八雲なみ

登録日:2024/08/05 (月) 06:00:42
更新日:2025/04/30 Wed 09:53:53NEW!
所要時間:約 8 分で読めます





…………………………八雲(やくも)なみです。

画像出典:アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録 第2巻
原作:バンダイナムコエンターテイメント
著者:夜出偶太郎
発行者:縄田正輝
発行所:株式会社小学館




概要

『八雲なみ』とは『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の登場人物。


年齢:19歳
血液型:A型
誕生日:12月27日
星座:山羊座
身長:160cm
体重:47kg
3サイズ:?
足のサイズ:24.0cm
利き手:右
出身地:東京都
趣味:特になし
特技:料理
好きなもの/こと:読書
嫌いなもの/こと:お酒・煙草

かつて一世を風靡し、電撃引退した伝説のアイドル。
そして、本編に登場するアイドル:斑鳩ルカの母親である。
上記プロフィールはオーディション応募時のもの。*1

翳りが見えたアイドル冬の時代に彗星のようにデビューし、その完成されたパフォーマンスと華やかな存在感でトップアイドルに成りあがった逸材。
しかし、海外進出の日に空港に現れず突如失踪。そのまま電撃引退したという。


なお、八雲なみが活動した時代は本編の二十数年前らしいので、日高舞が活動した時代よりもさらに前となる。
なのでアイマス世界では、アイドル界は

アイドル業界の衰退(アイドル冬の時代)

八雲なみの活動期

日高舞星野アイの活動期

という流れになっている。

『アイドル冬の時代』とは、人気アイドルグループの解散によるアイドル人気の低下。
そのうえバンドブームの余波で作詞作曲ができる実力派アーティストの台頭により「アイドルが恥ずかしい時代」になってしまったことを指す。
八雲なみは活動期間こそ短かったものの、その引退と同時にアイドルの冬もまた去っていったという……。

現283プロの社長である天井努がプロデューサーだった頃にアイドルとして最初で最後にプロデュースした人物。
八雲なみをスカウトした時の事を「人混みのなかで八雲なみのいる場所が特別に見えた。まるでスポットライトが当たり、カメラが回っているみたいに、特別な女の子の声がした」と当時のインタビューで語っている。

出す曲はいずれも大ヒットしたが、ラストシングル『そうだよ』はそれまでの彼女のイメージとは真逆で暗く悲しい曲なうえ、派手なダンスも演出もなかったため売り上げがイマイチだったらしい。

今では知る人ぞ知るアイドルという過去の人になってはいるものの、283プロのアイドルの一人である七草にちかは彼女の大ファン。
彼女が参加しているシーズが八雲なみをリスペクトしていることもあって、現在はリバイバルヒットしている。

また天井やシーズのイベントで断片的に語られるだけなので、天井やシーズのシナリオにおける重要人物でありながら立ち絵やボイスはない。
そのため長らく容姿は不明であったが、漫画『アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録』(公式略称:ジムシャニ)の八雲なみのことが過去話として語られ、そこで容姿が判明した。*2

黒髪ロングの美人で、斑鳩ルカと緋田美琴を足して割った感じのようだ。
シャニマス制作プロデューサー:高山祐介氏によるとイメージカラーは黒に近い赤とのこと。*3


八雲なみ伝説の真相



──この……靴は………………っ。
──履けません……………………っ。

プロデューサー。
どうか、今ここで、アイドル(わたし)を殺してください。

画像出典:アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録 第2巻
原作:バンダイナムコエンターテイメント
著者:夜出偶太郎
発行者:縄田正輝
発行所:株式会社小学館

天性の天才アイドルとして現代では語られている八雲なみだが、その実態は天才的なプロデューサーであった天井が作り上げた偶像(アイドル)
八雲なみ自体は天才でもアイドルの適性があるわけでもない、女優志望の顔が良いだけの普通の女の子だった
歌は下手・ダンスはまぁまぁ・女優志望なのに演技力はないという、本当に普通の女の子だった。
性格もアイドルに向いているとはお世辞にも言えないほど、暗く卑屈で陰険な人だったようだ。
それでもその瞳には天井を動かすほどの強い光を宿していた。

運命的なスカウトなんて大嘘で八雲なみ伝説こそ天井が作った創作に過ぎない。
本当の八雲なみは数々の事務所に落ち、なんとか合格したのが当時天井がいたプロダクションだった。
学校を辞めてまで役者になろうとするも全然ダメで、当時のプロデューサーから見切りをつけられ、八課(アイドル専門課)に飛ばされてしまう。

彼女は役者志望でありアイドル志望ではない。当然プロデューサーに抗議をしたが、

「アイドルをやるか」
「枕営業をして役者の仕事を取ってくるか」

という究極の二択を突き付けられてしまう。
念のために書くが本作はアイドルマスターシリーズである。
「役者になるためにはなんでもする」と思っていた彼女でも枕営業はできるはずもなく、アイドルをするしかなかった……。

