絶対死なないステラ姫

登録日:2025/04/06 (日) 04:34:07
更新日:2025/04/09 Wed 20:49:24
所要時間:約 4 分で読めます





この姫は“絶対に”死にません!


目次


概要

『絶対死なないステラ姫』とは『水曜日のシリウス』で2024年9月3日から連載開始した漫画。既刊2巻。
原作者は『怪物王女』『時間停止勇者―余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる―』の光永康則。
作画は『そんなことより地球を救ってよ姫様!』の大高稲。
『水曜日のシリウス(ニコニコ静画)』の他、『コミックDAYS』でも掲載されている。1話と最新話が無料。

本作は『寄生獣』のオマージュ作品でもあり、「もし異世界で寄生獣みたいなことが起きたら?」ということをギャグとシリアスを織り交ぜて描いている。
……ただ本作を一言で表すとしたら「美少女のケツから飛び出たミギー」だろう。
この言葉でピンときた人は試しに読んでみてほしい。

なお光永氏はシナリオとネームを担当しており、10話分を先行して書き上げているらしい。
作画担当の大高氏は本作が初連載だが、予め単行本1巻分を描き貯めて連載開始したようだ。


あらすじ

ヒルバレー王国の王女・ステラ姫は、実父の国王を喪い、後継者争いの真っ只中にいた。
義姉のイシュジアは執拗にステラを暗殺しようと狙うが、不可思議な現象によって毎回阻まれる。
そして、驚愕の事実が明らかになる……姫のナカにはナニかいる!?

異世界生存戦略、スタート!

(公式より引用)


主な登場人物

  • コロン
本作の主人公で寄生虫。現代日本から転生した転生者だが……(後述)
ステラ姫の大腸に住んでおり、主食は姫のうんこ
寄生虫なので実体はサナダムシ程度の大きさだが、伸縮自在の触手を無数に伸ばし、器官や神経を操ることで姫もコントロールできてしまう。
大腸に住んでいるので当初はステラ姫の肛門から頭を出して周囲を窺っていた。
コラそこ! ミギーならぬ「シリー」とか「ケツー」とか「アナルー」とか言わない!
姫に存在を知られてからは口から頭を出すようになった。
精神世界においての姿は精悍な青年の姿をしている。

「寄生虫は寄生虫なりの分際を弁えるべし」という身分意識(?)があることを除けば精神性はミギーのそれと大差なく、冷徹無情。
命を脅かす立場の人間を先んじて暗殺しようとしたり、同族を瀕死に追い込んでおいて、
「その状態からどのくらい生きられるのか学習したい」と放置するなど、言動はめちゃくちゃマッドである。
ただ、冷徹な合理主義者とはいっても長期スパンでものを考えられるタイプのため「宿主に過度なストレスをかけたり敵意を向けられるような行動は生存に不利」としており、ステラへの振る舞いは温厚。
しかし殺意や敵意には酷く敏感であり、後述のラドウィン・ドラガニアに剣で斬りかかられたのを止めた際には、
殺意を向けるどころか言葉ではっきりと殺害予告をするなど、衝動的な行動をしてしまう一面がある。

ステラ自身の意思も尊重しており、人死にを嫌う彼女の言いつけにより、殺人は極力避けるようにしている。

+ ステラの肉体改造
肉眼では見えないぐらいに細い触手を、循環器系、神経系、筋繊維の隅々にまで行き渡らせた事により、
ステラに人知を超えた力を持たせている。

  • 垂直飛びで天井に張り付き、薬指と小指だけで成人男性の剣を止めるなど、人間を大幅に凌駕した筋力を持たせている。
  • 毒物を通常の二倍の致死量で盛られても、ステラの代わりに食べる事で無事に消化可能。
  • 皮下を何重もの触手で覆う事により、大型犬の噛みつきでも内臓に届かず、銃で心臓を撃たれても軽く止まり最小限の出血ですませられる。*1
  • 緊張状態にある時、脳内にセロトニンを分泌させて強制的にリラックスさせる。
  • 触手は数十mまで伸ばせ、ピアノ線と同等の強度を与えられる、人体を易々とバラバラにする程。
  • 指から出した微細な触手で張り付く事で、壁や天井でも自由に移動が可能


