ティアラメンツ(遊戯王OCG)

登録日:2022/05/01 Sun 07:48:20
更新日:2025/05/16 Fri 20:54:34
所要時間:約 6 分で読めます






潜って融合!墓地へ送って展開する「ティアラメンツ」!!



ティアラメンツとは遊戯王OCG11期パック「POWER OF THE ELEMENTS」にて登場したテーマ。
同期テーマは【スプライト】と【春化精】。

+ 目次



概要

「ティアラメンツ」の由来は「」を意味する「ティアー」+「嘆き」を意味する「ラメント」からか。
「世壊」を持つテーマ名は感情を表す要素が入るが、このテーマの担当は『悲しみ』。
このテーマは【スケアクロー】から続くストーリーを持つテーマでもある。
どうやら《スケアクロー・ライトハート》の導きで《ヴィサス=スタフロスト》が別の「世壊」へ移動した模様。
【スケアクロー】のイラストでは無表情が目立つ《ヴィサス=スタフロスト》だが、こちらでは感情が表に出ている場面が見受けられる。

かつて《スケアクロー・ライトハート》が《スケアクロー・ライヒハート》として魔獣達を従えて君臨していた《肆世壊=ライフォビア》と同じく、
この「世壊」もまた《ティアラメンツ・レイノハート》によって人魚達が支配されている模様。
大人しく(?)従っていたライフォビアの魔獣と違い、ペルレイノの人魚たちは真珠目当てのレイノハートによって搾取・圧政を受けているようだ。
そのためか水族の「ティアラメンツ」達は身体の何処かに南京錠付きの拘束具めいた装備を付けており、イラストでも虐げられる様が描かれている。*1
もっとも、後述する《壱世壊に澄み渡る残響》のイラストから見ても、彼女らはただ黙って従っていたわけではなさそうだ。
人魚達は全員刃物を必ず持っているという点からも戦闘能力が皆無というわけではないと思われる。


テーマ全体のモチーフは恐らくアンデルセン童話の『人魚姫』。
そういう事もあってか水族のモンスターは、美しい人魚たち*2で構成されている。要は最近の遊戯王ではおなじみの美少女テーマ。
各々の名前の由来も基本的には人魚姫や、各国の海の魔物に因んだものがメイン。


テーマについて

属するモンスターは闇属性及び水属性水族を中心としている。
メインデッキの水族「ティアラメンツ」モンスターは以下の共通効果を持つ。

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):固有効果
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
融合モンスターカードによって決められた、
墓地のこのカードを含む融合素材モンスターを自分の手札・フィールド・墓地から好きな順番で持ち主のデッキの下に戻し、
その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

「効果で墓地へ送られた場合」という緩い条件で、手札・フィールド・墓地のカードを素材とした融合召喚を行う。
墓地が範囲に入っているため素材消費の負担も少なく、どこから墓地へ送られてもよいので積極的に使用できる効果になる。
また召喚先の融合モンスターに制限は無いので、「ティアラメンツ」以外の融合モンスターを融合召喚することも可能。
効果の元となった「ティアラメンツ」を素材に含む関係上あまり選択肢は多くないものの、魅力ある融合モンスターは存在する。
何気に使用した素材をデッキに戻すため、リソース不足に陥りにくいという特徴もある。

そして(2)の他にも、「ティアラメンツ」モンスターは各々が墓地を肥やす効果を備えている。
墓地肥やしの方法は【ライトロード】【絶望タワー】と同種の「デッキの上から指定枚数を墓地に送る」型。
これで水族「ティアラメンツ」が墓地に落ちれば共通融合効果を即座に発動できる。
勿論テーマ外のカード、例えば《ブレイクスルー・スキル》などの墓地発動持ちも採用して、墓地に供給できれば儲け物。

ただしデッキ上から無造作に送る手前、墓地肥やしの結果が水物になる点には注意が必要。
水族だけに水物の墓地肥やし」というのも、このデッキのテーマなのかもしれない。


そして、彼女らをそこらの美少女テーマと侮るなかれ。
このティアラメンツは問題児揃いの11期でも最も暴れた問題児であり、圧倒的なポテンシャルによってありとあらゆる墓地利用と闇属性融合を使いこなしたテーマである。



カード一覧

効果モンスター

下級モンスター

ティアラメンツ・メイルゥ
効果モンスター(制限カード)
星2/闇属性/水族/攻 800/守2000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(2):共通融合効果
刃のついたハンマーを持つ小柄な人魚。
固有効果は場に出た時に3枚墓地肥やしをする。

《ドラゴンメイド・ラドリー》と同じ効果で、能動的な墓地肥やしを可能にする。
ただし水物の墓地肥やしである以上、《ティアラメンツ・レイノハート》を差し置いて召喚権を当てることは基本的にない。
各々に名称ターン制限のついている共通融合効果の回数稼ぎのために採用する事になるだろう。

なお「レベル2の水族モンスター」なので《餅カエル》の素材になれる。
そして「レベル2」なので《スプライト・エルフ》や《スプライト・スプリンド》のL素材になれる為、《スプライト・エルフ》で相手ターンに蘇生して墓地肥やしを行い、《スプライト・スプリンド》で2枚目の《ティアラメンツ・メイルゥ》を墓地に送って共通の融合効果のトリガーになるといった使い方が出来てしまう。

その後2023/4/1には規制により無制限から制限カードに格上げに。これで遂に下級ティアラメンツは揃って全員制限カード送りになってしまった。
また、マスターデュエルのレギュレーションでは《古衛兵アギド》と共に2023/9/1にて禁止カードに指定されてしまった。
OCGと異なり《スプライト・エルフ》及び《ティアラメンツ・キトカロス》が禁止カードになっておらず、その代替的な規制と言える。
ティアラメンツ下級モンスターの種類が減る=1ターンの融合召喚の上限回数が減るため、制限と禁止の差はかなり大きい。


水族「ティアラメンツ」で一番レベルが低いためか、見た目も幼い。
名の由来はおそらくアイルランドの伝承に登場する「メロウ」という人魚。
エミリアが禁呪によって変身した《イビリチュア・メロウガイスト》と同じ由来。


ティアラメンツ・ハゥフニス
効果モンスター(制限カード)
星3/闇属性/水族/攻1600/守1000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手がフィールドのモンスターの効果を発動した時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(2):共通融合効果
双剣を持つ片目メカクレ陰キャ女子陰鬱な表情の人魚。
固有効果は相手のフィールドのモンスター効果をトリガーに自身を特殊召喚し、3枚墓地を肥やす。

相手依存ではあるものの、相手ターン中にも特殊召喚できる。
フィールドでモンスター効果を全く使わずに動くデッキなどほとんどないため、タイミングは制限されるがかなり緩い条件である。
さらにこの(1)で水族「ティアラメンツ」を墓地に送ることに成功すれば、相手ターンでも融合モンスターを融合召喚できる。
出したハゥフニスも素材にすることでフィールドから退かせるので、リターンは大きい。
上手くいけば後攻0ターン目に制圧効果を持つ融合モンスターを出して相手を妨害できる。これこそがティアラメンツの真骨頂である。
このカードが絶対的なキーカードというわけではないが。

その性質を問題視されたか、2022/10/1に【ティアラメンツ】規制の一環で準制限カードとなり、2023/4/1には制限カードに格上げとなった。


名の由来はノルウェーの人魚伝承「ハゥフル」と思われる。
凶兆を告げる存在とされ、彼女らに出会うと近いうちに良くないことが起こるそうな。
実際にこいつらのせいで環境はよくないどころか最悪なことになったが


ティアラメンツ・シェイレーン
効果モンスター(制限カード)
星4/闇属性/水族/攻1800/守1300
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、自分の手札からモンスター1体を選んで墓地へ送る。
その後、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(2):共通融合効果
長剣を持つ細身の人魚。
固有効果は自身を特殊召喚した後に手札のモンスター1体を墓地へ送り、3枚墓地を肥やす。

《THE トリッキー》などと異なり、手札を墓地に送る部分は効果なので「効果で墓地に送られた時」の条件を満たす。
後半の効果と合わせて4枚もの墓地肥やしができるので、共通融合効果の素材もそろえやすい。

