モンスターゲート/名推理(遊戯王OCG)

登録日:2017/02/05 Sun 00:45:18
更新日:2024/12/24 Tue 15:33:25
所要時間:約 8 分で読めます





モンスターゲート
通常魔法
(1):自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターを特殊召喚する。
残りのめくったカードは全て墓地へ送る。


《モンスターゲート》とは、は遊戯王OCGの1枚。初収録は「天空の聖域」。

モンスター1体をリリースしてデッキから通常召喚可能なモンスターが出るまでカードをめくり、
最終的に引いたモンスターは特殊召喚し、残りをそのまま墓地へ送る効果を持つ。


名推理
通常魔法
(1):相手は1~12までの任意のレベルを宣言する。
通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターのレベルが宣言されたレベルと同じ場合、めくったカードを全て墓地へ送る。
違った場合、そのモンスターを特殊召喚し、残りのめくったカードは全て墓地へ送る。


《名推理》も同じく遊戯王OCGの1枚で、初登場は「新たなる支配者」。

こちらはリリースする必要がない代わりに、文字通り相手にレベルを推理させて引いたモンスターが推理したレベルなら特殊召喚は出来なくなってしまう。
発動するのは自分だが、実際に『推理』するのは相手。

コストがない関係で腐りにくさではこちらが勝っているが、
特殊召喚の確実性やデッキトップの操作がしやすい点では《モンスターゲート》に分がある為、実質相互互換のカードにあたる。





条件さえ満たせばレベルに関係なくモンスターをノーコストで召喚できる為、多少ギャンブル性は絡むが強力な効果と言える。

ただし《名推理》の方は、使うデッキや墓地の状況によってある程度特殊召喚されるであろうモンスターのレベルが予想されてしまう。
特にレベルの統一を元々のレベルの時点で行っていることが多いX召喚主体のデッキだと当てずっぽうでも当てられやすい。

相手に謎は全て解けた!と言われてトリックを見抜かれても泣かないこと。


また、特定のモンスターを召喚したいのであればデッキトップをいじることも有効な手段。
特に相性がいいのはデッキトップを操作しつつ、自己再生が可能な《ゾンビキャリア》や《エッジインプ・シザー》など。
これらを使えば自身を蘇生させ、なおかつリリース素材を揃えられる。
もっとも前者はチューナーであり、かつ効果を使ってしまえば除外されてしまうため安易に使うのも考え物だが。


この2枚の使い分けについてを触れると、
まず《モンスターゲート》は状況で言えば、モンスターのリリースでモンスターを新たに出す為、カード・アドバンテージでは1枚損をしている。
そのため、ただ使うだけでは出されるモンスターが不明確なのもあって損をしてしまう。

この点は「リリース」が効果発動のトリガーになる【聖刻】のモンスターや、
《クリフォート・アーカイブ》だとこのディスアドバンテージを帳消し、あるいはメリットに転化できる。

一方《名推理》の方はコストこそ必要ないが、結果として何も得られずに終わる可能性も出てしまっている。
そして上記の通り、狙ったモンスターを出すためのデッキトップ操作がしづらいのが難点として挙がってくる。

こちらは「彼岸」モンスターなどの墓地へ送られた時に効果を発動するモンスターや墓地で効果を発動するモンスターを使えば、どちらに転んでも自身にはプラスに働く。


上記の通り、この2枚は相互互換で、片方にしかできないこともあるにはあるのだが、
基本的に「《モンスターゲート》と《名推理》でどちらが優先されるか」という内容が議論になることは基本はなく、
2枚まとめて1つのデッキに収まることが多い。

その為、この2枚は「ライバル」というよりかは「戦友」の関係になる。


この2枚を使って高レベルモンスターをコストを軽減したうえで特殊召喚し、場を制圧する【推理ゲート】と言われるデッキも存在するほどである。



ちなみに効果解決時の処理についてを詳細に書くと、効果で出せるモンスターは「通常召喚可能なモンスター」とあるが、
この効果による特殊召喚は「デッキからの特殊召喚」として扱われるので、実際には「通常召喚可能であり、かつデッキからの特殊召喚が可能なモンスター」である。

