登録日:2024/02/02 Fri 23:49:25
更新日:2025/05/15 Thu 18:42:00
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概要
巨人に13ゲーム差を逆転され、いわゆる「Vやねん!」と呼ばれる歴史的なV逸を喫した2008年以来15年ぶりに復帰した岡田彰布監督の下「
アレ(A.R.E)」を合言葉に18年ぶりのリーグ優勝を決めた
阪神タイガースと、21世紀初のパ・リーグ3連覇を達成した中嶋聡監督率いる
オリックス・バファローズが対戦した。
日本シリーズでの対戦は前身球団を含めても初めてで、半世紀前に書かれた
沿線住民気質を描いた小説の存在も話題に。
また、甲子園・京セラドームの両本拠地が阪神電車の沿線にあることから「
阪神なんば線シリーズ」とも呼ばれ、開催記念乗車券は再販が決定したほどだった。
京セラドームは2020年の巨人も含めて4年連続で日本シリーズ開催になったが、阪神は高校野球との兼ね合いで甲子園の使用できない(本拠地)開幕戦や8月の長期ロード中に主催試合を開催しており、1997年の開場以来準本拠地として使用している側面もある。
下馬評としても両軍拮抗と見る向きが多かったが、阪神は前回の日本シリーズ出場時に
守備妨害によって敗退し、その前の2005年には他ならぬ岡田監督の下でかの有名な
歴史的惨敗を喫していたこともあり、阪神ファンからは悲観的に見る声も少なくなかった。
CSからの勝ち上がり表
クライマックスシリーズ |
|
日本シリーズ (7戦4勝制) |
|
ファーストステージ (3戦2勝制) |
|
ファイナルステージ (6戦4勝制、1位は1勝のアドバンテージ) |
|
JERA クライマックスシリーズ セ |
|
SMBC日本シリーズ2023 |
ビジター |
横浜DeNAベイスターズ(3位) |
●● |
→ |
広島東洋カープ(2位) |
★●●● |
→ |
阪神タイガース (セ・リーグ優勝) |
ホーム |
広島東洋カープ(2位) |
○○ |
阪神タイガース(優勝) |
☆○○○ |
パーソル クライマックスシリーズ パ |
|
vs |
ビジター |
福岡ソフトバンクホークス(3位) |
●○● |
→ |
千葉ロッテマリーンズ(2位) |
★●○●● |
→ |
オリックス・バファローズ (パ・リーグ優勝) |
ホーム |
千葉ロッテマリーンズ(2位) |
○●○ |
オリックス・バファローズ(優勝) |
☆○●○○ |
日程
SMBC日本シリーズ2023 |
試合日 |
戦目 |
ホームチーム |
ビジターチーム |
開催球場 |
10月28日 |
第1戦 |
オリックス・バファローズ |
阪神タイガース |
京セラドーム大阪 |
10月29日 |
第2戦 |
オリックス・バファローズ |
:阪神タイガース |
10月30日 |
移動日 |
10月31日 |
第3戦 |
阪神タイガース |
オリックス・バファローズ |
阪神甲子園球場 |
1月1日 |
第4戦 |
阪神タイガース |
オリックス・バファローズ |
11月2日 |
第5戦 |
阪神タイガース |
オリックス・バファローズ |
11月3日 |
移動日 |
11月4日 |
第6戦 |
オリックス・バファローズ |
阪神タイガース |
京セラドーム大阪 |
11月5日 |
第7戦 |
オリックス・バファローズ |
阪神タイガース |
(11月6日) |
(第8戦) |
(オリックス・バファローズ) |
(阪神タイガース) |
(11月7日) |
(移動日) |
(11月8日) |
(第9戦) |
(阪神タイガース) |
(オリックス・バファローズ) |
(阪神甲子園球場) |
- サスペンデッドゲームは行わない
- 第7戦までは延長12回まで行い、第8戦以降は延長無制限
