、JRA所属経験馬だとウォーエンブレム号が著名。
なにしろ「栗毛かつ見るからに小柄な牝馬」でなければ勃たせてくれるどころか全力で嫌がる偏食(比喩)っぷりな上、産駒はむしろ当たり率が高い(あと馬主名義変更時に金銭でやり取りしたため「7頭につけました。終わり」はいくらなんでも前例にならないように*1回避するしかなかった)から繁殖引退させるわけにもいかんという困りもの。
結局毎回そういう牝馬を当て馬にすることでなんとか繁殖依頼のシンジケートを維持でき、終わってみればGⅠ・JpnⅠ勝利経験ありだけでもブラックエンブレム、ローブティサージュ、オールブラッシュの3名を輩出した名種牡であった(うちオールブラッシュ号がシビルウォー号と共にウォーエンブレムの後継種牡を特殊性癖持ちまで引き継いで*2担当中)。
…まあ精液検査が必要な検疫で案の定いつものイヤイヤ起こしてちょん切られちゃった*3んだが。


二次元作品では、いわば『恋愛の噛ませ犬』
主役とヒロインを本当の気持ちに気づかせる為のカンフル剤であり、恋を燃え上がらせる為の燃料で、2人を結びつける為の引き立て役。
女性キャラの場合「負けヒロイン」と呼ばれる場合もある。
どれだけ健闘しても最後はフラれるピエロに他ならず、往々にして登場した瞬間に判別が可能。

実写作品においても基本的に主演より知名度の低い若手俳優が演じるため、やはり判別できる。

これがギャグ要素や片思いの範疇ならまだいいが、親密になって交際を始めたりしたら目も当てられない事になる(青年誌や少女漫画にかなり多い)。
いかにもアレな性悪ならいざ知らず、何の落ち度もない本当に良い子だったりすると、
身勝手な主役とメインヒロインに怒りがこみ上げてくること請け合い。
特に肉体関係を結んでいた場合は俗に言う”ヤリ捨て”に該当し、
主役にあるまじき最低の所業で一気に好感度がガタ落ちする。下手すると作品の存続に関わる事も。
愛は見返りを求めないものとはいえ、いくら何でも”責任”は生じるものである。


時としてヤンデレと化し刃傷沙汰に発展するケースもあるが、こればっかりは主役の自業自得なので致し方ないとも言える。
中には、そんな惨い仕打ちを受けてもなお愛する人の為に全身全霊で命を懸ける”鹿(褒め言葉)”も存在するが。


なお、一方的か円満を問わず破局に至っては最終的に第三者とくっつくという救済措置がとられる事が圧倒的に多い。
なるべく心変わりを読者に自然に思わせるようにか、
実は「ヒロインと母を重ねていたマザコンでした」とか「いつの間にかあいつが気になってた」とか丁寧な理由を付けて。
だが、これらはかえって恋の鞘当てに敗れた者を貶め逆効果にならないだろうか。
大団円を目指したと言うよりも、ただ傷ついた人間を最後まで正々堂々描く度胸がないだけのように思える。

申し訳程度に副産物なカップル成立でお茶を濁すくらいなら、捧げた一途さや健気さを最後まで貫かせてやって欲しいと感じる人も少なくない筈だ。
勿論、「新しい恋に生きるな」とも「愛を永遠に引き摺れ」とも言う訳ではないが。


尚、女がこれをやるとビッチの汚名≒照合を受ける。なんか…理不尽。
そして、バトル描写のある作品では闇堕ちの定番フラグである。

なお、これをやってしまうとそのヒロインのファンから作品が叩かれることも多々あるので、かなり注意が必要だと言える。

複数ヒロイン/ヒーローが出てくる恋愛ものでは最終的な勝敗を予想する楽しみ方がある一方、自分の好きなキャラが負けてしまったショックもなかなか半端ないものがある。近年、いわゆる「一対一ラブコメ」が人気なのは「最初から安心して楽しめるから」という理由があるのかもしれない。