そして天井の元でアイドル業を始めたわけだが……これが彼女の精神を摩耗させた。
天井は確かに天才的なプロデューサーであったが、そのプロデュース方針は「アイドルの足(性格や才能)を、靴(与えられる仕事)に合わせること」であった。
アイドルとしての才能がないのに「天才アイドル」という靴を履かせられたのだ。アイドルになりたくもない彼女が、である。
しかも天井が強引なプロデュースをするのは「キャリアのためではないか?」という不信感も生じさせた。*4

ひたすら天井が用意する靴に自分の足を合わせる日々に疲れ、「こんなの私じゃない!」とスタジオから逃げ出したこともあった。
しかし「自分と同じくやりたくもない仕事をしているのに、まったく売れていない」という後述の女性とのやり取りを行う。
そこで「自分は売れているだけマシ」ということを認識してしまい、アイドルを辞めたいのに辞めることができなくなってしまう。
結果、それ以降おとなしく天井のプロデュースに従うことになる。

結局はやりたくもない事をやっている状態なので、目に見える形で精神が壊れかけてしまう。
そこで天井は自由にできる新曲を与えることで癒そうとし、「天才アイドル八雲なみ」としてではなく「八雲なみ」として表現できる千載一遇のチャンスに八雲なみは意気揚々と新曲の振り付けや演出を考える。
……だが、当時の彼女は天井のプロデュースで心が摩耗していた状態。
そんな彼女が好きに曲を作ればどうなるのか?当然、業界批判の曲になってしまう。
そのため上層部から曲のタイトルを変えられてしまった。
それがラストシングル「そうだよ」の製作経緯。

断片的に語られる「そうだよ」の歌詞、にちかが「(夢を追うことに)背中を押された」「悲しい曲」と言っていること、上層部が「我々は夢を与えるのが仕事」と言っていること。
そして「そうだよ」のタイトルが本来「そうなの?」であったこと。
どうやら歌詞の内容は夢を追うことを肯定しているのに、タイトルが「そうなの?」になると真逆の意味になるタイプの曲だったようだ。

自分を表現する機会すら奪われた彼女は完全に心が折れてしまい、渡米前に天井に引退を宣言した……
というのが電撃引退の真相であった。


引退後

現在は海辺近くのスナックのママとして働いている。
なみもルカの現状から283プロの存在とそこの社長が天井であることには気づいている。
しかし、なみ自身もアイドル時代及び天井のことは精算しきれておらず、なるべく過去と向き合わないように静かに暮らしているとのこと。*5

実は最低限の交流は続いていた様で、娘のルカが産まれた頃に彼女を追ったマスコミから天井と共に『これ以上彼女のプライベートを脅かすなら法的措置も辞さない』となみを守ったのが、はづきとにちかの父である七草弁護士であったことも判明している。


夫は2024年時点では詳細不明。*6
娘の名前である斑鳩ルカが芸名でない場合、「斑鳩」は結婚相手の名字だと思われる。*7


ちなみに親子揃ってアイドルという前例は『DS』の日高舞&愛が存在している。
こちらは舞が結婚前後問わず「日高」姓で名乗っている他、愛も「日高」姓で名乗っている為、舞の夫が婿養子に入ったかたまたま同じ苗字で結婚したと思われる。



ジムシャニで明かされた天井のプロデュース

  • 招致した海外の有名楽団を引き連れた生演奏コンサートツアー
  • 新曲発表の度にラジオ全局をジャック
  • 数秒のCMのために有名デザイナーに衣装を依頼
  • ツアー中の大物アーティストを急遽連れ戻してコラボ楽曲
  • 大量のエキストラを紛れ込ませた大規模路上ゲリラライブ
  • 人脈獲得のために高級クラブを貸し切った大規模パーティー。それも短期間に数回
  • 音楽雑誌に根回ししてトレンド介入
  • 音楽番組でのヒットチャートの操作
  • メディアを懐柔してスキャンダルの徹底的な排除

不正ギリギリ……というか片足を突っ込むくらい、強引なプロデュースをしていたことが判明している。
一応、天井は枕営業を勧めてきたプロデューサーを睨んでいるうえ、「服を脱いだくらいでやっていける業界ではない」と言っているので、枕営業はさせなかったと思われる。

ただ八雲なみの人気はプロデュースによって作られたものだったかもしれないが、実力が伴っていなければすぐにそっぽを向かれていただろう。
天井が作った豪華なステージという名の靴を履けれるくらい、彼女も努力をしてきたということなのだろう。
だからこそ限界が訪れてしまったのだが……。