- 雨天などの事由により中止になった場合にはその球場で順延。
第1戦・第2戦の場合はその球場で順延し、1日移動日を設けて第3戦を行う。第5戦と第6戦の間の移動日は設けない。
第3戦以降の場合にはその球場で順延し、第5戦と第6戦の間の移動日は設けない。
ただし、両球団間で当日の移動が困難な地域の場合、第2戦と第3戦の間、および第5戦と第6戦の間は移動日を設ける。
- 第7戦で決着がつかない場合は翌日に京セラドーム大阪で第8戦を行う。さらに第9戦が必要な場合、1日移動日を設けて阪神甲子園球場で行う
- 京セラドーム大阪での試合(第1戦・第2戦、第6戦~第8戦)は指名打者制
- 全試合で予告先発を採用
開催球場と試合開始時刻
阪神甲子園球場で第3戦~第5戦(・第9戦)を開催。
2014年以来9年ぶり9度目の開催で、3~5(・9)への割り当ておよび第5戦開催は2003年以来20年ぶり。阪神主催は通算7度目。
全試合18:00開始。
京セラドーム大阪で第1戦・第2戦、第6戦・第7戦(・第8戦)を開催。1,2,6,7(,8)に割り当てられるのは2021年以来2年ぶり3度目だが、この年はスケジュールの関係で第6戦・第7戦がほっともっとフィールド神戸での開催になったため、第6戦以降が開催されたのは開場以来初めて。
上記の通り2020年の巨人から4年連続5度目の開催になったが、これは後楽園球場・阪急西宮球場・西武ライオンズ球場・福岡 ヤフオク!ドーム→福岡PayPayドームに次いで5球場目。オリックス主催は3年連続3度目の開催。
全試合18:30開始。
試合内容
第1戦(10月28日・京セラドーム大阪)
オリックス 0‐8 阪神
オリックスの先発は3年連続投手4冠のエース・山本由伸、阪神の先発はこの年最優秀防御率を獲得するなど大ブレイクした3年目の「虎の村神様」こと村上頌樹。1998年生まれの同級生対決でもある。
エース対決だけに4回まで無失点で進む締まった試合になったが、均衡が崩れたのは5回表。阪神は先頭の佐藤輝明が安打に続いて盗塁を決めて無死2塁とすると、続くこの年の新助っ人シェルドン・ノイジーの右フライでタッチアップして1死3塁となり、渡邉諒が適時打を放つ。その後も近本光司の適時三塁打や中野拓夢の適時打が飛び出すなど4点を先制した(オ0 - 4神)。6回表にも2死1・3塁のチャンスで木浪聖也と坂本誠志郎の連続適時打でリードを広げ、山本をKO。オリックスは山田修義をマウンドに送ったが、なおも2死満塁と攻めると中野の適時打で7点目を追加(オ0 - 7神)。
投げては、村上が7回2安打無失点の快投。8回裏は加治屋蓮が抑えると、9回表にも阿部翔太を攻め立てて佐藤の三ゴロの間に8点目を挙げた(オ0 - 8神)。最後が岩貞祐太が3者連続三振で締め、阪神がオリックスの出鼻を挫いて完勝した。
日本シリーズのビジター勝利は前回日本一を達成した1985年の第6戦以来38年ぶりで、2003年の第1戦から続いた敵地での連敗も9で止めた。前年までプロ未勝利だった投手が日本シリーズ第1戦で先発勝利するのは史上初。あまりのワンサイドゲームに阪神ファンの間では「33-4回避」と安堵の声が広がった。
敗れたオリックスは山本が5回に崩れて自己ワーストとなる7失点を喫し、打線もわずか2安打と沈黙した。
第2戦(10月29日・京セラドーム大阪)
オリックス 8‐0 阪神
オリックスの先発は左腕エースの宮城大弥。阪神の先発は2018年までオリックスに所属し、京セラドームに慣れ親しんだ西勇輝。
この日はオリックスが3回裏に2死1塁から西野真弘の適時打で先制に成功(オ1 - 0神)。続く4回裏にも2死から宗佑磨が四球で出塁すると、紅林弘太郎もでつないで1・3塁となり、さらにそこから野口智哉・廣岡大志・中川圭太の三者連続適時打で3点を追加し(オ4 - 0神)、西をKOする。
