登録日:2024/05/24 (金) 20:18:06
更新日:2025/03/26 Wed 19:34:45
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はじめてアイドルを見たとき思ったの。
人間って光るんだって。
『トラペジウム』とは、高山一実による小説作品。
KADOKAWAより発行されている月刊『ダ・ヴィンチ』にて2016年5月号から2018年9月号にかけて連載されていた。
本項では、これを原作としたアニメ映画についても解説する。
概要
田舎を舞台に、アイドル志望の女子高生が魅力のある女子高生を集めてアイドルデビューの計画を立てる物語。
作者の高山は当時アイドルグループ・乃木坂46のメンバーとして活躍しており、現役アイドルが描くアイドル小説として話題を呼んだ。
一見すれば、「田舎に埋もれていた少女達がアイドルとして大成していくサクセスストーリー」のようだが、そんな甘いものではない。
「普通ではない手段」でアイドルへの階段を登る計画を立て、本心を隠しながら周囲の人間を巻き込んでいく主人公。
そして彼女の思惑に気付かず「友達」として始めた芸能活動が本格化し、徐々に互いの関係にズレが生じ、破綻を始めるメンバー。
そうした生々しい人間関係を、「アイドル」という輝きの何たるかと共に心情たっぷりに描いている。
こうした癖が強い作風故に、「主人公の性格が悪い」「共感出来ない」と賛否が分かれる作品ではあるが、「輝きに魅せられた人は何を為せるのか、最終的に何を選ぶか」を肯定的に描いており、生々しい中盤とは裏腹に爽やかな後味を残す。
タイトルの「トラペジウム」とは、オリオン大星雲の四連星の名前が由来。
アニメ映画
2024年5月10日にはアニプレックス配給で映画化された。
アニメーション制作はCloverWorks。監督は本作がデビュー作の篠原正寛。
オープニングテーマの「なんでもない」はMAISONdesが担当し、ボーカルはホロライブ所属の星街すいせいが務めた。
エンディングテーマは劇中でも使用された「方位自身」。
また、作者の高山および乃木坂時代の同期である女優の西野七瀬がおじいさん役でカメオ出演している。
ストーリー
東ゆうは半島に位置する田舎町・城州の「普通」の高校・城州東高校に通う、「周囲に比べたら美人」な高校1年生。
彼女には、ある計画があった。それは、「西、南、北の友達」を作る事。
ゆうは様々な場所に赴き、魅力的な女子高生と友人関係を結んでいく。
世間知らずで生粋のお嬢様・華鳥蘭子。
笑顔が可愛い工専のプリンセス・大河くるみ。
そして、ゆうの元同級生でボランティア活動に勤しむ亀井美嘉。
ボランティア活動や休日を共に楽しく過ごす4人。
だが―――ゆうはそれとは別に、真の「計画」を企てていた。
それは、「城州の東西南北の女子高生で結成したアイドルユニットとしてデビューする」という計画。
やがてその計画は軌道に乗り、テレビ出演を機に4人のアイドルデビューが決定する。
しかし、暴走するゆうを尻目に、メンバーの中で次第に認識のズレが顕在化。
孤立し、輝きを失っていくゆうは、果たして何を掴むのか……。
登場人物
東西南北(仮)のメンバー
CV:結川あさき
主人公。城州東高校1年生で、「東西南北」の「東」。
田舎町の中では少し目立つ程度の美少女。カナダ在住の経験があるため、英語が得意。
幼い頃、テレビで見たアイドルの放つ輝きに魅了され、アイドルになる夢に執着するようになる。
だが、オーディションには連敗し、代案として、「城州で西、南、北の魅力的な女子を集めて地元で有名になる事でアイドルとしてデビューする」計画を立案する。
そのためにはあらゆる努力を辞さず、時として、他人と話を合わせるための不慣れなジャンルの猛勉強も惜しまない。
その甲斐あって、周囲からは「健気で優しい努力家」として見られて好感度を得ている。
しかし、物事が自分の思い通りに行かないと機嫌を悪くしてボロを出してしまう幼稚性も見受けられる。
とは言え、一概に性格が悪いというわけではなく、他人から好かれたいという気持ちは強い。
映画版では前述の幼稚性が露骨に表れており、美嘉が彼氏バレした際には「友達になんてならなきゃ良かった」という暴言まで飛び出す程に態度が悪くなった。
CV:
上田麗奈
ゆうの友達第1号。聖南テネリタス女学院高等部2年生で、「東西南北」の「南」。
名門ミッション系の学校に通う生粋のお嬢様であり、『エースをねらえ!』の「お蝶夫人」こと竜崎麗香に憧れてそっくりの髪型にしている。
おっとりした性格だが一度興味を持った物にはとことん突き詰める行動派タイプ。また、周囲の仲を取り持つ事に長けている「優しい」少女。