その高い墓地肥やし性能と能動的に手札のモンスターを効果で墓地に送れる性能が危険視されて2023/1/1に【ティアラメンツ】抑制のために制限カードとなる。


名の由来はギリシャ神話の海の魔女「セイレーン」。
歌声で旅人や漁師を惑わせ、船を迷わせたり沈めてしまう美しくも恐ろしい存在として言い伝えられている。
今でこそ人魚のイメージが強いが、元々は半人半鳥のハーピィの一種。
別テーマだと「ゴーストリック」の《ゴーストリック・セイレーン》は鳥と人魚の両方の要素を持つデザインになっている。


ティアラメンツ・レイノハート
効果モンスター(制限カード)
星4/水属性/戦士族/攻1500/守2100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「ティアラメンツ・レイノハート」以外の「ティアラメンツ」モンスター1体を墓地へ送る。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを特殊召喚し、自分の手札から「ティアラメンツ」カード1枚を選んで墓地へ送る。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
野心的な笑みを浮かべる、この「世壊」の支配者たる男。
「ハート」モンスター共通の宇宙のように異界化した片腕と、《ヴィサス=スタフロスト》にそっくりな顔を持つ。

(1)は「ティアラメンツ」モンスターのピンポイント墓地送り効果。
他の「ティアラメンツ」モンスターの効果と異なり、任意の「ティアラメンツ」を選んで墓地に供給できる。
共通融合効果のトリガーにもなり、少なくとも出したレイノハートと墓地に送ったモンスターで《ティアラメンツ・キトカロス》を融合召喚できる。
重要な効果だが、《絶海のマーレ》と召喚権がかち合うことには注意。

(2)は効果で墓地へ送られた時の自己再生と手札の「ティアラメンツ」を墓地に送る効果。
自己蘇生から(1)まで繋がるので、2枚の「ティアラメンツ」を墓地に落とし融合召喚の準備が整う。

スムーズに融合召喚へ繋がる性能と後述する《ティアラメンツ・カレイドハート》の融合素材に指定されている点から2023/1/1に制限カードとなる。


他の「ティアラメンツ」モンスターと異なり、共通融合効果を持たず種族と属性も異なる。
後述のイラストを見ても、他の「ティアラメンツ」とは立ち位置が異なることがわかる。
《スケアクロー・ライヒハート》とは属性以外のステータスが一致しており、「○○ハート」という命名法則だが、関係は不明。
片手には鞭、もう片方の手には真珠を持っており、人魚たちを泣かせる事で手に入る真珠を求めて圧政を敷いている存在と思われる。
VBEX3の解説では、ヴィサスの分身の一人で『哀しみ』を司っており、真珠を集めることで不死の存在を目指していた。

「人魚に関連する若い青年」というデザインから立ち位置は『人魚姫』の「王子様」。
「人魚を苦しめる悪役」という特徴からディズニー映画『リトル・マーメイド』の「アースラ」もモチーフに入っていると思わしい。
また、レイノには「王国」という意味がある。


最上級モンスター

ティアラメンツ・クシャトリラ
効果モンスター(制限カード)
星7/水属性/サイキック族/攻2300/守1200
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、自分の手札・墓地から「クシャトリラ」カードまたは「ティアラメンツ」カード1枚を選んで除外する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分または相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(3):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。
「PHOTON HYPERNOVA」にて登場した「クシャトリラ」のような姿の機械めいた人魚。

(1)は特殊召喚効果。特殊召喚後に手札・墓地の「クシャトリラ」か「ティアラメンツ」カードを除外する必要がある。
【ティアラメンツ】は墓地アドを重視するデッキなので墓地除外は重い。場合によっては手札を除外することも検討しなければならない。
「ティアラメンツ」魔法・罠の一部は効果で墓地に落ちると除外された「ティアラメンツ」カードを回収できるので、そちらに頼るのも手。

(2)と(3)は墓地肥やし効果。
この効果で水族「ティアラメンツ」を落とせれば、共通融合効果で融合召喚も行える。
特に(3)は他の「ティアラメンツ」の効果で落ちた場合、落とす枚数をかさ増しできるのが嬉しい。
(2)については相手のカードを墓地に送ることもできるものの、利敵行為になりかねないので注意。

《ティアラメンツ・ハゥフニス》と同様「相手ターンでも特殊召喚でき、あわよくばそのまま融合召喚もできる」カード。
しかし融合召喚が運頼みである点は変わらず、また(1)の除外コストも重く響いている。
それでもやはり相手ターンに動ける可能性があるのは貴重。
特に直前の改訂で《ティアラメンツ・ハゥフニス》が準制限となってしまったのでそのリカバリーとなり得る。
どころか「1枚減って3枚増えた」みたいなものなので逆にブーストがかかってたり…規制の意味が

種族がサイキック族なので「ティアラメンツ」融合モンスターの素材に使いにくいことがあるのは注意。

シンクロ型に移行してからはレベル7なのを活かして《混沌魔龍 カオス・ルーラー》の素材になると言った活躍もしていたが、2023/10/1の改訂で制限カードになる。


見た目はかなりメカメカしく「クシャトリラ」に寄っており、可愛らしい人魚の面影はほとんどない。
また武器は他の人魚達と同じく刃物ではあるが、「クシャトリラ」モンスターの多くが持つ斧になっている。
墓地に送れるカード枚数が合計5枚であることや攻撃力2300で守備力1200という数値は後述する《ティアラメンツ・キトカロス》に近い。
《壱世壊を劈く弦声》以降、《ティアラメンツ・キトカロス》もとい《ティアラメンツ・ルルカロス》がどうなったかはハッキリと示されていないのだが果たして…?
まあ、ストーリー持ちテーマにおいてヒロインの死亡や闇堕ち、改造は遊戯王ではよくあること
なので十中八九捕らえられた彼女が改造手術でサイボーグにされたものだろうと予測している決闘者が多いのは内緒だ。


融合モンスター

ティアラメンツ・キトカロス
融合・効果モンスター(禁止カード)
星5/闇属性/水族/攻2300/守1200
「ティアラメンツ」モンスター+水族モンスター
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「ティアラメンツ」カード1枚を選び、手札に加えるか墓地へ送る。
(2):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札・墓地から「ティアラメンツ」モンスター1体を選んで特殊召喚し、対象のモンスターを墓地へ送る。
(3):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
自分のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。
ナイフを持つ物憂げな人魚。
融合素材は「ティアラメンツ」+水族とかなり緩く、《ティアラメンツ・レイノハート》召喚から墓地に行った際の共通効果で簡単に融合召喚できる。
或いは素材を温存する目的で《簡易融合》で特殊召喚する手もある。

(1)は「ティアラメンツ」カードのサーチor墓地送り効果。
モンスターカードだけでなく魔法・罠カードも選べるので、効果の柔軟性は高い。

(2)はフィールドのモンスターと手札・墓地の「ティアラメンツ」モンスターを交換する特殊召喚効果。
効果も無効にせず、大型の《ティアラメンツ・カレイドハート》でも蘇生させることが可能。
《ティアラメンツ・キトカロス》本人のステータスは高くないので、自身を墓地に送って(3)の効果に繋げるとよい。

(3)は墓地肥やし効果。
例によって水物の墓地肥やしだが、5枚と枚数が多いので後続確保にはなりやすい。

総じて「【ティアラメンツ】ならまずこのカードにアクセスするべき」と言う融合モンスターでありながらメインエンジンでもある最重要カードであり、共通効果でEXに戻れるため1枚でも十分に機能してしまう点が危険視されてか2023/1/1に一気に無制限から禁止カードとなる。
ちなみに現役期間は253日と融合モンスター最短記録を更新。更には初のプリズマティックシークレットレアが存在する禁止カードと言う2つの不名誉な記録を打ち立てた。

マスターデュエルでは23年4月の実装時点から制限カードという扱いを賜ったが、前述の通り制限ならどうとでもなるうえにレアリティがSRだったため、禁止前提を疑った者も多かった。
しかし、実際には起点となる下級の《ティアラメンツ・メイルゥ》を禁止する形となったため、こちらは制限据え置きで禁止を免れることに。《古衛兵アギド》と《古尖兵ケルベク》の禁止もあって、《ティアラメンツ・クシャトリラ》実装後もティアラメンツが環境最上位に返り咲いていないため今後の環境とリミットレギュレーション次第では《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》のように制限カードのままとなるかもしれないと予想されている。


服装のフリルが長い点や《ティアラメンツ・カレイドハート》の後ろに側近めいて仕える等、他の人魚達よりも特別な存在と思わしい。
名の由来はロシアの伝承に登場する人魚「ルサルカ」。別名が「キトカ(khitka)」であり、それをもじっているものと推測される。
それに加えて関連カードとの兼ね合いから、直接的なモチーフは『人魚姫』の主人公である「人魚姫」も含まれているようだ。


