ヤンキー(属性)

登録日:2025/04/09 Wed 19:37:03
更新日:2025/04/20 Sun 17:25:07
所要時間:約 7 分で読めるべ





卍亜爾堕多Wiki卍

卍亜斗Wiki連合卍


「ヤンキー」とは、アメリカ合衆国北部に住むアメリカ人に対する俗称である。
アメリカ合衆国内では狡猾なインテリといったニュアンスのある英語のようだが、国外からは主にアメリカ人全般を指す。
転じて日本の社会や常識に反抗する行動を行う未成年のこと。男子を差すこと多いが、女子にも使われる。

ヤンキーと一言で言っても「ツッパリ」「非行少年」「DQN」「番長」「暴走族」「チンピラ」「チャラ男」「マイルドヤンキー」「スケバン」「ギャル」「反抗期」など属性は更に細分化されるが、ここではある程度「ヤンキー」と一括りにさせていただく。

【概要】

学園を舞台としたものには必ずと言っていいほど社会や常識に何かしらの反抗精神を持つキャラが登場する。属性として扱いやすく、ギャップ萌えが狙いやすいのもあるだろう。
反抗の度合いは十人十色だが中でもやんちゃで校則違反など反抗的な行動を積極的に行い、周囲との輪を乱すファッションを意図的にしている人が「ヤンキー」と評されることが多い。
しかし定義はかなり曖昧で全て「ヤンキー」「不良」「DQN」を全て一括りにする場合も多く、大人でもそれぽい外見だったらヤンキーと呼ぶことも多いので意味合いはかなり広い。

近年のヤンキーキャラはヤンキー文化自体が衰退傾向にあるからか、現実のヤンキーよりも昭和から平成にかけて流行したヤンキー漫画を始めとしたヤンキーものに登場するヤンキー達を元にしたステレオタイプも多い。
例えばパワプロシリーズのときめき青春高校は一度でもナインメンバーの収録がある作品を遊んだことがある人にはわざわざ言うまでもないほどの「ヤンキー校」だが、そういうので補導された部員が地区予選や甲子園の本戦に出てしまうとさすがに創作物だとしてもマズいという事情も大きいにせよ*1学内のケンカを超えるような暴力行為や、学外での犯罪行為が描写されたメンバーはいない一人だけ「故意の性別詐称」がいるが、少なくとも高野連からペナルティを課されるような目的からではない(※パワプロシリーズ作中では「男性選手しか出場できない」ルールは無かったことになっている)。
最もここの元ネタである『ROOKIES』ではゲームではなく漫画・ドラマ媒体、つまり受け手がやらせたという形には絶対ならないゆえか、もう少し触法行為の描写が多いため(撮影当時にキャストの方が成人していたメンバーに限定する形で「喫煙」もドラマ版であった)、描写しない理由がある場合でもどこまでやるかはピンキリ。

アニヲタ民をはじめとしたオタク達からは天敵とされるが、後述の理由からオタクと仲良くなることもある。

元々ヤンキー漫画自体が「DQNの美化」「非行行為の美化」と批判されることも多いのもあって、いじめの主犯格および取り巻き、少年法を盾に悪行の限りを尽くす悪役として登場することも非常に多い。それらを更生させることが物語の見どころになっていたりもする。

【特徴】


  • 目立つのが好き
出る杭になることを望み。義務教育や警察に反抗することをカッコイイと思っている。
でかい声を出すのが特技。
校則、法律に対しては違反上等と開き直っている場合が多い、制服を着崩し髪は染めてパンチパーマやリーゼントにセットし、逆に校則が厳しい場合は丸坊主にする場合も。そもそもヤンキーが学校に登校するのはおかしいだろというツッコミもあるがそこは後述。
政治的意図はないが目立つので旭日旗を掲げる。実用性をガン無視した違法上等の改造を行った単車や車に乗るなど、とにかく注目されたいという承認欲求が強い。いわゆる厨二病である。

  • 短気、喧嘩早い
短気で何かと因縁をつけては喧嘩になる、というか最初から喧嘩が好きで好戦的な場合も。
創作では喧嘩は一対一の喧嘩である「タイマン」を好む。殴り合いが基本で鉄パイプなどの武器を使うのは邪道、卑劣と見なしていることが多い。
また、「髪の毛を掴むのは禁止」「倒れた相手に追撃するのは禁止」「目を狙うのは禁止」と暗黙のルールが定められていることも。怪我からの裁判沙汰を避けるためでもある。
当時の現実ではって?武器を使うかはケースバイケースだが多人数で囲む方が圧倒的多数を占めるよ。