「俺……やっぱり、あいつと…」

「嘘……だよね? 冗談だよね? ねぇ……あたしと……付き合ってるんだよ…ね…?」

「すまない……」

「あたし…あなたがあの人のこと好きなの……知ってたけど…でも……だけど!」

「……………」

「あなたの方からキスしてくれたのに……それ以上の事だって……だから…だから逆転できたと思ったのに……」

「…ごめん……」

「なのに…どぉして……何で今さら…そんなこと言うのぉ……」

「……………」

「答えて…答えて……答えてよWiki籠もりぃ!!」


追記・修正をする際は背後に気を付けましょう。

2.テレビ番組・映画・ゲームソフト等の集団制作前提の創作方法が基本の媒体を作る際、
上層部・スポンサーに売り込みを行う時に本来自分たちがやりたい企画を通すために、
瞬間的に注目を集めるためだけに制作される、実際には本気じゃない企画書。
作る方・見る方両方がお軽い雰囲気で誰でも見られて、読み流せるようにまとめられることが多い。

但し、ダミー側がスポンサーの受けがよく、それはまずいとばかりに本来の企画の大部分をダミー側にスライドしたり
それまでの本当は本気だった過去の没企画や没プロットや没イメージボード達の蔵出し・再利用・パッチワークだったり等、
その取り組みや駆け引きや情念は年々複雑となっている。

高畑勲「転んでもただは起きずに、昔のネタを使ったわけです」

宮崎駿「『ここで没にされても、別な所で使おう』と引き出しにしまっておくんです。だから作れなかったのは残念だけど、精神的に引きずることはなかった。寧ろ引き出しが増えてよかった」

押井守「企画に駄目をかけられても、諦める必要はない。10年後か20年後に、今風にお色直しをすればいい」

小室哲哉「いざ曲を作るとなると中々『Aメロ→Bメロ→サビ』と通しで思いつくことはない。30秒・8小節・4小節でも思いついたら、すぐにデータなり譜面なりレコーダーなりを使って記録にとって置いて、ストックを貯めた方がいい。そうすればネタ切れになった時にも『Aメロにこのメロディを』と当てはめることができるし、もし流れに違和感を持っても、そこから別のメロディが生まれることもある」

幾原邦彦「作品作りは『良い』と思った幾つものディテールや可能性を捨て去る作業であり、その徒労感や集団とのトラブルに耐えられる人でないと務まらない」

類義語:「ダミー企画」「フェイク企画」「かませ犬」「捨て案

○アニメ

東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)から高畑勲監督にオファーが届き、
高畑監督は「キャラクターの個性が強いから、物語が地味でも面白くなる。東映動画では絶対にできない企画だ」と感銘を受け、
宮崎駿監督が美術設定・小田部羊一氏がキャラクターデザイナーとして高畑監督と共に、
東京ムービーの藤岡豊社長の手引きでAプロダクション(現:シンエイ動画)に移籍して、準備作業に入った。
当時は発想すらなかった「アニメの為だけの世界観を固めるためのロケハン」まで行う程の力の入れようだったが、原作者からのアニメ化の許可が下りず没。
その時に培われた主人公の性格・世界観のイメージを後の作品群にスライドした。
後年「ピッピ」のイメージボード集「幻の『長くつ下のピッピ』」が発売された。

宮崎駿監督が『未来少年コナン』の直接的続編として首藤剛志氏と共同で立てられたテレビアニメシリーズの企画だったが実現せず*4
その時に描いたイメージを転用する形で『天空の城ラピュタ』が生まれた。
「海底世界一周」の企画書はそのままNHKに残り、それをNHKのプロデューサーがGAINAXに持ち込み、
様々な新規設定を盛り込んだ結果『ふしぎの海のナディア』が生まれた。
「青い石」「超古代文明」など、わかりやすい類似設定がある。

