霞一鬼

登録日:2024/10/13 Sun 14:46:30
更新日:2025/07/16 Wed 19:32:31
所要時間:約 4 分で読めます




そうだ...憎め!怒れ!!

その感情こそが力となるのだ!


霞一鬼(かすみ いっき)とは、『忍風戦隊ハリケンジャー』の登場人物。
本編では既に故人であり、遺したツールのホログラムや回想のみの登場となる。

演:団時朗


概要

迅雷(いかずち)流に属していた忍者で、現在のゴウライジャーである一甲、一鍬の実父。
なりふり構わず力を求めており、かつて自分がゴウライジャーになろうとしたが、果たせなかった。

迅雷流の彼への評価は「常に規律を無視し、作戦行動中に無益な殺戮を繰り返す危険極まりない存在」というものだった*1。実際に流星群を目撃した時、その前に街一つが彼の手で火の海となっていた。
流派でも必然的に孤立しており、(恐らく任務中の死を目的とした)過酷な任務ばかりを言いつけられていた。
子供達への愛情も微塵もなく、アレの発生の為のキーパーソンとして仕立てあげる為に怒りや憎しみを重点においた指導を行った。
邪悪なる意思が彼に与えた条件は、要約すれば「兄弟同士の殺し合い」であり、これを二人が途中で知ったとしても逃れられない状況に陥れる為にツールに情報を小分けして遺していた。
兄弟も彼の事は全く慕っておらず、流派に謀殺された事も仕方無いと割り切ってはいたが、それでも兄弟にとって唯一人の頼れる人間で、強くてでかい存在だと思っており、真意を知った時はショックは大きかった。
彼の死後、兄弟は危険な外道の父とそれでも唯一の父を死に追いやった迅雷流に複雑な感情を抱きながら暮らしていく事となった。

力への執着心に目をつけたのか、邪悪なる意思は彼に幾つかの情報と顕現させる為の第一のメッセージを流星群で送り込んだ。一応流派に報告し協力を求めた様だが、結局認められず、トップによりそれは封印された。それでも諦める事はなく、自分がこのままでは殺される事を予見して、それでもアレの顕現の為に策を練っていた。
流派も元々手に負えなかったのもあって彼を切る事にし、まず死ぬと解っている任務を言い付けられ、そして死んだ。

少なくとも情報ツールの仕込みから、後に同じくアレを追い求める勢力が現れ兄弟がそれと組む事、それの対抗勢力が出て来る事は予見していた模様。

与えられた情報は後に兄弟がジャカンジャ相手に交渉出来る程で、実際にアレの発生には水が必要である事は、タウ・ザントですら知らなかった情報である。


その執念と非道な仕込みには暗黒七本槍の面々も動揺、戦慄しており、彼の思想は宇宙規模で見ても異質で異常なものである事が分かる。あのサタラクラですら一般的な常識と比較して「君のパパリンはちょっと考え方が違ってたみたい」と述べている。

彼の生き様について、一甲は「強くもでかくもなかった」「ああしか生きられない本当は憐れな男だった」と結論付けている。
実際に
  • 次々任される過酷な任務を生き延び、達成し続けた実力
  • 独力でカラクリシステムを組み込んだシノビマシンを造った技術力*2
  • やり方はどうあれ霞兄弟の強さの基礎を叩き込んだ指導力
  • 自分の持つ情報や状況から未来を先読みする先見の明
    • そこから思った筋書き通りに事を進める段取りを整えた策士ぶり
と、かなり優秀な人物であった事は紛れもない事実であり、それを結局はジャカンジャ同様、邪悪なる意思の操り人形としてしか活かせなかったという顛末は、そうしか言い様がないだろう。


鬼雷丸(きらいまる)



彼が製作し、愛用していた魔剣。外見は水色の宝玉が埋め込まれた大きくギザギザした刃が両端についたイカヅチ丸といった所で、薙刀に近い。
切れ味は岩を振るっただけで容易く切り裂き、ハヤテ丸の斬撃が通じないゴムビ・ローンにダメージを与えられる程。これから繰り出される奥義「鬼雷爆撃波」は大きな石像を破壊する破壊力を有する。
しかしこの技は攻撃対象を選ばない、つまり周囲の味方すらも犠牲にしてしまう特性がある。普通に考えればこんな物は欠陥品以外の何でもないが、最初から「味方殺し」すらコンセプトに入れて製作していたのなら成功と言える。
サタラクラは「邪悪な念がこもる刀」と評していたが、納得の代物である。

宇宙にもこの刀の悍ましさは知られていた様で、「宇宙極悪武器全集」なる有名な本(誰が出版したのかは不明)にも載っており、サタラクラが一目見ただけですぐそれだと分かった辺り、記載されている武器の中でも特段印象に残ったえげつないものであるのが分かる。
迅雷流も危険性を承知しており、資料を遺していた(これ自体を破棄しなかった理由は不明)。


彼の死後、流派によって封印されていたが彼への複雑な感情を燻らせていた一鍬によって再びこの世に出る事となる。
一鍬はこれの事をろくに知らずに持ち出してゴムビ・ローンに斬撃を浴びせていたが、前述の通りサタラクラはこれの恐ろしさを知っていたため、すぐに計画を変更しゴムビ・ローンと共に一時撤退。
後に一鍬は鬼雷爆撃波を習得し、ゴムビ・ローンに放った鬼雷爆撃波が一甲達を襲い大ダメージを負わせてしまい、一鍬はこれが「味方殺しの魔剣」である事を知った。

最終的にゴムビ・ローンの攻略の為に叩き折られ、一方を突き刺し鬼雷爆撃波を体内に流し込むという使い方をした事で消失した。

余談

演者の団時朗氏は『帰ってきたウルトラマン』の郷秀樹役として特撮ファンにはおなじみ。同作ではハムスター館長/日向無限斎を演ずる西田健氏と怪獣攻撃隊 MATのメンバーとして共演していた。
また、戦隊シリーズでは後の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ではリュウソウ族の長老として出演している。


ようし、その追記だ。それを項目にぶつけろ!


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最終更新:2025年07月16日 19:32

*1 課された任務自体はこなしていたりアレについても報告はしたり最低限の協調性はあったようだが。

*2 轟雷神や後述の鬼雷丸は彼の遺作。