登録日:2025/04/06 (日) 04:34:07
更新日:2025/10/11 Sat 05:09:32NEW!
所要時間:約 4 分で読めます
目次
■概要
『絶対死なないステラ姫』とは講談社の『水曜日のシリウス』で2024年9月3日から連載開始した
漫画。既刊2巻。
原作者は『
怪物王女』『
時間停止勇者―余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる―』の光永康則。
作画は『そんなことより地球を救ってよ姫様!』の大高稲。
『水曜日のシリウス(ニコニコ静画)』の他、『コミックDAYS』でも掲載されている。1話と最新話が無料。
本作は『寄生獣』のオマージュ作品でもあり、「もし異世界で寄生獣みたいなことが起きたら?」ということをギャグとシリアスを織り交ぜて描いている。
……ただ本作を一言で表すとしたら「
美少女のケツから飛び出たミギー」だろう。
この言葉でピンときた人は試しに読んでみてほしい。
なお光永氏はシナリオとネームを担当しており、10話分を先行して書き上げているらしい。
作画担当の大高氏は本作が初連載だが、予め単行本1巻分を描き貯めて連載開始したようだ。
■あらすじ
ヒルバレー王国の王女・ステラ姫は、実父の国王を喪い、後継者争いの真っ只中にいた。
義姉のイシュジアは執拗にステラを暗殺しようと狙うが、不可思議な現象によって毎回阻まれる。
そして、驚愕の事実が明らかになる……姫のナカにはナニかいる!?
異世界生存戦略、スタート!
(公式より引用)
■主な登場人物
本作の主人公で
寄生虫。現代
日本から転生した転生者だが……(後述)
ステラ姫の大腸に住んでおり、
主食は姫のうんこ。
寄生虫なので実体は
サナダムシ程度の大きさだが、伸縮自在の触手を無数に伸ばし、器官や神経を操ることで姫もコントロールできてしまう。
大腸に住んでいるので当初はステラ姫の肛門から頭を出して周囲を窺っていた。
コラそこ! ミギーならぬ「シリー」とか「ケツー」とか「アナルー」とか言わない!
姫に存在を知られてからは口から頭を出すようになった。
精神世界においての姿は精悍な青年の姿をしている。
「寄生虫は寄生虫なりの分際を弁えるべし」という身分意識(?)があることを除けば精神性は
ミギーのそれと大差なく、冷徹無情。
命を脅かす立場の人間を先んじて
暗殺しようとしたり、「どのくらいまでなら自分たちは生きられるのか学習したい」として同族を瀕死に追い込んだ上で放置プレイをかます等、言動はハッキリ言ってマッドの部類。
ただ、冷徹な合理主義者とはいっても長期スパンでものを考えられるタイプのため「宿主に過度なストレスをかけたり敵意を向けられるような行動は生存に不利」としており、ステラへの振る舞いは温厚。
ステラ自身の意思も尊重しており、人死にを嫌う彼女の言いつけにより、殺人は極力避けるようにしている。
ヒルバレー王国の王女。14歳。コロンの宿主であり、名前に執着のなかったコロンの名付け親でもある。
順当に行けばヒルバレー王国の統治者となる立場だが、執政官に政治を丸投げだった父の失政がたたり、下記のイシュジアをはじめとするありとあらゆる権力者からその命を狙われる。
王女という身分に相応しい慈愛と仁徳を持つ作中一番の善人で、困っている人を見捨てず、殺意を向けてくる相手にも優しく接し、父の「誰とでも仲良く」を地でいく真面目ないい子。
だが先述の通り、彼女の周囲の権力者たちは謀反して王座を乗っ取る気満々の連中ばかりなので、その優しさはどちらかと言えば裏目に出ることが多い。
ステラ自身も義姉たちが自分を亡き者にしようとしている事に気付いているが、父からの「誰とでも仲良くしなさい」という言いつけを守り、なるべく彼女たちも排除しないように動いている。
そのため義姉たちに殺されるのではと思いつつも毒見なしで食事しており、コロンがいなければ死んでいた。
コロンの触手で全身を調整された結果、青年の
剣の振り下ろしを薬指と小指の二本だけで止め、銃弾で胸を撃たれても皮膚を僅かに傷付けるだけになるという、超身体能力を得ている。
+
|
ステラの肉体改造 |
コロンが独自に肉眼では見えないぐらいに細い触手を、循環器系、神経系、筋繊維の隅々にまで行き渡らせた事により、
ステラに人知を超えた力を持たせている。
- 垂直飛びで天井に張り付き、薬指と小指だけで成人男性の剣を止めるなど、人間を大幅に凌駕した筋力を持たせている。
- 毒物を通常の二倍の致死量で盛られても、ステラの代わりに食べる事で無事に消化可能。
- 皮下を何重もの触手で覆う事により、大型犬の噛みつきでも内臓に届かず、フリントロック式銃で心臓を撃たれても軽く止まり最小限の出血ですませられる。