7回裏には2死満塁のチャンスを作り、野口の代打のマーウィン・ゴンザレスに走者一掃の適時打が飛び出して7点目(オ7 - 0神)。8回裏にも1死2・3塁から小田裕也の一ゴロを大山悠輔が後逸し、8点目を挙げて試合を決めた(オ8 - 0神)。
投げては、宮城が6回無失点の好投。後を継いだ宇田川優希・山﨑颯一郎・小木田敦也の3人も完封リレーを展開し、前日のお返しで対戦成績を1勝1敗のタイに戻して甲子園に乗り込んだ。
敗れた阪神は西が4回途中4失点と振るわず、前日猛威を見せた打線も沈黙した。
第3戦(10月31日・阪神甲子園球場)
阪神 4‐5 オリックス
甲子園に舞台を移した第3戦。阪神の先発はこの年初の規定投球回に達した左腕の伊藤将司。オリックスの先発は昨年からの合計14試合で通算7勝0敗の育成出身若手右腕・東晃平。
阪神は2回裏に1死1・3塁から坂本の二ゴロの間に1点を先制するが(
神1 - 0オ)、対するオリックスも4回表に首位打者・頓宮裕真のソロですぐさま同点に追いつく(
神1 - 1オ)。続く5回表にも無死1・3塁のチャンスから廣岡の遊ゴロの間、さらに2死1・2塁から宗が粘って適時二塁打を放って勝ち越しに成功すると(
神1 - 4オ)、6回表にも1死2・3塁のチャンスで若月健矢の犠飛で5点目を挙げた(
神1 - 5オ)。
投げては、東が満員の甲子園でも臆さずに強心臓の投球で5回1失点と試合をつくり、6回裏は小木田が無失点に抑える。
7回裏、3番手の山岡泰輔が1死満塁のピンチを招き、中野の一ゴロの間と新人・森下翔太の2点適時打で1点差に迫られるが(
神4 - 5オ)、代わった宇田川が大山を三ゴロに抑えて切り抜ける。
そのまま迎えた9回裏、この年
日米通算250セーブを達成したベテランクローザー・平野佳寿が登板。2死1・2塁で一打同点のピンチを招くが、最後はフルカウントから大山を三振に抑えて試合終了。
オリックスが連勝し、東は球団初の育成出身選手のシリーズ先発勝利を記録。平野も39歳7か月のシリーズ最年長セーブを樹立した。
敗れた阪神は打線が終盤に追い上げを見せるものの、あと1本が出なかった。
第4戦(11月1日・阪神甲子園球場)
阪神 4x‐3 オリックス
阪神の先発はトミー・ジョン手術から完全復活した才木浩人。オリックスは前年のシリーズで二刀流の活躍を見せた山﨑先発。
阪神は1回裏に1死2塁から森下の適時打で先制するが(神1 - 0オ)、オリックスも2回表に1死3塁から紅林の適時打ですぐさま同点に追いつく(神1 - 1オ)。阪神は3回裏に2死1・2塁のチャンスから近本の適時打で勝ち越しに成功すると(神2 - 1オ)、5回裏にも1死1・3塁で大山の遊ゴロの間に3点目を挙げる(神3 - 1オ)。
投げては、才木が5回1失点の投球で先発の役割を果たし、6回表からは桐敷拓馬が登板。続く7回表には先頭の廣岡の三ゴロを佐藤がファンブルしてしまい、そこからオリックスが畳みかけて宗の2点適時打で同点に追いつくが(神3 - 3オ)、代わった石井大智が勝ち越しを許さない。
続く8回裏のピンチも島本、さらには6月15日以来4か月半ぶりの一軍登板になった湯浅京己の3人で切り抜けた。対するオリックスも比嘉幹貴・阿部・小木田・宇田川の4人が1イニングずつ無失点リレーを展開。
9回表、阪神の守護神・岩崎優は2死2塁のピンチを招きつつもゴンザレスを二ゴロに抑えて切り抜けると、その裏には前年の日本一胴上げ投手であるジェイコブ・ワゲスパックが登板。しかし1死から制球が大荒れし、近本に四球を出したばかりか続く中野の打席で二度も暴投し、近本を3塁まで進めさせてしまう。
なおもフルカウントになった後、中嶋監督は打席の中野と続く森下を立て続けに申告敬遠。満塁策を取った上で不調の大山と勝負することを選択した。
