龍が如く

登録日:2024/10/13 Sun 18:30:00
更新日:2025/05/07 Wed 06:10:57
所要時間:約 20 分で読めます


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伝説の極道と100億の少女




『龍が如く』とは、2005年にセガより発売されたゲームソフト。
プラットフォームはPlayStation2PlayStation3/Wii U(HDリマスター版)。

本項目では2016年に発売されたリメイク版についての記述も含む。


【概要】

ゲーム業界でも珍しい、現代日本の裏社会=極道/ヤクザの世界を題材としたアクションアドベンチャーゲーム。
そして『龍が如く』シリーズの記念すべき第1作目である。
新宿の歌舞伎町をモデルとした街「神室町」を舞台に、巨額の資産を巡るヤクザ達の内部抗争と伝説の元極道・桐生一馬の活躍を描く。
主題歌はMAKOTCHの『Receive You』。

本作はいわゆる箱庭系*1のアクションゲームにあたる。
セガで箱庭系……ということで、かの『シェンムー』を思い出すユーザーも少なくなく、実際にゲーム性に於いては似通った部分も多い。
しかし、分割方式での展開となった『シェンムー』に対して、数年遅れてのリリースとはいえ一つのタイトル内で物語を完結させて売れるようになったことが本作の成功に繋がった、とも。
ゲームシーンの殆どは神室町という一つの街の中で行われ、神室町の中ならシームレスに移動が可能。
メインストーリー自体は一本道ではあるものの、その間に自由行動出来るタイミングが多く、本筋と関係ないサブストーリーやプレイスポットを体験できる。
リアルに作りこまれた日本の繁華街を駆け回れる没入感は、後のシリーズ作品にも通ずる醍醐味である。

シナリオ監修は小説家の馳星周氏が担当。
題材が題材だけに登場人物の大半が暴力団やギャング等の反社会組織であり、Vシネマ作品(ヤクザ映画)の影響が色濃いのが特徴。
生々しく痛ましい暴力シーンも多く、モブだろうが名有りだろうがバタバタと人が死んでいく。
とりあえずムービーシーンで(チャカ)が出たら高確率で誰かが死ぬためプレイヤーからは「ムービー銃」の名で恐れられた。
以降のシリーズでも桐生が敵を倒し重要人物を守る→敵が悪あがきとばかりにムービー銃発砲→重要人物撃たれ桐生に遺言を残し死亡といった展開はムービー故干渉できないプレイヤーから不評を呼ぶ一方制作側は在庫処分でもするかのようにムービー銃展開を乱発。流石にクレームが多すぎたのか『4』以降は少なめになっている。
物語自体はシリアスかつハードだが、桐生のヒーロー的な格好良さとブッ飛んだ描写の数々、度々襲い来るシリアスな笑いにより、重苦しさを感じさせないエンターテインメント作品に仕上がっている。
また、昭和の名俳優・渡哲也氏を始め、本職の声優ではない芸能人が何名かゲスト声優として出演している。

制作のきっかけとなったのは、プロデューサーの名越稔洋氏が新規IPの立ち上げにあたり、当時ゲームの題材がほぼ出尽くした中でまだ手をつけられていなかったVシネマに着目した事。
子供受けと海外展開を完全に度外視し、日本の成人男性のみをターゲットにするという強気な姿勢の元で制作された。
しかし、前例がない試みゆえにキワモノ扱いされていたのか企画時は社内での評価はかなり低く、名越氏はセガの上層部を説得するのに苦労したとの事。
発売当初は別社の大作RPGと発売日が被った事もあって売り上げは芳しくなかったらしく、後にセガの社長に就任する杉野行雄氏が渋谷のTSUTAYAに行って店員に隠れて商品を目立つところに並べ替えていたと語っている。
しかし徐々にメインターゲット層だった成人男性を中心に口コミで評判が広まり、最終的には下馬評を覆しミリオンヒットを記録*2
以後20年以上に渡り続編とスピンオフが作られ続ける、現在は『ソニック』シリーズと共に名実共にセガを代表する大人気シリーズとなった。

2012年には続編『龍が如く2』とまとめてHDリマスター化したPlayStation3 ソフト『龍が如く1&2 HD EDITION』が発売。翌年にはWii Uにも『龍が如く1&2 HD for Wii U』の名でリリースされた。*3

