捨て犬(Library Of Ruina)

登録日:2025/04/22 Tue 04:15:52
更新日:2025/04/24 Thu 07:21:57NEW!
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約束の!


大切さを!


叩き込む必要が!

あったからなァ!



捨て犬(Library Of Ruina)とは、ゲーム『Library Of Ruina』に登場する組織の一つである。
ネームドで登場するのは恐らく幹部級、もしくはリーダー格である3名。
服装などからすると、デザイン的にはストリートギャングのイメージを参考にしたものと思われる。


概要

彼らは裏路地を仕切る5つの非合法組織、「五本指」の一つである「親指」の影響を強く受けている。
もっとも、正確には親指傘下の「黒雲会」というヤクザの鉄砲玉といった感じだが。
黒雲会は捨て犬以外にも「錆びた鎖」などの別のストリートギャングをいくつか従えており、先鋒として敵対組織に送り込むことが多い。
また、こういった組織の例に漏れず、フィクサー事務所の汚れ部分を対応することもある。
捨て犬(というかギョンミ)の場合はツヴァイ協会のウォルターと個人的な繋がりがあり、表をウォルター、裏をギョンミという感じで対応していたようだ。

親指や黒雲会が「上下関係に死ぬほど厳しい」組織なのは周知の事実であるが、それは下部組織にも当てはまる。
捨て犬メンバーはそのほとんどが裏路地最底辺の「ネズミ」出身者。だが、彼らは自分たちより弱いネズミから決して安くはないみかじめ料を巻き上げている。
マンチらが「金を納めないと殺される」と怯えている様子から見ても、『約束』を守れなかったネズミがどうなるかは薄々察することが出来てしまう。
L社の巣のネズミたちは、彼らへ安くもないお金を差し出し貧困の中で這いずるか、暴力組織の一員となり命がけの仕事を行うかの、とても嫌な二択を迫られているような状況。
それでも後者のほうが「何処かに属してる分いくらかはマシ」と選ぶ人が多いのだとか。

そして上部組織の黒雲会もまた捨て犬から高額な上納金を徴収しており、金を稼ぐ為に彼らはシノギとしてせっせと働いている。
自分たちがネズミにそうしているように、黒雲会から彼らはそうされている。もちろん、支払えなければ親指関連組織特有の血みどろな制裁が待つ。
結局のところ、黒雲会からすれば組織名通りの「いつでも捨てることが出来るような犬」でしかないのだ。

図書館が『都市伝説』となり、ツヴァイ協会6課の接待を終えた後、
ルートが二つに分かれることになる。

右側はかのWarp列車に関するストーリーの導入部ともなる『奥歯事務所』、
左側がこの項目の『捨て犬』の接待となる。
こちら側は裏路地のルールと、様々な組織の有り様、そして段々見え始める五本指の影響などについての導入部となる。

ゲーム進行の為にはどちらの接待もすることにはなるので、
選択式にはなるが取捨選択ではなく、「どちらに先に挑むか」という選択である。
上記二つの組織を接待を完了し、次の『都市疾病』へと上がればコアの帰属という
重要なシステムが解禁されるのだが…

この『捨て犬』の接待はそれに至るまでの序盤最後の壁と言える。


接待:捨て犬

舞台の数は2。
前哨戦として1舞台目に「捨て犬組員」というモブ達との戦闘がある。

だが、このモブ組員からして【HP:50 混乱抵抗値:24】と
明らかにツヴァイ協会6課のモブ達より強い。
使ってくるバトルページにも「乱入」という対処に困るようなページがあり、
油断するとここで消耗してしまうことになる。

そして、2舞台目にネームド3人との戦闘となる。


・ギョンミ


このガキどもには!


約束ってのが!


……どれだけ大事か思い知らせてやんねぇとなぁ。


『捨て犬』をまとめているリーダーと思しき筋肉質の大柄な男。常に薄ら笑いを浮かべているが、凶暴な激情家。
ストーリーはツヴァイ協会6課の生き残りの面々を彼が直々に
殴り殺しているという物騒な場面から始まる。

記事冒頭のセリフも彼の発しているものであり、一言ごとに打撃音がする。
事あるごとに「約束」の言葉を出し、アートブックにて明かされた嫌いなものには
「約束を破ること」というものがある。

