登録日:2023/09/19 Tue 01:57:42
更新日:2025/02/08 Sat 23:37:48
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出典:ビッグガンガンコミックス『獄卒クラーケン』1巻58ページ/原作:タカヒロ/作画:戸流ケイ/出版:スクウェア・エニックス/2023年4月25日発売
『獄卒クラーケン』とは、月刊雑誌『ビッグガンガン』連載の漫画。
●目次
【概要】
ビッグガンガン2022 Vol.07にて陰惨な展開が続いた『ヒノワが往く!』が
打ち切りとなったこともあってか、こちらは『
魔都精兵のスレイブ』に近い、お色気&
能力バトルものと比較的王道な
異世界転移モノ。
ビッグガンガン表紙では「異世界バトルハーレムファンタジー」・1巻カバー裏では「異世界エロス+バトルファンタジー」と銘打たれた。
性交シーンもあるなど、過激さが『スレイブ』より5割増しと言ったところ。
最大の特徴としては主人公の能力が『烏賊』であること。
原作者も1巻にて「読みながらイカの怪しげな雑学がひとつぐらい増えるかもしれません」と述べている。
【あらすじ】
就職難に悩んでいた清水 空磨は、歩いていた所いきなり異世界に飛ばされてしまう。
そこは異世界人が霊力による様々な「術」を使う世界。
異世界人に騙されて瀕死となったクウマは海に捨てられるも、海の覇者“魔獣クラーケン”と融合し助けられる。
命の恩人烏賊クラーケンに、政争の陰謀により囚人にされたゼイナ王女の救出を頼まれたクウマは女子監獄『海獄城』に獄卒として就職。
海獄城は「女囚人たちの闘技場での戦いや魔獣討伐」を興行とし、その成績「囚人ランク」によって減刑も行う特殊な監獄であった。
囚人に刻まれた印術により海獄城からは脱獄不可能であり、ゼイナは囚人ランクを上げて減刑を狙う。
個性豊かな女囚に囲まれながら、クウマはイカの力を用いて暗殺者からゼイナ王女を守る戦いをしていく。
【世界観・用語】
さまざまな種族が暮らす世界。現地人たちは霊力を有しており、その霊力によって個々人で様々な「術」を習得。オーラを飛ばしたり物を生み出し操ったりできる。
稀に現代地球からの“異邦人”が迷い込むが、帰る手段は見つかっていない様子。異邦人は霊力を持たないため基本的に戦うすべがない。異邦人がもたらした文化や技術が伝わっているケースもあり、中には地球の漫画のストーリーをそのまま模倣して書いている者も。
時々異世界人が迷い込むため、今では特殊な飴玉のようなものを食べることで異邦人でも言葉を交わすことが可能になる技術が確立されている。
1年は365日で月は12か月。これは異邦人(地球人)がもたらしたものではないかと推測されている。
女王が治める中央集権制。
初代女王の教えで「一族で優秀な人間が女王になるべき」という方針であり、「部下の心を掴めないようでは女王失格」ということで、王位継承権を持つ者達に国の重臣たちが投票を行い次の女王を選ぶ。
それゆえに政争も起きやすくゼイナはハメられることとなった。
ちなみに重婚可能な国で、沢山の妻や夫を持つ者がいる。
多神教で、一番信仰されているのは、生命の象徴として鳥の形をした太陽神。
冥府の神ウェシルを崇拝する国々による連邦制国家。
生贄をウェシルに捧げることが美徳とされ、周辺国家に生贄や人員を求めて略奪部隊が出ており、周辺国家には野蛮に思われている。
普段は国家間で略奪と戦闘が繰り広げられているが、ひとたび異教徒に侵略されると一致団結して外敵と戦う。かつてハトル王国の軍勢を撃退したことが、現在の連邦国家設立のきっかけとなった。
月の神ハトルを信仰する敬虔な国。封建国家制であり、かつては分割相続で争いが多かったが、近年は長男の調子相続となり国力が高まってきた。
