ミッション:インポッシブル

登録日:2016/01/30 (土) 23:41:08
更新日:2025/05/07 Wed 21:54:28NEW!
所要時間:約 8 分で読めます




ミッション:インポッシブルとは1996年に公開されたスパイアクション映画。
トム・クルーズ主演の人気シリーズ、スパイ大作戦を原作としている。
(そもそもスパイ大作戦の原題がミッション:インポッシブルそのまんまだったり)
本項目では同タイトルのシリーズ初代作品について解説する。

監督はブライアン・デ・パルマ。制作映画の出来不出来の差が激しいことで有名だったりする。

今でこそトム・クルーズの出世作にしてメジャータイトルの洋画の一つとして有名なミッション:インポッシブルであるが、
公開直後はとあるメインキャラクターの扱いを主として評判はあまり芳しくなかった。
それでも商業的成功があったからこそ、シリーズ化を成し得ることが出来たし、
原作のスパイ大作戦を知らない人にとっては純粋なスパイアクション映画として鑑賞できる一作なことも確かである。

……そして組織絡みのゴタゴタによるイーサンの薄幸振りは初代から健在でもある。


あらすじ
Impossible Mission Force、通称IMFはCIAの特殊作戦部隊の一つであり、
国が表沙汰にはできない数々の裏工作を担っているスペシャルチーム。

その一部隊を率いるジム・フェルプスとチームリーダーのイーサン・ハントは、
東ヨーロッパに潜入しているアメリカ工作員の一覧、NOCリストの転売を企んでいる、
ゴリツィンという人物を取り引き相手と共に捕らえる作戦に就くが、
何者かの策略によってイーサン以外のメンバーが全て葬られてしまう。

命からがら逃げだしたイーサンはCIAのキトリッジとコンタクトを取るも、
イーサンのチームが参加していた作戦はIMFの内通者を炙り出す為の偽の作戦であったことを告げられ、
唯一の生き残りである自分がその犯人であると疑われてしまう。

イーサンは自分以外のもう1人の生き残りであるクレアと共に、
真の裏切り者を見つけ出す為に動き出す……


●登場人物(吹き替えキャストはソフト版に準ずる)
  • イーサン・ハント(トム・クルーズ)
吹き替え:鈴置洋孝
ご存知MIシリーズの顔、IMF所属の凄腕イケメンスパイ。
そしてシリーズ初っ端から仲間が死ぬわ、あらぬ疑いをかけられるわ、無関係の家族も巻き込まれるわ、
挙句に内通者の正体がアレだったわでロクな目に遭ってない。
出たとこ勝負で思い立ったら即実行な行動はなのも初代の時点でお馴染であるが、
それが原因で仲間の1人が死亡したことの遠因を作ってしまったと思っていることもあり、
本作では何かと後悔の念や悩むことが多いシーンが目立つ。
しかし優秀なスパイであることも確かであり、CIA本部の潜入や各所での駆け引きでその実力を見せつけてくれる。

  • ジム・フェルプス(ジョン・ヴォイト)
吹き替え:山野史人
スパイ大作戦第2シーズン以降のメインキャラクターとしてもお馴染のキャラ。
本作では作戦の統括を担う立場として裏方でバックアップを担当する。
だが、冒頭で内通者の手引きによる者によって銃撃され、橋の上から川に転落し死亡するというあまりにも呆気ない最期を迎えることに……

  • クレア・フェルプス(エマニュエル・ベアール)
吹き替え:紗ゆり
ジム・フェルプスの妻にしてIMFメンバーの1人。
キトリッジの偽作戦では輸送を担当するも車の爆発によって死亡……したかに見えたが、ギリギリの所で生き残る。
自分の旦那を殺した敵討ちの為にイーサンに協力し、同じ生き残り同士として段々と親密な関係になっていく。

  • ジャック(エミリオ・エステベス)
吹き替え:荒川太郎
IMFメンバーの1人で警備システム侵入のプロ。
偽作戦においてはエレベーター内でシステム操作を行っていたが、
内通者の別操作が原因でエレベーター天井のストッパーに突き刺さって死亡というかなりエグいことになっている。
彼がイーサンに手渡したガム爆弾が最後に思わぬ活躍をすることに。

  • サラ・デイヴィス(クリスティン・スコット・トーマス)
吹き替え: 滝沢久美子
IMFメンバーの1人で現場工作員。
偽作戦ではイーサンと共に現場での潜入を担当する。
ジムからの作戦中止を受け取るも、イーサンの独断によりゴリツィンを尾行、
その果てに内通者の手による何者かによって刺殺されることに。

  • ハンナ・ウィリアムズ(インゲボルガ・ダクネイト)
吹き替え:滝沢久美子
IMFメンバーの1人で監視役を担当。
死亡シーンが曖昧でわかりづらかったり、序盤メンバーの中でも特に影が薄かったり。
だが、彼女の着用していたスパイメガネが終盤でまさかの使われ方をすることに。

  • ユージーン・キトリッジ(ヘンリー・ツェニー)
吹き替え:樋浦勉
CIAの一員で、イーサンチームを偽の作戦に従事させた張本人。
イーサンの話をロクに聞かないばかりか彼を犯人と決め付けて罵詈雑言を浴びせたり、
無関係のイーサンの家族を麻薬密売の犯人扱いして逮捕したりと、
シリーズ後発作でもおなじみの足を引っ張る味方ポジションというヤツである。

  • アレクサンドル・ゴリツィン(マーセル・ユーレス)
吹き替え:なし
プラハのアメリカ大使館で、東欧のNOCリストを盗み出して転売することを企んでいた……とされていたが、
実はキトリッジが送り込んだCIAのスパイであり、盗み出したリストも演技の為の偽物である。
しかし、IMF内通者の手の者によって彼も殺害されてしまう。