  • ステラ・ヒルバレー
ヒルバレー王国の王女。14歳の美少女でコロンの宿主。
ヒルバレー国王の唯一の実子で、父親亡き現在は王位継承権1位。
義姉たちが自分を亡き者にしようとしている事に気付いているが、父からの「誰とでも仲良くしなさい」という教えにより、なるべく彼女たちも排除しないように動いている。
そのため義姉たちに殺されるのではと思いつつも毒見なしで食事しており、コロンがいなければ死んでいた。
コロンの触手で全身を調整された結果、青年のの振り下ろしを薬指と小指の二本だけで止め、銃弾で胸を撃たれても皮膚を僅かに傷付けるだけになるという、超身体能力を得ている。

王女という身分に相応しい慈愛と仁徳の持ち主だが、本作はステラに味方する権力者が一人も居ないどころか、
周囲の政敵が一斉に銃口を突き付けてくるような苛烈な世界観なので、その優しさはどちらかと言えば裏目に出ることが多い。
ただ、彼女の人として真っ当な振る舞いのおかげで周囲からのヘイトは買っておらず、政敵たちに追い落とす材料を与えていないのも事実ではある。


  • イシュジア・ヒルバレー
ヒルバレー王国の王女。ステラの義姉。本作の悪役令嬢。
ヒルバレー国王の後妻の連れ子でありサイゼルの実の姉。
後妻の連れ子といっても母が国王の従妹ということもあり彼女も王位継承権を持っており、
義父である王が亡くなった、「その日」に義妹の毒殺を企てるなど、自身が王位を継ぐためにステラ暗殺を何度も試みる。

  • サイゼル・ヒルバレー
ヒルバレー王国の王子。ステラの義兄。イシュジアの実の弟。
イシュジアを女王にするために姉に協力している。
ヤンキー寄生虫に寄生されてしまい、ステラとは違い体の主導権を取られてしまった。
しかし完全に乗っ取られたわけではなく、ヤンキー寄生虫とは筆談などでコミュニケーションをしている。

  • ヤンキー寄生虫(仮称)
犬に寄生していた寄生虫。作中で名前を呼ばれるシーンがないので通称を含め名前は不明。
ステラ姫の暗殺依頼を受け、暗殺部隊を率いて城に乗り込んだところでコロンと相対する。
ヤンキーの姿(後述)をそのまま反映したような荒々しく気の強い性格。
ステラから一度移動していないコロンと違い宿主を何度も乗り換えている事から「宿主に何かあれば他所に移ればいい」と考えている節があり、宿主への扱いも酷薄。
コロン同様に日本から転生した日本人(この時のイメージが金髪グラサン鼻ピアスのヤンキー風)だがやはり記憶のほとんどを失っており、あるラーメンを食べたことで断片的に記憶を取り戻す。
また彼がラーメンの話題を出したことが、コロンに転生者であることを自覚させるきっかけにもなった。
ちなみに、元ネタの『寄生獣』においても、最初の敵は犬に寄生した個体であった為、元ネタオマージュ要素だったり。

  • ラドウィン・ドラガニア
ドラガニア帝国第三王子。帝国軍将軍。暗愚であり自室が拷問部屋と噂されるほどのサディスト。
正規軍を率いて版図を広げているのだが、徴兵と兵站確保のせいで内政が火の車になっている。
死傷者が多く出てる上に、兵站が伸びて糧食が底をついている状況でも首都に帰還しないので、部下からは「城に居場所が無いから帰りたがらない」という説が唱えられている。
ステラとの婚姻の際に対面した時には、ステラがまだ14歳のチンチクリンな少女なのを見て、
自分が侮辱されてると思い込み衝動的に腰の剣で手打ちにしようとするなど、非常に短絡的な行動をする傲慢な男。
しかし馬鹿とはいえ機転は多少は利くほうであり、とっさの指示は的確なので、腐っても将軍である。
ヒルバレーの侵略を目論んでいたため、ステラとの婚姻の話が持ち込まれた。