隣国であるセベク女王国とウェシル連邦にそれぞれハトルの伝承にまつわる聖地があるため、その聖地を奪取しようと近年軍備を増強している。
◆海獄城
セベク女王国が管理する、城を改造して造られた女子刑務所「海獄城」。海のそばに立っており、断崖絶壁でそばの海はクラーケンをはじめ危険な魔獣達が住んでいる。海獄城城主/牢獄長をアイシスが務める。
腕に自信がある女囚たちが収監される特殊な刑務所。
女囚たちの刑務作業は「戦うこと」。闘技場がそのまま隣接されており、女囚同士で戦うこと・魔獣と女囚が戦うことはセベク女王国の大人気エンターテイメントで、賭けで観客を沸かせている。無論女囚が死亡することもありうる危険なものだが、即死していなければ優秀な治療班の療術により重傷でも治癒される。
もう一つの刑務作業は、懲罰部隊として刑務所の外で危険な魔獣を討伐したり未知の洞窟などの探索調査をしたりすること。見返りも大きいが危険度は高め。
女囚たちはS・A・B・Cでランク分けされている。闘技場で勝ち続けたり探索で成果を上げたりするとランクが上がる仕組みとなっており、上位ランクの囚人は監獄内で色々自由が効いたり食事なども差ができる。
Sランクともなると囚人ながらVIPのような扱いを受ける。
獄長アイシスは海獄城がつつがなく機能するならば大半のことには目をつむる方針であり、それゆえ大概のことは金で解決する。
そうしたこともあり、監獄内での囚人の自由度は高めで、日中ならば海獄城内を自由に動ける。
ただし囚人の中には、囚人のふりをしたアイシスの密偵もいるとのこと。脱走者や反逆者は、アイシスの印術により容赦なく処刑される他、密偵はわざと八百長試合をもちかけて不正をする意志を確認する場合もあるという。
活躍を重ねて国家貢献すれば減刑が約束されており、中には減刑されて早期出所し、国の英雄となった者もいる。
女性ばかりなこともあり、基本的には刑務官も女性。珍しい男性刑務官は(色んな意味で)人気になりやすい。獄卒長は多くの女囚を管理する必要がある。
囚人の集団は「獄」と呼ばれ、一つの獄に囚人が6人おり1人の獄卒が管理する。「獄中対抗団体戦」も行われる。
団体戦はチームワークが求められ、やる気がない者が一人いるだけで敗色濃厚になる仕様。優勝した場合、囚人にもその囚人たちを取りまとめた獄卒にも大きな褒美が送られて高く評価される。
女囚が規則違反をした場合、海の底にある海底懲罰房に一時的に送られる。
海底では鉱石が採掘できるが環境が劣悪なためトラブルを起こした囚人たちが労働力として用いられている。
囚人の体調管理や意欲向上のため、担当獄卒ならば懲罰房送りの囚人を数時間だけ地上に戻すこともできる。
懲罰期間が終わった場合、担当獄卒が囚人の心理状態をチェックした上で「問題なし」と判断すれば地上に戻される。
スケジュール
海獄城では季節ごとに様々な興行が行われている。
成績優秀者や
人気投票上位による選抜者トーナメント。
敗者復活無しのトーナメントで、優勝した女囚は女王と謳われて翌年までSランク権利を保有できる。
通常ランク戦。勝ち負けでランクが上下する。女囚の1対1に限らず、タッグマッチや魔獣と戦うショー形式もある。
上半期ランク戦1位の成績優秀者はSランクの権利を保有できる。
チームバトル。『獄』単位でのトーナメント。優勝した『獄』には様々な賞品が贈られる。
通常ランク戦。上半期同様、1位の成績優秀者はSランクの権利を保有できる。
ランクリーグは休み。
このとき、1年を通して外部探索で一番成績を上げた女囚は翌年までSランクの権利を保有できる。
◆魔獣
人間達を襲うモンスター。危険度は高いが、中には武具や素材にも転用されることもある。
セベク女王国では、魔獣の素材を利用して物を圧縮して持ち運べる袋が発明されている。