  • ウィリアム・ダンロー(ロルフ・サクソン)
吹き替え: 田原アルノ
CIAの一員であり、本部分析庫へ唯一アクセスできる人物。
その所為で催吐薬を飲まされてトイレに入り浸りになるわ、キトリッジにアラスカに飛ばされるわと
イーサンと同じくロクな目に遭っていない

  • フランツ・クリーガー(ジャン・レノ)
吹き替え:池田勝
IMF解雇者リストから選別されたイーサンとクレアの協力者の1人。
物品の調達やイーサンと共に現場でのミッションを担当する。
作戦中にくしゃみをしたり、作戦成功を確信してミスを侵したりと注意力散漫な面が目立つ。
おまけに金にがめつくイーサンに詰め寄ったりと人間性でもあまり良いところが無い。

  • ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)
吹き替え:島香裕
同じくクリーガーと共にイーサンとクレアに協力することになったIMF解雇者の1人。
情報分析のスペシャリストで天才的なハッカーとして有名だったらしい。
その分プライドも高く、リスクの計算もきちんとこなせるのでイーサンからも信頼される。
盗み出したNOCリストを託されたり、最後の取り引きの場でも妨害電波を発信したりで活躍する。
以降、イーサンを心から信頼するダチの1人となる。
実はイーサンを除いて現状唯一、MIシリーズ全てに登場しているキャラだったりする。

  • マックス(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)
吹き替え:翠準子
IMF内通者の取り引き相手である、武器や機密情報の販売で儲けている裏商人のBBA。
イーサンからのメッセージを偽物と見破るなど慎重で疑り深い性格だが、
同時に相手の腕前を認めた際には確かな取引も約束する剛胆さも併せ持つ。
本名はマキシームというらしく、偽名は裏の人間にとって温かな暮らしをするために必須の物なんだとか。

  • ヨブ
マックスの取り引き相手であるIMF内通者の通り名。
その実態はマックスでさえも詳しくは知らないらしい。


●主要舞台
  • プラハのレセプション会場
NOCリストの強奪を目論むゴリツィンと裏商人を捕まえるために潜り込むも、
キトリッジや内通者といった者たちの思惑が複雑に絡みあい、イーサンは大ピンチに陥ることに。

  • マックスのアジト
内通者を見つけ出す為にイーサンが連れてこられた場所。
掴んだリストが偽物であることを含め、内通者を追い詰めるためにイーサンがマックスとの駆け引きに挑む。

  • CIA本部
本作で最も大規模な潜入作戦が行われるCIAの牙城。
マックスの望む品であるアメリカ全ての工作員のリストを盗み出す為に、
ありとあらゆる厳重な警備網が敷かれた分析庫にイーサンは侵入することになる。

  • ロンドン超特急
リストの転売を目論むマックスを止めるために、そして内通者と決着をつけるためにイーサンが訪れた最終決戦の場。
イーサンによって誘い出されたキトリッジも含め、あらゆる人物たちの思惑が交錯する。
そして終盤の車両天井での突風吹き荒れる中でのアクションシーンは必見である。

以下、ネタバレ含む




















内通者の正体はなんとジム・フェルプス。
画面越しにイーサンに死んだと見せかけて身を隠し、他のメンバーたちを謀殺した。
そしてイーサンと協力してきた妻のクレアと、クリーガーも裏切り者である。

ロンドンにてイーサンの前に姿を現したジムの語ったところによれば、
冷戦終了後からスパイという役職そのものの価値が下がったことや、残されているのは僅かな年金暮らしによる老後などといった現状に嫌気がさし、
内通者として情報を裏の人間たちに売り捌くようになった。
敢えてイーサンに自分が生きていたことを見せつけて、内通者はキトリッジであると思い込ませようとするも、
シカゴのドレイクホテルに残したヨブ記などが決定打となり、イーサンに自身が内通者であると見抜かれてしまう。

そしてイーサンは特急内でのマックスとの取り引き現場にてジムに化けることでクレアの口を割らせてジム本人を誘きだし、
それをハンナも使っていたスパイメガネによってキトリッジに見せ、2人が裏切り者であることを暴く。
後が無くなったジムはクレアを射殺しクリーガーが乗ってきたヘリによって逃亡を図るも、
車上でのイーサンとの激しい取っ組み合いの末に、ジャックのガム爆弾によってクリーガー諸共倒される。
特急内にいたマックスも乗り合わせていたキトリッジによって逮捕、本作における事件の全ては解決となった。

諸々の功績によってルーサーは復職、一転してヒーローになるも、
今回の事件によってイーサンはIMFから身を引くことを決定。
信頼の置ける友人となったルーサーと乾杯を交わした上で、1人飛行機に乗り姿をくらます。

……しかしその直後、スチュワーデスに化けたIMFメンバーから新たなミッションを渡される。
イーサンのスパイとしての活動は当分終わりを告げそうにも無い。




●コミカライズ
MARVELからワンショットのコミックが出版されており(カバーデート1996/5)、マーヴルクロスVol.4に邦訳版も収録されている。
任務自体は成功するものの、実行部隊に必要な情報を十分に与えず善意の現地協力者への被害も考慮しない上層部に強い不満を抱くジムなど映画本編への伏線となる前日譚であるが……

…約半年後の『ヒーローズ・リボーン:キャプテン・アメリカ』#2にて、ハントなる黒髪白人のSHIELD工作員がレッドスカルに囚われ拷問を受けるという場面があり、しかも後の展開で救出や脱出が描かれた形跡が無かった…
前者のカバーアートと後者のシリーズ構成兼作画は同じロブ・ライフェルドであるが、彼含めMARVEL編集部当局は一切関知しなかったのであろうか……?



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