テニス部に所属していたが外見だけが「出来る」だけで一向に上達せず、漫然とした日々を過ごす中でゆうに声をかけられ、初めての友達が出来る。
ゆうや仲間達と新しい発見の連続の日々に充実した日々を送り、アイドル活動にも「見たこともない景色」に当初は新鮮さを感じていた。
だが、アイドル業にストレスを感じるくるみと美嘉に心を痛め、ゆうに付いていけなくなる。
CV:羊宮妃那
ゆうの友達第2号。西テクノ工業高等専門学校2年生で、「東西南北」の「西」。
ロボット工学に精通した生粋のメカオタクだが、男ばかりの高専の数少ない女子である事、そして素で萌え袖の似合う笑顔の可愛い外見である事から、「高専のプリンセス」という異名を持つ。
本人は大の人見知りで、他人との会話が苦手なため友達がいなかったが、ゆうに話しかけられて、初めての同世代の女友達に歓喜する。
ロボコンで優勝する事を夢見ており、ゆう達とはあくまで友達のつもりだったが、慣れないアイドル業をやることになり、次第に心を病んでいく。
CV:相川遥花
ゆうの友達第3号。城州北高校1年生で、「東西南北」の「北」。
ゆうとは小学校時代の同級生で、彼女に偶然再会した際に親しげに話したが、本人が整形していたため、ゆうは当初見覚えがなかった。
中学まで通っていた地域福祉施設「ババハウス」でボランティア活動に勤しんでおり、障害のある子供達の面倒を見ている。
心優しい善人ではあるが、ゆうに対しては何やら重い感情を秘めている様子。
そして、彼女が隠れて付き合っていた彼氏がアイドルデビュー後に発覚したことを機に、グループは崩壊の一途を辿っていく。
周囲の人物
CV:木全翔也(JO1)
西テクノ工業高等専門学校の男子生徒。
ゆうとくるみを繋げた事を機に、ゆうの真の目的を知り、彼女の協力者となる。
女子に不慣れにもかかわらず、初対面のゆうに対して「女子高生の制服が好き」と口走ってしまうほど結構度胸の据わった性格。
写真撮影が趣味で、人物写真はもちろん、星空の撮影が得意。
CV:久保ユリカ
ローカルテレビ番組のADで、東西南北(仮)を最初に見初めた人物。
バラエティの取材において翁琉城のガイドを務めるゆう達の魅力を感じ取り、彼女らを新企画のレギュラータレントとしてスカウトする。
その後も東西南北(仮)を支え続け、映画版ではゆうに救いの手を差し伸べる。
CV:木野日菜
美嘉が活動しているババハウスのボランティア団体「にこきっず」に所属している少女。
義足で車椅子に乗っており、普段は明るく振る舞っているが足の事を気にしている。
登山を機にゆう達と仲良くなり(ゆうは少し不本意だが)、アイドルの衣装を着たゆうを「本物のアイドルみたい」と褒める。
CV:内村光良
翁琉城のベテランガイドのお爺さん。
様々な言語に精通している名ガイド。
「Wiki籠りって大勢の項目を追記修正できるんだよ?こんな素敵な職業ないよ!」
- 某スクールアイドルアニメのゆうと何かと比較される人 -- 名無しさん (2024-05-24 20:41:17)
- 劇場版がちょっと描き方が極端で賛否あった -- 名無しさん (2024-05-27 09:09:11)
- 賛否あるというかバズ狙いの針小棒大文脈無視野郎の感想が案の定バズっちゃったのが良くねえだけな気はする -- 名無しさん (2024-05-27 20:19:52)
- 「3人は東ゆうの目的について薄々感づいている」って視点で見ると見方変わるな -- 名無しさん (2024-06-01 20:59:32)
- これ、記事作られるなら所謂「アイドルを目指す少女の王道作品!」見たいな感じに書いて→うそです(AA略)で本編の詳細・ゆうの本性を書くようなタイプだと思った、まあバズ狙いの奴に乗っかる形になっちまうが… -- 名無しさん (2024-06-02 19:51:19)
- ↑話はずれるけど「」の中身正しいんだよね。サクセスじゃなくてジュブナイルの王道だけど。見る前はただのドルソンだと思った「方位自身」が卒業式の別れの歌のように思えてたまらくなる -- 名無しさん (2024-06-05 22:06:05)
- トラペジウムが星座の名前であると同時に不等辺四角形だというのを知っておおう…となった。そうだよな、あいつらバランスがいいチームじゃないよな… -- 名無しさん (2024-12-08 11:06:00)
- xとかnoteでバズ狙う評論家気取りのオタとかは好きそうな作品だなって感じ -- 名無しさん (2025-03-26 16:22:51)
最終更新:2025年03月26日 19:34