数多の海の魔獣の中でも覇者と謳われる
巨大イカの怪物。狩りに来た軍隊を壊滅させたという逸話を持つ。ただしイカなので地上では活動できない。
生まれたばかりの頃は人間に抱えられるほど小さいが、成長すると人の何十倍のサイズにもなる。その体は伝説級の武具を作る素材にもなるという。
虎型の魔獣。海獄城闘技場では12人の囚人を殺害したこともある。
海獄城の海域に住む魔物。肝は栄養満点。
◆人種
比率的に一番多い。
知的。霊力が高く寿命も長い。
アイシス曰く「ついマウントをとる種族」とのこと。
肌の色がエルフと異なる。地域によっては別の言い方をされる。
小柄な者が多く頑強。武器の扱いなどが得意。
猫系亜人。人間族とのハーフも多い。
犬系亜人。人間族とのハーフも多い。
大柄な者が多く、腕力や生命力が高い。
トカゲ系獣人。水との適応力も高い。
魔獣と他種族とのハーフ。
数は希少。
【登場人物】
◆海獄城第九獄
「受けた恩は必ず返す」という義理堅い性格の青年。応募資格を満たしていない自分に就職内定をくれた社長に感謝していたが、流行病による不景気から内定取り消しとなっていたところ、いきなり異世界に行ってしまうことに。
悪女ガミィにはめられて命を落としかけた所、クラーケンと融合して救われる。クラーケンの頼みで投獄されたゼイナ姫を守り助けるために行動することとなる。
クラーケンとの融合により、触手をはやした仮面ライダー的な怪人に姿を変えることができるようになる。普段霊力は全くないが変身すると爆発的な霊力が得られ、凄まじいパワーやスピードを得て、特に水中戦では無類の力を発揮する。触手のほか、「水代わりに霊力を噴射しての加速・飛行」「気体でも液体でも墨を吐ける」「保護色による透明化」「発光して目くらまし」など様々なイカの特性を応用した能力を用いることができる。部下になった「
紅砂三兄弟」からのアドバイスを受けて戦闘術も向上中。
触手の粘液も「神経を休める働きがあるアセチルコリン・疲労回復を早めるタウリンなどが含まれているため、女囚の回復にも使っている。強心作用があるタウリンを含んだイカエキスのおかげでゼイナやリタンは死を免れたことも。変身後にはイカにちなんだ
オヤジギャグ決め台詞をよく言う。
弱点は変身していないと常人と変わらないこと。また、変身解除後は一時昂ってしまい理性が弱くなる。
獄卒なのだが、なった経緯がそもそも「囚人ゼイナを助けるため」ということ・女囚人達がわりと気前のいいこと・クウマ自身がお人好しなこともあり、女囚人たちとかなり仲よくなった挙句関係を持ったりするなど獄卒としてはもはや
ツッコんだら負け状態。クウマの人柄もあり担当囚人達との関係自体は良好。
紅砂三兄弟に「暗殺者に対処できるよう精神的に強くなるためワイルドになれ」と言われた後は女性関係も積極的になった。
ゼイナがSランクのムートとの試合で重傷を負った際には奔走することとなり、獄卒では権限が少なく有事に選択肢が少ないことを思い知らされる。そのため出世と獄卒長を目指すことを決めた。
- カラマ
海に住むクラーケン。生まれたてでまだ弱かった時に地上の者につかまった際、幼かった頃のゼイナに逃がしてもらった過去を持つ。その結果ゼイナは酷い罰を受けたことがあり、ゼイナに強く感謝しているほか、襲われない限りは地上の者と戦わないようにしてきた。海のうわさで恩人ゼイナが海獄城に収監されたと聞く。
地上で自分は活動できないため、海に落とされた瀕死のクウマに対し融合して命を助けることを条件として、(融合後は自分の意識がなくなることも承知で)ゼイナの救命を依頼した。
父殺しの冤罪「王族・尊族殺人罪(懲役100年)」で投獄された王族の少女。セベク女王国女王の姪にあたり、王位継承権を有する。『剣聖』と謳われた父と同じく“剣”術の達人。幼い頃クラーケンを助けたり自分が命を奪った魔獣に対して瞑目したり命を軽んじない性格。