ティアラメンツ・ルルカロス
融合・効果モンスター
星8/水属性/水族/攻3000/守2500
「ティアラメンツ・キトカロス」+「ティアラメンツ」モンスター
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカード以外の自分の水族モンスターは戦闘では破壊されない。
(2):モンスターを特殊召喚する効果を含む効果を相手が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
その後、手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、「ティアラメンツ」カード1枚を選んで墓地へ送る。
(3):融合召喚したこのカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
姫騎士を思わせる姿となった《ティアラメンツ・キトカロス》。「DARKWING BLAST」にて追加された。
《ティアラメンツ・キトカロス》を名称指定で融合素材に要求している。
効果を使い終わったりして墓地に落ちた《ティアラメンツ・キトカロス》の作り変え候補であった《捕食植物ドラゴスタペリア》に次ぐ新しい選択肢。
攻撃力が3000と高いので、その点では《捕食植物ドラゴスタペリア》に勝る。
ただし、前述の通り融合素材である《ティアラメンツ・キトカロス》が2023/1/1に禁止カードとなってしまったため、現状は融合素材代用モンスターを使わなければ融合召喚出来なくなっている。

(1)は自分以外の水族への戦闘破壊耐性付与。
「ティアラメンツ」モンスターは戦闘破壊されると融合効果を使えない為、それらを防ぐことが出来る。
特に自身の効果で場に出てきた《ティアラメンツ・ハゥフニス》等を守ることで、《壱世壊に奏でる哀唱》や自身のコスト要員として残す事が可能。

(2)は特殊召喚封じ。
有り体に言えば《エルシャドール・エグリスタ》に近いが、こちらはカード効果による特殊召喚を止めるタイプ。
敵の展開を押し留めて強力な制圧布陣を強いて行く事が可能。
後述するが【ティアラメンツ】は「シャドール」とも相性が良いので、《エルシャドール・ミドラーシュ》と並べると特殊召喚をほぼ完全に封殺可能。
ポンと置いておくだけでも1回は防げるので、相手の妨害としては最適。
敵が止められたら一番困るタイミングで撃ってやろう。

(3)は《ティアラメンツ・レイノハート》や《ティアラメンツ・カレイドハート》に似た蘇生効果。
だがこの効果は「融合召喚された《ティアラメンツ・ルルカロス》」でないと発動しない。
正直この蘇生に関してのみは《ティアラメンツ・カレイドハート》の下位互換。ただあって困るものではない。
(2)の制圧効果がかなり強力な事と《ティアラメンツ・カレイドハート》よりは簡単に出せる事から、バランス調整も兼ねているのだろう。


手にしていたナイフはより鋭い剣へと、物憂げな顔は決意に満ちた凛々しい物へと変わっている。
後述するカードの描写を見るに、《ティアラメンツ・カレイドハート》から失われた力を代わりに彼女が受け継いだ模様。
(1)は「同胞をもう傷つけさせない」、(2)は「《ティアラメンツ・カレイドハート》が蘇ろうとしても自分の手で止める」という風にも読み取れる。
ステータス的にもちょうど《ティアラメンツ・カレイドハート》と相打つ事が可能であり、悪しき支配者に負けない力を得たという事だろう。

名の由来は引き続きルサルカ。こちらはそのままもじったものと思われる。


ティアラメンツ・カレイドハート
融合・効果モンスター
星9/闇属性/悪魔族/攻3000/守3000
「ティアラメンツ・レイノハート」+水族モンスター×2
このカードは融合素材にできない。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、またはこのカードがフィールドに存在する状態で、水族モンスターが効果で自分の墓地へ送られた場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主のデッキに戻す。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを特殊召喚し、デッキから「ティアラメンツ」カード1枚を墓地へ送る。
異形の半人半獣へと変じた《ティアラメンツ・レイノハート》。
《ティアラメンツ・キトカロス》と比べて要求する素材数は増えたものの、各「ティアラメンツ」の効果で墓地は肥やしやすいので召喚は難しくない。

(1)はデッキバウンスによる除去効果。
対象は取るものの、墓地利用を許さないデッキバウンスなので除去としての信頼性は高い。
その条件も「《ティアラメンツ・カレイドハート》の特殊召喚」もしくは「水族モンスターが効果で墓地に行った場合」と緩い。
とりわけ「ティアラメンツ」罠カードは各種妨害に「ティアラメンツを墓地に送る効果」が付随するので、妨害の水増しができる。

(2)は自己再生と墓地肥やし効果。
効果で墓地に送られることをトリガーとしているので、実質的な効果除去への耐性にもなる。
勿論相手にはこの効果は筒抜けなので、能動的に使うにはこちらから墓地へ送る必要がある。
《壱世壊=ペルレイノ》の破壊効果で自爆すれば、自己再生しつつ任意のティアラメンツカードを墓地に送れる為覚えて損はない。

また「壊獣」や《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》による除去では反応しない点にも注意。


《スケアクロー・ライヒハート》が魔獣と融合し半人半獣の戦士と化した《スケアクロー・トライヒハート》と同じような立ち位置だと思われる。
背後にティアラメンツを洗脳で従わせており、巧みな連携攻撃で《ヴィサス=スタフロスト》たちを苦しめた。
種族が元となった「ハート」モンスターや所属テーマのメイン種族とも異なるのがあちらと共通している。
下半身がタコやイカの様になっている点から、先述した『リトル・マーメイド』の「アースラ」のモチーフも入っていそうである。


壱世壊に軋む爪音(ティアラメンツ・メタノイズ)
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドに「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。
その後、デッキから「ティアラメンツ」モンスター1体を墓地へ送る。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、自分の墓地の「ティアラメンツ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
「POWER OF THE ELEMENTS」に収録された通常罠。

(1)は相手限定の《月の書》効果。その後デッキから「ティアラメンツ」モンスターを墓地へ送る。
永続効果や攻撃を封じたり、融合・儀式召喚以外への各種素材使用を禁止したりと、活躍の幅が広い効果になる。
後半の「ティアラメンツ」をデッキから落とす効果も融合を狙ったり、《ティアラメンツ・レイノハート》の自己蘇生を誘発できる。

(2)はサルベージ効果。
「効果で墓地に送られる」が条件なので、「ティアラメンツ」達の墓地肥やし効果に巻き込まれても発動できる。
融合素材として捌けず墓地に溜まった「ティアラメンツ」を回収して、効果の発動を狙うことになるだろう。


イラストでは《ヴィサス=スタフロスト》と《スケアクロー・ライトハート》に対して怪訝な目を向ける「ティアラメンツ」の人魚達が描かれている。
別「世壊」から来た見慣れぬ彼らを警戒しているのか、それとも。


壱世壊に奏でる哀唱(ティアラメンツ・サリーク)
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果を無効にする。
その後、自分フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ティアラメンツ」モンスター1体を手札に加える。
「POWER OF THE ELEMENTS」に収録された永続罠。

(1)のモンスターへの無効効果は汎用性が高く、特別なデッキが相手でない限り活躍を疑う余地はないだろう。
後半の墓地送り効果は「フィールドから」なので、《壱世壊に軋む爪音》と異なりアドを失っている事には注意。
逆手にとって《ティアラメンツ・カレイドハート》を墓地に送ることも有効。

(2)は「ティアラメンツ」モンスターのサーチ効果。発動条件は《壱世壊に軋む爪音》と同じ。
この効果のためだけに《おろかな副葬》の採用も検討できる。


イラストでは《ティアラメンツ・レイノハート》に鞭打たれる《ティアラメンツ・キトカロス》の様子が描かれている。
また《ティアラメンツ・メイルゥ》の流した涙が真珠になっており、それをレイノハートが嬉々として回収するという痛ましい光景が広がっている。
他の「ティアラメンツ」の人魚達もレイノハートには怯えており、誰も逆らえない現状がうかがえる。
そしてその惨状を放っておけないのか、《ヴィサス=スタフロスト》が抜刀して戦いが始まる。
この場に居合わせていることから《壱世壊に軋む爪音》での不和は一旦無くなっているらしい。


壱世壊に澄み渡る残響(ティアラメンツ・クライム)
カウンター罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドに「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」が存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし、そのカードを持ち主のデッキに戻す。
その後、自分の手札からモンスター1体を選んで墓地へ送る。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、除外されている自分の「ティアラメンツ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
「POWER OF THE ELEMENTS」に収録されたカウンター罠。