雰囲気や言動から『粗暴』『乱暴』の一言が似合う彼だが、
後述のディーノに身体強化の効果がある刺青を入れることを勧めていたり、
一見ただのアクセサリーのように見えるが、特殊な能力を有した製品を使用していたり、
そもそもツヴァイ6課の生き残りにただ八つ当たりしているだけのように見えて
ちゃんと次の当て(図書館の招待状)を確保していたりと、ただの乱暴者では収まらない。
アンジェラの案内に対しても「うぜぇ」「黙れ」「時間がねぇ」とゴリ押しで無視し、即座に図書館探索に移れるようにしている。

そして、この接待が「序盤の壁」となっている大体の理由がこいつの存在。

デッキを確認したプレイヤーの目にまず飛び込んでくるのはこんなバトルページ

くどい! コスト3 使用時 このページのすべてのダイス威力-2
打撃 5-10
斬撃 5-10
打撃 5-10

…………うん、この時点のページとしては数値がおかしい。
幸い、使用時の効果があるのでただ使われただけなら実質3-8のダイス3つにはなるが
それでもこの時点でまともにぶつかることは考えない方がいい。

そして太字に嫌な予感がしたそこの貴方は正しい。
もう一つこんなバトルページがある。

乱闘 コスト3 使用時 このページは全ダイスを除去する。その後、手元から本来のコストが4以下のページ1つをランダムに選び、そのページのダイスを追加する。(反撃を除く)
打撃 3-6 的中 光1回復
斬撃 2-8
斬撃 3-5
斬撃 3-6

この時点では脅威の攻撃ダイス4つのページである。
ただ、こちらは使用時の効果を見ると分かるようにそのままでは使えない。
『乱闘』そのものを使おうと思ったら手札に『乱闘』がもう一枚でもないと駄目なので
コンボ用ページと言えるか。

ここで前述の『くどい!』である。
もし、『乱闘』の効果で『くどい!』のページのダイスがコピーされた場合、
5-10のダイスがそのまま3つ飛んでくることになる。

そして、ギョンミのデッキであるが

上記の2種それぞれ4枚だけである。

上記の2種それぞれ4枚だけである。

これが何を意味するかと言えば、
弱いバトルページを出してくるというあからさまなCPUの『隙』が彼には存在しないということ。
光さえあれば、強力なバトルページのどちらかが容赦なくぶっ飛んでくる。

一見するとどちらもコスト3なのですぐに光切れになりそうに見える。ここで重要になるのがこの時点で3まで上がる感情レベルの存在。
マッチや敵味方の死亡で主に発生する感情レベルの上昇には、光の最大値が1上がったうえで全回復するという効果がある。
つまるところ、重いコストを感情レベルの上昇で踏み倒すという、システムを味方にとった戦法を感情レベルが上がり切るまで徹底してくるのだ。
感情レベルの!大切さを!叩き込む必要が!あったからなァ!

そして、忘れてはならないのは彼が一人ではないということ。



・ズールー

残るは親指に粛清されるだけだな。

黒いマスクで口元を覆い隠した、こちらも筋肉質なスキンヘッドの男。
ギョンミを呼び捨てで呼んでいることから、立場としては対等に近いのだろう。

彼の特徴はバトルページ『強烈な一打』(打撃4-12)と『破壊の一撃』(打撃1-15)という
とにかくダイス目結果が計算しにくい、爆発力を持ったバトルページを複数持っていること。
幸い、これらはダイスが1つだけのページなので不安なら防御ダイスで凌ぐのが手っ取り早い。
真っ向勝負を挑んでしまうとダイス目が爆発した際に大変なことになる為、運ゲーになる。



・ディーノ

そういうことか。アテがあったってわけか。

前述の二人に比べると細身な印象の男。
上半身は裸で、腕を中心に刺青が入っているのが分かる。
細身といってもやはり鍛えられているのか筋肉質。細マッチョというところか。

彼の所持するバトルページは前述の二人と比べると爆発力と言える物も、
一見して分かりやすい脅威に見える物も無い。
ただ、麻痺の付与がついている『これで終わりだ』(打撃4-6 斬撃3-5)を筆頭に
安定したダイス目のページで勝負してくる。

というわけで

「分かりやすく強力なページをとにかく連打するギョンミ」
「爆発力のある読みづらいページを多用するズールー」
「隙あらば麻痺を叩き込んでくる、終始安定しているディーノ」

