忍者と殺し屋のふたりぐらし

登録日:2024/05/30 (木) 01:01:53
更新日:2024/10/17 Thu 01:16:42
所要時間:約 6 分で読めます






世間知らずのくノ一と

殺し屋女子高生の

アブナイふたりぐらし!?




『忍者と殺し屋のふたりぐらし』コミック電撃だいおうじで連載中の漫画である。
作者はTwitter廃人で有名なハンバーガー氏。




概要


忍者の女の子と殺し屋の女子高生が同棲生活を営むタイトルそのまんまの漫画。
忍びの里から脱走してきた忍者とそれを拾った殺し屋の交流を描いた、テンポの良い会話劇と時折挟まれる百合展開が持ち味の日常系コメディである。

本作の最大の特徴は登場人物達のモラルの希薄さ命の儚さ
主人公2人を始めほとんどのキャラがまともな倫理観を持ち合わせておらず、殺人その他の犯罪に対して全く躊躇がない。
そんな世界観なので当然人命の扱いも軽く、登場したばかりの新キャラが特に見せ場も無いまま淡々と殺害され証拠隠滅される。
切れ味のいいギャグやあら^〜な描写との温度差が著しく、ほんわかした絵柄とのギャップも相まってコメディなのに笑えたり笑えなかったりする不思議な読み心地の作品である。
公式での略称は「にんころ」可愛らしい響きが血生臭い本編に似合わないともっぱらの評判。
だからといって漢字で「忍殺」と書いてはいけない。いいね?

2024年4月にアニメ化が発表された。
製作はシャフト



あらすじ



忍びの里から抜け出したくノ一さとこは、街で行き倒れていたところを通りすがりの女子高生このはに救われる。
だがそれも束の間、さとこは里からの追手に見つかってしまう。
しかしそんな追手をあっさりと返り討ちにするこのは。
…なんと彼女の正体は殺し屋だったのだ!

世間知らずのくノ一と殺し屋女子高生の危ない共同生活がスタート!

(アニメ公式サイトより)



登場人物


・草隠 さとこ
主人公その1。忍者の女の子。
忍びの里から脱走してきたいわゆる抜け忍で、常に追っ手の忍び達に命を狙われている。
「無生物を木の葉っぱに変える」という唯一無二の特技を持つ。
なおここでいう無生物には死体も含まれる。

脱走直後に野垂れ死にかけていた所をこのはに発見され何故か蹴りを入れられつつ助けられる。
その後葉っぱ化させる術の存在をこのはに知られ、証拠隠滅の技術を買われて仕事仲間に抜擢される。
以来このはと生活を共にしながら死体を葉っぱに変えて生計を立てる日々を送っている。

丁寧な口調の少女だがその実態は天然ポンコツ忍者。
忍なのに暗殺や諜報の技術はからっきしで、逆上がりも出来ない体たらく。思考力や判断力も欠けており、里を抜けた理由さえも「周囲の会話になんとなく適当に相槌を打ってたらいつの間にか脱走計画に巻き込まれてた」という気の抜ける様なもの。
里で一番の落ちこぼれだったために雑用ばかりやらされ続けた結果、無駄に家事スキルが高い。

非合法なコミュニティで生まれ育った上に任務で一般社会と触れる事も無かったせいなのか、倫理観はおろか一般常識がまるっと欠如している。時として同業者の忍者や殺し屋達でさえもドン引きさせる純粋培養されたサイコパス


・古賀 このは*1
主人公その2。殺し屋の女子高生。
学生の身分を隠れ蓑にしながら殺人の依頼を受ける職業暗殺者。

さとことは道で倒れていた所を見かけ、定食屋でお代わり無料のご飯と漬け物を奢った事がきっかけで知り合う。
さとこの忍術の話を聞いて暗殺稼業に役立つと考え、さとこを追っ手の忍者達から守る代わりに仕事を手伝うよう持ちかける。
コンビを組んで以後は死体の後始末の手際が格段に良くなり、殺し屋ランキング*2の順位が急上昇中。