(1)は幅広い範囲に対応したカウンター効果。
無効にした後にデッキに戻すことで、相手の墓地アド稼ぎを阻止してくれる。
その後は「手札から」モンスターを墓地に送るので、《ティアラメンツ・カレイドハート》とのコンボには使えない。
ただしこの効果は「モンスターであれば何でもよい」ので、相性のいい(後述)他のモンスターを墓地に送っても問題はない。

(2)は除外サルベージ効果。発動条件は《壱世壊に軋む爪音》と同じ。
現状「ティアラメンツ」に積極的な除外ギミックは無く、《ティアラメンツ・レイノハート》の除外デメリットが精々な程度。
《ティアラメンツ・レイノハート》を使いまわすか、《闇の誘惑》で除外した「ティアラメンツ」モンスターの回収が用途になる。


イラストでは《ヴィサス=スタフロスト》と《ティアラメンツ・カレイドハート》の交戦…
その最中に《ティアラメンツ・キトカロス》がカレイドハートを背後から攻撃した光景が描かれている。
VBEX3での解説では、《スケアクロー・ライトハート》の「『恐怖』の力を、洗脳の根源たる『哀しみ』の力にぶつけろ」とアドバイスを送り、それを行った結果正気を取り戻した《ティアラメンツ・キトカロス》が《ティアラメンツ・カレイドハート》に一撃を見舞ったようだ。
原作の『人魚姫』では、話の終盤に人魚姫が「人魚に戻るために愛する王子様をナイフで刺殺するか、自分が泡となって消える」の二択を迫られる。
原作では愛する人を殺められず、人魚姫は自らの死を選び消滅するという結末となっている。
が、こちらの人魚姫(キトカロス)悪しき王子(レイノハート)を自らの手で討ち取るという選択をしたようだ。


魔法

壱世壊(いせかい)=ペルレイノ
フィールド魔法(制限カード)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体を手札に加える事ができる。
(2):自分フィールドの融合モンスター及び「ティアラメンツ」モンスターの攻撃力は500アップする。
(3):自分フィールド・墓地の「ティアラメンツ」モンスターがデッキ・EXデッキに戻った場合、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
海が層を成したかの様な見た目の「世壊」。

(1)は今日日おなじみのサーチ効果。
必要に応じてサーチを行い、手札と状況を整える有用性は言うまでもない。
特に《ティアラメンツ・レイノハート》をサーチ・召喚して墓地肥やしを行える利点は大きい。

(2)は全体強化効果。
強化値はそこそこあるので戦線維持に期待ができる。
「ティアラメンツ」以外の融合モンスターも恩恵を受けるので、テーマ外融合モンスターを採用しやすい。

(3)は破壊効果。条件は場か墓地から「ティアラメンツ」モンスターがデッキ・EXデッキに戻ること。
水族「ティアラメンツ」の共通融合効果で、能動的に条件を満たすことが可能。
相手ターン中の発動も狙えるので妨害能力は高い。

全体的に手堅く使いやすい効果が揃っているので、是非とも優先して採用したい。
ただルビを見れば分かる通り、このカードは「ティアラメンツ」カテゴリに属していない
なので、このカード自体のサーチは汎用フィールド魔法に対応したものに頼ることになる。

猛威を奮った【ティアラメンツ】の規制の一環としてか2022/10/1に制限カードとなる。


名の由来は恐らく「パール(真珠)」+《ティアラメンツ・レイノハート》の「レイノ」。


壱世壊に渦巻く反響(ティアラメンツ・グリーフ)
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分のデッキ・墓地から「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」1体を選んで特殊召喚する。
その後、種族または属性がこの効果で特殊召喚したモンスターと同じとなる自分フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、除外されている自分の「ティアラメンツ」罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
「DARKWING BLAST」にて追加された通常魔法。
「ティアラメンツ」モンスターか《ヴィサス=スタフロスト》をリクルートor蘇生。
その後特殊召喚したモンスターと種族か属性の同じモンスターを自分の場から墓地に送る。

共通融合効果持ちの水族「ティアラメンツ」なら、他の素材さえ揃っていればこれで特殊召喚後に墓地へ送る事で能動的に融合効果を使うことが出来る。
《ティアラメンツ・カレイドハート》との相性も良い。
後半の墓地送りをトリガーにデッキから「ティアラメンツ」カードを落としつつ自己蘇生して更にバウンスを放つことができる。

一方で《ヴィサス=スタフロスト》の特殊召喚については、少し工夫が必要。
場の《ティアラメンツ・レイノハート》を墓地に落として、そちらの効果で追加墓地送りと自己蘇生、という動きがベターだろうか。

(2)の効果については《壱世壊に澄み渡る残響》の(2)の効果範囲を罠に変更したもの。
「ティアラメンツ」は特に除外を活用しないのでほぼオマケと考えていい。
とはいえ除外系の除去で飛ばされた「ティアラメンツ」罠を戻す手段にはなるので、あって困るものではない。


イラストは恐らく《壱世壊に澄み渡る残響》の場面からの続き。
力なくうなだれる《ティアラメンツ・レイノハート》からどんどんと漏れていく「体内宇宙」の力。
その力は《ヴィサス=スタフロスト》の右腕と《ティアラメンツ・キトカロス》のナイフへと流れこんでいる。
《ティアラメンツ・キトカロス》が《ティアラメンツ・ルルカロス》へ進化したきっかけはこれによるものだろうか。
なお、強敵を倒した二人を見て《スケアクロー・ライトハート》はガッツポーズ。かわいい。


壱世壊を揺るがす鼓動(ティアラメンツ・ハートビーツ)
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主のデッキに戻す。
その後、自分の手札を1枚選んで墓地へ送る。
自分フィールドに「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合、この効果の対象を2枚にできる。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、自分の墓地の「ティアラメンツ」罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
「DARKWING BLAST」にて追加された速効魔法。
魔法・罠に対しデッキバウンスが行える。

効果後半で手札を切る必要があるが「効果による墓地送り」なので、なるべく水族「ティアラメンツ」や他の「ティアラメンツ」魔法・罠を切ると良い。
場に《ヴィサス=スタフロスト》がいると2枚までバウンス出来るのもポイント。
《ヴィサス=スタフロスト》を入れるタイプの【ティアラメンツ】なら、実質デッキバウンス版の《ツインツイスター》に化ける。

(2)の墓地に送られた際の効果は「ティアラメンツ」罠の回収。
《壱世壊に澄み渡る残響》や《壱世壊に軋む爪音》は便利な妨害札なので、使い回せるのは何かと有り難い。

実は発動コストや条件に「ティアラメンツ」が指定されているわけではないので、魔法・罠のデッキバウンスとしては一応他のデッキでも使える。


イラストでは気を失った《ティアラメンツ・レイノハート》を《ヴィサス=スタフロスト》が右腕へと取り込もうとしている。
「スケアクロー」の首魁たる《スケアクロー・ライヒハート》もこうやって彼に取り込まれたのだろうか。
マスコット体型の《スケアクロー・ライトハート》になるのは想定外だったようだが
彼が自分に似た者達を探し、倒していく目的は一体何なのだろうか。

――そして彼らはまだ気づいていない。そんな彼らの背後、ペルレイノの海面より何者かが迫りつつある事を。


壱世壊を劈く弦声(ティアラメンツ・スクリーム)
永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドにモンスターが召喚・特殊召喚された場合に、
自分フィールドに「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」が存在していれば発動できる。
自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
このターン、相手フィールドのモンスターの攻撃力は500ダウンする。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ティアラメンツ」罠カード1枚を手札に加える。
「DARKWING BLAST」にて追加された永続魔法。

(1)はモンスターの召喚・特殊召喚に反応して発動可能なデッキトップ削り。水族「ティアラメンツ」の効果と同じく3枚墓地に落とせる。
加えて相手モンスター全てに攻撃力500ダウンのデバフがかかる。
《壱世壊=ペルレイノ》や《嫋々たる漣歌姫の壱世壊》の打点増強と合わさると実質攻撃力1000アップといえる状況を簡単に作れる。
【ティアラメンツ】はデッキコンセプトの都合上とにかく戦闘破壊だけは避けたいので、攻撃力面の補強は割りと嬉しいサポート。

(2)はデッキから「ティアラメンツ」罠のサーチ。条件は同弾の他の魔法と同じ。
《ティアラメンツ・ルルカロス》の妨害効果コストとして使い、次の一手として妨害用「ティアラメンツ」罠カードを引っ張ってくると無駄がない。


