登録日:2025/05/09 Fri 01:30:09
更新日:2025/05/09 Fri 23:42:26
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目次
■概要
通信網ウルトラネット内に創られた仮想空間で、ありとあらゆる旧支配者の再現データを混ぜ合わせて創られた肉体に、データ化された地球産・他惑星産含む図書館一つ分にも及ぶ魔導書の内容をインプットされた存在。
ヨグ=ソトース、
シュブ=ニグラス、イゴーロナク、
クトゥルフ、ウッギウトゥのデータは確定で、その他多くの神々が混ぜ合わされている。
入力されたデータに含まれる、ありとあらゆる神話存在の姿を再現し、それらの持つ力を行使することが可能だが、基本的に本体は頭部が触手の塊な銀色の巨人の姿を取る。
巨人の胸部には多関節と触手のような軟体が奇妙に混ざり合った腕が存在、全身も短い毛のような触手に覆われている。
仮想現実上に創られた存在なのだが、パンクタウンの住人はウルトラネットへの接続端末を脳などに移植している者が多く、それらの端末を介して人体に感染。
支配下に置き自身の名を広めると共に、その肉体をデータに含まれる神話生物の姿に変異させる形で自らの分身を現実世界に送り込み現実に適応できる形態を模索する。
作中では、小型の本体、人面の芋虫、
ショゴス、翼とハサミを持つキチン質の怪物などを象った分身を作り出している。
また街中に設置された、投影された映像に合わせて空気中の分子を固定させることで現実の物質に触れることが可能な立体広告「ハードホロ」のプロジェクターをハッキングして、本体も現実世界に半物理的に干渉可能。
通常ハードホロには軽く触れる程度の強度しかないが、Yogthutu製作に使われたバイオコンピューターの本来の用途がハードホロを利用した住宅建築だったこともあり、周囲の電力を奪い利用することで無理矢理プロジェクターに性能以上の出力を発揮させ人間や飛行機械を捕まえ破壊できるほどに存在力を強めている。
強力なプロジェクターが設置された地点で招来の呪文を唱え儀式を完遂することで、完全な実体を持った存在として現実世界に出現する。
■製作経緯・作中での活躍
パンクタウンではクトゥルフ神話の存在が、アウトサイダーや古き者など様々な呼び名で信仰や畏怖を受けており、
一般的な認知度は低いものの、カルト教団などが起こした幾つもの事件により、その実在が確実視されつつあった。
ネクロノミコンなどのオカルト書を読み、それらの存在を知り対抗する術を探していた技術者デボン・テリックは、やがて旧支配者に対抗するには実物の旧支配者を解析する必要があると、旧支配者の創造を決意。
半ば放棄されつつある造宇宙船所を拠点に、残されていた搬入用機械を改造したゴーレムを従者として、
バイオ工学の粋を集め開発された高性能バイオコンピューター2台を盗み出し、放置された船を動力源として起動し仮想の存在としてYogthutuを完成させる。
“The New God”はデボンの旧友、コリン・レックスが目の前で変死した共通の友人タムの仇を取るために元凶を探す物語で、
現実・仮想現実両方から襲い来る数々の脅威を乗り越えた末にデボンの目的と拠点を突き止め仲間と共に造船所に乗り込む。
コリンたちはデボンが差し向けたゴーレムに大きな損傷を与えることに成功するが、破損したゴーレムはデボンの指示を無視してYogthutu招来の呪文を詠唱し始める。それに連動するかのように勝手に起動したプロジェクターによってYogthutuが現実世界で実体を獲得し始める。
デボンの目的はあくまでも検証であり、Yogthutuの完成度を高める意図はあっても実体化させるつもりは無かった。
しかし、旧支配者達が外側の世界からこの次元への侵入を目論むように、Yogthutuも仮想現実から現実への侵攻を目的として、
半有機機械のゴーレムの脳組織に感染することで自身の信徒に変えて召喚の準備を進めさせていた。
即座にゴーレムは破壊され詠唱は中断、プロジェクターも破壊され、デボンが退散の呪文を唱えるがYogthutuは少しも影響を受けることなく実体化を続ける。
本体データの入ったバイオコンピューターを破壊されてようやく揺らぐが、それでも周辺一帯の地域から電力を盗み、外部のプロジェクターをハッキングして存在を維持。
プロジェクターが多数存在する市街地を目指し移動し始めるが、造船所そのものが爆発四散したことで電力を大幅に失い消滅した。
しかし、実体化しかけたYogthutuが消えた後もパンクタウン各地のモニターで、その姿が目撃されており、ウルトラネット内に潜み再起の機会を伺っていることが示唆されている。
追記・修正お願いします。
最終更新:2025年05月09日 23:42