彼はフルカウントの末、そこから三遊間を破る劇的な一打を放って試合を決め、前日の借りを返した(神4x - 3オ)。阪神がサヨナラ勝ちを収め、対戦成績を2勝2敗のタイに戻すとともに勝負は京セラドームでの第6戦以降にもつれ込むことが決定した。
敗れたオリックスはワゲスパックが誤算で、満塁策も実らなかった。実況アナウンサーの「中嶋監督、満塁策失敗!!」という表現が議論を呼ぶことに。
第5戦(11月2日・阪神甲子園球場)
阪神 6‐2 オリックス
阪神の先発は
現役ドラフトで移籍して規定投球回未満ながらも12勝を挙げる大ブレイクを果たした大竹耕太郎。オリックスの先発は田嶋大樹。
オリックスは4回表にゴンザレスのソロで先制に成功(神0 - 1オ)。7回表には2死1塁から甲子園の魔物が牙を剥いたかのように森友哉の二ゴロを中野が後逸し、そのボールをさらに森下もファンブルしてしまうというダブルエラーで一走の宗が一気に生還し、2点目を追加(神0 - 2オ)。
投げては、田嶋が7回4安打無失点の好投。球数的にも83球と余力を残していたが、8回裏は颯一郎が登板。しかし、今度は木浪聖也の内野安打を安達了一が悪送球してしまうと、代打・糸原健斗もつないで無死1・3塁とし、続く近本の適時打で1点を返す(神1 - 2オ)。
さらに中野がきっちり犠打で送り、オリックスはシーズンでもなかった3連投・4試合連続登板になった宇田川に交代するが、森下が汚名返上の2点適時三塁打を放って逆転する(神3 - 2オ)。こうなると甲子園のボルテージは最高潮に達し、勢いに乗った大山と坂本にも適時打が飛び出してこの回一挙6点のビッグイニング(神6 - 2オ)。そのまま9回表を岩崎が抑え、阪神が38年ぶりの日本一に王手をかけた。新人の逆転打が決勝点になるのは日本シリーズ史上初。
敗れたオリックスは継投が裏目に出た上に満員の甲子園の波にのまれて痛恨の逆転負けを喫し、後がなくなった。
第6戦(11月4日・京セラドーム大阪)
オリックス 5‐1 阪神
阪神が王手をかけて京セラドームに戻った第6戦。オリックスは山本、阪神は村上といずれも第1戦から中6日で登板。
阪神が2回表に山本から先制のソロを放ったのは、当初の期待からするとイマイチの成績で1年での退団が決まりかけていたノイジー(オ0 - 1神)。2014年と2005年は0本塁打に終わっていたため、球団では2003年第7戦の広澤克己氏以来20年ぶり、外国人選手では1985年第6戦のランディ・バース氏以来38年ぶりとなる日本シリーズでの本塁打になった。
しかし、オリックスもすぐさま若月の適時打と中川のあわや本塁打性の犠飛で逆転に成功する(オ2 - 1神)。5回裏には紅林の2ランが飛び出し(オ4 - 1神)、第1戦のリベンジを果たす形で村上をKO。その後は第2戦に先発した西が登板し、8回裏にも頓宮のソロで5点目を挙げた(オ5 - 1神)。
初戦で打ち込まれた山本だったが、二度も同じ目に遭うはずもない。9安打を浴びながらも要所を締め、日本シリーズ新記録となる14奪三振を達成。9回138球の熱投を披露し、日本シリーズ5度目の登板にして初勝利を完投勝利で達成し、第1戦のリベンジに成功した。
球団投手のシリーズ完投勝利は阪急時代の1978年第6戦での白石静生氏以来45年ぶりで、2桁奪三振での完投勝利は2013年第2戦の田中将大(楽天)以来10年ぶり。オリックスがエースの活躍で日本一に逆王手をかけた。
中嶋監督が勝利後の監督インタビューで「山本由伸が2回連続でやられるわけがないと思って、信頼して出しました」と力強く語るとオリックスファンから大歓声が上がった。合わせて「のどあめ持ってしっかり応援してください」と、パインアメ好きな岡田監督に対抗する形でファンに呼びかけた。
敗れた阪神は村上が振るわず、打線もつながりを欠いた。
