イズマッシュ社_カラシニコフコンツェルン(銃器会社)

登録日:2025/08/31 Sun 20:15:40
更新日:2025/08/31 Sun 20:18:08NEW!
所要時間:約 11 分で読めます





概要

カラシニコフコンツェルン(旧イズマッシュ社)はロシアのモスクワから東に少し離れた場所に位置するイジェフス(ロシア構成国であるウドムルト共和国の首都)にある軍事企業である。
立地面で戦火を免れた点が大きく、第二次大戦後のロシア銃器生産の中心となっている。主力小銃などは概ねイズマッシュ製である。



歴史

1754~57年、女帝エリザベータにより建設された製鉄所のうちのイジェフスクに建てられたものが源流となる。

1808年にアンドレイ・フェドロヴィチ・デリャビンの提案で兵器生産を開始。アレクサンドル1世によりイジェフスク造兵廠として稼働を開始した。
設立当初から欧州から人材を招聘して技術を蓄積。
設立間もない1812年からナポレオンによる侵攻が始まる(祖国戦争)こととなったが、24000丁のマスケット銃と8600丁の刀を製造し祖国に貢献した。

1835年以降は刀類の製造を停止し銃器生産に注力している。
クリミア戦争でも貢献したものの、戦後は財源引き締めなどにより生産数は縮小。1867年に一旦国の管理を離れた。
民営化していた間は生産効率化や製鉄能力の向上を行っている。
余談だが同時期にアルフレッドノーベルの兄弟などもサンクトペテルブルクにおり、本工場の経営のほかに石油生産に関して活躍した。石油産業は現在のロシアでも主な資金源となっている。

1884年にふたたび国営化し、それまでのベルダン小銃に代わりモシン小銃などの製造を開始した。
第一次世界大戦でも張り切っており150万丁のライフルや100万発の砲弾など数多の兵器を生産したものの、1918年のイジェフスク・ヴォトキンスク蜂起により赤軍が工場を荒らして深刻な被害を被ってしまう。
それでも致命的ではなく、ソ連となった1923年には再建が開始された。30年代にはモシン小銃の改修(1891/30)やAVS-36自動小銃、Izh-1オートバイなどを生産していたが、まだトゥーラ造兵廠などが今後の主力となりうるSVT-40などを生産する主力拠点といえる状態であった。

第二次世界大戦によりナチスドイツからの侵攻(大祖国戦争)を受けトゥーラ造兵廠らが疎開する必要性が出てきた際、イジェフスク造兵廠は難を逃れむしろ疎開先の一つとして選ばれた。
疎開前まではSVT-40で全軍置き換えを狙っていたものの、生産性などの面でモシン小銃の増産が優先されることになった。イジェフスク造兵廠はそれらモシン小銃や戦中の航空機関砲などを生産し続け祖国に貢献した。

戦後は戦中に停止していた民間銃器やオートバイ(+乗用車)の販売も再開させつつ、疎開した各工場やコロボフ工場への支援を行った。
1948年にはコロボフ工場でAK-47を設計したミハイル・カラシニコフがイジェフスク造兵廠に異動、イジェフスク造兵廠は現在まで主力小銃などの開発を行うことになる。
1975年にはイズマッシュに名称を変え、AK-74などの設計製造を行っていたが、ソ連崩壊により民営化。そして他企業の例にもれず、崩壊にともなう経済の悪化等に耐えきれず2012年に破産した。
当時のドミトリー・ロゴージン副首相の指示でロステック傘下となり、2013年にカラシニコフコンツェルンとして再起した。
2016年にはイジェフスク機械工場(イジェメク)やTsNIITochMash(精密工学中央研究所)などを吸収し黒字回復状態となっている。

また、2014年のクリミア危機以降の制裁によりアメリカ現地法人のカラシニコフUSAは孤立してしまったものの、別会社としてセミオートAKなどを販売している。



ブランド

カラシニコフ

軍用かそれに近い銃器を取り扱う。AK-47、RPKなど。

サイガ

1970年代からのAKベースの民間銃器ブランド。由来はカザフスタンのクナエフ第一書記がサイガ*1撃ちに最適な銃を求めたことから。

イジュマッシュ

スポーツ用、狩猟用の銃器を取り扱う。商品名はIzhで示されていたが2008年からMP(Mechanical Plant)に変化した。

バイカル

イジェメクが展開していたブランドを引き継いだもの。医療機器でもバイカルと名の付くペースメーカーを生産している。商品名は同じくBAIKAL→MP。由来はバイカル湖から。



製品

カラシニコフ

サイガ


イジュマッシュ(バイカル)

狩猟用、クレー射撃用のショットガン/ライフルと拳銃がメイン。
殺傷力の低い自衛用銃が数多く販売されており、外傷性拳銃(トラウマティックピストル、ゴム弾などを発射するだけのため銃身が柔らかい材質だったりする)、ガスピストル(空砲の要領で催涙ガスを撒く)などがラインナップされている。東側でのテーザーガンのような認識だろうか。






フィクションでの活躍

AK-47シリーズとSVDは各項目参照。

  • Escape From Tarkov
各種AKM~AK-12/RPK-16/PP-19-01/マカロフ/MP-443のほか、民間用銃器としてサイガ12/サイガ9/MP-18/MP-43/MP-133/MP-153/MP-155/OP-SKSが実装されている。
唯一残念な点としてマカロフでPMM弾を撃つことができてしまっている。

  • RainbowSixSiede
PMMがスペツナズ系オペレーターにて使用される。高ダメージによりPMM弾を再現している。

  • Call of Dutyシリーズ
MP-412が実装されていることがある。




追記・修正よろしくお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年08月31日 20:18

*1 レイヨウ目のトナカイなどに似たサイズの動物

*2 スタータータブがあれば大丈夫とのことだが、現場では付いていない場合も少なくない

*3 7.62x54R弾ベースの民間用弾薬

*4 7.62x39mm弾をスムーズボア/ハーフライフル向けに口径拡張した9.55x39mm弾

*5 5.45x39mm弾ベースの8.76x22mm弾。ショットガン用として認定される。