登録日:2017/06/08 (木) 15:15:00
更新日:2024/09/07 Sat 20:26:50
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概要
「噛み付き」とは、最も手軽にできる攻撃の一つにして、
最もやってはいけない行為である。
英語では
bitingという。
格闘技ではラウェイや
プロレス等では許容されている
頭突きと違い、
目潰しや金的と共に反則として禁止されている技である。
傷口に唾液が付着するため放っておくと化膿しやすく、場合によっては破傷風など感染症を引き起こす可能性もある。
人間・動物を問わず、噛み付きで傷を負った場合は必ず傷口を洗浄・消毒し、その後の経過に注意すること。
特に野生動物に噛みつかれた場合は命に関わる事態となりうる。必ず医療機関を受診し、必要な処置(抗毒血清、抗生剤、ウィルスワクチンの投与など)を受けること。
金的や目潰しと同様やられた側に確実に傷を負わせられる技であり、
しかも金的や目潰しと違って傷跡が確実に残る上に下手すれば後遺症が残るどころか
噛んだ場所によっては指など体の一部が欠損する可能性も高い為絶対にやってはいけない行為である。
プロレスにおいては、残虐性を売りにするようなヒールレスラーが反則技として時々やる事があるが、その場合も欠損の可能性がある個所や皮膚のすぐ下に太い血管の通る個所はまず狙っていないはずである。
その一方で動物の世界においては当たり前に使われており、とりわけ肉食獣は獲物を仕留める際に必ず使う。
現実の噛み付き
動物の噛み付き
現実においては噛みつきの代名詞と言われる動物は主に肉食獣に集中している。
彼らは生きた動物を捕食して生きるため顎の力が発達しており、一度しっかり噛み付いたら相手はほぼ引き離せない。
例を挙げれば
- プリオサウルス=15t(下記のティラノサウルスやダンクルオステウスとは文字通り桁違いの力である)
- ティラノサウルス=6t(絶滅種を含めた場合トップに入る動物の一つ。)
- ダンクルオステウス=5.5t(ティラノサウルスと並んで噛む力最強の動物に挙げられる。噛む力そのものは強かったものの顎の構造上噛み砕く事は出来なかったとも言われる)
- ナイルワニ=2300kg(噛む力に加えてデスロールなどされようものなら…)
- カバ=1000kg(人間の頭なぞ簡単にペシャンコにできる)
- ワニガメ=400kg(世界最大の淡水ガメで、カミツキガメと違って誇張なく人間の腕を簡単に食い千切れる)
- ホオジロザメ=650kg(鯨の死体を顎だけで噛み千切れる。人間が噛まれれば間違いなく即死であろう)
- ブチハイエナ=320kg(その力はライオンよりも強く骨まで粉砕する。そのため中の骨髄も食べることが出来る。)
草食獣でも
馬など、追い詰められた時に使うものも存在する。
また
毒蛇や
コモドドラゴンなど牙から
毒を注入する生き物もいる。
人間の噛み付き
技としては羽交い絞めにされた時に噛み付いて脱出したり、
自ら腕に噛み付いたりと喧嘩では多用される。
先述した様に
プロレスでも反則技ではあるのだが"
吸血鬼"フレッド・ブラッシーや
インドの狂虎タイガー・ジェット・シンはよく
噛み付きを繰り出しては流血させている。
また、サッカー界では
ウルグアイ代表ルイス・スアレスが有名で、これまで3度も噛みつき事件を起こしている。
アヤックス時代には10-11シーズンのPSV戦で
7試合の出場停止処分、
リバプール時代には12-13シーズンのチェルシー戦で
10試合の出場停止処分、
そして
W杯ブラジル大会のイタリア戦では
代表としての公式戦9試合出場停止、スタジアムへの入場禁止を含むサッカーに関するあらゆる活動の4カ月間禁止処分が下された。
とはいえ…
仕掛けている側のほうも深刻な傷を負いやすいのだ。
B型肝炎やHIV等血液からも感染する病気も存在するし、
何より噛み付きという攻撃は相手の血液が体内に入りやすい。
その為、仮に相手がこれらの病気の感染者だった場合、
下手をすると体内に血液が入ってしまったことで自らも感染してしまうことすら有り得る。
なので緊急時であろうと使わない方がいい理由には反撃のリスクだけでなく、こうした感染症のリスクも含まれているからだと言える。顔部分を敵に近づけなきゃいけないから頭を狙われるリスクも上がるし。
とはいえ、体重と筋力で劣る人物が暴漢に掴まれ、反撃に使える道具もこれといって持っていない場合に、相手に切り裂きの痛みと出血ダメージを与えてひるませ脱出のチャンスを作れるほとんど唯一の対抗手段である。
弱い相手に掴みかかるような輩なら痛みと出血でひるむ可能性もあるため、噛みつくしかないという状況もあるだろう。
上に挙げられた理由から