奇しくも前回の関西対決以来59年ぶりとなる「3勝3敗かつ得失点差0」という拮抗状態のまま、勝負は2年連続となる第7戦、引き分けなしでは2013年以来10年ぶりにして令和初の最終決戦にもつれ込むことになった。
同一球団の2年連続第7戦は2010年・2011年の中日以来12年ぶり。
なお、山本はこの年の12月にポスティングシステムを行使してロサンゼルス・ドジャースへ移籍したため、これがNPBでの最後の試合になった。
第7戦(11月5日・京セラドーム大阪)
オリックス 1‐7 阪神
運命が決まる第7戦。オリックスは第2戦から中6日で宮城、阪神はCSを含めてポストシーズン初登板となる青柳晃洋が先発する。
3回まで無失点で進行したが、4回表に一気に試合が動く。阪神は1死から森下の安打と大山の死球で1・2塁のチャンスを作ると、ノイジーが4球目のチェンジアップをすくい上げるように打ち返し、大きな軌道を描いて値千金の先制3ランとなって左翼スタンドに突き刺さる(神3 - 0オ)。2試合連続本塁打の活躍から、いよいよネタ抜きで「バースの再来」の称号を頂戴するに至った。
勢いに乗った阪神は5回表、1死1・2塁からの中野の遊ゴロ併殺がリクエストによって覆り、併殺崩れで2死1・3塁と生き延びると、宮城から代わって登板した比嘉から森下・大山・ノイジーの三者連続適時打で3点を追加した(オ0 - 6神)。
青柳はその裏に2死1・2塁のピンチを招くが、代わった島本が宗を打ち取る。6回裏からは第3戦に先発した伊藤が登板し、8回までの3イニングを無失点に抑えて第3戦のリベンジを果たした。
阪神は9回表にも第3戦に先発した東を攻め立て、1死2塁から森下の適時打で加点(オ0 - 7神)。彼はこれで7打点目になり、シリーズ新人打点記録を樹立。
9回裏へ入る際、パブリックビューイングが行われていた甲子園では「栄光の架橋」が流されたが、これはこの年の7月に脳腫瘍のために28歳で早世した横田慎太郎氏の登場曲だった。
リーグ優勝が決定した9月14日の巨人戦の9回表、同期の岩崎が登板する際に予告なしで流され、自然発生的にファンの大合唱が起きたことが話題になったが、その演出がこの時も行われたのである。
まずマウンドを任されたのは桐敷。先頭の紅林に安打を許したが、続く森を併殺打に仕留めて一気に残り1死とし、満を持して岩崎が登板。
いきなり頓宮への初球をレフトスタンドにぶち込まれると(オ1 - 7神)、続くゴンザレスにも安打を許すが、最後は杉本裕太郎の打球をノイジーがキャッチし、ゲームセット。
オリックスとの関西ダービーを制し、阪神タイガースが38年ぶり2度目の「アレのアレ」を達成した。マウンドに歓喜の輪ができ、阪神ファンの大歓声とともに特注で制作された横田氏仕様の2023年ユニフォームを掲げた岩崎が、そして前回の日本一を選手会長として支えた岡田監督が胴上げされた。1985年の西武ライオンズ球場に続き、阪神はまたしても敵地での胴上げになった。
なお、京セラドームで日本一が決定するのは開場以来初めて。これにより、エスコンフィールドを除いた現行12球場で日本一決定がないのはZOZOマリンスタジアムのみになった。
一方、敗れたオリックスは最後の最後で投手陣が崩れ、阪急時代の1975年~1977年以来の連覇はならなかった。
現役晩年にオリックスに所属し、2010年~2012年の3年間はチームを指揮した岡田監督にとっては古巣相手の日本一になったが、これは巨人相手に1956年~1958年の3連覇を達成した三原脩氏(西鉄)以来2人目であり、優勝インタビューでは「強かったですよ」と古巣相手に心からの敬意を示した。
そして岡田監督、平田勝男ヘッドコーチ、嶋田宗彦バッテリーコーチにとっては彼らが貢献した1985年以来の日本一に一軍で立ち会っただけに感慨もひとしおだったことだろう。
