まんがはじめて物語

登録日:2024/06/18(火) 19:52:07
更新日:2024/06/20 Thu 18:18:13
所要時間:約 10 分で読めます






クルクルバビンチョ パペッピポ ヒヤヒヤドキッチョの モーグタン!


まんがはじめて物語とは、TBSテレビとダックスインターナショナルで制作・放送されていた教育番組である。

本項ではシリーズ作品の「まんがどうして物語」「まんがなるほど物語」「まんがはじめて面白塾」および21世紀版についても解説する。

概要

様々な商品やサービスの起源を探り、ドラマと実写の二本立てで構成して解説する。
出演者は女性タレント(お姉さん)とピンクのバク・モグタンとナレーターの3名で、この構成はシリーズに一貫して受け継がれた。
番組の流れは

日常の風景で、その始まりを知りたいと疑問に感じる(実写)
           ↓
そこから呪文で過去にワープしてその起源を探る(アニメ)
           ↓
解決後、現代に戻りまとめをして終了(実写)

というもので、これもシリーズ終了まで変わらなかった。

1話につき2本のテーマを扱うが、時折30分でまるまるテーマ1本を放送する回もあった。

実写とアニメを組み合わせた従来にない演出と、21世紀の現代でも通用する豊富な知識を丁寧に説明する内容が大いに人気を博し、視聴率は最高で28.5%を記録。
関東地区では裏番組に『機動戦士ガンダム』があったが、この番組に圧倒されて打ち切られる原因になったとされる。
番組は中央児童福祉審議会推薦*1に認定され、文化庁こども向けテレビ用優秀映画賞を受賞するなど数多くの栄誉に輝いた。
同時期に放送されていた『まんが日本昔ばなし』(毎日放送)と並ぶ民放の教育アニメの双璧でもあった。
放送中には並行して番組内容をまとめた書籍も発売されていたため、図書館や病院の待合室で読んだことがある人もいるかもしれない。

番組は一部のTBS系列局(ローカルセールス)でも放送され、終了後も系列外の地方局や独立局で「まんがおもしろタイムトンネル」のタイトルで再放送が実施された。


シリーズ解説

  • まんがはじめて物語
1978年5月から1984年3月まで放送。
お姉さんはうつみ宮土理→岡まゆみで、ナレーターは吉村光夫*2
うつみは肝臓の病気で19回で降板し、以降は岡が担当したことから岡の代表作となった。
吉村はナレーションのみならず、おたよりコーナーなどで顔出し出演することも多かった。また当人は大の京急ヲタ鉄道好き*3のため、とりわけ鉄道系のイラストは採用率が高かったとか。

  • まんがどうして物語
ドボウブシビテベ、カバナーバ!!

1984年4月から1986年3月まで放送。
お姉さんは松居直美で、ナレーターは榎本勝起。
タイトルの通り「どうして?」に焦点を当てたもので、血液型や習慣、自然現象が取り上げられることが多く、今でいう「チコちゃんに叱られる!」に近い内容だった。

  • まんがなるほど物語
ナルナル タンタン へそのゴマ
チチンプイプイパラリンチョ なんじゃらほんじゃら ナルタン

1986年4月から1989年1月まで放送。
お姉さんは倉沢淳美で、ナレーターは野沢那智
本作では発明や習慣に関連した歴史上の人物が登場することが多かった。
1988年3月から「新・まんがなるほど物語」にリニューアルされ、お姉さんが若林志穂、ナレーションが小島一慶に交代。
1989年1月にはシリーズ開始10周年を記念し、歴代4作を再放送+お姉さんが集合したスペシャル版が放送された。

  • まんがはじめて面白塾
ゴンと、オリーブの、ワープでジャンプ!