護身術としても割に合わないのは確かだが、他に何も手が無い「完全な徒手空拳、かつ不利なグラップリング状態」から打ち出せる
最後の最後の一手としての有用意義は未だにある。
「手足も折れたならば歯で噛め」なのだ。
創作における噛み付き
バトル漫画等でも時折使われることがあるがこの場合も大概流血沙汰になる上に体の欠損があり得るので、頭突きに比べると使用頻度はかなり少ない。
だが使用者はいるといえばいる。
以下は人間寄りである、もしくは野獣猛獣の類ではない使い手の一例。
などがこれにあたるか。
野人や獣人でなければ無法者に偏る傾向がある。
ミステリーでも被害者の抵抗という形で時折使われる。
噛み付く側は大体命の危機に晒されているので感染症の心配など考える余裕もなく噛み付いてくる。
噛まれた側(犯人)の体には噛み跡が残るため絶対の証拠として使えるのが作劇上の利点。事件後に服や包帯で肌を隠している人物に要注目。…複数いたりミスリードだったりもするのだが。状況的により発生しやすい同じ利点がある引っ掻きの方が使用頻度は高め。
強盗、誘拐、悪あがきした犯人に羽交い締めされた
人質が
犯人に噛み付いて逃げ出そうとする時に使われることも多い。
ギャグ漫画では抗議、懐く、寝惚けて間違えるといったしょうもない理由で頭などに噛み付くことがよくある。ギャグ漫画なので流血しようが欠損や感染の心配は皆無で次のページでは治っている。
ポケモンの技
ポケモンでは噛みつき系の技が多数存在する。
いずれも範囲は単体の物理接触技で対戦での主要な技に比べると威力は低め。
また
特性「がんじょうあご」のポケモンが使った場合は威力が1.5倍になる。
その他の特徴や差異としては以下の通り。
技名 |
タイプ |
威力 |
命中 |
特殊効果(確率) |
初登場作品 |
かみつく |
あく (初代のみノーマル) |
60 |
100 |
怯み(3割) |
初代 |
ひっさつまえば |
ノーマル |
80 |
90 |
怯み(1割) |
初代 |
かみくだく |
あく |
80 |
100 |
防御1段階ダウン(2割) |
金銀 |
どくどくのキバ |
どく |
50 |
100 |
猛毒(5割) |
RS |
ほのおのキバ |
ほのお |
65 |
95 |
火傷(1割)、怯み(1割) |
DP |
かみなりのキバ |
でんき |
65 |
95 |
麻痺(1割)、怯み(1割) |
DP |
こおりのキバ |
こおり |
65 |
95 |
凍結(1割)、怯み(1割) |
DP |
サイコファング |
エスパー |
85 |
100 |
相手のリフレクター、ひかりのかべ、オーロラベールを解除して攻撃 |
SM |
くらいつく |
あく |
80 |
100 |
相手と自分の交代や逃走を封じる |
SWSH |
エラがみ |
みず |
85 |
100 |
相手より先に攻撃すると、技の威力が2倍になる |
SWSH |
なお、「かみつく」は唯一初代から存在する技であるが、当時は
ノーマルタイプの技で怯ませる確率は1割という貧弱で扱いづらい性能だった。
「かみくだく」もRSまでは防御ではなく特防を下げる追加効果であり、おそらくタイプ毎に技の物理・特殊が分かれていた影響と思われる。
「どくどくのキバ」は牙技の中でも最も威力が低いこともありマイナーだが、これでも
XYで追加効果の発生率が3割から5割に強化されている。
比較的威力の高い「かみくだく」と「サイコファング」はタイプ一致でも使えるが、それ以外は基本的に
サブウェポンとしてのみ採用される。
二足歩行型の種族が使うパンチ技や「どくづき」に比べて同タイプの牙技は追加効果の発生率こそ高いものの基本性能で劣るため、やや不遇。
相手の残りHPの半分の
固定ダメージを与える「いかりのまえば」も歯を使う技だが、「がんじょうあご」の対象外。
追記・修正はよく噛んでからお願いします。
- ポケモンの三色キバは噛みつき技のくせに何故かパンチより威力が低い -- 名無しさん (2018-07-04 00:26:29)
- もう何も怖くない -- 名無しさん (2018-09-02 06:54:19)
- なぜスアレスが書かれてないのか。自分はサッカー詳しくないけど話題になってた気がするぞ -- 名無しさん (2018-10-17 09:44:19)
- なんでここまで感情的に否定してるんだろ -- 名無しさん (2020-01-13 22:05:17)
- ↑2スアレスについて追記しました -- 名無しさん (2020-01-13 22:34:31)
- 噛み付きって反撃のリスクもあるけど何より成功して負傷させることができても噛み付いた方が感染症にかかるリスクがあるからなんだよね…血液から感染する病気って結構多いし相手を流血させたはいいけどその血液が体内に入ってしまったらと思うと… -- 名無しさん (2020-01-22 20:49:55)