突如現れた赤い鎧の男。その奇襲を防いだのは《ティアラメンツ・ルルカロス》であった。
赤い鎧の男もとい《クシャトリラ・ユニコーン》と鍔迫り合いする彼女の後ろで、《ヴィサス=スタフロスト》らは謎の奇襲者を流星となって追跡する。
彼らは《ティアラメンツ・レイノハート》をカプセルに詰めて連れ去ったが、その目的は謎に包まれている。

「世壊」巡りの旅はまだまだ続く。新たな敵は『怒り』の名を持つ存在、「クシャトリラ」。
次の物語はそんな謎の侵略者に制圧された《肆世壊=ライフォビア》にて…


嫋々たる漣歌姫の壱世壊(ティアラメンツ・ペルレギア)
フィールド魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの融合モンスター及び「ティアラメンツ」モンスターの攻撃力は500アップする。
(2):水族の「ティアラメンツ」モンスターが効果で自分の墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキからレベル4以下の水族モンスター1体を墓地へ送る。
この効果で「ティアラメンツ」モンスター以外のモンスターを墓地へ送った場合、
このターン、自分はこの効果で墓地へ送ったカード及びその同名カードの効果を発動できない。
「PHOTON HYPERNOVA」で追加された2枚目のフィールド魔法。現代テーマでも後続でフィールド魔法の種類が増えるというのは珍しい。

効果はだいたい「調整版《壱世壊=ペルレイノ》」といったところ。
パンプアップ効果のみが残り、発動時のサーチもできず破壊効果もなくなっている。

その分追加されたのはレベル4以下の水族モンスターをデッキから落とす効果。
ただし発動条件に水族「ティアラメンツ」が効果で墓地に落ちる事を要求し、この効果で「ティアラメンツ」以外を落とすと効果が発動できなくなる。
基本的には水族「ティアラメンツ」を落として融合回数を増やすか、そちらの融合効果の素材供給のために使うことになるだろう。
使えないのは発動する効果のみなので、《沼地の魔神王》の素材代用効果のような発動しないものは機能する。
また、特殊召喚の制限は無いため、変わったところでは《豪雨の結界像》を落としておいて《クロシープ》で釣り上げてロックするというコンボも可能。

総じて《壱世壊=ペルレイノ》より大分ダウングレードしたが、制限カードになったそちらのリカバリーとして何枚か入れておくと良いだろう。
こちらは「ティアラメンツ」の名を持つので、サーチが利きやすいのも利点。


イラストでは平和になった壱世壊で過ごす「ティアラメンツ」の人魚達が描かれている。
よく見ると各自が付けられていた南京錠型の装飾がなくなっており、《ティアラメンツ・レイノハート》からの支配から解放されたことがうかがえる。
それを示すようにカード名もペルレイノから「レイノ」がなくなり、代わりにラテン語で「主権」や「王」を意味する「レギア」が付いている。

…しかしその平穏の中に《ティアラメンツ・ルルカロス》の姿は無い。
未だ「クシャトリラ」を警戒しているのか、それとも…



デッキ概要

「共通融合効果で大型モンスターを融合召喚し、戦線を強化していく」という筋書き。

共通融合効果は「効果で墓地に送られた場合」なので、落とす手段さえあれば相手ターン中でも動くことができる。
お誂え向きにサポート魔法・罠には「ティアラメンツ」を墓地に送る「効果」が付随しているので狙いやすい。
それぞれが持つ共通融合効果と大量墓地肥やし効果のおかげで、水族「ティアラメンツ」はほぼ全員が初動札になりえる。

だが登場当時は【スプライト】全盛期だったこともあり、ティアラメンツはスプライトのパワーに押され気味であった。

そして約1ヶ月後の2022/5/21、彼女達は弾けた……


イシズティアラメンツ

【ティアラメンツ】というカテゴリの名を遊戯王の歴史に刻み付けた、ティアラメンツというテーマを象徴するデッキ。
具体的には2022/5/21発売の『デュエリストパック-輝石のデュエリスト編-』で登場したイシズをイメージした《現世と冥界の逆転》の関連カード群*3との混合デッキ。

特に手札・デッキから墓地に送られるだけで互いのデッキトップを5枚削る《古尖兵ケルベク》《古衛兵アギド》とのシナジーが抜群。
「ティアラメンツ」達の墓地肥やしの量を嵩増ししたり、天使族な事を利用して《宣告者の神巫》《朱光の宣告者》の効果コストにしながら墓地を肥やすなどやりたい放題できる。
言うまでもなく、本来想定された《現世と冥界の逆転》を利用したデッキデスもこなせる。

この構築に特化する場合、汎用の手札誘発モンスターすら最低限の枚数まで切り詰めるのが全盛期の主流。
だがその構築でも後述の「シャドール」や《墓守の罠》などの存在から一定以上の制圧能力も確保できるのが強み。
テーマコンセプトの関係上運次第にはなるが、上手く上振れれば手札0枚、後攻0ターン目であっても大型融合モンスターの連続展開+盤面制圧すら可能である。
おまけに「ティアラメンツ」融合モンスターが持つ効果の関係でサンダー・ボルト》などの全体除去を一回撃たれただけでは盤面を崩されにくく、場合によっては逆により強固な盤面を築く事すら可能と言う最早バグの如き安定度の高さを誇る。
これら「凄まじい速度の墓地肥やしの暴力」と「脅威的な展開能力」を武器に現環境との問題児とも互角に殴り合うその姿は、「こいつらだけ遊戯王でパチンコやってる」「CR海物語」「【SPYRAL】の再来」などと称された。

こうして瞬く間に環境を席捲すると、同じく2022年に実装された【スプライト】【クシャトリラ】【ビーステッド】*4と競い合い、それらをも抑え込んでトップメタとして君臨。
2022年の遊戯王環境で大暴れを見せた。

だがあまりにも暴れ過ぎたため発売から1年も経ってないのに度重なる規制が執行。
ティアラメンツは上記の通りだが、イシズ側も《宿神像ケルドウ》と《古衛兵アギド》、彼らと相性の良い《朱光の宣告者》が2022/10/1に制限カード指定を受ける事となった。
それでもなおパワーは残り、一時期は下記の【クシャトリラ】との混合構築が主流となっていたが、【クシャトリラ】を含めた追加規制により更に弱体化した【ティアラメンツ】が再び採用する様になったため、2023/4/1に《古尖兵ケルベク》と《剣神官ムドラ》まで制限カード指定を受けた。
まあ2022年で新規登場して暴れた上記4テーマはティアラメンツ同様軒並み1年で大幅規制されているが


現在では2023/4/1時点で(モンスターだけを見れば)半ばハイランダーデッキに近い状態まで陥っている。
上記のような異様な展開能力も壊滅し、テーマとしては最早半壊に近い…のだが
  • そもそも融合テーマとしての柔軟性が非常に高い
  • 規制されていないカードも悉く強力なものが揃っている
といった点もあり、規制された穴を埋めるように様々な汎用カードを吸収。
同改訂にて《グローアップ・バルブ》がしれっと釈放されていたため、《ナチュル・ビースト》が出せる様になりS召喚路線を手に入れて間接的に強化されたような状態に。結果としてここまで規制されまくったのになぜか大会入賞に食い込む底力を見せつけた。
この頃の構築では融合モンスターの採用枚数が少なく、融合主体のテーマのデッキなのかすら良くわからない状態になっていた。
この辺りからティアラメンツはグッドスタッフ系デッキとしての路線を確立し出す。

だが流石にここまで徹底規制されると2022年の頃のような暴威を振るうことはできず、他デッキのパワーに押され中々環境上位に返り咲くことはできていない様子であった。
しかし、2023/7/1に他デッキのトップ勢が規制され、その後発売されたAGE OF OVERLORDで収録された新カードを取り込んだ結果、環境上位に再浮上する事となった。
この頃は《混沌魔龍 カオス・ルーラー》のS召喚を狙うのが主流となっており、12期に登場した《レボリューション・シンクロン》や、罪宝ギミックにより《ジェット・シンクロン》などのレベル1チューナーを確保し《ティアラメンツ・クシャトリラ》《黒魔女ディアベルスター》 などのレベル7とS召喚を狙うギミックが搭載。
手痛い規制を喰らったのにも関わらず新ギミックを取り入れた結果、前環境よりも環境での立ち位置が上がるという怪物っぷりを見せつけた。そのため《クシャトリラ・フェンリル》禁止で再起不能になったクシャトリラが1人負けしたような状況となった。