父のもとで厳しい修行を受けつつも父の優しさを感じていたが、ある日政争に巻き込まれた父が毒殺される。「つらい稽古の恨みでゼイナが殺した」と貴族たちから誹りを受け投獄された。
クラーケンを助けたことを覚えており、クウマからその恩返しのために看守になったことを教えられる。紅砂三兄弟をはじめとする凄腕暗殺者たちから守られたことや自分をひたすらに助けてくれることもあって次第にクウマに好意を寄せるようになる。ただしクウマが他の多くの女囚たちと肉体関係を持っていることは知らない。
アイシスの印術により脱獄は不可能なため、闘技場で勝ち続けて囚人ランクを上げて減刑と潔白の証明を狙う。しかし獄中でクウマに惚れてしまいSランクのムートとの試合では隙ができて敗れたため、クウマのことを考えすぎないように鍛錬に明け暮れ、ムートからのアドバイスで戦闘中動じないよう修練を重ねた。
霊力を用いた“剣”術を扱い、上段から振り下ろす技「蘇芳偃月」は魔獣『大剣虎』を真っ二つにする威力。技「青藍円月」は剣風で周囲を吹き飛ばす。強化版の「青藍円月・極」も存在。技「瑠璃破鏡」はサラマンドラも吹き飛ばす強力な突き。ムートとの試合での敗北後は奥の手として、霊気の消耗こそ激しいものの霊気の剣を生み出して二刀流となる「生成玉鈎」を練習しており、手数の多い相手に用いる。
3巻巻末によれば、趣味は水泳で水中での戦闘もある程度可能。
傷害罪(懲役10年)で収監された鬼族の少女。ポリナと同室。Bランク。一人称は「俺」。
まっすぐで直情的な性格で熱くなりやすく、親友を侮辱した貴族に暴行を働いたゆえに収監となってしまった。そんな性格なのもあって喧嘩ばかりで女扱いされたことがあまりないらしい。
車術の使い手で霊力で車輪を生み出す。ローラースケートの要領で加速する「電光石火」、腕に車輪をまとい敵の攻撃をはじく「豪唸輪」などを扱う。
ランク戦でも上位ランカーとの戦いになるとからめ手にはまって苦戦していた。クウマの提案により神経を休める働きがあるアセチルコリンが含まれているクウマの粘液を日々なめることで冷静さを身につける特訓をし、ランク戦に勝利する。
クウマの粘液が好きになってしまい勝利後の高揚感もあって強引になめたところ、変身後で昂っていたことや皮膚が敏感になっていたこともあってクウマに襲われてしまう。クウマに「可愛いし色気もある」と言われたことで本人もまんざらではなかった。
さすがにクウマ自身は責任を取る気だったが、マリアムが「(女らしくなった)あんなの俺じゃねえ」と恥ずかしがり「今夜のことは忘れろ。俺とお前は獄卒と囚人。それだけ」と恋仲になることは拒絶した。
以降は他の女囚人と仲が良いクウマに思わず嫉妬してしまうことも。
3巻巻末によれば、両親は健在だが放任主義。
激発物破裂罪(懲役7年)で収監されたダークエルフ族の少女。マリアムと同室。一人称は「ポリナ様」と尊大。知識が豊富で監獄内でも様々な実験をしている。
3巻巻末によれば、混術と地術を実戦レベルで扱えるとのこと。
夢は瞬間移動装置を発明することでその実験中に研究室で大爆発をおこしてしまい収監された。本人曰く「その夢はポリナ様一人の夢じゃない」とのこと。
クウマに色仕掛けをしてからかったり操ったりするが、反撃されると弱い。
荒事は苦手にしており、闘技場には出ておらず、洞窟調査で地道にランクを上げている。紅砂三兄弟を捕らえた功績で懲役7年が3年に大減刑された。グリフォンマンを仕留めそこない、海獄城配下になった紅砂三兄弟との修行後に昂ってしまったクウマと性交することとなり、「契約としてグリフォンマンは絶対仕留めるように」「一度寝たからって彼氏面しないで」と述べた。