新たな長編映画企画の立案にあたり押井守監督は聖書関連はもちろんのこと、新しい建築方面のアニメーションでの表現を模索するために、
建築関連の分厚い本を片っ端から読んで1から勉強するほどだったが、
当時既にスタンダードブランドと化しつつあったルパンシリーズには相性が悪く、没になる。
しかし、この準備期間で得た断片と呼ぶにはあまりに大きすぎる「廃墟」「遺物」「犯人」を表現したイメージ・モチーフは、
その後数々の企画を起こす際のいくつもの当て馬兼押井監督のアイデンティティとなった。
そして2021年、ルパン三世の第6シーズン・10話「ダーウィンの鳥」で元の企画を意識した物語が押井監督の手で展開された。

当初は中国の女性作家ユン・チアン氏の祖母の人生をテーマにしたエッセイのテレビアニメ化の予定だったが、
制作会社の社長から「企画が動くまでに時間がかかる」と言われて、渡されたつなぎの企画だった。
企画書を渡された鳥海永行監督が幼年向けアニメに合う監督を何人か候補を出したが、
社長から「そうじゃない。『ニルスのふしぎな旅』を作り切った貴方にやってほしいんだ。あの演出は貴方にしかできない」と
ファンとしての本音も交えた渾身の説得を受けた鳥海監督が制作を引き受けたことで、今日まで続くご長寿番組がスタートした。社長さん、中々の策士ですなぁ…

「美少女戦士セーラームーン」の企画開発の同時期に「セーラームーン」の人気が出なかった場合の保険として、
魔夜峰央先生の妖怪漫画のテレビアニメ化の企画書がテレビ朝日によって用意されていた。
しかし、「セーラームーン」のシリーズ化が決定したために、魔夜先生の作品のアニメ化企画は消滅した。

「炎の闘球児 ドッジ弾平」終了後、本来は次なる藤子・F・不二雄先生の作品のテレビアニメ化の企画が少なくとも2つ存在し、
その一環として短編映画「ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!」が制作された*5
そのため、当初は飽くまでも「クレヨンしんちゃん」はシンエイ動画・テレビ朝日からは「半年ほどの時間稼ぎ」としか見られていなかった。
しかし、「社会現象」という言葉が相応しい想像以上の反響が巻き起こり、藤子F先生のアニメ化企画は空中分解してしまった。
ちなみに川崎の藤子・F・不二雄ミュージアムのシアター向けに、ドラえもんとのクロス扱いとして新規制作された
「ウメ星デンカ」の新作アニメエピソード『ウメ星デンカ&ドラえもん「パンパロパンのスッパッパ!」』においては、
『宇宙の果てからパンパロパン!』におけるデンカと王妃のCVが続投しているほか、『パンパロパン』の侍従メイン格(ベニショーガ)CVが国王のCVとして継続参加しており、
この中ではパイロット版的な作品をやったのが後で活用された部類*6

「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の直接的続編として企画され、絵コンテ・作画作業にまで入っていたが、スポンサーが集まらず凍結。
山賀博之監督に制作再開の準備期間を用意するため・一旦集まったスタッフのその後の仕事の作るための代打として、
庵野秀明監督によって急ごしらえで企画されたのが「エヴァ」の準備稿であった。
その後も何度か「蒼きウル」そのものの制作再開の情報が出て、資料集・PC向けゲームが発売されたが、具体的な動きは発表されていない。

内容こそ『美少女戦士セーラームーン』の焼き直しだったが、真の意図はさいとうちほ先生の魅力の周囲へのプロモーションにあった。

  • 「あさきゆめみし」→「源氏物語千年紀 Genji」
大和和紀先生による「源氏物語」を題材にした漫画を出崎統氏が監督・構成を担当する予定だったが、
「お色気描写をどうするか」で出崎監督と大和先生の意見が決裂。関係者が橋渡しを務めるも溝は埋まらず、放送開始2ヶ月前で白紙になってしまった。
そして、本来関わるはずだったアニメのスタッフがほぼスライドして、「源氏物語」を別の形で再構成された。