  • 「裏ワザ」「テクニック」に固執する
勉強嫌いを拗らせる一方で、ムダな知識を身につける。
昭和世代のヤンキー漫画や暴走族漫画には、「相手よりも早いパンチが出せる服装」「喧嘩に安全靴」「走行中の車にマヨネーズ*2」などの喧嘩で勝つための知識をひたすらに身につけていく様子が描かれるが、勝つために鍛錬しようという話にはならない。勉強を始めとした努力が大嫌いなのだ。
最近の若い子が「タイパ」「コスパ」を重視するのに近いかもしれない。

  • サングラス、マスクをする
サングラスで目を隠し表情を分かりにくくさせ、相手を威圧する。
マスクは風邪でなくても、目線の方に視線を集中させいかつさを増幅させるためにする。他にもシンナーでボロボロになった歯を隠したり、警察から顔を隠せたりするのも利点。
令和の新型コロナウイルスの流行以降はマスクをしても目立たなくなったため、逆にしなくなった。

  • 普通に登校して来ている
現実のヤンキーはそもそも学校に通っていない、既に学校を中退しているものが多いが、創作上では普通に学校にいることが多い。
仲間に会うためや、親に連絡されたら困るから来ているだけであってどこかでたむろしていたり、教室にいても授業を真面目に受ける気がなくそれでいて教師がそれを放置していたり、親と教師が鬼のように怖くて仕方なく授業を受けている、勉強は嫌いだが自分なりの青春を歩みたいのであって登校しないのは違う、などの理由付けがなされていることが多い。
もちろん、成績はお察しであることが殆ど。
サブカルではギャップ萌え狙いで「勉強が出来るヤンキー」なんてのもいないわけでもないが。

  • 先輩後輩の上下関係は絶対
ヤンキーキャラには大体数人の取り巻きがいる。先輩や喧嘩で強い人物は後輩を舎弟にし、パシリとしてこき使ったりすることができる。グループを形成して掟を定め、掟を破ったものを制裁したり破門したりする。またこの先輩後輩の上下関係は大抵の場合大人になっても一生継続する。
ヤンキーが多い県の成人式が荒れるのはこれから先輩にこき使われる上下関係の激しい社会が待っているから、人生最後の晴れ舞台を派手に決めたいという理由である。
しかし、この様な絶対的な上下関係と掟は何者にも縛られたくない気持ちが高まった現代の若者とは非常に相性が悪く、少子化、インターネットの普及と並んで、ヤンキー文化が衰退した原因とされている。
最近の現実、サブカルの体育会系が「実力のない人は敬意を払わない、先輩扱いしない」などの実力至上主義に移行しているのとはえらい違いである。

  • 漢字の当て字を多用する
グループ名に威圧する目的で「夜露死苦(よろしく)」と代表されるようにひらがな語やカタカナ語に漢字を当てる、キラキラネームもとい一般的ではない変な名前を「DQNネーム」と呼ぶ理由である。
「〇〇連合」「毘沙門天」「魍魎」など実在する漢字の単語をグループ名にするのがカッコイイと思う人もいれば、「寿辺苦絶悪」「魔墓呂死」「初音魅苦」など当て字の方がカッコイイと考えるかは人によって異なる。
加えてこれらには、刺繍屋が文字単位で料金を請求するスタイル故の節約術という意味もあるとか。同額で面倒な字を縫う羽目になる刺繍屋こそいい面の皮である。
その他特に意味もなく何にでも「卍」をつける。使い方としてはあながち間違っていなかったりする
余談だが「鬼に金棒」からやばい、圧倒的、超の意味で「鬼」を使うことは現在普通の若者にも浸透しているが、ヤンキーの世界では「鬼剃り」「鬼ハン」「鬼キャン」など割と昔から使われていた。

  • バイクが好き
暴走族の影響からバイク(単車)が好き。免許の有無に関わらず、改造がしやすくて乾いた大きな音でコールが切れる250cc~400ccクラスの高回転空冷4気筒ネイキッドバイクを好み、盗んだバイクで走り出したりする。
近年はヤンキーが好むようなバイクは日本におけるバイクブームの終了で、オートバイメーカー4社が日本国内向けモデルを出さなくなったことで、中古市場では軒並み100万円越えの高騰状態となってしまい逆に盗まれてバラされる側になった、新車のバイク自体の値段も上がっていることから125cc以下のスクーターに乗っていることが多い。
ちなみにノーヘル運転は普段はあぶないし、警察に見つかったら面倒なのもあって、ホームセンターで買えるような安い半ヘルを被っていることが多い。半ヘルは一応違法ではないが安全性が低いため事故の際重傷を負いやすかったり、二輪教習が受けられなかったりとあまり推奨されていない。被らず首にかけている場合もあるがこちらは即アウトである。