…が、翌朝クウマの髪と服を整えてネクタイを締めなおして送り出すなど彼女っぽいふるまいをしてマリアムを不思議がらせていた。
大量殺人罪その他(懲役999年)で収監された魔族の少女。ランクはA級。腰に翼が生えている。罪状に対してフレンドリーな性格で第九獄のマリアムやポリナとも打ち解けている。漫画好き。
クウマがクラーケンだと聞いて実力を試そうといきなり頭に蹴りを食らわせてしまった。
元々は、身体能力が高い子供を集めていた犯罪組織マアトに育てられた子供。名前もその組織に付けられたもので親などについては不明。物心つくころにはすでに組織にいており、組織の訓練で気配の遮断も得意。魔族ゆえの強さを持つケケットは殺戮者として組織に重宝されていたが、1年前に組織マアトは壊滅しケケットは海獄城にやってきた。その経緯故に情操教育などは受けておらず、殺しに対する忌避感が一切ない。死の危険もある海獄城での試合も彼女にとっては楽しい遊び場となっている。担当獄卒も長らくパンヤだったのでまともな更生教育も受けていない。無知で純粋な性格なのでクウマも徐々に色々教えていこうと考えている。
ガミィやイゼル、リタンらがクウマとの性交で気持ちよさそうな顔をしている姿を見て、性交に興味を持つ。
Aランク囚人。タイガ族ゆえ耳がいい。“爪”術を使う実力者。
獄卒パンヤを脅迫してペット扱いしており、海獄城下部で看守の目を盗んで遊んでいた。元々は第九獄でケケットと同室で、ケケットは彼女をそれなりに気に入っていた。
悪辣な性格でクウマの貞操を奪った後、なぶり殺して海に捨てた。しかし海にてクラーケンと融合して復活したクウマに成敗され、悪事が露見したことで海底懲罰房送りとなる。
懲罰房送りになった後、自身の担当獄卒になったクウマと再会。荒事にも慣れて平然と脅しすら口にするようになったクウマにペースを乱され、「獄卒の権限で時々地上に戻してもらいたい」という思惑もあり特別扱いをされようとクウマの口車に乗って「クウマのペットになる」ことを選択。
パンヤをペット扱いし彼女にひどいトラウマを植え付けた意趣返し・説教として、クウマにペットとして裸にされ性交したがクウマのそれと撫で方がとても気持ちよかったため、クウマに対する態度が和らいでしまった。
殺人罪(懲役15年)。Cランク。遠い島国シンシュウ出身。小さい頃から道場で刀を習っていた。
普段おとなしい性格でいじめられやすいタイプ。しかし恨み心をため込んで爆発させてしまう。
素行不良だった同室の囚人とのトラブルで相手を真っ二つに斬ったため、情状酌量の余地ありとして海底懲罰房送りになっている。
幼少期からいじめを受けては爆発してしまうタイプであり世界に絶望していたが、クウマに懲罰房から戻してもらい、その際彼に「他の獄の囚人が手を出してきたらすぐ言え」と優しくされたことで彼を「神」として崇拝するようになる。
普段は相手ににらまれると体がすくんでしまうため海獄城試合全敗だったが、実際は戦闘力に優れておりいざキレると目を閉じても敵の攻撃を回避できるほど。クウマに“命じられる”ことで本来の力を普段から出せるようになった。
陰術の使い手で、自身の影を分身として実体化させて奇襲させる“影薙”という技を持つ。
◆海獄城関係者
海獄城城主/牢獄長を務めるエルフの女性。クウマは一目見て「なんて美人」と評した。魔獣クラーケンと融合したクウマの力を認めて獄卒として採用する。
囚人たちの体に印術を刻んでおり、脱走者やアイシスに危害を加えようとした囚人には死が与えられる他、怪物に変えてしまう事すら可能。弓の達人でもある。
戯れにクウマを椅子にするなど性格はクールかつサディスティック。魔獣と融合した人間の肉体検査のためクウマの裸を見たり精液採取のために陰茎に触ったりしても顔色一つ変えなかった。