企画当初はSFロボットアニメと原作ものが同時に立ち上がっており、その後二転三転する内にそれらの没企画のパッチワークが軸となっていった。

ポケットモンスター」というブランドそのものが定期的なメディアミックス展開を終了してしまう可能性も考慮して、
首藤剛志氏は長く放送されても、短命に終わっても違和感なく終われる様なエピローグを構想した。
しかし、押しも押されぬ一大ブランドとなったシリーズに対して、「もう必要ない」と判断、お蔵入りとなる。
後に制作された劇場版にて、首藤氏が考えた「ありえたかもしれない道を辿る主人公」というシチュエーションが使用されることになる。

当初はアイルランドの推理小説家ジョン・コナリー氏のファンタジー小説の映画化企画だったが、
映画化権を取得出来ずに断念した。宮崎駿監督はそのショックを長く引きずりながら、
パッと見は別作品に見える様に、吉野源三郎氏の同名の作品の要素を交えつつ、設定を大幅にアレンジした上で制作された。
「主人公の抱える複雑なお家事情」「様々な過去の古典の面影が見えるヒロイン」「異世界の実態」に奇妙な共通項が見える。
吉野氏「えぇ…」

2011年3月17・24日に前後編で放送予定で、10日放送*7の第22話『ヒウンシティ!フシデパニック!!』でもこの話に向けての伏線や予告が行われていたのだが、その翌日となる11日の金曜日、日本でも最大規模の大地震となる東日本大震災が発生。
その影響によって放送休止になってしまったきり放送される事の無いまま*8サトシが主人公を引退し、事実上の欠番となってしまった。
が、2023年にある海外ファンがこの脚本を落札した事により、12年ぶりに明かされた脚本の内容から、この回一部展開が97話*9に流用されている事が判明した。


○漫画

  • 「化石島」最終章→「ピピちゃん」
「化石島」最終章は当初こそ西部劇に準じた展開を用意していたが、版元の東光堂から手塚治虫先生に、
急遽SFストーリーに差し替える様に要請され、元々別の長編作品として準備していた「人魚の物語」を不本意ながら無理してはめ込んだ。
その後、集英社から連載のオファーが手塚先生に届いたことがきっかけで、本来の形で「ピピちゃん」として連載された。

  • 「頭の上のチッカとボッカ」「暴れボロンチョ」→「ジャングル黒べえ」
まず、宮崎駿監督によるテレビアニメの企画書が先に作られ、
宮崎監督によってキャラクターデザイン原案・「アイヌ神話のホビットと人間の交流」という粗筋・「舞台は東京」とまで既に決まっていて、
同時期にAプロダクション(現・シンエイ動画)の依頼で藤子・F・不二雄先生もプロットを何本か提供していた。
しかし、当時は無名だった宮崎監督をメインスタッフとして起用することに毎日放送は難色を示し、宮崎監督のテレビアニメ企画としては実現しなかった。
プロデューサーを担当していた楠部三吉郎氏は「発表媒体が変わってもいいから、形にして。横やりは入れないから」と藤子F先生に頼み、
宮崎監督のデザイン原案からできるだけ離れたデザインを開発し、設定を補強した上で漫画として連載がスタートし、後に出崎統監督によってテレビアニメ化がされた。
藤子F先生は後に「キャラクターは飽くまで宮崎監督が創り出したので、宮崎監督の本来の味を中々引き出せなかった」
「僕が描いた漫画は反響は少なかった。テレビアニメの方が面白い。僕が作った作品ではない」と内心穏やかではなかったことが伺えるコメントを残している。

  • 「ドライブラー」→「ミッドナイト」
「超能力を持つアンドロイドの運転手の活劇」をテーマに1985年から「週刊少年チャンピオン」で連載するはずだったが、
手塚先生が急性肝炎で緊急入院してしまったために、お蔵入り。
その後キャラクターデザインを一新し、主人公である「運転手」が挑むメインテーマを「人間のタクシードライバーから見た人間模様」に変えることで、
1986年から改めて仕切り直して連載された。

