無限泡影(遊戯王OCG)

登録日:2019/11/19 Tue 23:35:45
更新日:2024/03/21 Thu 11:07:44
所要時間:約 5 分で読めます




「俺の場にはこのターンエクシーズ召喚に成功した《外神アザトート》がいる。
よってお前はモンスター効果…すなわち手札誘発モンスターを使えない!
増殖するG》は通っているが関係ねえ!
俺のソリティアの前に何もできずにバーンで死ぬがいい!
俺は《灰流うらら》を召喚しアザトートとリンク召喚!現れろ!《水晶機巧-ハリファイバー》!
そして《水晶機巧-ハリファイバー》の効果発動!デッキから…」

「《水晶機巧-ハリファイバー》を対象に手札から罠カード《無限抱影》発動。《抹殺の指名者》などありますか?」

「…ないです。《水晶機巧-ハリファイバー》の効果無効化されます。ターンエンドします。」


【概要】

無限泡影(むげんほうよう)》とは遊戯王OCGに登場するカードの1つ。分類は通常罠カード。
初収録パックは「FLAMES OF DESTRUCTION」。
夢幻泡影」や「無限抱擁」ではない点には注意。

カード名の由来は上に誤表記の例として挙げた「夢幻泡影」と思われる。
仏教由来の四字熟語であり、人生や世の中の物事は実体がなく、非常に儚いことの例え。
OCGでは《外神アザトート》や《墓穴の指名者》を使って挑んだ先攻制圧が、このカードの前に崩れる事も多いため中々皮肉が効いている。

イラストでは《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》が崩壊していく様子が描かれている。
しかし、このカードが出来ることは《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》の効果の無効化のみであり、破壊などの除去まではできない。
カード名の「無限」はこのカードに描かれている《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》にもかかっていると思われる。


【効果】

通常罠
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
セットされていたこのカードを発動した場合、
さらにこのターン、このカードと同じ縦列の他の魔法・罠カードの効果は無効化される。

まず特徴として「手札から罠だと!」ができる事が挙げられる。
アニメ放送当時では散々ネタにされたが現在では、環境が高速化し過ぎて伏せてからじゃないと使えない罠カードの使用率が低下し過ぎた苦肉の策として特定の条件で手札から発動可能な罠カードが増えている。
この様な性質を持つため、罠カードだが汎用手札誘発として使う事が可能。

このカードの手札からの発動条件は自分のフィールドにカードが存在しない事
中々に厳しいが、相手の先攻1ターン目であればまず条件を満たせる。
また、あくまで手札から発動する為の条件であり普通の罠と同様にセットしてから発動することも可能で、その際には発動条件やコストは無い。
条件を満たすのが難しい2ターン目以降ではセットされることが多く、セットされた状態から発動した場合には後述する追加効果が適用される。

メインとなる効果は相手のモンスター1体を対象に取ったターン終了時までの効果無効と非常にシンプルな物。
汎用手札誘発としては、ほぼ《エフェクト・ヴェーラー》と同じと考えても良い。
手札誘発としての運用方法も似ているがモンスターと罠、発動できるタイミングの違いから少し異なる点もある。

セットしてから発動した場合には追加効果としてこのカードを発動した同じ縦列の魔法・罠カードの効果が無効化されるも適用される。
魔法・罠のメタとなる効果だが、わざわざこのカードを発動した縦列と同じ場所で発動するということはまずない。
そのため、後伏せで縦列を合わせるのが基本となる。永続魔法・罠やペンデュラムカードが狙いやすい。
場合によっては今無効化する必要がない効果を持つモンスターを対象にして発動して、この効果の適用を狙う事もある。
ただし、この効果はあくまで追加効果であるためモンスター効果の無効化に失敗してしまうと適用されない。
この効果の存在から自分にモンスターがいる時の魔法・罠カードの発動位置やセットする位置に気を配る必要が出た。
なお、この効果は「無効化効果がフィールド上で正しく適用された場合」にのみ発動する。
そのため発動にチェーンされて《サイクロン》などで墓地に送られたり、対象モンスターが対応してフィールドを離れ不発に終わった場合などは、列効果も発動しない。

……なお「わざわざ発動するということはまずない」とは言った物の、《無限泡影》は永続罠ではなく通常罠なので、当然使用した後に墓地に送られる。
そのため、使った/使われた事を忘れてうっかり同じ列で発動してしまい無効にされると言う凡ミスが、使用された側/した側の双方に少なからず発生したりする。
特にこれが問題となったのは、スピーディかつ自動でカードが処理されるマスターデュエルで、無効にされなくても良い魔法・罠が無効にされる事が頻発。
そのためか2023年5月のアップデートで、追加効果発動時に列全体へ専用エフェクトが出るようになり、同7月にはターン終了時までエフェクトが残るようになった。

そんな話はあれど総じて癖は比較的少なく扱いやすい手札誘発のため、現在の環境で使用率が高いカードの1つとなっている。


【エフェクト・ヴェーラーとの比較】

やはり、このカードを語る上で避けて通れないのは《エフェクト・ヴェーラー》との比較だろう。
前述した通り非常に似ているがモンスターと罠、発動条件の違いがあるため一概に優劣をつけられない関係になっている。


