ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション

登録日:2016/01/03 (日) 20:04:36
更新日:2025/05/07 Wed 22:02:59
所要時間:約 8 分で読めます




ミッション:インポッシブル ローグ・ネイションとは2015年に公開されたスパイアクション映画。
トム・クルーズ主演の人気シリーズ、スパイ大作戦原作でお馴染のMIシリーズ第5作目。

監督は脚本兼任で前作の制作にも関わっているクリストファー・マッカリー。

副題であるローグ・ネイションは意訳すると「無法者国家」「ならず者集団」等になり、
本作における主要的組織である「シンジケート」のことを指す言葉になると思われる。
前作に続いてまたしてもIMF解体によって満足なバックアップを受けられない中、
味方組織に追跡されながら存在そのものすら掴むことの出来なかった世界規模テロ組織との戦いを描く。

因みに当初の公開予定時期は2015年の冬場であったのだが、
スターウォーズや007新作との競合を避けるために夏に前倒しになったんだとか。


あらすじ
とある飛行場でのミッションで押さえたのは、チェチェン独立派の下っ端テロリストと、
彼らの組織規模では到底用意することの出来ない大量のVX神経ガスの積み荷であった。

イーサンはこれが前作ラストより追い続けている謎の組織「シンジケート」による手引きであるという疑いを強めながらも、
新たなミッションを受け取るために古いレコード店へと足を運ぶ。
だが、その場所も既にシンジケートのボスによって抑えられており、イーサンは捕われの身となってしまう。
目が覚めて拷問を受けそうになったイーサンの窮地を救ったのは同じ場にいた謎の女性。

どうにか抜け出しシンジケートを追おうとするも、最悪なことにイーサンが捕らわれの身となっている間にIMFはアメリカ政府の正式な通達により解体。
後を継いだCIAの方針によってイーサンは味方の筈のアメリカにすら追われる身となってしまう。

果たしてシンジケートとはどんな組織でどのような目的を持つのか?
そしてイーサンを助けた女の正体は?


●登場人物
  • イーサン・ハント(トム・クルーズ)
吹き替え:森川智之
ご存知MIシリーズの顔、IMF所属の凄腕イケメンスパイ。
味方を敵に売っただの組織そのものが解体されるだのとロクな目に遭ってなかったが、今作でもやはり同じような不幸に見舞われながらもシンジケートを追うことに。
アクションシーンでは酸素供給無しに深い水路に潜ったり、離陸中の飛行機にしがみ付いたりと人間離れに拍車がかかってきている。
出たとこ勝負で部の悪い賭けをしまくりな彼の運もとうとう尽きたかと思われたが……

  • ベンジー・ダン(サイモン・ペグ)
吹き替え:根本泰彦
前作、前々作に引き続いて登場のIMFエージェントの1人でイーサンも認める彼の友人の1人。
エージェントとしての技量は確かなものの、相変わらず口数が増えたり詰めが甘かったりとミスが目立ち気味。
ハンリーに嘘発見器を取り付けられた状態でイーサンとの関係に問われた際も全面否定しつつも、ウィーンで彼と再会した際は「お前1人で勝手させるか!俺たちは友達だろ。だから協力したいから残る!反論は一切受け付けない。」と意気込む彼の吐露は必見。
しかし本作では自分自身にも最大級の危機が降り注いでしまうことに。

  • ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)
吹き替え:手塚秀彰
ご存知1作目からのイーサンのダチで情報分野のスペシャリスト。
IMF解体に伴い再び職を離れていたが、ブラントの頼みで戻ってくることに。
しかし、交流時間の短いブラントには当初余り良い感情を抱いていなかった。
イーサンの送ってきた似顔絵を元に一瞬で対象の素性を割り出すなど、相変わらずの凄腕振りを見せつける。

  • ウィリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)
吹き替え:花輪英司
こちらも前作より引き続き登場の分析官にしてIMFのエージェント。
前作でIMF長官が死亡したため、新任の長官まで決まるまでの実質的なまとめ役を務めている。
そういう理由もあってか今作ではより保守的な面が目立ち、表だって行動することは少ないが、それでもハンリーの目を盗んでルーサーにイーサンの居場所を突き止めるように依頼し、彼の元へたどり着こうとしていた。
こう見えても実はイーサンと同等の実力者でもある。
イーサンたちが大切な仲間でありその命を易々と売るようなことは絶対にしないことは確かであり、度々方針を巡って対立気味になったりはするものの、良きチームメイトの一員なのは間違いない。

  • イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)
吹き替え:甲斐田裕子
作中序盤で拘束されていたイーサンを助け出した謎の女。
その正体はイギリスの諜報部員であり、シンジケートの内情を探っていたスパイ
イーサンを助けたかと思いきや、他国の首相を暗殺しようとしたり、シンジケートに関する重要ファイルについて話したかと思いきや裏切ったりと、敵なのか味方なのかいまいち把握しかねる行動を繰り返していく。

  • アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)
吹き替え:田中正彦
CIAの長官で身勝手な行動ばかりするIMFのことを目の敵にしている。
アメリカ政府に強引に迫ってIMFを解体に追い込んだばかりか、シンジケートの存在を頭から信じず、イーサンがIMFの活動を続けるために作り上げたマッチポンプであると豪語するなど、
典型的な味方の足を引っ張る傲慢な人物として描写されてしまっている。
しかし、終盤では思わぬ形でシンジケートの存在を知ると共にイーサン達に手柄を立てられることに。