鵺野鳴介の教育実習生時代のエピソードとしてプロットが組まれたが、
依頼者を助けられなかった結末が「ターゲットにはショッキング過ぎる」という理由で没、出てくる妖怪はそのままに大筋を改変した上で発表された。
後に文庫版の書き下ろしエピソードで当初の構想通りに発表された。

当初は「デジモンセイバーズ」のコミカライズ企画だったが、大元のテレビアニメ版の企画進行が遅れる。
その結果、代打として別のキャラクター・物語が練り上げられた。
それでも、「デジモンセイバーズ」発のデジモンが登場している。

本来は2008年に粗筋・キャラクター・設定まで描かれた士郎正宗氏原作のオリジナルアニメの企画書であり、
「攻殻機動隊 ARISE」とのクロスオーバーも予定されていたが、色々な事情により頓挫。
2013年に粗筋は変わらないものの、一部キャラクターのスライド・一部設定の改変がなされた上で、六道神士氏による大幅な脚色を持って世に出された。


○音楽

  • 小室哲哉作品全般
普段から1曲をコンペティションに通すための対策として、10通りの僅かなアレンジがあるバージョン違いのデモテープを作る。
その習慣もあり、名物的なエピソードも数多い。
代表例としては、

1983年、TM NETWORKのデビューに向けて「OPEN YOUR HEART」が作られ、マスタリングまで完了していたが、
コンペティションの席で1stアルバム「RAINBOW RAINBOW」の世界観に合わないと判断され、お蔵入り。
1989年にコード進行は全くそのままで、歌詞・メロディ・アレンジを全て書き換えた上で小室哲哉「OPERA NIGHT」として発表。
後に「OPEN YOUR HEART」も1994年のベストアルバム「TMN RED」に正式に収録された。

1989年、「イントロ・Aメロのコード進行が全く一緒のユーロビート調のデモテープ」が数本できた。
メンバー・スタッフの投票の結果、TM NETWORK「DIVE INTO YOUR BODY」・小室哲哉「RUNNING to HORIZON」へと商品化された。

1995年、本来は華原朋美に提供されるはずだったが、
スポンサーのトヨタ自動車が「もっと盛り上がる曲にして欲しい」と言い、小室氏が急遽24時間寝ないで、コード進行の流れが全く同じの別の新曲を作り上げた。
…が、トヨタ側は「ちょっとアレンジを変えて欲しい」のノリだった。軽く言ったつもりが小室氏の情熱に火を付けたのだった。
結果的に「本来華原朋美に提供されるはずだった楽曲」がglobe「Joy to the love (globe)」、
「『Joy to the love (globe)』とコード進行の流れが全く同じの新曲」が華原朋美「I BELIEVE」となった。

1996年、盟友・木根尚登によって制作されたバラード「Tenderness」は
「浅香唯の歌手復帰シングル」→「大賀埜々のデビューシングル」と二転していたがどれも没になった。
最終的に小室の推薦もあり、小室プロデュースの元で木根氏のソロ楽曲として発表された。
しかし、「木根氏による大賀埜々のデビューシングル」は「Close to the night」で実現し、
木根氏は「『Tenderness』が採用されていたら、この曲を大賀さんに提供できなかった」と複雑な心境を告白している。

1998年、偶然マネジメントしていた弁護士が一緒だったマイケル・ジャクソンから「最先端な曲を作ってくれ」と誘いを受けた。
「Invincible」に向けて、イギリスのテクノバンド「プロディジー」を意識して制作した
オルタナティブロックの3曲のデモテープを用意し、ネバーランドにて直接プレゼンを行った。
その内の1曲は内容は公表されていないが、自身のユニットglobe・MUSEUMに素材を流用した。
しかし、残り2曲は「マイケルが歌うこと前提で作った。永遠にマイケルのものだ」と永久封印を公言している。