  • 意外とフレンドリー?
パチンコやバイクといった共通の趣味を持っている人に対しては初対面でも結構フレンドリーに話しかけてくる。オタクの天敵とされることが多いヤンキーがパチンコでアニメを知ったことでオタクと会話が弾み仲良くなるなんてことも。
社会的にヤンキーは陽キャに分類され、陰キャが多いオタクとは逢いなれないと思われるかもしれないが、ヤンキーの多くは内向的で同じグループ以外の人間とはあまり絡まず、新しい友達を開拓するのは苦手な傾向がある。そのためオタクとはある意味似た者同士でもあるのである。
その辺、どこまでも自分勝手で犯罪行為にも及ぶチャラ男や、計画的に犯罪行為を行う半グレとは違うのである。
…一方で、結婚はしないしできないけど子供の面倒は見たいという面倒くさい人たちも現れるようになった。
これはあくまでも極端な例だが、ヤンキーや元ヤンが親戚の子供に対し、「極右、極左のロクでもない知識や思想を植え付けた」「勉強する子供にゲームを遊ばせた」という案件も存在する。自分の子供でやれ

  • 親の仕事が土建、就職先が土建、土建のアルバイトをする
喧嘩の強い筋肉質なヤンキーは理由付けとして土建のバイトをしていることが多い。
「なんで不良がバイトなんかするの?」と思うかもしれないが、土建業界は万年人手不足という状態であり、既に土建に就職していた先輩が現場で人手必要になった際に後輩とその舎弟をアルバイトとして雇う、先述の通り不良の世界で先輩後輩の上下関係は絶対でこれは大人になってからも継続するため断れない、断らない場合がほとんど、しかしアルバイトなので時給はしっかり払われることから後輩側にも利点がある。
ここから学校を中退したものや犯罪歴ができて就職が困難になったヤンキーはアルバイト時代からの繋がりで土建に就職することが多いのである*3
だがしかし、喧嘩にバイト先の工具や重機を持ち出して使用したりと、越えるべきでない一線を超えてしまうことも。
また、工事現場は後述のシンナーの入手先でもある。もちろんシンナーは現場責任者が厳重に管理しているのだが、ヤンキーたちは鍵を持ち出したり錠前を破壊したりして持ち去っていく。恩を仇で返すとはこのことである。
土建といえば辛い肉体労働を想像する人が多いが、少子化と人手不足が叫ばれる世の中で世間渡りが上手い元ヤンは経験を積み成り上がりそこから土建の会社を起業して成功を収める例も多い。

  • 出身地が関東か沖縄
ヤンキーキャラの出身地は今もヤンキー文化が残る茨城県栃木県群馬県の北関東三県と沖縄県に設定されることが多い。
Q.栃木県の魅力は?  A.ないんだな、それが
全盛期に多くのヤンキーものの舞台となった千葉県神奈川県も多い。文字通りヤンキーを演じていたこの人も神奈川のチームの人であるし。
東京都埼玉県大阪府福岡県広島県もあるがこれらはマイナー寄り。
広島に関しては現実で(ヤンキー以外含めて)反社会的な層がいろいろとやりすぎたせいか、出身の方だと「創作物でもちょっとなあ…という気持ちそのものは持つ」という層も結構いるらしく*4、そのへんの配慮もあるのかもしれない。

  • 爆竹→バイク→飲酒→タバコ→シンナーとレベルアップ
最初は大きな音を立てるだけだが、刺激やスリルを求めるあたりで徐々に取り返しがつかなくなっていく。
サブカルではシンナーの代わりに「命を賭ける危険なカードゲーム」「大金をかける危険なギャンブル」に参加してしまう。命を賭けるカードゲームって何?サブカルではよくあることだよ
そして、「遊びのつもりだった」「刺激が欲しかっただけ」と喚きながら、主人公にぶっ殺されたり社会的に破滅させられるのがお約束である。