ステラやイシュジアの父。
""兎狩りの事故において""腰椎を骨折してしまい1話で死去。
なお、遺言で""王位と財産の大半を実娘のステラに譲る""という事をしたためた結果、イシュジアとサイゼルがステラを始末するという企てを目論んで、
しかも存命時代から、実務の全てを三人の執政官に丸投げしていた有様だった。よく言っても暗愚

  • 悪魔祓師
コロンに寄生された後に奇態な行動をするようになったステラが悪魔に憑かれたのではないかと疑われた際に呼ばれた神父。
とても大柄な男であり、悪魔を非常に憎んでいると評判。
が、彼も寄生虫に乗っ取られており、悪魔祓いと称して同類を狩っている。
しかし体格が大柄な上に節制を旨としなければならない神父を宿主としている関係で宿主・寄生虫どちらも慢性的な栄養不足を抱えていた。
寄生虫としての戦闘能力が望めないためステラ&コロンに対しては酸や杭を用いた搦手を交えて襲いかかったが、日頃の食事の差から来る地力の差はそれでも覆せず敗北。
体の操縦権を乗っ取られた後に窓から転落死させられた。



用語

  • 寄生虫
異世界の生物に寄生している謎の虫。
サナダムシ程度の大きさで大腸に寄生している。主食は宿主のうんこ
うんこを食えることから分かるように、たいていの物ならなんでも食べられる消化器官をもつ。しかしを食べると体が悲鳴を上げる。
体から伸縮自在で硬化させることもできる触手を無数に伸ばすことができ、これで宿主の肉体強化や体の操作をすることができる。

しかしこれだけのスペックを有するということは活動に多大なエネルギーを消費するということ。
しかし中世ヨーロッパ程度の文明であるこの世界の住人は基本的に栄養失調であり、寄生虫はフルパワーで活動することは早々できない。
故に寄生虫同士の対決になった場合、宿主の健康状態で、もっというと貴族かそれ以外かで決まる。
なので寄生虫たちは生存のためにも、同族対決のためにも、身分の高い宿主を求めて体を取り換え続けている。

実はこの寄生虫たちは現代日本から転生してきた日本人たち。
しかし前世の記憶は覚えておらず、何かの拍子に記憶が断片的に蘇っている。

  • ヒルバレー王国
主人公達の住んでいる国であり、小国の集合体である「セントラル」と大国である「ドラガニア帝国」に挟まれており、規模は小国。
二つの大国の緩衝材として独立国家を維持できていたのだが、ラドヴィン・ドラガニアの拡大政策によって安寧が崩されてきている。

セントラルで流行っている麵料理店。
体に負荷をかける事を目的としたかのような、美味いが体に悪いという脂っこいラーメンを出している。
まだ人間に寄生していた頃のヤンキー寄生虫はこれを食べた時に、前世の記憶を朧気に思い出した。
貧しい中世ヨーロッパ風の異世界である本作でラーメンサブローが流行っているということは、この世界に本来無いはずのラーメンを自作できる程よく知る人物がいるということ。
つまり、日本での記憶を持っている転生者がこの世界のどこかに居る事を意味するのだが……?

  • 黒の旅団
ヤンキー寄生虫が率いていた暗殺集団。
戦争一回分の戦費ぐらいの報酬が必要だが、一夜で街一つの人間を皆殺しにできるとの評判。
ステラを始末する際にコロンの手により壊滅させられ、最後に残った部下の一人も、ステラに乗り移れるチャンスに目が眩んだヤンキー寄生虫に残酷に切り捨てられる。
道化師を模したような仮面を付けているが、その下の顔はどう見ても人間ではないのでおそらく亜人か何かである。


  • 擬態鬼
この世界で知られている、見付けたら退治する必要がある恐るべき怪物。
他人に成り代わり、王族にまで変身するのでもしも見付けたら、
戦争中の軍ですらも一時的に休戦して、死傷者がどれだけ出ようが街中を掃除する必要がある。


追記・修正は姫様の体内からお願いします。

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最終更新:2025年04月09日 20:49

*1 しかも触手で皮膚や血管の破れを瞬時に縫合可能