- 緊張状態にある時、脳内にセロトニンを分泌させて強制的にリラックスさせる。
- 触手は数十mまで伸ばせ、ピアノ線と同等の強度を与えられる、人体を易々とバラバラにする程。
- 指から出した微細な触手で張り付く事で、壁や天井でも自由に移動が可能
|
ヒルバレー王国の王女。本作の悪役令嬢。
ヒルバレー国王の後妻の連れ子であり、ステラの義姉。
連れ子ではあるが彼女も王位継承権を持っており、自身が王位を継ぐ為あの手この手でステラを暗殺しようとする悪人。
とはいえ、まさか妹のステラが寄生虫に宿られた上その寄生虫の手で肉体改造されているなどと知るはずもなく、暗殺計画はことごとく失敗に終わっている。
直接手を下していないので、今のところは彼女の犯行であるとは露呈していないが……
ヒルバレー王国の王子。ステラの義兄。イシュジアの実の弟。
こっちも姉と似たり寄ったりの冷徹な悪人。ただ、少なくとも姉よりは知恵が回る様子。
イシュジアを女王にするために姉に協力し策謀をめぐらす最中、ヤンキー寄生虫に寄生されてしまい体の主導権を取られてしまった。
完全に意識を消された訳ではなく、ヤンキー寄生虫とは筆談などでコミュニケーションをしている。
そんな状況なのでヤンキー寄生虫との関係は最悪であり、一部の秘密について頑として口を割ろうとしないサイゼルと情報を取ろうとする寄生虫とで長らく冷戦状態。
犬に寄生していた寄生虫。作中で名前を呼ばれるシーンがないので通称を含め名前は不明。
ステラ姫の暗殺依頼を受け、暗殺部隊を率いて城に乗り込んだところでコロンと相対する。
ヤンキーの姿(後述)をそのまま反映したような荒々しく気の強い性格。
ステラから一度移動していないコロンと違い宿主を何度も乗り換えている事から「宿主に何かあれば他所に移ればいい」と考えている節があり、宿主への扱いも酷薄。
コロン同様に日本から転生した日本人(この時のイメージが金髪モヒカンにグラサン鼻ピアスのヤンキー風)だがやはり記憶のほとんどを失っており、あるラーメンを食べたことで断片的に記憶を取り戻す。
また彼が
ラーメンの話題を出したことが、コロンに転生者であることを自覚させるきっかけにもなった。
ちなみに、元ネタの『寄生獣』においても最初の敵は犬に寄生した個体であった為、元ネタオマージュ要素だったり。
ヒルバレー王国近隣にある大国「ドラガニア帝国」の第三王子。
近隣の国を手当たり次第に攻め落として回っている迷惑な男で、それを見たイシュジアらが戦争抑止と嫁入りを利用したステラの厄介払い目的で縁談を持ちかけた結果、ステラの婚約者となる。
人柄はといえば端的に言って横暴そのもの。
一応彼の中にもそれなりに筋の通った理屈がないではないが、とにかく我儘な上に口が悪い。
周囲からも敬遠されており、「城に居場所が無いから戦争に明け暮れている」「噂通りのクズ」と評判も散々。
いきなりステラに刃物を振り下ろした件でコロンにも相当に嫌われており、本人は気づいていないが事あるごとに殺されかかっている。
当初はステラが14歳の幼女と知って舐められたと勘違いしその場で斬り殺そうとするも、少女というには不自然な身体能力でもってそれを止めた彼女に疑問を抱き、泳がせる目的で鉾を収める。
ステラやイシュジアの父。
兎狩りの事故において腰椎を骨折してしまい1話で死去。
なお、遺言で""王位と財産の大半を実娘のステラに譲る""という事をしたためた結果、イシュジアとサイゼルがステラを始末するという企てを目論んで、
しかも存命時代から、実務の全てを三人の執政官に丸投げしていた有様だった。よく言っても暗愚
死の状況や周囲の人物の反応・状況から「不慮の事故が元で亡くなった」というにはかなり無理があり、十中八九何者かに誅殺された疑いが濃厚だが……。
コロンに寄生された後に奇態な行動をするようになったステラが悪魔に憑かれたのではないかと疑われた際に呼ばれた神父。
とても大柄な男であり、悪魔を非常に憎んでいると評判。
が、彼も寄生虫に乗っ取られており、悪魔祓いと称して同類を狩っている。
しかし体格が大柄な上に節制を旨としなければならない神父を宿主としている関係で宿主・寄生虫どちらも慢性的な栄養不足を抱えていた。
寄生虫としての戦闘能力が望めないためステラ&コロンに対しては酸や杭を用いた搦手を交えて襲いかかったが、日頃の食事の差から来る地力の差はそれでも覆せず敗北。
体の操縦権を乗っ取られた後に窓から転落死させられた。
■用語
異世界の生物に寄生している謎の虫。
1つ目でサナダムシ程度の大きさで大腸に寄生している。主食は宿主の
うんこ。
うんこを食えることから分かるように、たいていの物ならなんでも食べられる消化器官をもつ。しかし