- 噛み付きが嫌われる理由もう一つ思い付いた。「食われることへの恐怖」もあるんじゃないか。 -- 名無しさん (2020-05-20 18:13:18)
- 噛みつくぐらいなら逃げろだな 相手が冷静なら確実に目を狙われる -- 名無しさん (2020-05-20 18:45:59)
- はだしのゲンの主人公は、噛み付くどころか噛み切っていたな -- 名無しさん (2020-05-20 18:50:58)
- 防振りのメイプルは噛み付くどころか、捕食していたなあ…かわいい顔してな。 -- 名無しさん (2020-07-14 12:31:19)
- 幼児の攻撃方法の一つ -- 名無しさん (2020-08-26 20:14:20)
- 追記したけど噛みつきが最終手段であろうと使わない方がいい理由は反撃とかもあるが、なにより成功してケガを負わせた場合自らも感染症のリスクが高いからだろうなと思う。例えば噛みつきで血が出るレベルのケガを負わせたとして相手がもしHIVとか肝炎持ってたら一発アウトだしね。 -- 名無しさん (2020-09-29 21:52:48)
- スーパーマリオRPGのナンダロナ類も書いてください。 -- 名無しさん (2020-11-16 19:34:13)
- 人間の咬合力は自身の体重が良いとこだからな。挙げられている動物と比較しても明らかに弱い -- 名無しさん (2021-08-12 15:42:47)
- バキシリーズでも、勇次郎が戦場格闘の基本と言いながらも色々吟味しなければ自分の方が痛撃を受ける…と言った感じの発言をしていた。 -- 名無しさん (2021-08-12 15:46:45)
- 弾丸がなく銃剣もなく腕も足もない場合の攻撃手段として某陸軍中将は「やれ!!」と訓示した -- 名無しさん (2021-08-12 15:54:08)
- カイジが噛みついたことなんてあったか? -- 名無しさん (2021-09-02 15:26:18)
- ↑7 何をする! -- 名無しさん (2021-11-02 17:18:09)
- 解説文の最中に使用キャラの紹介が割り込んでいたので、色々並べ替え。 -- 名無しさん (2022-01-22 01:21:56)
- 正直、喧嘩で噛み付く=卑怯者って記述だけ感情論っぽくてしっくりこないんだがどういう理屈なんだろ -- 名無しさん (2022-04-20 15:10:35)
- ↑7 先祖返りか突然変異かは知らんが、歯の耐久力や咬合力が猛獣以上のものを備える人間も現実では幾らか居る様だ。 -- 名無しさん (2022-04-20 15:59:49)
- ヒューマンバグ大学のバイティング須永ってキャラも噛みつきが得意技だぞ -- 名無しさん (2022-04-20 20:58:37)
- ↑6エスポワールで別室を脱出する時やチンチロのイカサマの証拠を押さえる時とか結構重要な場面で披露したじゃないか -- 名無しさん (2023-01-06 12:03:38)
- 猫が飼い主に噛みつくのは愛情表現でもあると聞いたことがあるけど本当? -- 名無しさん (2023-01-06 16:56:49)
- MtGでかつて『一方的格闘』と俗称されていた処理も現在は『噛みつき(Biting)』が正式名称に -- 名無しさん (2023-01-06 18:20:55)
- ログ化を提案します -- 名無しさん (2023-05-19 17:25:02)
- 『ゴッドファーザーⅢ』で新しいボスになる予定の青年が相手にハグするふりして耳に噛みつきするのがフィクションでは印象的 -- 名無しさん (2023-05-19 17:30:30)
- 反対意見がなかったのでログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-05-26 11:21:38
- ↑↑↑↑↑甘噛み程度なら……。ネコの愛情表現は当然ネコ同士に特化しているので、ネコの弾力がある毛皮ならノーダメージで済む甘噛みも人間なら痛いってことを理解する個体もいれば、そうでないヤツもいる。たぶんネコの甘噛みは毛繕いの延長線だというのが個人的解釈 -- (名無しさん) 2023-05-26 18:06:36
- 『K2』では「ヒトの歯も有害な菌が多く付着しているからなんらかのきっかけで本来の顎の力以上に歯が深く刺さるようなことが起きたら傷口からの感染症で大変なことになるよ」ってあったね。 -- (名無しさん) 2023-06-25 11:11:58
最終更新:2024年09月07日 20:26