2016年にはシリーズ10周年記念として、PlayStation4で『龍が如く (きわみ)』のタイトルでリメイクされた。
ストーリーはそのままにグラフィックを前作『龍が如く0 誓いの場所』準拠に作り直し、ボイスパートやミニゲームの大量追加等のボリュームアップが図られている。
バトルスタイルの導入等、ゲームシステム面でも『0』から引き継がれている要素が多い。
ついでにシリーズを通して連綿と受け継がれてきたバカゲー要素も大幅にパワーアップした。
また、2024年10月25日にはNintendo Switchでも発売。Switchは据置型にも携帯型にもなるハイブリッドゲーム機で、そこから見た場合ナンバリングタイトルでは初の携帯型ゲーム機進出作となる。*4
主題歌は稲葉浩志の『BLEED』。
実況配信では権利関係の都合で十中八九無音にされる。


【ゲームシステム】

バトル

接敵はシンボルエンカウント形式。
神室町を歩いているとヤクザや不良等のならず者集団が桐生に目を付けて追いかけ始め、捕まると戦闘開始。
走って逃げる等して離れれば戦闘を回避できるが、一度戦闘開始すると桐生が倒れるか相手が全滅するまで逃げる事はできない。

戦闘はラッシュコンボ(通常攻撃)やフィニッシュブロウ(吹き飛ばし攻撃)、掴み投げ、ガード等を駆使して戦う。
場所によってはオブジェが落ちている事もあり、拾って武器とする事も可能。

ヒート

本作、そして『龍が如く』シリーズを象徴するシステム。
プレイヤーには体力ゲージの他にヒートゲージと呼ばれるゲージが存在し、ゲージは攻撃すると増え、攻撃を受けると減っていく。
ゲージが一定量溜まるとヒート状態となり、その状態で条件を満たすとゲージを消費してヒートアクションと呼ばれる必殺技を放つ事が出来る。
繰り出せるヒートアクションは相手の状態や地形・武器等によって異なり、非常にバリエーション豊かかつ高威力で戦闘の爽快感を演出する。
本当に殺している様にしか見えない技もあるが気にしてはいけない。
そのため戦闘では如何に的確に攻撃を当て、相手の攻撃を躱すかの立ち回りが重要になる。

『極』ではボス戦専用のヒートアクションとして「超スタイルの極」が追加。
ボスは体力が一定値を切るとオーラを纏いながらハイパーアーマー状態になって体力を大幅に回復するが、「超スタイルの極」を決める事で回復行動をキャンセルしつつ大ダメージを与えられる。敵が出すオーラの色が青なら「チンピラ」、黄色なら「壊し屋」、ピンクなら「ラッシュ」、赤なら「堂島の龍」スタイルで発動可能。なおスタイル毎に経験値を使って後述の「能力強化」で習得する必要がある点は注意。
また、非ヒート状態でのみ効果を発揮する能力も追加された。

能力強化

戦闘に勝利して得た経験値はストックされ、これを任意のタイミングで消費して能力強化を行う。
強化対象はそれぞれレベルを持つ3つのカテゴリに分けられ、レベルアップすると新しいアクションが解放されたり基礎能力が強化されたりする。
  • 」:ヒート関連
  • 」:バトルアクション関連
  • 」:体力ゲージ・攻撃力関連
これら以外に特殊なアクションに関連する「」もあるが、これのみ経験値ではなく「師匠」に師事する事でレベルアップする。

『極』ではレベル制を廃止。
円形のチャート盤上のマス目を選択し、経験値を消費して強化を行う、いわゆる「スキルツリー」方式に変更された。
強化内容が増加・細分化された上である程度強化対象を選べるようになった。
また、「」が「」に変わり、「堂島の龍」スタイルの強化系と統合されている。
こちらはリメイク前と同様に経験値では強化できず、修行や後述の「どこでも真島」をクリアしていく事で自動強化されていく。

サブストーリー

メインストーリーとは関係ない寄り道的シナリオ。
主に神室町内で条件となる人物に話しかける事で発生し、バトルやおつかいをクリアする事で報酬を得られる。
食い逃げや請求電話、自殺志願者などアングラ社会でままあるテーマを取り扱ったものが多く、神室町の日常を色濃く描写する。
ゲームクリア上は必須ではないが、本編では見られないキャラクターの一面を見る事ができ、報酬金や経験値も得られるため攻略にも役立つ。
ギャグ色の強いストーリーも多く、何かと血生臭い展開が続きがちな本作の清涼剤となっている。