前回日本一を達成した1985年、リーグ優勝に狂喜乱舞して半ば暴徒化した阪神ファンがケンタッキーフライドチキン道頓堀店に設置してあったカーネル・サンダース像をバース氏に見立てて胴上げし、道頓堀川に投げ込んだことが1987年~2001年の暗黒時代を招いた「
カーネル・サンダースの呪い」が
都市伝説として定着するようになったが、今回の日本一によって呪いに終止符が打たれたと言えよう。
ただし、この年はカーネルのコスプレをした男性が周囲から胴上げされて道頓堀川に投げ込まれてしまった。なお約30秒後に自力で川から上がり、仲間に救助されて無事に帰還した模様。
MVPは近本、敢闘選手賞は紅林、優秀選手賞は阪神から森下とノイジー、オリックスからは山本が選ばれた。
SMBC日本シリーズ2023 |
試合日 |
戦目 |
ホームチーム |
スコア |
ビジターチーム |
開催球場 |
10月28日 |
第1戦 |
オリックス・バファローズ |
0 - 8 |
阪神タイガース |
京セラドーム大阪 |
10月29日 |
第2戦 |
オリックス・バファローズ |
8 - 0 |
:阪神タイガース |
10月30日 |
移動日 |
10月31日 |
第3戦 |
阪神タイガース |
4 - 5 |
オリックス・バファローズ |
阪神甲子園球場 |
1月1日 |
第4戦 |
阪神タイガース |
4x - 3 |
オリックス・バファローズ |
11月2日 |
第5戦 |
阪神タイガース |
6 - 2 |
オリックス・バファローズ |
11月3日 |
移動日 |
11月4日 |
第6戦 |
オリックス・バファローズ |
5 - 1 |
阪神タイガース |
京セラドーム大阪 |
11月5日 |
第7戦 |
オリックス・バファローズ |
1 - 7 |
阪神タイガース |
優勝:阪神タイガース(38年ぶり2度目) |
追記・修正は、38年ぶりに日本一を達成した方にお願いします。
- 6戦目オリックスと阪神の点数逆じゃね? -- 名無しさん (2024-02-03 00:55:36)
- 前回の日本一、「33-4」、「Vやねん」、今回の日本一と全てを見てきた岡田監督。数奇な運命というかなんというか。 -- 名無しさん (2024-02-03 14:58:10)
- 全体通してみると白熱した戦いなんだが、一戦ずつみると大差の試合が多い不思議な日本シリーズだった。実力伯仲してたんだかしてなかったんだかわからん -- 名無しさん (2024-02-03 16:07:32)
- 長年の人気球団と十数年不遇をかこってきてようやく人気が出てきた球団という構図でも面白いシリーズだった お互いに持ってないものをやっと手に入れた末の対決といった感じで(阪神は人気有りだけど優勝は久しぶり、オリは近年強くなってやっと球団の人気獲得企画が芽を出し始めた) -- 名無しさん (2024-02-04 16:16:32)
- 何気に森下が日本シリーズの新人打点記録を更新してて驚いた。 -- 名無しさん (2024-02-04 21:13:59)
- 第6戦までで得点数が同じ23得点という両者拮抗した白熱した試合だった 歴代の日本シリーズの中でも特に面白かったよ 両軍のファンは胃が痛かったけど -- 名無しさん (2024-02-04 23:51:52)
- 実力伯仲なんだけど、先行逃げ切り型で掴んだ流れを離さない印象。
- 影のMVPは湯浅。彼の登板が流れを変えた -- 名無しさん (2024-11-21 01:46:01)
- 移動距離の負担がほぼない分全力でぶつかることができたのは見てて良かった -- 名無しさん (2025-04-15 17:11:56)
- オリックスは今年も含めて、この5年くらい一番打者に苦労している感はあるんよな。色んな選手試すけど、帯に短し襷に長しって感じで。 -- 名無しさん (2025-05-15 18:42:00)
最終更新:2025年05月15日 18:42