1989年2月から1991年4月まで放送。
ナレーターは桝井論平。
お姉さんは森川由加里→貴本亜莉紗で、森川はユカリン、貴本はオリーブという役名がついていた。
平成に入ってからの放送ということで従来のシリーズと異なる要素が多々見られ、ユカリン時代はワープ時の呪文が省略されていた。
大きく変わったのがキャラクターデザインで、それまでの学習漫画風からアニメタッチへリニューアル。
ユカリンはベレー帽にスカート姿という従来とは一線を画す衣装が特徴で、オリーブは衣装こそおとなしいがお団子頭のメガネっ娘という萌え要素満載のデザインだった。
ちなみにキャラデザを担当したのはあの麻宮騎亜*4だったりする。

  • 21世紀まんがはじめて物語
2001年3月に単発放送。
お姉さんは茂森あゆみで、ナレーターは小桜エツ子。
当初はOVAとして発売され、後にテレビ放送された。
本作はテレビシリーズ化も検討されそのパイロット版という扱いだったが、シリーズの制作総指揮を担当していた丹野雄二がOVA完成直前に急逝。
その後会社を引き継いだ夫人がテレビアニメ製作から撤退を発表したため、幻となってしまった。

キャラクター紹介

いずれも実写パートではモペットとして登場している。
CV:津賀有子
「まんがはじめて物語」(21世紀版含む)に登場。
ピンク色のバク(架空生物)で、時間旅行をはじめ、超能力とも魔法とも取れる不思議な能力を使う。
実写パートではその日のテーマにちなんだペンダントを着けていた。
シリーズのキャラでは圧倒的な知名度と人気を誇り、後年実写モペットのレプリカ版が発売されたほど。
次述の「どうして物語」にも登場しており、ロクベエからは先輩と呼ばれていた。

  • ロクベエ
CV:豊田やよい
「まんがどうして物語」に登場。
モグタンを黄色くして頭に緑の髪の毛を生やしたようなデザインとなっている。

  • ナルタン
CV:津賀有子
「まんがなるほど物語」に登場。
ロクベエの肌の色を薄いピンクにしたようなデザインだが、背中にひれがあるせいか全体の雰囲気は小さな恐竜を思わせる。

  • ゴン左衛門
CV:伊東みやこ
「まんがはじめて面白塾」に登場。
デザインが従来のモグタン系から一新され、小鬼のようなビジュアルとなっている。
右のおでこにばんそうこうを貼り付けている。


余談

  • 「はじめて物語」はDVD化のほか、CSのTBSチャンネルやヒストリーチャンネルでも再放送の実績がある*5。また、東京都千代田区にある科学技術館では「消防の始まり」を視聴可能。
  • 「はじめて物語」は本放送時、制作局のTBSと北海道のHBCで東急グループの一社提供だった*6。そのため番組でお姉さんが着る衣装は東急百貨店吉祥寺店が提供していたほか(以降のシリーズも同様)、本編内では当時の東急線や東急関連施設も多数登場した。
  • 本シリーズは関西では殆ど放送されておらず、系列局である毎日放送でネットしたのは「なるほど物語」のみだった。「どうして物語」に至っては本放送終了後しばらく経ってから系列外の関西テレビで放送されるなど総じて不遇な扱いを受けており、関西人ではこの作品を知っている人は少ないとされる。
  • モグタンは着ぐるみが存在し、後年同じTBSが手がけた「リンカーン」の企画でさまぁ〜ずの大竹が扮した。そして少なからず子供の夢を壊していたのは内緒



お姉さん「今日も必死で追記・修正」
モグタン「これは、wiki篭りのお話だよ。」


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最終更新:2024年06月20日 18:18

*1 番組OPではこの文字がテロップに挿入されていた。

*2 愛称である「ロングおじさん」でクレジットされていた。

*3 アナウンサー時代から鉄道雑誌に寄稿しており、海外ルポや新型車両の乗車体験などで登場することが多かった。

*4 アニメーターとして参加していたため、名義は本名の菊池通隆。

*5 但し歴史考証など本編終了後に研究が進んだ仮説などについてはその注釈が入る。

*6 東急グループはバス会社のじょうてつやさっぽろ東急百貨店など、北海道でもグループ企業を多数展開しているのが理由。