未成年ながら殺し屋としての技量は高く、さとこを始末しようと襲いくる数々の忍者達を悉く返り討ちにする実力者。
戦闘シーンが描かれる事は無く、暗転したコマの間にサクッと仕留めている。
性格はクールでドライ、仕事は出来るが私生活がだらしない、とあらゆる面でさとこと対照的な人物。
暗殺の仕事で容赦や躊躇はしないが、ところどころ普通の人間っぽい感性が見え隠れする。
殺し屋になった経緯を含め謎が多い人物。

ダウナー系の仏頂面で感情があまり顔に出ないタイプだが、食事の最中だけは無意識の内にニッコニコの笑顔になる。


・黒
さとこの先輩である女性。里抜けの首謀者。
里の外に一般人の恋人がおり、一緒に暮らすために里抜けを画策。多くの仲間を焚き付けて肉壁犠牲にしながら脱出に成功した。
記憶を消去する術が使える。
さとこからは「リーダー」と呼ばれており、抜け忍の先輩としてさとこの相談に乗る事が多い。

里抜け後は恋人の家に居候している。
就活用として貰った金を軍資金にパチスロに足繁く通う悠々自適なヒモニート生活を送っていたが、流石に思うところがあったのか最近になってようやく就職した。
胸がデカい女が好み。


・百合子
黒の恋人。普通の会社で働く普通の一般人。
おっとりして穏やかな性格ゆえか、黒は勿論さとこやこのはの素性を知っても普通に接してくる珍しい人。
百合CPシェアハウスの先達としてさとこの相談に乗る事が多い。
同棲中の黒とは日夜蜜月を重ねている模様。
胸がデカい。


・イヅツミマリン
このはの同業者。自らの手で開発したロボットやメカを操作して戦う殺し屋の女性。
さとこと組み始めた事でランキングが急上昇したこのはを妬み、一方的にライバル視している。

どうもこのはにライバル以上の感情を抱いている節があり、このはやさとこの生活を盗撮、盗聴したり、しれっと同居生活に加わったりしている。
いわゆるマッドサイエンティスト的なキャラだが、主人公2名がもともとアレなので前述のストーカー行為を考慮しても相対的に常識人に見える。
幼げな見た目だが実年齢は18歳。


・ロボ子
マリンの発明したロボット。外見はさとこを模している。
証拠隠滅や家事全般を始めとした多彩な機能、自然と他人に心を開かせる優秀な会話用AIなどを併せ持った優秀なロボ。
色々あってさとこの代わりにこのはと暮らす事になり、最終的にこのはにとって掛け替えのないパートナーとなった。


・イヅツミミナト
マリンの姉。機械工学に秀でた妹に対し、こちらは薬学、医学に秀でた殺し屋。
マリンの事を溺愛している重度のシスコン
数年前まではマリン、両親と4人で暮らしていたが、マリンを蔑ろにしていた両親を殺害した過去を持つ。
両親の死を機に妹とは離れ離れになっていたが、成人してからの勤務先の病院でマリンを見かけるや否や住所を突き止め、薬剤を盛り拉致監禁に及んだ作中屈指の危険人物。
インドア派のインテリみたいな外見だが武術の才能もあり、肉弾戦も普通にこなす。
幼児化や部位欠損など、作者の特殊な性癖を満たす為の舞台装置として生み出された可能性がある。


・吉田さん
このはのクラスメイト。
面倒見が良く、出席日数が極端に少ないこのはの事を心配している。
家族や友人など身近な人がこのはの仕事のターゲットになる事が多く、無害な一般人なのに殺しの渦中にいる不憫な人。


・追手の忍者達
さとこを抹殺しようとする里の忍び。今のところ全員女。
なぜか総じて忍者に似つかわしくない派手でドスケベな装束で登場する*3
大抵は登場から1、2ページ後には死ぬ事になる報われない人達。



余談


  • 単行本の書き下ろしマンガには本編で葉っぱにされた忍者達が登場する。登場コマ数もセリフ数もキャラクターの掘り下げも本編より圧倒的に多い。彼女達にもそれぞれの人生があり未来があるはずだった。

  • 単行本のカバー裏には過去の犠牲者達の遺影が載っている。



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最終更新:2024年10月17日 01:16

*1 実はこの名前自体偽名。

*2 食べログみたいなノリの暗殺者レビューサイト

*3 作中では服装のセンスが理由でさとこから追手である事を見抜かれたりした人もいるので、なんかもうそういう世界観なのかもしれない。