では「通常召喚は可能だが(デッキから)特殊召喚が出来ない」《時械神メタイオン》や《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》の様な、
デッキをめくる処理は終了できるが、特殊召喚をするという処理が実行できないモンスターを引いた場合はどうするか?
その場合は、引いたカード共々そのモンスターを墓地へ送るという裁定が出ている。

一方で「引いたカードを墓地に送る」処理は手札からではなくデッキから墓地へ送った扱いになる為、
《ライトロード・ビースト ウォルフ》のようなカードも効果を使用できる。
ただし、墓地へ送るのはめくった直後ではなくモンスターの特殊召喚が行われた後になる。

またリリース素材についても《虚無魔人》などの「特殊召喚を不能にする」効果を持つモンスターがいる場合にはもちろん効果は使えないが、
こういったカードをリリースして効果を消してから発動する事もまたできない。


ちなみに一見誰が登場するか分からない、運が絡むギャンブルカードに見えるのだが……
実はこれらのカードを使って確実に欲しいモンスターを特殊召喚する方法がある。

その方法はいたって単純。


デッキに残った通常召喚可能なモンスターを出したいカードだけにしてしまえばいい。


具体的には【サイエンカタパ】で《魔導サイエンティスト》や《カタパルト・タートル》を、
デビル・フランケン】で《デビル・フランケン》を呼び出すなど、1ターンキルのキーカードを呼び出す際に使用されていた。
特に【サイエンカタパ】は《名推理》《モンスターゲート》等でこれらのカードを容易に揃えられたため、成功率が非常に高い1ターンキルとして恐れられた。

また《創造の代行者 ヴィーナス》の効果を空撃ちできた時には、
確定で呼び出してライフを一気に500まで減らし《大逆転クイズ》を使うことで、高確率の1ターンキルを行うこともできた。
このコンボにより、エキスパート2006を使用した世界大会では決勝戦が一瞬で終わる事態になってしまった。

これらのギャンブルとは程遠い1ターンキルに多用されてしまったため、呼び出されるカードのルール整備や禁止化で対応される事となった。
一応現在でも《ファントム・オブ・カオス》によって墓地の好きなモンスターの効果を発動したりできるが。


こういった点を活かしつつ、モンスターの特殊召喚に使えていけるといいだろう。



追記・修正はリリースするモンスターとこの効果で実際に特殊召喚したモンスターでアドが取れているかを確認しつつお願いします。































さて、ここまでは特殊召喚の方にメインの話を当てつつ書いてきたが、このカードを見て思った人もいるだろう。












「ん? これデッキ圧縮に使えるんじゃね?」













その通り。
この2枚、出せるモンスターを引くまでの過程に多くのカードを引き、結果として引いたモンスターを出し、残ったカードを墓地へ落としていく。

つまり結果としてデッキ圧縮と墓地肥やしに成功しているのである。



特殊召喚という「結果」よりもデッキを圧縮する「過程」の方がデッキによっては非常に魅力的であり、
上述の《名推理》共々、かの有名な【ドグマブレード】や【エクスプロージョン1キル】と言った鬼畜1キルにおいても採用されていた。

他にも、【カオスゲート】といったカオスモンスターを呼ぶためにこのカードを使って墓地を肥やしまくるという方法もあった。



しかし、現在では上記の1キルデッキはこのカードなどを含む他のカードの規制により姿を消し、【カオスゲート】は運要素が強く、使いにくいのが現状である。

そういったデッキ以外だと通常召喚可能なモンスターは基本的に多く投入されているので墓地肥やしとして使う場合は旨味が薄い。

このカードで墓地をなるべく肥やしたい場合はなるべくモンスターそのものを減らすという手があるが、
その手のカードが増えて言っているとはいえ、モンスターに比べて魔法・罠カードは墓地で利用するのは難しい。

そのため通常召喚できるモンスターは減らす方が有効になるのだが、
通常召喚できないモンスター、つまり特殊召喚モンスターは基本的に墓地からだと利用がしにくい。
当然デッキから墓地に送られているので蘇生制限も満たしていないので蘇生させるといった使用法は出来ない。

通常召喚が出来ないカードが多く、墓地をうまく利用するデッキなんてあるわけが……




このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの全ての効果モンスターのレベル・ランクの合計が8以下の時、
自分の手札・墓地から「インフェルノイド」モンスター○体を
除外した場合のみ手札(墓地)から特殊召喚できる。





