デビル・コメディアン(遊戯王OCG)

登録日:2023/10/31 Tue 23:32:22
更新日:2023/11/05 Sun 22:21:28
所要時間:約 6 分で読めます




デビル・コメディアン
通常罠
(1):コイントスを1回行い、コインの裏表を当てる。
当たった場合、相手の墓地のカードを全て除外する。
ハズレの場合、相手の墓地のカードの枚数分、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。

「デビル・コメディアン」とは遊戯王OCGの1枚。
初出は「Mythological Age -蘇りし魂-」。


概要



コイントスを行い、裏表を当てることで当たった場合は相手の墓地のカード全てを除外、外れた場合は相手の墓地のカードの枚数分、デッキの上からカードを墓地へ送る。


コインの当たりはずれという観点から、相手の墓地を全て除外する効果がメリットで、デッキからカードを墓地へ送る効果はデメリットであると考えるのが普通である。



……遊戯王OCGをかじった事のある人はこの時点でこう思うだろう。


「どっちに転んでも当たりじゃんこれ。」


と……。





「墓地が第2の手札」とも評される遊戯王OCGではデッキの枚数を削れてかつ墓地のカードも増やせるハズレ側の効果も大きなメリットであり、相手の墓地のカードの溜まり具合に左右される側面はあるが、かたや相手の墓地アドバンテージを一瞬にして消し去る除外、かたや大量の墓地アドバンテージを作る墓地送りとなる。

それぞれの効果について見ていくと、除外効果については一瞬にして相手の墓地のカードを空にできる。
その効力たるやすさまじく、蘇生やサルベージ、墓地からの効果発動、モンスターの特殊召喚コストとしての墓地利用などを全てご破算にさせられる。

変わった使い方としては「現世と冥界の逆転」にチェーンしてこちらの効果を当てられれば、相手の墓地のカードが除外されて、デッキに戻すカードを失い、完全なデッキ破壊が成立する。
「魂吸収」や「D.D.ダイナマイト」などの除外されたカードの枚数を参照するカードを絡めれば上記とは別ベクトルのアドバンテージを得ることも出来る。


後者に関しては上記の逆で墓地にある事で利用できる効果を、リソースそのものを増やすことで有用に使えるようになる。
相手の墓地が大量に肥えている状況は現代では珍しくなく、それなりのリターンが見込める。
似たような墓地肥やしと聞いて「モンスターゲート」や「名推理」を浮かべる人もいるかもしれないが、あちらは相手の状況に左右されず、モンスターの投入次第で大量に墓地を肥やせる代わりに墓地に送れるカードは魔法・罠が中心になるのに対し、こちらは枚数が相手の状態に依存するのに対して、モンスターの墓地肥やしも行いやすいという違いがある為、性質としては微妙に異なる。

最近で言うならばティアラメンツも積極的に自身のデッキ削りを行うため、デッキを墓地に送るカードの需要は一定以上保たれるだろう。

ただし「デッキの上からカードを墓地へ送る」カードの宿命として、墓地へ送られるカードが水物になりやすいという問題を抱えており、かつ墓地除外効果に比べて相手の墓地のカードの枚数で状況が変わりやすい点がある。

具体的には相手の墓地が十分に肥えていない状態ではこの効果を当てても旨味が薄く、逆に相手の墓地が潤沢に肥えている時はそれだけ相手側の盤面も固まっている状態になるため、このカード単体では対応できない状況になっている可能性も否定できない。
それどころか下手をすれば自分のデッキ切れもあり得る。
裁定として「自身のデッキの枚数よりも相手のデッキの枚数が多い場合は発動できない。」と言うロックはかかっているものの、墓地へ送るカードの枚数は効果解決時の墓地のカードを参照するので、「同一チェーン上で複数回発動して2つ以上墓地送り効果を当てる」「このカードの発動にチェーンして相手が自分のデッキを削るカードを発動する」などを行われると自身のデッキ切れが起こってしまう場合がある。

このため、欲張り過ぎないタイミングでの墓地の肥え具合を見計らうことが必要になってくる。



自分が利用を積極的に用いるデッキであれば墓地送りが主体で外れても相手に損害を与えられるため、積極的に採用する理由となりうるが、やはりこのカードが真価を発揮するのは「相手が墓地利用を積極的に行うデッキ」と相対した時になる。


特に分かりやすいのは「隣の芝刈り」を使うデッキで、相手が自身のデッキのカードを大量に墓地へ落とした時に発動すれば、落として得たリソースを失う羽目になり、墓地送り効果でも相手と同じ分、自分のデッキを掘り進められる。
(ただし「隣の芝刈り」には1ターンの発動制限がないため、後者は相手が手札に2枚目を持っているとまた墓地肥やしを使われてしまう危険がある点は注意。)

この様に墓地利用を積極的に使うデッキには強力な味方にも敵にもなり得る。
上述したティアラメンツも融合効果は墓地にある自分自身を素材に含める必要があるので、相手によって墓地から飛ばされてしまうと融合が出来なくなってしまう。




……と、強力な2つの効果を兼ね備えているこのカードだが、やはりギャンブルカードゆえに特定の効果を選択できない点は大きく、どちらか片方だけの効果が欲しいような状況での使用は推奨されない。


同じギャンブル系でもサイコロ系のカードとは異なりコイントス系のカードはサポートがあまり多くないため、どちらかの効果に偏らせるのも難しい。

対処方法として1度に複数枚の発動をする手もあるが、それでも狙った効果を選べる確率が上がりはするが100%にできるわけでもない。
加えてこのカードの効果でコイントスをするのは「効果解決時」。
つまり発動時にコイントスで効果が確定するわけではないので「狙った効果じゃなかったからチェーンしてもう1枚発動する」と言う真似も出来ない。

そのため、もし墓地送り効果を使いたい状況で確率を上げようと2枚発動し、逆順処理で先に処理される2枚目の効果で除外効果を引き当ててしまった場合、1枚目では当たろうが外れようが墓地を肥やせなくなってしまう。
ただ言い換えれば、墓地肥やし→除外の順に発動できれば同一チェーン上で自身は墓地を肥やしつつ除外も出来るという美味しい状況に持っていけるという事なのでこの辺は好みの問題になるだろう。

その他、通常罠ゆえに引いてもすぐ使うのが難しい点も弱点と言える。
ただこの点に関してはラビュリンスなどが出てきたことで以前よりはハードルも下がってきており、上手く行けば先攻1ターン目の相手ターンからでも使える様になっているため、追い風が吹いていると言える。
但し、そのような状況では相手の墓地が肥え切っていない可能性もあり、リターンが十分に得られない可能性もある。一方で初動潰しにもなり得る点は決して無視できないため、狙う価値自体はあると言えるだろう。


その他、「デッキから墓地に送る」効果を含むため、たとえ本命の効果が除外効果であっても「灰流うらら」に引っかかってしまう点も要注意。

また、魂吸収を展開されている時に使うと、枚数によってはアホみたいに回復されるので注意。


この様に安定性に難がある部分は否めないものの、基本的に損をする事はなく、ツボにはまれば強力な効果を利用できるため、興味がある人は入れてみるといいだろう。




余談




追記・修正は別のカードをギャンブルに勝つ自信を持ったうえで相手の墓地の状況を観察しながらお願いいたします。


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最終更新:2023年11月05日 22:21