毒を食べると体が悲鳴を上げる。
体から伸縮自在で硬化させることもできる触手を無数に伸ばすことができ、これで宿主の肉体強化や体の操作をすることができる。
しかしこれだけのスペックを有するということは活動に多大なエネルギーを消費するということ。
しかし中世ヨーロッパ程度の文明であるこの世界の住人は基本的に栄養失調であり、寄生虫はフルパワーで活動することは早々できない。
故に寄生虫同士の対決になった場合、宿主の健康状態で、もっというと貴族かそれ以外かで決まる。
なので寄生虫たちは生存のためにも、同族対決のためにも、身分の高い宿主を求めて体を取り換え続けている。
実はこの寄生虫たちは現代日本から転生してきた日本人たち。
しかし前世の記憶は覚えておらず、何かの拍子に記憶が断片的に蘇っている。
主人公達の住んでいる国であり、小国の集合体である「セントラル」と大国である「ドラガニア帝国」に挟まれており、規模は小国。
二つの大国の緩衝材として独立国家を維持できていたのだが、ラドヴィン・ドラガニアの拡大政策によって安寧が崩されてきている。
セントラルで流行っている麵料理店。
体に負荷をかける事を目的としたかのような、美味いが体に悪いという脂っこいラーメンを出している。
まだ人間に寄生していた頃のヤンキー寄生虫はこれを食べた時に、前世の記憶を朧気に思い出した。
貧しい中世ヨーロッパ風の異世界である本作でラーメンサブローが流行っているということは、この世界に本来無いはずのラーメンを自作できる程よく知る人物がいるということ。
つまり、日本での記憶を持っている転生者がこの世界のどこかに居る事を意味するのだが……?
ヤンキー寄生虫が率いていた暗殺集団。刃物や
クロスボウで武装している。
戦争一回分の戦費ぐらいの報酬が必要だが、一夜で街一つの人間を皆殺しにできるとの評判。
ステラを始末する際にコロンの手により壊滅させられ、最後に残った部下の一人も、ステラに乗り移れるチャンスに目が眩んだヤンキー寄生虫に残酷に切り捨てられる。
道化師を模したような仮面を付けているが、その下の顔はどう見ても人間ではないのでおそらく亜人か何かである。
「人間を襲って食い、その人間になり変わって潜伏する」という情報のみが知られている怪物。
なりかわられた人間と擬態鬼の区別をつける手段がないことから非常に危険視されており、彼らを駆除するためだけに戦争中の両国が停戦してまで掃討作戦を実行するほど恐れられている。
またその危険性からカバーストーリーが敷かれており、その詳細を知るのはラドウィンをはじめとするドラガニア上層部のみ。
コロンの手で異常な身体能力を獲得したステラも、それを見られたことを機に擬態鬼ではないかと疑われるようになる。
追記・修正は姫様の体内からお願いします。
- アナルーというかシリーというか… -- 名無しさん (2025-04-06 07:22:18)
- ケツーかもしれない -- 名無しさん (2025-04-06 08:40:44)
- これ好き。展開が飽きさせなくて良いよね。 -- 名無しさん (2025-04-06 11:55:48)
- ケツーは見た目のインパクトが凄いけどめちゃくちゃ苦労人なので不快感がなくて良い。いなかったら何回死んでんだ姫様 -- 名無しさん (2025-04-06 12:51:38)
- 身も蓋もない説明かつ絵面からして一発ネタっぽいのに流石にベテラン作家だけあって話の転がし方が上手い -- 名無しさん (2025-04-06 17:41:17)
- 時間停止勇者といい、作りが上手いんだよな -- 名無しさん (2025-04-06 21:01:35)
- 途中から読み始めたのが、よりによってス○イダーマンパロディ全開の回だったから何事かと思った -- 名無しさん (2025-04-06 23:01:11)
- コロンの見た目がミギーを連想させるけど、他に「最初に出会う同胞が犬に寄生してる」「同胞から同居を提案される」とさりげない寄生獣オマージュも忘れてない。その内後藤オマージュも出てくるんかね? -- 名無しさん (2025-04-07 15:27:19)
- 寄生虫達が口から出てるのはKISS×DEATHを思い出した -- 名無しさん (2025-04-08 09:50:15)
- ヒルバレーと聞いてBTFを思い出した人はおるか。 -- 名無しさん (2025-04-08 16:06:33)
- 最近読み始めて、いずれアニメ化するだろうと思った。話の作りがすごくうまいし、各々のキャラの扱い方も上手だし不快にならないのもいい。 -- 名無しさん (2025-06-25 18:20:31)
最終更新:2025年10月11日 05:09