一方、野心をむき出しにするときはすごい表情を見せることもあり、クウマを自分の夢のために利用しようと考え、彼の成長を促している。クウマには「海獄城の運営を何よりも優先している」と評され、興行がうまくいくならばたいていのことには目をつぶっている。
ゼイナの獄卒を希望するクウマの希望に対し、クウマを第九獄の獄卒に任ずる。
ファリダ=セベクに釘を刺しに行くなど、ゼイナ暗殺を狙う者達の攻撃の阻止には協力してくれている。
しかしグリフォンマンの襲撃にもまるで動じない不可解さを見せている。
海獄城刑務官(獄卒)の少女。ドワーフ族。長い物には巻かれる主義で強い者にすぐ従う。自分の命第一故に行動はある種単純。命の危機に瀕するとよく失禁してしまう。己にしか効かないが回復の療術を使えるためわりとタフ。そこらへんの魔獣なら一人で倒せる力量はある。
囚人ガミィに脅されて従っていたことをアイシスに咎められるが、クラーケンと融合したクウマを連れてきた功績により不問となり、第九獄から第八獄の獄卒に異動された。以降もガミィのことがトラウマ。
以降はクウマにゴマをすりつつ、男を抱きたい女囚をクウマに紹介して斡旋料で稼ぐことを狙っている。
5人いる獄卒長の一人。リザード族。クウマの直属の上司の男性。大柄な偉丈夫だが、結構な高齢らしく健康にも気を使っており、男性機能も失っているとのこと。異邦人であるクウマに対しても優しい。
3巻巻末によれば、リザード族の妻がおり愛妻家。
海底懲罰房を取り仕切る獄卒長の女性。眼鏡をかけ、ケケットと同じく腰に翼が生えている魔族。
アイシスに心酔しており、アイシスに気に入られているクウマのことが気に食わない。サディストな性格で、海底懲罰房では、見せしめとして囚人相手に難癖をつけて度々地下広場で決闘で打ちのめしている。
言術の使い手。言葉で相手を従わせることができる。言術は術者の霊力と対象の霊力差で強制力が決まるが、ルワイダは莫大な霊力を持っており、ほとんどの者を操り人形にできるほど。本人曰く「私に勝てたのは獄長アイシスのみ」。
武装は鞭で、体術も非常に優れている。必殺の蹴りには処刑奥義“アビスストライク”と名付けている。砲術として、口からはビーム“ディープブレス”を打ち出すことができる。
Sランク女囚
海獄城でその強さを轟かせる最上位の女囚。通常は活躍を重ねれば減刑されるのだが、彼女達の場合は満期出所とならないくらいのかなりの刑期が元々課せられている。
海獄城内部ではさながらVIP待遇。海獄城領内ならば行動自由で私室には温泉まである。
内乱罪(懲役500年)。
大量誘拐罪(懲役999年)。ダークエルフ族。ウェシル連邦出身。五十獄所属。
王族殺人罪(懲役25年)。父はセベク女王国の武術師範であり、ゼイナの父とも交流があった。それゆえゼイナもムートにはよく遊んでもらっていた。気品にあふれており、ゼイナもムートを尊敬していた。
しかしムートの父は外国との親善試合で惨敗し、それを恥じて自刃。ムートは尊敬する父の汚名を晴らそうと懸命に腕を磨く日々を送るが、ある日とある王族がムートに結婚を勧める。ムートは「今武芸に身を捧げています」と断るが、その王族は父を「彼は強くない」「武術師範の座も賄賂で掴んだのでしょう」と侮辱。激高したムートは一刀のもとで王族を斬り殺し、海獄城送りになった。
妹分であったゼイナの罪も濡れ衣だとは思っているが、このように誇り高く、武術師範に返り咲くことを目標としているため、勝負にかける思いが強い。ゼイナとの試合では真剣勝負ゆえにゼイナを瀕死に追い込むが、試合後にはゼイナが元気を取り戻すために助力した。
ゼイナの命を救った獄卒のクラーケンの力に興味を持つ。