  • シンナー遊びをやっている
シンナーは元々塗料の粘度を下げたり薄めたりするために使用される有機溶剤のことで、高濃度のものも産業では必須のものである(ペンキ類を塗りやすい粘度に調整するなど、一般寄りの場面でも使う)。しかしシンナーには中枢神経麻痺作用があり、蒸気吸引により酔っ払い状態になることからシンナーをビニール袋に入れて吸引する「シンナー遊び」が1960年代から流行し社会問題となったため「アンパン」と隠語で呼ぶ。
シンナーを吸い続けていると吸入剤使用障害を発症したり、歯がボロボロになったり、最悪死亡する。シンナーの粉が蔓延している場所でたばこを吸おうとして粉塵爆発により死亡した例も実在する非常に危険な行為である。
ここまで来ると不良からも危険人物とみなされ、絵に描いたような悪役になってしまうからかバレたらグループから即破門なんてことも多い。
近年ではシンナーの入手が困難になったためシンナー遊びは減少し、風邪薬や咳止めシロップに代替されている。覚せい剤に比べると安全と思われているのかもしれないが、オーバードーズすれば普通に死亡するし、依存性はあるしでヤクザや半グレのしのぎになっているため絶対にやってはいけない

【余談】

ヤンキーは若い間のみできる若者の特権とされているため、基本高校卒業か成人式を境に卒業する。
元ヤンと同窓会で再会したとき、派手な佇まいだったのが就職して社会に順応しきってしまい、面影がなくなって誰なのか分からなくなったりする。
ヤンキー時代を完全に黒歴史と扱っていたり、髪型に辛うじて面影が残っていたり、「ちょいワル」などと自称してマイルド化したりとそこは人によってことなる。

若い間ならばまだいいのだが、見本となる先輩や理解のある大人に出会わなかったなどの理由で、大人になっても性根が正されない場合もある。
その場合、「短気、喧嘩早い」「裏技・テクニックに固執する」という性格が最悪な形になって現れる。
  • 入社面接で『男なら黙ってアサヒビール』をやってしまう*5
  • 根性論は嫌うくせに、理論を並び立てられると「屁理屈」と返す
  • 政治のことはさっぱり分からないが、何でもかんでも世の中や政治家のせいにして、テレビやネットの知識を持って政治家に噛み付く
  • 簡単に騙されるので詐欺グループから金脈扱いされる
  • お笑い芸人やYouTuberなど、不安定で儲けが出るかも分からない職業を目指してしまう。
など、ヤンキーが特に嫌うであろうダサい大人になってしまう。

そこまで過度な人は少数だが、元ヤンキーは大人になっても勉強も掃除も嫌いだし、会議や勉強会、5Sや実績作りなどの細かな努力の積み重ねやらは顔を真っ赤にして拒絶する
だって元ヤンだもの。


追記・修正夜露死苦!
この項目が面白かったなら……\猛痴ッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 属性
  • 萌え属性
  • ヤンキー
  • 不良
  • DQN
  • 喧嘩
  • 学ラン
  • 黒歴史
  • リーゼント
  • 暴走族
  • 今日から俺は!!
  • 湘南純愛組!
  • 東方仗助
  • バイク
  • ヤンキー座り
  • 厨二病
最終更新:2025年04月20日 17:25

*1 何やって警察沙汰になったかにもよるっちゃよるが、本項で挙げるような犯罪・触法行為の場合は確実に「野球部全体での責任。当該の大会を失格or参加資格無し扱いとする」がペナルティとなると考えてよい

*2 ワイパーを使ってしまうと、窓ガラス一面が見えなくなってしまう、下手したら殺人未遂の凶行

*3 業界に詳しい方から問題視されていないわけではなく、例えば土建会社メンバーが主人公チーム兼題材の漫画『解体屋ゲン』には、このへんを言及したうえで「(即座に声を荒げたのは)もちろん現業の俺に面と向かってそういったイメージとセットにするのは失礼だからもあったけど、少なくともこういった就職困難な層の受け皿が土建しかないのは問題ありでは?という考えもある」「本来なら前歴ではなく更生したか否かの判断で決めないと、本来なら抜け出せた子もそういった世界観の住人であるままになってしまう」としているのがキモのエピソードが存在する。ちなみに発言したゲン自身はかなり若いころから語学堪能な設定がある・実在のハイテク装備どころか半ばひみつ道具じみた漫画オリジナル装備への対応だけではなく理解も高いなど、むしろ意図的にそういったイメージ無しで造形しているフシが見られる

*4 例えばアンガールズのふたり(※山根、田中ともに広島県出身)は『東京リベンジャーズ』PRのお仕事の際に「この理由から実はジャンルそのものには尻込みする面がある」旨を述べている

*5 面接官の受け答えに完全沈黙すれば入社試験に合格するという都市伝説