  • 「ガッツだぜ、鼻息荒いぜ!」→「ガッツだぜ!!」
トータス松本氏が小室哲哉氏にtrf「Overnight Sensation 〜時代はあなたに委ねてる〜」を絶賛したら、
小室氏から「君たちにはディスコみたいな音楽合っていると思うよ」とアドバイスされた。
それを受けて何となく作ったきり放っていた「ガッツだぜ、鼻息荒いぜ!」をメンバー全員で聞き直した際、
「やっぱり、これはいける!」と思い直し、小室氏のアドバイス通りに1970年代のファンク調に手直しされて世に出された。

  • 「世界の終わりの夜に」
元々は2002年にglobeに加入したYOSHIKIがglobeに向けて制作した楽曲だった。
しかし、2003年夏に予定されていた東京ドーム公演がSARSの流行により中止になる。
そして2004年、宝塚歌劇団のショウ「TAKARAZUKA舞夢!」へと、タイトル・主旋律はそのままに、歌詞を全面的に書き直した上で提供された。
そして2005年、YOSHIKIはglobeの正式メンバーから外れるのだった。

  • 「砂時計」
松本隆氏が手掛けた詞を元に小室哲哉氏が曲を載せて、都はるみが歌うのを2008年に出す予定だったが、
都はるみが公私共に親しくしていた音楽プロデューサーの中村一好氏が急逝。そのままお蔵入りとなる。
2017年、作曲をつんく♂が代わりに担当し、クミコ氏へと提供することで改めて世に出た。


○ゲーム

当初は「PlayStation用の鳥山明キャラクターデザイン」のゲーム企画であり、
最初は鳥山氏の画集のイラストをドット絵に落とし込む作業から始まり、徐々に開発陣と鳥山氏の二人三脚でデザイン開発作業が地道に行われていたが、
DRAGON BALL』がフリーザ編で終了するはずのところを、セル編へと連載延長されることになり、頓挫。
鳥山氏のスケジュールに余裕が出るまで、その時のデータを表面上は無関係な形になるように一部引用して制作したのが『聖剣伝説2』である。
その後「○鳥(まるとり)プロジェクト(仮)」そのものが、プラットフォームをスーパーファミコンに移しながらも本格的に再始動したのが『クロノ・トリガー』となった。
主人公・ヒロインの髪型・衣装に若干共通項が見られる。

  • 『クロノ・ブレイク』→『ファイナルファンタジー レジェンズ 時空ノ水晶』
「クロノ」シリーズの正式な第3弾として水面下で開発が行われ、2002年に日本・ヨーロッパ・アメリカにて
正式に商標登録される程の念の入れ様だったが、2000年代後半に商標登録が切れたままフェードアウト。
その後「クロノ・ブレイク」に関わっていた時田貴司氏が開発時にて培っていた
「メインヒロインの設定」「メインキャラクター3人の序盤の関係性」を広げる形で
『ファイナルファンタジー レジェンズ 時空ノ水晶』のシナリオが開発された。

  • 『イナズマイレブン フューチャー』に登場する予定だったキャラと同作の設定→『イナズマイレブン3 世界への挑戦!!ジ・オーガ』『劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来』
当時は『イナズマイレブン』シリーズの外伝作品としてレベルファイブが運営する携帯電話向けポータルサイト「ROID」にて2009年に配信予定だったが、
2010年に配信が延期して以降、何度か延期を繰り返した後ROIDからは名前が削除され、事実上のお蔵入りとなった。
日野社長もこのお蔵入りを悔しく思っていたのか後に何らかの形で公開するいう旨をほのめかしていたが、最終的に同作にキャラや設定が流用された。


○映画

押井守監督・伊藤和典氏・バンダイによる実写特撮映画企画。
「翼竜が群れで責めてきて、自衛隊が撃墜したけど、第2派・第3波がやってきた。これからどうなるかわからないけど、俺たちの戦いはこれからも続く!」という粗筋だったが、
「予算がかかり過ぎる」というバンダイの上層部の判断でNGとなる。
バンダイの上層部から、埋め合わせとして「5千万円は保証するから、なんでも好きな映画を撮っていい」と言われて最終的に「Talking Head」となった。
その後樋口真嗣氏が偶然「D」の準備稿を見て、「これ使っちゃいましょう」と言われて、それが「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」に流用された。