カードとしての分類

《エフェクト・ヴェーラー》はモンスターのため《水晶機巧-ハリファイバー》のリンク素材になったり、効果で呼び出されたり、墓地へ行けばカオスのコストなどにもなれる。
《無限泡影》は罠のため《トラップトリック》でセットすることもできるが、《エフェクト・ヴェーラー》程の利点は薄い。
ただ【オルターガイスト】においては罠カードであることから《オルターガイスト・マルチフェイカー》を相手の先攻1ターン目から起動しに行けることから、こちらを優先する明確な理由となっている。
また、《インスペクト・ボーダー》を使用する場合は手札誘発モンスターとの噛み合いが悪いため、罠カードとしてセットしても使えるこちらの方が優先されることが多い。

モンスター効果は《墓穴の指名者》《外神アザトート》などで封じられ、《エフェクト・ヴェーラー》は近年では対策されやすい。
《無限泡影》は手札から発動される罠と言うのは対策しにくい要素であり、《エフェクト・ヴェーラー》を対策出来ないもので汎用的なものであれば《レッド・リブート》や《禁じられた聖槍》程度。
手札発動からの通りやすさで言えば、現在は罠の分《無限泡影》の方が勝っていると言える。

その他、相性的な問題もある。
たとえば、特殊召喚可能なモンスター(つまり《エフェクト・ヴェーラー》)を引いたら墓地肥やしがそこで止まってしまう《名推理》や、同じモンスターが複数いると機能停止してしまうため《エフェクト・ヴェーラー》を採用しづらい《影星軌道兵器ハイドランダー》、ジャマになった時召喚権を使わずセットできるため手札を空にしやすいインフェルニティ等、《エフェクト・ヴェーラー》はダメで《無限泡影》ならOKという場合もあり、モンスターとして扱わないことがメリットになるケースもある。



発動できるタイミング

《エフェクト・ヴェーラー》は発動条件が自分の場には左右されないが、タイミングが相手のメインフェイズに限定されている。
そのため展開終了後のトップドローで引くと、素材ぐらいにしかならず残念な気持ちになりやすい。
それに対して《無限泡影》は発動タイミングがダメステ以外であればいつでも発動できるので、トップドローで引いても制圧する為に立っているモンスター、所謂「置物」に対して発動し突破口を開きに行くことができる。


発動条件

《エフェクト・ヴェーラー》はフィールドで効果を使う事は出来ないが、手札から効果を使う場合には自分の状況には左右されない。
対して《無限泡影》は手札から発動しようとすると自分の場が空でなければならない。
それでも相手の先攻1ターン目であれば関係ない事もあるが、《幻創龍ファンタズメイ》などを使用した後に引いた場合使えなくなってしまう。
そのため自分のカードとの組み合わせにやや左右されてしまう面がある。
また、《トーチ・ゴーレム》《夢幻崩界イヴリース》《盆回し》 などを送り付けられると、展開のついでに対策されてしまう事もある。
セットしてから普通の罠カードと同様な発動も可能だが、今度は魔法・罠除去カードの餌食になる可能性もある。


値段

やや番外編。
《エフェクト・ヴェーラー》は登場から長い年月が経ち、度々再録されているため複数枚集めるは容易。
《無限泡影》は初出がスーパーレア(シークレットレア有り)で環境的な需要もあったため、高めの値段を維持している。
「20th ANNIVERSARY LEGEND COLLECTION」にて両者再録され《無限泡影》が少し値段が落ちたこともあったが、すぐに売り切れ絶版になった上に封入率も最低レアリティがシークレットレアであり高いとは言い難かったため大体元通りの値段に戻っている。
この時《エフェクト・ヴェーラー》は更にばら撒かれた。
その後「RARITY COLLECTION-PREMIUM GOLD EDITION- 」に収録され1箱買えば必ず1枚当たる仕様でばら撒かれたため初出時の値段に比べるとかなり安くなったが、こちらもすぐに売り切れ絶版になると値段が少しずつ上がって行った。
「ストラクチャーデッキ-サイバー流の後継者-」でストラクで再録されたことにより再び値段が落ちたがストラクのノーマルとしては高めの値段となっている。
再録して値段が落ちた後に時間が経ったら値段がある程度戻るを繰り返している状況である。


どちらにも長所短所はあるため、結局のところデッキと環境との相談となるか。


アニメでは

遊戯王VRAINSにおいて、「道順/ブラッドシェパードvsエマ/ゴーストガール」戦でゴーストガールが使用。
後攻1ターン目に手札から発動し、《ドローン・コーポラル》の効果を無効にしようとするが、そちらの効果により無効にされた。
しかし、その後手札の《オルターガイスト・マルチフェイカー》の効果が起動し特殊召喚される…という、OCGの環境そのまんまな光景がアニメで繰り広げられ、視聴者に衝撃を与えることとなった。
…にしてもVRAINSはなぜこんなにもガチデッキ多いんだろうか。

追記・修正は無限抱影を発動した列で《左腕の代償》を発動してからでお願いします。


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最終更新:2024年03月21日 11:07