命術の使い手で、空飛ぶ蛇「ウィングバイパー」・狼「サブナック」・火を吐く翼竜「サラマンドラ」・最強の獣人「バスティ」といった使い魔を作り出せる。年に一度の「女王杯」も連覇しており、父の強さを証明するべく常に全力で勝負するので対戦相手の死亡率もけた外れに高い。使用する剣は
蛇腹剣。
闘技場ではムートの女性ファンやバスティの女性獣人ファンも多い。
- バスティ
獣人の姿をし、ムートの執事を務める使い魔。戦闘ではムートの相棒として連携しながら戦う。平時にはあらゆる食材で料理をすることもできる。
◆海獄城第五十一獄
担当獄卒はガッサーン。紅砂三兄弟によるゼイナ暗殺や獄長アイシス懐柔が失敗したため、ファリダ=セベクがゼイナを獄中対抗団体戦で堂々と殺すために送り込んできた刺客。5人のために第五十一獄が新設された。
老婆。ハトル王国で大量殺人をした。
鬼族の間で伝説となった腐敗の喧嘩屋。
犯罪組織で育成されていた殺し屋。
和装の女性。異境からセベク女王国に入国した瞬間に人を殺めた。
北の諸島であがめられたという暴力の化身。
その他の囚人
冷静な頭脳と技巧で勝利する女囚人。27獄所属。Bランク→Aランク。3巻巻末によれば罪状は「過剰防衛・死体遺棄」など。
糸術の使い手で霊力で生み出した糸を扱う。糸を網状にして敵を捕らえる「一網蛇陣」、糸を盾にする「亀甲陣」、敵を切断する糸を張り巡らせて動きを封じる「結界陣」、見えにくい糸をトラップにするなどの技を持ち、マリアムにも勝利してAランクに昇格した。
尊敬する先輩から「考えが固すぎる。男でも抱いて柔軟になりなさい」と言われたことを真に受け、パンヤの仲介でお金を払ってクウマを抱くようになる。クウマはそれで得たお金で少なかったゼイナの食事を増やした。
Sランクのムートとの試合では瀕死の重傷を負うも、クウマの強心作用があるタウリンを多く含んだイカエキスを疲労回復目的で飲んでいたおかげで死を免れた。
ドワーフ。Bランク。棘付きの球を生み出し操る球術の使い手。3巻巻末によれば、計画を立てることが大好き。
球が相手に襲い掛かる「鉄黒刺弾」という技をもち、鉄球の飽和攻撃で注意を引きつけつつ小型鉄球で奇襲する作戦を持つ。ゼイナとの試合では全方位から敵に攻撃する新技「鉄黒封鎖弾」を開発していた。
Aランク。現在のシーズンでは11勝2敗の実力者。ゼイナの父に剣を教わった過去を持つ。
闘技場で戦う前から八百長を持ち掛けたり情に訴えたりして相手の油断を誘い勝利をもぎ取る卑劣な性格。真面目な人間を自分の計略や術ではめて勝つことを楽しみにしている。
幼少時は父から愛情を貰えず、そんな父に母がけなげに金を貢ぐ姿を見て育ち、母を軽蔑して「勝ち組」になることを願う。成長してからは金持ちの孤独な老人に近づいては騙してお金を儲ける詐欺師となり、やがて逮捕されて海獄城送りになった。そのような出自ゆえに上昇志向が強く、同時に強い劣等感の持ち主となった。
3巻巻末によれば、金持ちの老人に取り入るために家事などは得意。
幻術使い。自身の幻に紛れながら相手に切り込む「剣舞・十方斬」が得意技。刀身にも幻術をかけており、見えている刀より実際の刀は少し長い。攻撃が命中したように見えても幻術の肉体の場合がある。自分を他者の姿に見せることも可能。ゼイナとの試合では同じ技は彼女に通じないと考えて次々と幻術のやり方を切り替える柔軟さを見せた。爪にはしびれ毒を仕込んでいる。
クウマの声援を受けて全力を出したゼイナとの試合に敗北。ゼイナとクウマが付き合っていると思い、復讐心からクウマを奪うことを考える。
幻術を用いてクウマを篭絡しようとするが、クウマは事前に紅砂三兄弟を配置してイゼルの罠を見破っており、逆にクウマにお仕置きと練習を兼ねて手籠めにされ、その最中クウマとゼイナが付き合っていないことを知る。事後にクウマに撫でられつつ優しい言葉をかけられたことで、愛情に飢えていた彼女はクウマに対し好感を持つようになった。