  • 「G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR」→「Avalon」「Garm Wars: The Last Druid」
1996年、バンダイが「ジャパニメーションを世界に広める」の名の元に「デジタルエンジン研究所」を設立、押井守監督に大作長編映画の依頼を出した。
押井監督率いるチームも脚本・3DCGの表現そのもの・メカニックデザインの開発に年単位・十億単位のスケジュールと予算を注ぎ込んだが、
デジタルエンジン研究所の規模自体が縮小、プロデューサーの鵜之澤伸氏が中止を言い渡す。
押井監督は「ふざけるな!会社を辞めてまで企画に付き合ってくれたスタッフもいるんだぞ!責任取れ!」と大激怒。
その結果、開発期間に培った「アニメーションのノリで実写映画を作る」「アニメ・特撮・3DCGのいい所をつまみ食いする」
「現実の日本人の延長線上ではないキャラクターと世界を作る」というテーマをそのまま「Avalon」へスライドさせた。
後に2008年頃にバンダイとの企画会議の際に「『ガルム』はどう?」とかつて中止を言い渡した鵜之澤氏が提言。
更なる紆余曲折がありながらも、2014年に「Garm Wars: The Last Druid」として形になった。

ちなみに「G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR」開発末期、同作の制作チームが冗談半分・本気半分で
機動警察パトレイバー」の実写化に当たってのパイロットフィルム「PATLABOR THE LIVE ACTION MOVIE」を制作。
バンダイは「Avalon」の制作を通すも、その後も押井は諦めずにプロットのリファインを繰り返しながら、数々の企画書の中の当て馬として出し続けた。
そして2014年、「THE NEXT GENERATION -パトレイバー-」として結実した。

バンダイの上層部から「ガンダム」の映像化企画を押井守監督(!)に2回程(!!)出されていた。
1つ目として、バンダイから「『コンバット!』みたいなやつで」とオファーが届き、押井は「食料と弾薬等の兵站をどう扱うべきか」というプロットを書いたが没になった。
それが別の解釈をされる形で、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』になった。

2つ目として、大友克洋監督による『ガンダム』をテーマにしたPV「GUNDAM Mission to the Rise」がきっかけとなり、
『ガンダム』の短編オムニバス映画を作る企画が上がり、押井監督も監督の一人として参加する予定だった。
押井監督は「衛星軌道から竹内敦志氏のリファインデザインによるザクⅡが降下、不時着してそこからパイロットが出てくる」というプロットを書いた。
結果的に企画そのものが倒れてしまうものの、「短編オムニバス映画」というシステムそのものは『真・女立食師列伝』で採用された。
ロボットの降下シーンは同作の作中作『ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子』『ASSAULT GIRLS』で印象的に演出され、
また前述の「兵站とどう向き合うか」の描写は『ASSAULT GIRLS』で描写される*10

  • 『マッドマックス:フュリオサ』
当初は長編アニメーション映画として、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と同時公開の予定だった。
ジョージ・ミラー監修の元で、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にデザイナー・世界観構築の一人として参加していた前田真宏氏が
監督・キャラクターデザイン・脚本・ストーリーボード・技術開発を日本主導で務めていたが、諸事情で制作そのものが中止になる。
時は流れて2024年、ジョージ・ミラーが直々に監督を務めた実写映画として生まれ変わることで世に出た。
前田監督は自身が生み出した「一人の少女の『暴力の支配する男性原理世界』の中での成長劇」を基軸にしたプロット・デザイン・ラフ画面構成が、かなり拾われていたことに対して
「10年以上も前だから流石に色々変わっているとは思ってた。サプライズプレゼントをもらった気分」と嬉しさを露わにした。