関連人物

現283プロの社長。八雲なみのプロデューサーだった人物。
なお、天井が彼女をプロデュースしたのはジムシャニにて「アイドルには程遠い、(くら)く卑屈で陰気な女の鼓動は駆け出すのに十分な理由だった」とモノローグで語っている。

彼の徹底したアイドルの個性を無視したプロデュースが彼女の心を壊してしまった。
ただし、悪意を持ってこんなことをしたのではなく、売れさせることが彼女のためと思っていたため。
海外進出により渡米が決まった時もミュージカルの本場を見せて、いずれはミュージカル女優へ進ませてあげようと考えていた。

八雲なみの電撃引退に伴う諸問題は彼が片付けたが、同時にプロデュース業から消えたという。

そして、子供の頃のはづき
「げんきないない?」「はづきの、あげようか?」
と天井相手に無邪気に励ますのを見て、
「こんなふうに誰かを応援したかった。けど、これしかわからなかった。わからなかったんだ。どうすればよかったのか」と独白している。

なみのことは現在になっても引きずっており、283プロの方針*8はこの件の反省を活かしたモノ。


  • アイドル志望のバックダンサーの娘
バックダンサーをしていたころに知り合った女性。
明るく元気な女性で、落ち込んでいるなみを励まそうと悩み相談に乗るなど、心優しい女性である。本来は。

なみがアイドルとして羽ばたく中で、彼女は全く芽が出ていなかった。
それどころか裸同然の水着を着てお偉いさんの前で踊らなくてはならないなど、事実上の枕営業をしなくてはならないなど仕事がロクになかった。
この辺は天井の「服を脱いだくらいで仕事をもらえるほど甘い業界ではない」という言葉の証明のような状態である。

端的に言えば「アイドルになるために枕営業をしている娘」であり、なみと同じく「夢のためにやりたくもないことをしている」状態であった。
しかし八雲なみは「成功」してこの娘は「失敗」しているのだ。

なので彼女の悩みを聞いたら、すぐさま「じゃあ代わって!」と目をキラキラさせながら打診した。
八雲なみと自分の違いがプロデューサーの能力の差と考え、相手が仕事をするのを嫌がっているのだから、当然といえば当然の反応である。
……しかし枕営業に近いことをしても売れていないというこの娘の立場を聞いてしまったなみは「……ごめんな……さい……」と断ってしまった。
するとこの娘は手元の飲み物をなみの顔にぶちまけ……、

舐めてんのか、てめえ。

そのご身分手放すつもりもねえくせに、眠てえことばっかり言いやがって。

画像出典:アイドルマスター シャイニーカラーズ 事務的光空記録 第2巻
原作:バンダイナムコエンターテイメント
著者:夜出偶太郎
発行者:縄田正輝
発行所:株式会社小学館

この一言で、なみは「自分は恵まれている」ということを自覚すると同時にアイドルを辞めることができなくなってしまった。

前述の通り、実の娘。
ルカが「ママ」と呼んでいるように関係は良い様子。
娘がアイドルをやっていることに対してどう思っているかは不明だがアイドル活動自体は許している模様。
(未成年が事務所に入る場合は保護者の許可が必要なため)

しかし、親子仲が良いが故に娘のルカは天井、ひいては283プロを激しく憎むようになってしまった。



追記・修正は自分の足を与えられる靴に合わせてからお願いします。


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最終更新:2025年04月30日 09:53

*1 ジムシャニ2巻特典より。

*2 当項目冒頭の画像は当作品において天井と初めて会った時の物。

*3 斑鳩ルカがランプブラック、緋田美琴がスカーレットなのでその中間とのこと。

*4 当時の天井は若くして敏腕プロデューサーであったがそれ故に周囲から疎まれ、同僚に手柄を掠めとられたことで本社の一課から八課(アイドル部門)に異動(左遷)させられたばかりだったため。ちなみに八雲なみを天井に紹介したプロデューサーがその同僚である。

*5 ジムシャニ2巻巻末におけるシャニマス制作プロデューサー:高山祐介氏へのインタビューより。

*6 シャニマスでは2024年8月7日に「プロフィール」の項目内で「アイドルのひみつ」が追加されたが、ルカの家族構成は母親だけになっており父親の存在が無くなっている事が示唆されている。参考までに、両親を亡くしている白瀬咲耶は「父(故)、母(故)」といった感じで故人である事が記されているので、なみの夫は離婚等の理由で存在しないと思われる。

*7 ジムシャニ2巻巻末にて、八雲なみは本名であると明言されている。そもそもアイマスシリーズでは芸名で活動しているキャラが非常に少ない。該当するのは韓国版デレマスのジュニーとミリマスのジュリアくらいである。

*8 アイドルの個性に合わせたプロデュース、複数人数でユニットを組む。