以降もクウマを篭絡しようとするもなかなかうまくいっていない。
27獄所属。Bランク。霊木窃盗・無断伐採(懲役3年)で投獄。人間族だがクウマを優に超える体格の女性。それゆえ人間族からは「背が高すぎ」・鬼族からは「筋肉なさすぎ」とよく言われる。
イゼルに八百長試合を持ち掛けられて油断して敗れてしまい、ゼイナの担当獄卒であるクウマに対してパンヤに仲介してもらって接触しつつイゼルの情報を提供。その際クウマに抱かれて気持ちよさを覚えており、以降も時々お金を払ってクウマに抱かれている。
3巻巻末によれば、元々伐採が得意だったが、伐採の手伝いの際に騙されて霊木まで切ってしまい捕まった。霊木はダークエルフ族などの信仰の対象になっているため厳罰になっている。
海底懲罰送りになった囚人。タイガ族。窃盗罪(懲役7年)。
1話冒頭にて、クウマを軟弱な獄卒と思ってちょっかいかけようとしたところ、クラーケンの力でお仕置きされていた。
三十獄所属。Bランク。エルフ族。
三十獄所属。Aランク。
◆暗殺者
トップクラスの懸賞金をかけられた凄腕の暗殺者義兄弟。苦労した半生から他者を信用しないが、義兄弟同士裏切らないと誓いあっている。
ゼイナ暗殺を狙い追い詰めるがクウマに敗れてしまい、アイシスに印術をかけられて命と引き換えに忠誠を誓うことに。
以降は普段は小さな筒の中に封じられ必要に応じて呼び出され、クウマの良き相談・修行相手となる。人を殺すことに慣れていないクウマには「魔獣を狩りで沢山殺して命のやり取りに慣れておく」「セベク女王国は重婚ありだから女を抱いてワイルドになれ」とアドバイスした。
- ソウカク
人間族の男。長兄。剣術の達人であり、敵に対しても油断もしない上、クウマの目くらましに対しても目をつぶったまま的確に斬りかかる技量の持ち主。
アイシスに忠誠を誓わさせられた後、クウマに対し「訓練に耐えたらお前を入れて四兄弟になってもいい」と言うなど認めている。
- フード
エルフ族の眼鏡をかけた青年。博識。眠術の使い手で相手を眠らせる。弱めにかければ眠らせずに相手を脱力させることも可能。接近戦用の武器としてナイフを持つ。
3巻巻末によれば、元々ヤキーンと組んで二人組で行動しており、ソウカクに返り討ちにされて仲間になったという。
- ヤキーン
タイガ族の男でクロヒョウの姿をしている。末弟。動かなければ気配やにおいまで消せてしまう潜術の使い手で切り込み隊長役を担当。
やや短慮な性格。
魔獣グリフォンと融合し、グリフォンの姿に変身可能な人間族。変身時間に制限があるようで「調整が必要」と述べている。
狙いはゼイナだが、そのためにまずクウマの排除を狙う。力こそクウマに劣るが、戦闘経験が豊富で
飛行能力や羽根の弾丸でクウマを圧倒しつつも時間制限のために撤退した。
アイシスはグリフォンマンの襲撃の報告にもまるで動じておらず、クウマはわずかばかりの違和感を覚えた。
ムートvsゼイナの試合時にクウマにリベンジしに現れるも修行して成長したクウマに圧され撤退した。
◆セベク女王国
セベク女王国第二王女。第一王女を暗殺しており、現在王位継承筆頭。
野心が強く、ゼイナに差し向けられた暗殺者は「雇い主はファリダの配下。隣国が軍備増強中であるため、戦争を考慮すればゼイナが王位継承の筆頭候補のため、ゼイナを殺そうとした」とアイシスに自白している。
自身の評価を上げる目的で、著作「セベク文学論」を執筆しており完成間近。
ストレスがたまると2か月に一度、犯罪をした美少年を赦免と謝礼を餌に抱いては殺して証拠隠滅するという悪癖の持ち主。
女将軍。元は海獄城の女囚。海獄城闘技場で勝ち続けてついには潔白を証明し、出所後には英雄となった。
追記修正はイカがですか?
最終更新:2025年02月08日 23:37