そのため2023/10/1の改訂で関連カードが3枚禁止・メインデッキのカードの中で唯一規制を逃れてた《ティアラメンツ・クシャトリラ》の制限、と更に厳しく締め上げられた。…が、改訂告知直後に新しい型を検討し雛型も作ると言った具合に新環境への対応を始めていた。こいつらもしかして人魚じゃなくて人魚の肉を食った連中なのか?と言わんばかりの不死身っぷりである。
だが、
  • 《ティアラメンツ・クシャトリラ》が制限化により2枚没収
  • 5枚墓地肥やしを行う《古尖兵ケルベク》《古衛兵アギド》が2枚とも禁止になり没収
  • シンクロギミックを取り入れる大きな意味となっていた《混沌魔龍 カオス・ルーラー》も禁止になってこれも没収
と、墓地肥やしの中核となっていたカードが悉く取り上げられたダメージは大きく、現状では環境から退場した形になった。
だがそれでも一部のファンはあの手この手で手段を模索してデッキ構築を行い、たまに大会でもその名をチラチラ見せていたりする。

戦い方が墓地肥やしという遊戯王の戦術の根本的な部分に強く結びついてしまっているため、この規制まみれの状態でも新規カード次第では再び環境に浮上する可能性があるので、共通効果のエラッタ*5でもしない限りはこの先数年緩和はおろか下手したらさらなる規制が十分にあり得るという立ち位置になると思われる。
遊戯王ではエラッタ無しにはまず緩和されないカードのことを「永世禁止カード」と呼んでいるが、それに倣うならティアラメンツはさしずめ永世規制カテゴリであると言えるだろう。

マスターデュエルにおいて

2023年4月に遂に実装。
OCGにおける暴れっぷりから、予め《ティアラメンツ・シェイレーン》《ティアラメンツ・ハゥフニス》《ティアラメンツ・メイルゥ》が準制限カードに、《ティアラメンツ・キトカロス》と《壱世壊=ペルレイノ》が制限カードに指定されたが、元々イシズギミックが先に実装されていた事もあり、この程度の規制が十分な抑止にもならないのは言うまでもなく、ランクマッチは瞬く間にティアラメンツ一色に染まった。
その結果、とばっちりで2023年5月付で簡易融合が禁止カード送りになり、沼地の魔神王とおろかな副葬が制限カードになる事が決定してしまった。
MDにおいてもDCという場で先攻1キル型【EM魔術師】の主要パーツになったりと、これまで散々やらかしてきた前科があるカップ麵は兎も角として他の融合テーマにとってはたまったものではない。
ついでにおろかな副葬が重要な【方界】【月光】、《氷結界》を使う水属性デッキからも怨嗟の声が上がった。

その後も《古尖兵ケルベク》除くイシズパーツが制限カードになったり《テラ・フォーミング》の禁止や《壱世壊に奏でる哀唱》の制限化などティアラメンツへの規制は続いたが、それでもしぶとく生き残ったせいかなんと2023年9月付で《ティアラメンツ・メイルゥ》の禁止が決定した。
墓地肥やし・融合手段である下級ティアラメンツの中でも《スプライト・スプリンド》で落としたり、MDではまだ使用できる《スプライト・エルフ》で釣り上げたり出来る《ティアラメンツ・メイルゥ》がなくなったため安定ルートが減少。
また融合召喚の上限回数が減って爆発力も低下、オマケに《古衛兵アギド》も禁止になったので墓地肥やしの連鎖が発生しにくくなって安定性も更に落とされる事となった。
さらに2023年10月に《古尖兵ケルベク》が禁止、《ティアラメンツ・ハゥフニス》が制限となり墓地肥しが難しく当たりの数も減ってしまうことに。
このあと《ティアラメンツ・クシャトリラ》が実装されたものの、制限カードとしての実装であったこと、《ティアラメンツ・クシャトリラ》自身が融合効果を持たないことから、《ティアラメンツ・メイルゥ》禁止の穴埋めとまではいかなかった。
逆に当初からSRなことと合わせて禁止カードにされるだろうと予想されていた《ティアラメンツ・キトカロス》は2023年12月現在制限のまま生存ルートに突入しているため、OCGとの大きな差別点となっている。

想定されていたクシャトリラやP.U.N.K.などとの混合構築が多くみられるが、特にクシャトリラ混合においてはメインデッキのクシャトリラカードがティアラメンツカードの割合を超えている場合もあり、下手したらクシャトリラカードだけで勝つこともありえなくない。
それに加え純クシャトリラ流行やミラー対策で《クシャトリラ・アライズハート》がよく出てくるため除外に弱いという弱点が顕著になっている。
皮肉にもOCGとは逆にクシャトリラを取り込むどころか侵食されてしまっている。そもそもこうなるのが本来の流れだったのかもしれないが。

2023年12月現在は最新パックで登場したマナドゥム《ヴィシャス=アストラウド》といった世壊系テーマの他のカードたちを組み込んだ混合構築が主流で、MDでまだ健在の《混沌魔龍 カオス・ルーラー》をマナドゥム側で立てて墓地肥しを起動させたり《ヴィシャス=アストラウド》×《クロシープ》の蘇生ギミックによる展開補助を活用している。
さらにスケアクローやヴィサス本人も混ぜた世壊系GS風なデッキも見られる。当初の暴れっぷりを考えるとそこそこの強さのデッキとなり、かつてほどヘイトを集めていない。OCGと別の形でようやく普通のデッキ並の強さに落ち着いたと言えるだろう。
そして2024年1月現在では《混沌魔龍 カオス・ルーラー》が禁止カードになってしまい、墓地肥やしがしづらくなったものの、同時に《マナドゥム・トリロスークタ》や《ヴィサス=アムリターラ》の実装で《壱世壊=ペルレイノ》へのアクセスもしやすくなったため違うアプローチからの恩恵を受けられるようになった。

が、それでもしぶとく環境に生き残り結果を出してしまった結果、遂に2024年10月に《壱世壊=ペルレイノ》までもが禁止行き
《ティアラメンツ・キトカロス》が生存する代わりにさらに弱体化すると言うとんでもない状態に陥る事になった。

相性のいいカード

  • ヴィサス=スタフロスト
初登場時の同期である【スケアクロー】ではシナジーが無かったものの、このデッキでは確かなシナジーがある。
《ヴィサス=スタフロスト》の(1)が「ティアラメンツ」モンスターの効果トリガーにできることが理由。
そのまま《フルール・ド・バロネス》等の汎用性の高いシンクロモンスターを召喚できる。
ただし種族が一致している《ティアラメンツ・レイノハート》は破壊できないことに注意。

エクシーズ素材のモンスターカードを切ることで、自身を一定期間除外するエクシーズモンスター。
重要な点は、《クロノダイバー・リダン》を除外するために使ったエクシーズ素材が「効果として」墓地に送られる点。
《ティアラメンツ・レイノハート》の自己蘇生や水族「ティアラメンツ」の効果トリガーに繋がる。

  • 深淵に潜む者
水属性の攻撃力をアップすることができる。
墓地封印はティアラメンツに対するメタカードとしても有用。

その他、エクシーズ召喚を狙いやすいランク4モンスター達。
相手に対して高い影響力を持つものが良い。

エラッタされて復帰した鰻。
主に《チキンレース》をコストに《壱世壊=ペルレイノ》や《六世壊=パライゾス》をサーチ。
レベル4以下を特殊召喚する効果も普通に強い上に、バトルフェイズを行えないデメリットも先攻1ターン目なら踏み倒せる。
レベル7なので《グローアップ・バルブ》とシンクロして《混沌魔龍 カオス・ルーラー》に繋げる事も可能。
チューナーには墓地からでも特殊召喚できて「ティアラメンツ」の墓地肥やしに巻き込んでも問題ない《亡龍の戦慄-デストルドー》がよく使われる。

背景ストーリーで奇襲を仕掛けて来た侵略者達。
元から効果が単独で完結している《クシャトリラ・フェンリル》の出張も採用している事が多かった。
しかし「ティアラメンツ」と「クシャトリラ」の両方のカテゴリーに属する《ティアラメンツ・クシャトリラ》の登場により更に相性が強化。
規制により空いた枠に《ティアラメンツ・クシャトリラ》と「クシャトリラ」モンスターをサーチできる《六世壊=パライゾス》を採用。
初動を安定させる事に成功し、場合によっては同時期の規制で弱体化した上記イシズパーツを抜く事すらある主流構築となった。