……あった。


そう、【インフェルノイド】は属するモンスターのほとんどがこの効果を持っており、
このカード1枚で大量の墓地肥やしが可能で、それを元にモンスターの展開が可能になっているのだ。

コストのモンスターの召喚に関しても召喚コストを手札から払えばいいので、確保しやすい。





それを踏まえた上で《モンスターゲート》《名推理》の歴史についてを見ていくと、
やはりこのカードの規制状況が今の状態に収まっているのは「墓地肥やし」の方が理由になっている。

まず、2枚が出たのは遊戯王第3期にあたる2002~2003年である。
その頃は特に墓地肥やしよりも特殊召喚に利用され、始めの方に書いた【推理ゲート】などが作られていたが、
上記の【ドグマブレード】が構築された第5期においてこのカードが採用された際には、
抑制のために2008年9月の制限改訂にて2枚共々制限カードになってしまう。

特殊召喚を純粋に利用していた【推理ゲート】にしてみれば、
変な使い方していたデッキのせいでとばっちりを食らう形になってしまったのでたまったものではないだろう。

その後、特殊召喚できるかどうかが安定しない点が《モンスターゲート》より劣っていると判断されたのか、
《名推理》の方は第8期にあたる2012年9月に準制限に、そこから1年たった2013年9月には無制限となっていたが、
《モンスターゲート》は少し遅れて、現在にあたる第9期に2015年にまず1月に準制限、続く4月に無制限カードとなって戻ってきたのだった。




……が、その少し前から出てきていた【インフェルノイド】において、
このカードと《名推理》が相性抜群である事から、悪用を危惧されたのか、2016年4月の制限改訂で再びどちらも制限カードに戻ってしまう。
実は同時期に暴れていた【ドグマブレード】の残党、【マジエク帝】で悪用されたせいでとばっちりを喰らったという説が濃厚だったりする。

事実これは【インフェルノイド】にはかなり痛手であり、勢いを大きく失ってしまうことになった。


この状況は流石にやりすぎだと判断されたのか、同年10月の制限改訂で《モンスターゲート》の方が準制限に緩和された。

そしてほぼ同じ頃に登場したデッキ圧縮カード、《隣の芝刈り》や新カテゴリーとして登場した「十二獣」の登場もあって、
【インフェルノイド】はこの2枚を合計3枚投入出来る様になった上で新たな形で勢いを作り出していくことになった。





この様に「特殊召喚」としても強みはあるのだが、「デッキ圧縮+墓地肥やし」という点で、このカードが非常に強力で、制限改訂でもそれが如実に表れている。

時は流れ手札誘発が流行するようになると、《灰流うらら》や《増殖するG》は普通に召喚・特殊召喚もできるので《モンスターゲート》《名推理》でこれらがめくれるとあまり墓地が肥やせなかったり、望まぬタイミングでそれらのモンスターが出てしまうことがあるので採用率が低くなったり、【インフェルノイド】が環境で活躍しにくくなると、《モンスターゲート》が2018年4月に、《名推理》は2020年1月に制限解除された。

しかし、運任せではあるが一度に通常召喚できないモンスターや魔法罠を大量に墓地に送れる可能性があるので相性のいいカテゴリもどんどん増加。(【ウィッチクラフト】【エルドリッチ】【ドライトロン】など)
それらのデッキには採用されることもある。

他の弱点としては大量の墓地肥やしを行うという性質上、墓地メタの前には無力と化す。
特に発動にチェーンして《マクロコスモス》を開かれるとデッキリソースが大量に消し飛んでしまう


ちなみにこれらのカード、《名推理》はアニメだと未登場だが《モンスターゲート》の方はアニメ『遊戯王デュエルモンスターズGX』にて登場している。
なんとこのカードがかつて使われていた【ドグマブレード】のパーツの1枚であった《D-HERO ドグマガイ》の使い手であるエド・フェニックスが所持している。
もっともそれが出ていたデュエルは8パックで組んだ手抜きデュエルで手札にあっただけで発動はしておらず、《光の招集》で墓地に捨てられてしまったが……。



追記・修正はデッキ圧縮&墓地肥やしが暴走するのを防ぐために立てられる制限改訂で右往左往しながらお願いします。


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最終更新:2024年12月24日 15:33