PS2版は特定のタイミングを逃すと発生しないものや、発生後も選択を誤ったり時間をかけすぎたりすると綺麗に完結させられない、と制限が特に強い。
そのため全てのサブストーリーを攻略しようとする場合、かなり計画的に行動する必要がある。

ミニゲーム

神室町ではバッティングセンターやパチスロ等のミニゲーム施設が用意されている。
賽の河原にはカジノもあり、ルーレットやブラックジャック、地下闘技場等で遊ぶ事が出来る。
ミニゲームが関与するサブストーリーもいくつか存在する。

『極』では先述の通りミニゲームが大幅に追加。
上記に加えて『3』以降お馴染みとなったカラオケ、『0』の「ポケットサーキット(ポケサー)」や「昆虫女王メスキング」、ダーツ・ボウリング・将棋といったレトロなゲームも加わり、どれも無駄に本格的。
神室町にいる間は任意のタイミングで遊べるため、本編そっちのけでミニゲームに時間を費やせる程のボリュームになった。


【『極』での追加要素】

バトルスタイル

『0』で新規実装されたものと同一のシステム。
攻守のバランスが良い「チンピラ」、大振りで耐久力に優れる「壊し屋」、攻撃速度と回避に長ける「ラッシュ」、究極のスタイル「堂島の龍」の4つを自由に切り替えながら戦う。
『0』と違い「堂島の龍」が最初から解禁されているが、10年のブランクによりコンボ攻撃すら満足に出来ない程弱体化しており、序盤ははっきり言って使い物にならない。
このスタイルのみ経験値では強化できず、後述の「どこでも真島」で出現する真島を倒す事で本来の強さを取り戻す必要がある。

なお、プレイヤーキャラクターではないが『0』で桐生と共に主人公を務めた真島も戦闘によって複数のバトルスタイルを使用する。
真島のヒートアクションの一部は「堂島の龍」スタイルを強化する事で桐生も使用可能になる。

どこでも真島

第2章以降にサブキャラクターの一人である真島吾朗が文字通りどこでも襲い掛かってくる
倒すと「真島との因縁ランク」が上昇し、条件を満たす事で「堂島の龍」スタイルが段階的に強化されていく。
雑魚戦に乱入する「まぜてよ真島」、戦闘ではなくミニゲームで勝負する「あそんで真島」等、様々なバリエーションが存在する。
基本的に出現場所はランダムだが、ミニイベント付きの場合は真島組組員の西田から携帯電話でヒントが貰える。

しかし、後付のシステム故にゲーム中では真島に付き合わされまくるのに、本編ではそんなこと全くなかったかのように会話が進むため、初見プレイヤー混乱不可避の仕様になってしまっている。
後述のように本システム内ではふざけ倒す一方で初代の真島は割とシリアス寄りの扱いであるため尚更。

ちなみに『ONLINE』で補足された情報によると、このシステムの考案者はなんと西田
真島への誕生日プレゼントとして桐生の行動パターンを記した地図を贈ったのが発端のようだ。

【ストーリー】

1995年10月。関東の歓楽街、東京・神室町。
東城会直系堂島組の舎弟頭補佐を務める桐生一馬は、近々自分の組を持つことになっていた。
渡世の親である風間新太郎からの覚えもめでたく、兄弟分の錦山彰、幼馴染の澤村由美といった友人にも恵まれ、極道として順当な道を歩もうとしていた。
だがある日、親分の堂島組長が由美を手籠めにしようと無理やり連れ去り、それを阻止しようとした錦山が堂島を射殺してしまう事件が起きる。
その場に駆けつけた桐生は錦山達を守るべく「親殺し」の罪を被って刑務所に収監され、東城会から破門を言い渡されるのだった。



10年の時が流れ2005年12月、東城会本部。
緊急招集された幹部会で、東城会の金庫から100億円が消えたという事実が暴露される。
その秘密を暴いたのは、10年の間に東城会直系組織の組長にまでのしあがった錦山だった。

時を同じくして、仮出所により神室町に戻った桐生。
しかしそこに迎えは無いどころか、東城会の内部抗争に巻き込まれ追われる身となってしまう。
自分がいない間に何が起こったのか、神室町に起きた異変の謎を追う中で、桐生は母を捜す一人の少女と出会う。

