機械仕掛けの巨人(遊戯王)

登録日:2025/04/21 Mon 21:00:00
更新日:2025/04/25 Fri 12:43:36NEW!
所要時間:約 5 分で読めます






この『機械仕掛けの巨人』にはどんな魔法も、どんな呪いも作用しない


『機械仕掛けの巨人』は小説『遊☆戯☆王』に登場したオリジナルのモンスターカード。
OCG化はされておらず、今のところは小説のみの登場。
古代の機械巨人》ではないノーネ。



この項目には小説遊戯王のネタバレが含まれています

概要

海馬を模倣して作られたコンピュータ『サイバー海馬』の使用カードにして切り札。
小説の挿絵に載っている姿は《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》を更にサイバーなロボットに近づけたような見た目の巨人。

性能

攻撃力1800、守備力2000とのちの《ガジェット・ソルジャー》を思わせる半端なステータス。
海馬の最初期のエースである《ミノタウルス》よりは強いが、切り札と呼ぶにしては力不足感が否めない。
小説の地の文でも「まずまずだが、そう強力でもない」と書かれてしまっている。

その真価はモンスター効果にあり、
魔法、呪いの効果を受け付けない
という絶対的な防御性能を誇る。

小説版のルールは原作漫画に近いため、この効果は魔法カードだけでなく、一部モンスターが行う魔法攻撃や《六芒星の呪縛》などの「呪い」に属する罠カードも無効にし、相手の装備したカードが魔剣など魔法に関連しているならそれすら無効にする。
エースモンスター《ブラック・マジシャン》を封じ、各種魔法コンボも効かないため、遊戯のデッキとは相性最悪とも言えるカード。


更に、パワーアップのための補助カードが多いという設定がある。
作中でも装備カード*1*2で強化され、攻撃力、守備力を3000にまで上昇させ闇遊戯*3を追い詰めた。


作中で装備したカードは以下の通り。
  • 巨人の鉄槌
巨人系モンスターに装備可能。攻撃力700アップ。
  • 力の腕輪
攻撃力500アップ。
  • 身代わりの盾
打撃攻撃を一度無効にする。
  • 投石機
飛行系モンスターに対して攻撃力800アップ
  • 鋼の鎧
守備力1000アップ

弱点

もちろん、神と呼ばれるモンスターにも付け入る隙があるようにこのカードにも弱点はある。

1つ目は切り札級にしては低いステータスの低さ。
作中では装備カードで補っていたが、その布陣を築くために5枚も消費しており、さらに、強化に数ターンかけていることもあってスピードの遅い当時の環境であってもこの間に反撃される可能性は高い。
小説巻末のコラムで海馬に指摘されているように、このカードに過度に拘るのはむしろ危険であり、場合によってはフィニッシャーにもできる中堅モンスターというのが本来の使い所なのだろう。

2つ目は呪い以外の罠カードの効果はそのまま受けるということ。
そのため、遊戯のデッキで最も警戒すべきは《聖なるバリア −ミラーフォース−》となるが、作中ではあえて遊戯にミラーフォースを使わせたうえでこのカードを使用している。

あくまで魔法に強いのはこのカードだけというのも地味に弱点。
作中ではタイムマジックの影響を受け、巨人の鉄槌と力の腕輪が弱体化しており、恐らく装備したカードは普通に破壊できると思われる。

そして、最後は原作ルールに近い小説ならではの弱点「機械であるが故に雷に弱い」ということ。
サイバー海馬はビンゴルール*4を使うことで自身が《青眼の白龍》を持っていないことをごまかしつつ、エクゾディアとこのカードの最大の弱点である《デーモンの召喚》を封じ、雷攻撃となる《一角獣のホーン》すらきちんと処理した上でこのカードを使用することで対応した。
だが、その臆病と言っていい慎重すぎる態度は遊戯に巨人にも弱点があることを悟らせてしまい、墓地の《デーモンの召喚》の攻撃をコピーした《未知の卵》のモンスターによる魔降雷によって倒された。

このカードの弱点ではないが、サイバー海馬の運用にも問題があり、このカードに特化してるとしても、倒されたあとのビジョンが全くなく、弱点を利用したり、リスクを抱えた上で別の戦術に切り替えるなどといったこのカードをいざとなれば切り捨てるリスクヘッジが全くできていない。

この敗北も、上記の巨人の弱点であるカードを一つ一つ潰していった結果、ライフが400しか残らなかったにも関わらず、巨人を最強にしたから自分は無敵と高を括った結果であり、遊戯の言うように海馬に及ばないというのも頷ける。
海馬も自分のカードに拘った結果負けることがあるというのは、おいておこう。
ただし、大体はあくまでパワーカードを逆に利用されたり、己の矜持の結果、負けているだけであり、やはり海馬本人とサイバー海馬の「格」には大分差がある。
突破されても闘志自体は揺るがず、2の手をうち、逆転を狙う「王者」に対して理想盤面だけを狙い、そのためにリソースを投げ捨てるだけの「貧者」の違いというところだろう。

余談

もしも、ОCG化したらこんな感じだろうか?

効果モンスター
星?/?属性*5/機械族/攻1800/守2000
①このカードは自分の装備魔法以外の魔法カードの効果を受けない。
②このカードは魔法使い族のモンスターの効果を受けない。
③このカードが魔法使い族のモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。そのモンスターを破壊する。
④このカードがモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。ダメージステップの間、相手モンスターの装備魔法の効果を無効にする。

作中では「機械仕掛けの巨人」表記であるが、小説の章タイトルでは「オートマチック・ジャイアント」とルビが振られている。
だが、巻末のコラムでは「きかいじかけのきょじん」と平仮名でルビが振られている。

小説が発売されたのは99年の9月。
この直前に出た原作漫画は14巻であり、遊戯王稀代の名デュエル「城之内対キース」が掲載された巻であり、そちらの方でも機械族には魔法が無効とされている。

小説遊戯王は著者が東映アニメ版遊戯王でも脚本を担当した千葉克典氏である。
そのためか、闇遊戯のキャラクターも原作序盤〜中盤に近く、サイバー海馬やこのカードにキレキレの挑発をぶつけるためファンは必見。
一部抜粋すると
  • (海馬の戦い方を王者の戦術と称した後に)貧者の戦略
  • (海馬を超えたと称したサイバー海馬に)海馬以下の奴、足下にも及ばない
  • 自慢の頭の回転が悪いようだな
  • (機械仕掛けの巨人は)弱点を抱えた欠陥品だ。海馬になりきれなかったお前と同じように。


おい、Wiki篭り。俺がお前に追記・修正を教えてやるぜ。
お前が冥殿の完全なコピーなら、まだおもしろい項目になり得たかもしれない。だが、お前は冥殿になりえなかったようだな。

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最終更新:2025年04月25日 12:43

*1 王国編では装備魔法というカテゴリは存在していなかったため、この作品では魔法カード扱いになっていない。現在のように装備魔法として扱われるのはゲーム作品やそれを元にしたOCGからである。

*2 現在からの視点だと魔法を無効にするなら装備魔法も無効になるのではというツッコミが発生するが、恐らく小説版の解釈としては装備魔法は装備を呼び出す魔法であって、装備自体は魔剣などの類を除けば普通の装備という解釈なのだと思われる。

*3 この作品では遊戯王と呼称されている。闇遊戯という呼ばれ方がゲーム作品以外で公式で使うようになるのはもう少し先の話

*4 デュエル前にお互いカードを1枚宣言、宣言されたカードを引いた場合そのカードを墓地に送らなければならない特殊ルール

*5 属性、レベルは不明