「クシャトリラ」パーツを採用する事は最早当たり前の事なのか、混合構築にも関わらずほとんどの場合デッキ名に「クシャトリラ」が入らない
あと《ティアラメンツ・クシャトリラ》と紛らわしいからかもしれない
【クシャトリラティアラメンツ】を名乗るのは対【クシャトリラ】を想定されたもの。
それも《クシャトリラ・アライズハート》を1枚だけ採用したパターンが多い
コントロールを奪った《クシャトリラ・シャングリラ》に重ねたり《浮幽さくら》での除外用に刺しているだけなのである。
侵略者なのに逆に取り込まれてる…

  • スプライト
同期の問題児。偶然にも《ティアラメンツ・メイルゥ》がレベル2であるため相性は良好。
《スプライト・スプリンド》や《スプライト・エルフ》のリンク素材になりつつ、《スプライト・スプリンド》で直接墓地に落として融合効果を起動させたり《スプライト・エルフ》で釣り上げて墓地肥やし効果を起動させたりが可能。
特に《スプライト・エルフ》の釣り上げは相手ターンにも発動出来るため、上手く行けば相手ターンに融合召喚も狙えるのが強み。
彼らのリンク召喚したターンにはリンク素材にできない欠点も《I:Pマスカレーナ》で相手ターンにリンク素材にしたり《ギガンティック・スプライト》のエクシーズ素材にすれば回避可能。問題児同士で手を組みやがった…
2023/4/1には《スプライト・エルフ》が禁止カード、《ティアラメンツ・メイルゥ》が制限カードになってしまうも、《スプライト・スプリンド》は生き延びている上に「ティアラメンツ」の共通効果で《ティアラメンツ・メイルゥ》はデッキに戻せるのでまだギミック自体は残っている。
マスターデュエルでは《ティアラメンツ・メイルゥ》が禁止カードのため2023年9月をもってこの組み合わせはほぼ構築不可となった。

手札・場のカードをコストに手札から特殊召喚出来るレベル7魔法使い族モンスターと、《黒魔女ディアベルスター》の召喚・特殊召喚時にサーチできるカード群。
サーチ対象にレベル1・炎属性モンスターを手札・デッキから特殊召喚する《原罪宝ースネークアイ》があるため、《ジェット・シンクロン》を呼んで《混沌魔龍 カオス・ルーラー》へアクセスが可能。
更に特殊召喚時のコストもうっかり引いてしまった墓地に落としたいカードを墓地に落とす事が出来るため手札事故を軽減してくれる。
《黒魔女ディアベルスター》をサーチする《“罪宝狩りの悪魔”》も墓地効果で墓地の罪宝カードをデッキボトムに戻しつつドローが出来るため、墓地肥やしに巻き込まれた罪宝カードを回収しつつドローでアドバンテージを稼ぎ、サーチ対象も確保すると言う動きが出来るためデッキの回転力と安定性の向上に役立つ。


墓地肥やし/墓地効果カード関連

  • 絶海のマーレ
水族モンスター専用の《終末の騎士》
墓地送りによって共通融合効果を即座に発動できる。
マーレ自身も水族なので「ティアラメンツ」融合モンスターの融合素材にできる。

手札をデッキトップに置くことで自己蘇生できるチューナーモンスター。
水族「ティアラメンツ」達の墓地肥やし効果で勝手に墓地に行きやすいので、そのままS召喚まで到達できる。
手札をデッキトップに置くコストも、水族「ティアラメンツ」の効果で狙って墓地に落とせるので負担は小さい。

ティアラメンツがさらに規制強化された2023年4月改訂でしれっとノーエラッタで復帰して来た自己再生持ちチューナーモンスター。
効果でデッキトップ1枚の墓地送りつつ自己再生してくるので、上手く「ティアラメンツ」モンスターを引き当てれば融合モンスターを出しつつ追加でシンクロモンスターを並べる事も可能。
地属性になった《沼地のドロゴン》と一緒に《ナチュル・ビースト》になるなど、アドを稼ぎつつ様々なシンクロモンスターに繋げられる。

  • 救いの架け橋
墓地から除外する事でフィールド魔法を「宝玉獣」モンスターとの抱き合わせでサーチ出来る通常罠カード。
《壱世壊=ペルレイノ》や《六世壊=パライゾス》を融合素材に使いやすい水族の《宝玉獣エメラルド・タートル》と一緒にサーチ出来るのが強み。
前半の効果はまず使う事がない。
うっかり引いてしまった場合は手札コストにするなり、《ゾンビキャリア》で戻してから落とすなりしてさっさと墓地に叩き込みたい。

ご存知墓地肥やしシンクロドラゴン。
規制を受けた【ティアラメンツ】がシンクロギミックを搭載した事により採用される様になった。
ティアラメンツやイシズパーツのトリガーになれるだけでなく、墓地発動するモンスターを墓地に控えさせる事も可能で、効果発動後は制圧要員の《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》の素材になれるため無駄がない。
…が、2023/10/1の改訂で禁止カードに。
シンクロ型はこのカードに依存していると言っても過言ではなく、大きな路線変更を余儀なくされた。


融合モンスター/融合カード関連

素材が緩いモンスターであれば、共通融合効果で「ティアラメンツ」モンスターを素材に融合召喚できる。
などが採用しやすい。

  • 沼地の魔神王
融合素材代用効果と《融合》のサーチ効果を備えているため、融合召喚の自由度と安定性を上げてくれる。
水族なのでサポートカードを共有できる点も嬉しい。
手札から捨てて《融合》をサーチし、墓地の《沼地の魔神王》を水族「ティアラメンツ」の融合効果の素材としてデッキに戻すという流れになる。
《ティアラメンツ・キトカロス》が禁止されてからは《ティアラメンツ・ルルカロス》を融合するのにこいつが必須となり、採用率が上がっている。魔神王を利用したルルカロス召喚のことを「沼カロス」などと呼ばれることも。
かつての問題児になぞらえて「首を落としたのに沼地の泥で身体を再構成した」と言われてるとか…

  • 沼地の魔獣王
《沼地の魔神王》と同じく融合素材代用効果を持つ水族モンスター。
しかし《融合》サーチ効果を持たないため、ぶっちゃけ《沼地の魔神王》の下位互換
…だったのだが、《沼地の魔神王》と異なりレベル4であるため《レボリューション・シンクロン》の手札シンクロで《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》を経由してレベル8シンクロにアクセス出来る様になった。
場合によってはランク4エクシーズも選択肢に入るため、2023年以降のティアラメンツにおいては《沼地の魔神王》との同時採用も見られ、人によっては《沼地の魔神王》より優先して採用する事もあり得る大出世を果たした。

5000ライフで融合モンスターを呼び出すモンスター。
《ティアラメンツ・キトカロス》は融合召喚せずとも(1)効果が使えるため、2枚目の《簡易融合》のような感覚で初動の補助として使える。
上振れればティアラメンツの展開の後に《ナチュル・エクストリオ》を添えてさらに盤面を磐石にすることも可能。
レベル2なので墓地に行っても《スプライト・エルフ》で蘇生することができる。
ただし2023年6月8日に再び禁止カードに指定され牢獄にぶち込まれたため現在は使用禁止である。

前述の《沼地の魔神王》によって《融合》をサーチできる利点を活かした採用。
融合召喚時のドローと破壊効果でアドを稼ぎ、その後も対象耐性と高攻撃力で殴り要員になる。
《融合》は効果として素材を墓地に送るため、水族「ティアラメンツ」を素材にすれば更なる融合召喚も可能になる。
ただし水族「ティアラメンツ」の共通融合効果では墓地の自身を素材に含める都合上、どうやっても《ガーディアン・キマイラ》を出せない点には注意。

墓地肥やしを軸にした融合デッキということで共存できる。
大半が同じように「効果で墓地へ送られた場合」に発動する効果を持っているので、トリガーを共有できる利点が大きい。
特に《シャドール・ビースト》は手札を補強できるので優先的に採用したい。
融合モンスターの狙い目は闇属性担当の《エルシャドール・ミドラーシュ》で、展開の〆に置くことで制圧力に期待が持てる。
リターンは大きいが【ティアラメンツ】自体はミドラーシュの特殊召喚制限との相性が最悪なので、細心の注意を払って取り扱う必要がある。