極道達の野望と策謀が渦巻き、戦場と化す神室町。
過去の過ちにケジメをつけるため、大切な人を守るため、桐生は再び「龍」となる───


【用語】

本作の舞台。東京都にある巨大歓楽街。
飲食店や娯楽施設が所狭しと並んでおり、夜になっても常にネオンの光と雑踏が止まない「眠らない街」。
東城会のお膝元であるためか非常に治安が悪く、道を歩くだけでヤクザやゴロツキ共に因縁をつけられる超危険地帯と化している。『極』では出所した桐生に対して真島が「平和ボケした阿呆が、呑気にぶらつく場所やない。」と説明する。
犯罪や暴力沙汰も多いが、喧嘩が始まっても野次馬が囃し立てるだけで何もしないあたり、この街の住人にとっては日常茶飯事な模様。
街の中心部には高層ビル「ミレニアムタワー」がそびえ立っており、街のランドマークとなっている。
モデルとなっているのは新宿・歌舞伎町で、2005年当時の歌舞伎町の様子を忠実に再現したグラフィックが話題になった。

関東最大規模の暴力団(極道組織)。現トップは三代目会長・世良勝。
幹部会で嶋野が言うように構成員2万5千人という巨大組織で、神室町を実質的に支配している。

東城会と対を成す、関西最大の暴力団組織。
東城会とは敵対関係にあるが、目的のために東城会の幹部と手を組む者もいる。

  • 「消えた100億円事件」
本作の物語の根幹を成す最大のキーワード。
2005年12月に、東城会が銀行の貸金庫に預けていた100億円が盗まれた事が発覚した事件。
当初この事実を知っていたのは本家の人間だけだったが、情報を得た錦山組組長の錦山が幹部会を招集し、その場で会長の世良に言及する形で暴露される。
東城会本家が受け持つとだけ宣言して紛糾する幹部達を収めようとするも、それから程なくして世良が何者かの手により暗殺される。
トップを失った事で東城会の頂点を狙う野心家達による争いが始まり、内部抗争へと発展した。
しかし世良の死も含め事件そのものには謎も多く、物語が進むにつれて複雑な実情が明らかになっていく。


【登場人物】

年齢等の設定はメインストーリーが本格始動する2005年時点準拠。
CVは複数記載がある場合、オリジナル版/『極』の順。

主要人物


本作の主人公。37歳。
元・東城会直系堂島組舎弟頭補佐で、「堂島の龍」の異名で恐れられた伝説の極道。
孤児院施設「ヒマワリ」にて風間新太郎の手によって育てられ、彼に憧れてヤクザになった。
曲がった事を嫌い人情を重んじる古風の極道で、人間離れした強さを誇る一流の喧嘩師。
風間達からも将来を有望視されていたが、組長の堂島を射殺してしまった兄弟分の錦山を守るため、錦山の「親殺し」の咎を自ら被って刑務所送りとなる。
その際に東城会から破門されたため現在はカタギとなっており、「親殺し」の禁忌を犯した事から裏切り者として彼を疎む者も少なくない。
10年の服役を経てようやく自由の身になろうとした矢先、風間からの手紙を受け取った事で神室町に戻る事を決心するが、直後に消えた100億円を巡る東城会の内部抗争に巻き込まれる。
そして事件に錦山と由美が関わっている事を知り、その真実を確かめるために再び裏社会に足を踏み入れる。

◆遥
CV: 釘宮理恵

本作のヒロイン。9歳。
桐生や錦山らと同じく「ヒマワリ」の出身で、母親の美月を探すために一人施設を抜け出し神室町にやってきた。
かつて施設にいた頃に由美と親交があった事から、由美を捜していた桐生と行動を共にする。
優しい性格だが年齢に似つかわしくない気丈さと胆力の持ち主で、その大胆さには桐生も舌を巻く程。
実は消えた100億円の行方の鍵を握る存在であり、その事を知る裏社会の住人達から身柄を狙われている。

東城会

東城会本家

◆世良勝
CV: 水木竜司/大川透

東城会三代目会長。
物語の序盤で組の貸金庫から100億円が消えた事実を明かした後、この件を本部持ちとするとだけ言い残して姿を消すが、程なくして何者かによって暗殺されてしまう。
聡明な人物で武闘派極道達に対する抑止力であったため、彼の死によって東城会内部でトップの跡目争いが勃発する事となる。
一方で生前には本来絶縁*5となるはずの親殺しを犯した桐生を(一段緩い)破門*6にしたり、かと思えば刑務所に刺客を送る等、その行動には謎が目立つ。