と、中々に厄介なチームプレイを見せてくれる。

攻略としてはギョンミを集中砲火して早期に落とすか、
それ以外の二人を早期に落とすか。
とにかく、最初に挑む時には欲張ったら死亡フラグ。
ダイス目の暴力で一人ずつ約束の大切さを叩き込まれることになるだろう。



ページ性能

そんな彼らのページについてだが、序盤の壁を乗り越えたご褒美なだけあってか中々に優秀。
速度は基本的に2以上、混乱耐性もそこそこ確保している。
特にギョンミのコアページにはパッシブスキルとして常に速度ダイスが+1される「速度」が付与されており、それまでは相手の特権であった複数ダイスの判定がついにこちらにも解禁される。*1
加えてそのターンにページ消費をしない場合は光を1回複する「休息」というスキルも保有。

ディーノはマッチ勝利時に追加ダメージを与える「2段蹴り」、ズールーは幕開始時に25%の確率で光を回復する「深呼吸」もあるため、ギョンミやオルガなどの「速度」持ちの強いコアページにこれらを移植してやるのも悪くない。
特にズールーの「深呼吸」+ギョンミの「休息」の組み合わせは光の回復効率が良く、強いページを切りやすくなる。

総じて、脳筋一辺倒ではなく、しっかり考えて動けるインテリ系半グレを体現していると言える。
爆発力に秀でる奥歯事務所の面々とは対照的な安定した強さを持つ為、都市疾病攻略に向けて集めておいて損はしない。

そして何よりもこのコアページの強み(人によってはデメリット)、それは……


装着者の首から下がムキムキマッチョになる。


もう一度言う。装着者の首から下がムキムキマッチョになる。冗談抜きで。
くたびれたおっさんなローランだろうと、華奢なホドちゃんマルクトちゃんだろうと、一般司書だろうと、このコアページを着けると例外無くぱっつんぱっつんの黒シャツ姿のマッチョボディが約束される。
ディーノなら上半身裸の細マッチョ、ズールーならタンクトップのゴリマッチョになれる。
そんなクソコラめいたシュールな姿はプレイヤーの腹筋へ致命的なPALEダメージを生じさせ、一部では「筋肉もりもりくそつよホドちゃん」というミームまで生まれた。

ゲームが進めば流石にスペック不足になるが、キャラクターには保有コアページの見た目だけを設定することもできるので、やろうと思えばいつでもマッスルが約束されている。
笑いが欲しいプレイヤーはお試しあれ。

逆に、「性能はいいけどマッチョにしたくないなぁ」と思った人もこの機能でガワだけを変えられるので、性能だけ約束マッスルにする事も可能。

一方でバトルページについてだが、前述した「くどい!」や「乱闘」ももちろん使うことができる。
ということはギョンミがやってきた常時高火力ぶっぱ戦法も出来るのでは…?と思う人がいるかもしれないが、残念ながら完全再現は不可能。
というのも彼の火力を支えていた「くどい!」のレアリティが芸術クラスに設定されており、こちらが使う場合は1枚しか入れることが出来ず、さらには「乱闘」も相手とは違い3枚までが限界。
とはいえ、「乱闘」3積み+「くどい!」+コスト3以下の攻撃ダイスに秀でたページ複数に絞った構築で擬似的に再現できないこともなく、ムラはあるが火力は出せる。
多少は精度が落ちるが、相手に約束の大切さをぶち込んでやろう。



余談

実は開発者の中に「ギョンミ」さんという同名のデザイナーの方がおり、
キャラのモチーフともなったことがアートブックにて語られている。

また、冒頭のセリフなどがプレイヤーに印象深くなったせいか
ファンの間では半ば構文のように使われたり、開発側がアップデートのことを「約束」と
呼称したりするなどしていたりも。開発側としてはギョンミに関心が集まったのは
予想以上だったとのことである。

Switchでの日本語ボイスについても、韓国語がそのまま日本語に変わったレベルで元音声にそっくりな声となっている。
こちらでは冒頭に挙げた発言のラストで「あった……からなぁ!!!」と、ちょっとタメてから一発かましている微妙な違いもある。




このアニヲタどもには!


追記修正ってのが!


……どれだけ大事か思い知らせてやんねぇとなぁ。


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最終更新:2025年04月24日 07:21

*1 この段階で手に入るコアページだと、他にはウォルターやオルガくらい。かつ、彼らもギョンミと同じ強敵。