《烙印融合》で「ティアラメンツ」をデッキから墓地へ送り、共通融合効果でデッキに戻して二度目の融合を行える。
《神炎竜ルベリオン》を《烙印融合》で召喚する場合、闇属性であるメインデッキの水族「ティアラメンツ」を効果で墓地に落とせる点も見逃せない。
円滑な融合召喚を行うためにも《失烙印》などで脇を固めておきたい。
なお《烙印の気炎》*6を採用する場合、何と一時期《ガエル・サンデス》がEXデッキに採用されていた
実は「攻撃力か守備力が2500のレベル8融合モンスター」で「融合効果持ちと同じ水族」である融合モンスターはコイツしかいなかったのである。
もっとも、守備力2500の《ティアラメンツ・ルルカロス》の登場により現在ではお役御免になってしまったのだが。

  • 融合派兵
融合素材として名指しされている《ティアラメンツ・レイノハート》をデッキから特殊召喚できる。
効果は無効にならないので、水族「ティアラメンツ」を墓地に送り融合効果までたどり着ける。
ただし、発動ターンは融合モンスターしかEXから出せなくなる点には注意。

上記の《捕食植物ドラゴスタペリア》もそうだが、闇属性かつ融合メインテーマという点でなかなか噛み合う。
墓地の「捕食植物」モンスターから戦闘も墓地効果も優秀な《捕食植物キメラフレシア》を立てたりすると無駄がない。


弱点

墓地を起点にしたデッキの宿命として、墓地メタに非常に弱い。
《エンド・オブ・アヌビス《マクロコスモス》ディメンション・アトラクター》を許したが最後、自慢の墓地融合ギミックが機能停止してしまう。
ただし、《墓穴の指名者》や《D.D.クロウ》などの1枚除外では墓地肥やしのペースに追いつかない上、墓地に《古尖兵ケルベク》《剣神官ムドラ》がいると除外を回避されてしまうので《ディメンション・アトラクター》や《マクロ・コスモス》で根こそぎいかないとダメ。《次元の裂け目》では魔法罠の墓地効果の誘発を許してしまうのが難点。
また、墓地を経由せずに下級モンスターを横に並べていく方法もそれなりにはあるため、Xモンスターやリンクモンスターで強引に突破したり、《壱世壊=ペルレイノ》や《クシャトリラ・フェンリル》でバックに触れてしまうので無理なく対策する事も可能。
このメタに対する突破力もティアラメンツを強デッキたらしめてる一因である。

メインデッキの「ティアラメンツ」は自力で戦うための効果を全く持っておらずEXデッキからの展開が大前提なので、特殊召喚メタやEXデッキメタも天敵。
同期の《ギガンティック・スプライト》もなかなか厄介で、相手ターン中の融合召喚という強みを潰される。

  • 戦闘破壊
「ティアラメンツ」モンスターは効果で墓地に送られてもアドバンテージを回復できるが、戦闘破壊されるとそれらの効果を発動できない。
そのため攻撃力にものを言わせる脳筋モンスターも苦手としている。
ステータスは総じて高めで、永続カードが揃っていればさらに上乗せされるため、万全の状態なら「簡単には」破られないものの、
戦闘ケア、特に墓地から効果を発動する《超電磁タートル》などで守りを固めておきたい。

  • 対象耐性持ち
「ティアラメンツ」は自前では対象を取らない除去を用意できず、一部の強耐性モンスター1体に詰んでしまう可能性がある。特に戦闘破壊すらままならないストラムは厄介な相手。
《氷剣竜ミラジェイド》がいる烙印混成型ならまだマシだが、そうでない場合は自分の場も巻き込む《天霆號アーゼウス》や、素材が重い《閉ザサレシ世界ノ冥神》などの若干クセのある汎用モンスターに頼る必要がある

  • 「デッキの上から墓地に送る」という墓地肥やしコンセプトそのもの
散々書いてきた通り、【ティアラメンツ】の墓地肥やしは「デッキの上から無造作にカードを複数枚墓地に送る」という手段になる。
いくらデッキに墓地効果カードを沢山入れたところで、墓地肥やしの内容が水族デッキだけに水物になる以上、器用に使い分ける真似はできない。
せっかく墓地を肥やしても出玉内容が悪く、後が続かない…という事故要素も孕むなど、固定の展開ルートがないギャンブルデッキに等しい側面を有している。
「墓地送りの質が不確定なら、それが気にならないぐらい量を増やせばいいんじゃね?」という発想のイシズ軸が[[パチンコ]]呼ばわりされる所以である。
そして墓地に落ちたカードに応じてプレイヤーの臨機応変かつ柔軟な対応が求められる点もあり、全体的にプレイングが複雑になりやすいのも特徴。
この様な不安定な要素を主軸としながら暴力的な墓地肥やしギミックや、所謂「当たり」と呼ばれるカードの多さでカバーできていたため、特に規制が緩かったころはギャンブルデッキとは思えぬ程の安定性を有していたのだが、規制をかけられ続けるたびにこの弱点が目立つようになっていった。

  • 時間がかかる
「勝利を狙うにあたっての欠点」ではなく「ゲームを楽しむにあたっての欠点」ではあるが、ここに記載。
そしてある意味、単純な強さよりもタチが悪い欠点と言える。
コンセプトの弱点と繋がるもので、特に前述の【イシズティアラメンツ】が顕著なのだが、このデッキは「普通に回す」だけでも膨大に時間を消費する。

具体的にはイシズカードやティアラメンツの効果で一度に複数枚のカードが墓地に行く。
するとそれに呼応して数々のイシズカード・ティアラメンツカード・シャドールカードetc.が連鎖的に効果を発動してしまう。
またそれぞれの効果を処理するにも「何を素材にして何を融合召喚させるか」を始め考えを巡らせることが多く、これら積み重なりまくるチェーン処理や展開の思考時間が相互作用する結果、あっという間に時間を溶かしてしまうのである。
公式ルールで試合中のメモの記入がルールで禁止なのもあって、膨大過ぎる各種処理を自分の脳内記憶力だけで処理する必要があるのも長考に拍車をかけた。

自分のターンであれば自分の持ち時間を犠牲にするだけで済むが、相手ターンでは別の問題が浮上する。
このテーマは相手ターンであっても墓地肥やしと融合召喚をガンガン行うテーマであり、それはつまり前述の膨大な思慮時間を相手ターン中に働かせてしまうことになる。
そのため往復1ターンを終わらせただけで結構な時間がかかってしまう。
更にミラーマッチになると相手のイシズカードの効果で自分のイシズカードやティアラメンツなどの効果が誘発したりその逆も起こり得るため、そうなった場合はお互いに効果処理に追われる事になり、
酷い時には「パック開封動画」とまで揶揄されるほど忙しくカードを動かす羽目になる。
この問題点は2022年の日本選手権にて露呈し、卓によってはティアラメンツの効果処理・確認に時間がかかり過ぎたために、まともなマッチ戦を行えず終わってしまったデュエルが発生してしまうという洒落では済まない事態となった。

『遊戯王 マスターデュエル』で実装された際は、これらのややこしい処理はシステムが自動でしてくれる為、処理の誤り等は発生しなくなっている。
一方で各プレイヤーの持ち時間が厳密かつ綿密に定められている為、あまり処理の順番や処理自体の実行有無、展開の選択肢を考えすぎるとあっという間に時間切れを起こして敗北してしまうという別の弱点を孕むようになった。ある意味紙の方よりもプレイヤーのデュエルタクティクスがより問われやすくなったともいえる。




追記・修正はデッキから人魚達を落とした後にお願いします。

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最終更新:2025年05月16日 20:54

*1 身体に拘束具をつけられているという点では、一応「スケアクロー」の魔獣達も同じではある。

*2 ただし一般的な人魚と違い、手が萌え袖の様にも魚のヒレの様にも見えるデザインになっていたり、足も途中からヒレに変化しているが二本足である、などの特徴がある。

*3 概ね【イシズ】とひとまとめにされやすい

*4 このクシャトリラ&ビーステッド自体はそれぞれ除外系の効果を備え、ティアラメンツのメタとして制作されていたとも思われる

*5 共通効果を使ったらエクストラから融合モンスターしか出せなくなる制約をつけるなど。

*6 EXデッキからの墓地肥やしと、手札のモンスターを効果で捨てながら《アルバスの落胤》及びその関連モンスターをサーチできる速効魔法。言わずもがな【ティアラメンツ】とは相性抜群。