○その他

  • 「犬になった王子」→「シュナの旅」
原作はチベットの民話であり、宮崎駿監督はアニメーション映画化を志してしたが、
「地味」「児童映画なんて元が取れないし、広まらない」とスポンサーと宮崎監督がその身も蓋もない結論ですぐに没になる。
しかし、宮崎監督は諦めきれず「せめてもの映像化の1つの形」として、大元を引用しつつも、
世界観を大幅に改変した上で「絵物語」という形態で発表した。
「麦を求める小国の王子」「ヒロインの献身的な支えで、折れた主人公が再び立ち上がる」シーンに共通項がある。

  • 『天外魔境III』→『ハルカ 天空の邪馬台国』『ハルカ 炎天の邪馬台国』
桝田省治氏が手掛けた元プロットの前半が元になっている。
権利元であるハドソン*11との版権上での訴訟問題を防ぐために、
タイトル・キャラクター・縦軸の物語・世界観・メインターゲットは大幅に変更された。
名残として「舞台は邪馬台国」「ボーイ・ミーツ・ガール」「鏡で結ばれた2つの世界」が残っている。
あくまで元にしたのは枡田氏が手掛けた「PC-FXで予定されていたシナリオ」であり、
実際にPlayStation2向けに発売された『天外魔境III NAMIDA』とは関係ない。

  • 『クマリーノ』→『ぽてっとぽてと』
2022年にサンリオにてファンの投票も交えたキャラクターデビュー企画「NEXT KAWAII PROJECT」にて候補として上がり、
「飲食店を営む小熊と保護者の熊」というコンセプトに一部の層から反響が殺到した。
定期的な順位発表でも、常時ベスト3に食い込み、途中経過発表で1位を取ったこともあったが、
最終的には「はなまるおばけ」に座を譲ることとなった…
しかし、2025年。「クマリーノ」の生みの親たるデザイナー・misaki氏がサンリオを退社。
フリーランスで「ぽてっとぽてと」を起ち上げた。「飲食店を営む小熊と保護者の熊」の構成が完璧にスライドされている。
少なくともmisaki氏は「あの子たちとは、ぜ、全然関係ないんだからぁああああああああ!!!!!に、似てないよぉぉ!!!!!」とのこと。



追記・修正をする際は「死んだ子の歳の数を数えるように(by桝田省治)」行いましょう。

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最終更新:2026年08月16日 16:26

*1 当たり前だが、双方に悪意や詐欺行為の意図が無かったのはもちろんである

*2 ウォーエンブレムは先述のように激しいロリコン。オールブラッシュはおしっこフェチが激しく、相手の尿の匂いを嗅がないとスタンバイしない。さすがに当て馬が無いと冗談抜きに無理まではいっていない模様?

*3 当該の病気は有効なワクチンや薬が開発されていないため、一度馬産地に流入すると一気にその地域の馬産を壊滅させてしまう・牡馬はキャリアでも原則無症状と仕方ない面はあった

*4 1999年に放送された「未来少年コナン2 タイガアドベンチャー」は飽くまでも「一部世界観設定を引き継いだ上での異なる世界の物語」である。別作品で例えれば「FINAL FANTASY」のナンバリング作品のノリに近い。

*5 以前東京ムービー(現在のトムス・エンタテインメント)によって実現していたTVアニメはモノクロだったため、『ウメ星』のカラーアニメはこれが初。

*6 ただし、同ミュージアムの『ドラえもん』以外の作品において主人公のCVを変更したケースも21エモン(短編映画:井上和彦、アニメシリーズ:佐々木望、FミュージアムSPアニメ:斎賀みつき)や『チンプイ』のエリ(アニメシリーズおよびSPアニメ1作目:林原めぐみ、SPアニメ2作目:潘めぐみ)のケースがある。

*7 当時のアニポケは金曜日でなく木曜日に放送されていた。

*8 当初は年内に再放送が予定されていた。

*9 公的なエピソードだとシーズン2の13話

*10 特にノベライズ版では、弾薬の残り・兵器の使用時間・大技をかます為のチャージにかかる時間等に丁寧に向き合っている。

*11 現在はハドソンの権利はコナミに譲渡されている。