  • アトリー(サイモン・マクバーニー)
吹き替え:佐々木睦
イギリス諜報部隊MI6の長官。薄っすらハゲ
ハンリーと同様にダメな描写が目立つばかりか、友好国アメリカの諜報部員であるイーサンは勿論、潜入捜査を命じた部下のイルサすらも捨て駒同然に扱い、責任を他者に擦り付ける気満々な発言を繰り返す卑劣な小悪党。

  • ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)
吹き替え:中尾隆聖
世界的テロ組織シンジケートのボス。
イーサンが把握してるだけでも過去にトルコ、ジャカルタ、フィリピンなど世界中で数々の被害をもたらしてきた。
嘗てはイルサと同じでイギリスの諜報員だったが、古い体制を保持する為に大勢の殺しを命じてきた社会そのものに疑問を持つようになり、今ある世界を壊して新たな秩序を作るべく、過去に死亡もしくは行方不明扱いになっている、世界中から選りすぐったエージェントの集団であるシンジケートを率いて暗躍する。
相当に頭のキレる男で、冒頭にイーサンを捕らえたのは勿論、作中での事の流れは全て彼の掌の上の出来事でしかなかった。
安全圏で全てを転がし思うがままであったが、最後の最後にイーサンが切り出した策略に嵌ってしまうことに。

  • ヤニク・ヴィンター(イェンス・フルテン)
吹き替え:宮内敦士
ボーン・ドクターの異名を持つレーンの片腕で、彼もまた作中3年前に死亡扱いになっているエージェント。
拷問の知識にも精通しており、やたらとターゲットの根性を試したがる。
短気で喧嘩っ早くやたらとすぐに手が出る性格。

吹き替え:山岸治雄
名称通りの人物であり、作中後半にチャリティーオークションに赴いた際に、
ある理由でイーサンにその身を狙われることになる。
君の手は温かいな…


●主要舞台
  • 飛行場
公開前情報でもやたら取り上げられていた、トム・クルーズによる離陸飛行機しがみ付きの現場。
その割にはシンジケートとの関連を匂わせるプロローグ的な扱いだったりするが。

  • ウィーンのオペラハウス
シンジケートのメンバーの手掛かりを探るべく急遽合流したベンジーと共にイーサンが訪れた場所。
オーストリア首相の暗殺も絡めた策謀渦巻く危険地帯と化す。

  • 発電所地下極秘施設
モロッコの地下にあるとされるシンジケートに関わる超重要データが眠っている。
動体センサーも含めた最高クラスのセキュリティーを突破する為に、
イーサンは水中のセキュリティーデータ書き換えの為に息継ぎなしでの3分間ダイビングを強いられる羽目に。

  • ロンドン
イーサンがシンジケートの罠に嵌められる序盤とベンジーの救出とシンジケートとの決着の為に訪れた本作での最終決戦の場。
イギリス首相の身が危険に晒されるわ、危うくオープンカフェ付きレストランが吹っ飛びそうになるわと
とにかくもう大変なことになる。

以下、ネタバレ。





















シンジケートはかつてイギリスで構想が練られていた組織。
わけありの外国の諜報員に新たな名前とIDを与え、国内外の特定の敵を排除することが主任務。
活動資金は追跡不可能な国外の口座に設け、データをイギリス首相のみが開けるレッドボックスに保管するというもの。
といってもそれは訓練目的の為の物で、当の首相の反対もあって理論上の物でしか無い筈だった。
ところがMI6長官のアトリーと当時諜報員の1人であったレーンによって極秘裏に創設。
そしてレーンはアトリーを裏切って独自に組織を動かし始め、アトリーはそういった一連の事実を揉み消す為にイルサを動かして暗躍していたというのが事の真相。
モロッコの地下に眠っているファイルというのは、上述したレッドボックスに保管された24億ポンド相当の国外口座のデータである。
そんな莫大な資金が手に渡ればシンジケートは誰にも止められない最強のテロ集団になってしまうことは明白である。

絶体絶命の危機の中、イーサンは持ち前の頭のキレと勝負強さをフルに発揮し、またしてもギリギリのところでレーンを出し抜き彼を捕らえる事に成功。
事前の策略によってアトリーの企みも暴かれ、居合わせたハンリーはアトリーの暴走からイギリス首相の命を救った英雄として仕立て上げられる。
イルサもまたアトリーの悪事が明るみに出たことによって晴れて自由の身となった。

ハンリーはあまりに大きな借りが出来たことと自身の失態の反省も兼ねて、IMFの解体はシンジケートを壊滅させるための極秘作戦の一環であったと説明。
またしても消滅の危機を逃れたIMFは再編され、新長官となったハンリーと共にブラントが去っていくシーンで物語は終幕となる。




追記・修正はイーサンのように命懸けのアクションをこなしてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • トム・クルーズ
  • パラマウント映画
  • 映画
  • 洋画
  • スパイアクション
  • 無法者集団
  • クリストファー・マッカリー
  • IMFの危機三度目
  • シンジケート
  • 謎の女スパイ
  • 世界規模テロ組織
  • オーストリア
  • ウィーン
  • モロッコ
  • イギリス
  • ロンドン
  • ミッション:インポッシブル
  • 2015年
  • ジェレミー・レナー
  • サイモン・ペッグ
  • レベッカ・ファーガソン
  • ショーン・ハリス
  • アレック・ボールドウィン
最終更新:2025年05月07日 22:02