錦山組

東城会直系団体。
堂島組の若衆だった錦山が桐生不在の間に興した組で、東城会の中でも若い組織だが、
10年の間にシマを拡大し、他の大幹部と並ぶ一大勢力と化した。

錦山彰
CV: 中谷一博

東城会直系錦山組組長。
桐生とは「ヒマワリ」で共に育ち極道に入った兄弟分で、桐生からは「錦」と呼ばれている。
元々は一見軽薄ながらも情に厚い性格で、桐生とは固い絆で結ばれていた。
しかし幼馴染の由美を救うために極道としての親である堂島を射殺してしまい、桐生が「親殺し」の罪を被り逮捕されてしまう。
その後錦山組を立ち上げるも、10年の間に目的のためには殺人も厭わない冷酷な修羅へと変貌。
風間組を内部から割り、近江連合の後ろ盾を得て直系団体の組長にまでのし上がった。
消えた100億円を利用して東城会の頂点に立つべく、かつての兄弟分である桐生の前に敵として立ちはだかる。

ある意味本作のもう一人の主役。
『極』では章開始時に回想シーンが挿入され、桐生と比較され続ける重圧、病床の妹の死や信じていた人間の裏切り等が重なった事で極度の人間不信に陥っていく様子が描かれた。

新藤浩二
CV: 瀬戸川太一

東城会直系錦山組若頭。
日本刀を得物としており、錦山の命を受けて組員達と共に桐生を襲撃する。

◆荒瀬和人
CV: ?*7

東城会直系錦山組若中。
サングラスとワインレッドのロングコートが特徴の二丁拳銃使い。
トリガーハッピー気質らしく、組員曰く彼が暴れた後は周囲が蜂の巣になるとの事。

ストーリーが大きく動くターニングポイントで出てくるボスであるためかオリジナル版時代から戦闘BGM持ち。BGMのタイトルはそのまんま『Turning Point』。
荒瀬戦までに銃への対処に慣れていないことが多く、部下を掃討している間に連続射撃で蜂の巣にされたり、ようやく1対1に持ち込んでも多種多様なモーションからの射撃に対処できずに射殺されるプレイヤーが続出した。
落ちている鉄板を盾にする、屋上に配置されている室外機の隙間に荒瀬を追い込む、防弾チョッキを持ち込み銃弾をガード可能にするなどの対処法に気づくまでは相当な強敵となる。

『極』ではラッシュスタイルの攻撃速度と回避で対処できるため、オリジナル版ほど凶悪ではない。
一方でアレンジされた戦闘BGMは独特。「Feel the power!」

◆田中シンジ
CV: 山口孝史/杉田智和

錦山組舎弟頭。元・東城会直系堂島組若衆。
桐生に憧れて堂島組に入ったという経緯を持ち、桐生を兄貴と呼び慕っている。
舎弟感漂うノリの軽い性格だったが、桐生が逮捕された後は錦山組に入り、10年の間に風格・実力共に立派な極道に成長。
兄貴の桐生をも越える舎弟頭にまで出世...というのは表向きの顔で、実際は錦山の様子を探るべく風間に送り込まれたスパイとして活動している。
桐生を慕う気持ちは変わっておらず、神室町に帰ってきた桐生と風間とのパイプ役を務める。

◆松重
CV: 池田ヒトシ

錦山組組員。『極』の錦山の過去パートにのみ登場。
元は風間組の組員で確かなシノギの手腕を持つ事から、自分の組を立ち上げた錦山の教育目的で風間に転属させられた。
しかし非常に傲慢な性格だったために錦山の下につく事を快く思わず、身内である柏木のシマを荒らす等勝手な行動を取り続ける。
妹の手術代のために錦山は部下に見下される屈辱に耐えるも、最終的に彼が凶変する引き金となった。

風間組

東城会直系団体。
元は堂島組の配下で、堂島の死後に堂島組を吸収して直系団体に昇格した。
後に錦山によって内部から割られた事で、かつて程の大勢力では無くなっている。

風間新太郎
CV: 渡哲也

東城会直系風間組組長。東城会の隆盛を支えた大幹部の一人。
「ヒマワリ」の出資者でもあり、桐生と錦山にとっては育ての親にあたる。
かつては二丁拳銃を操る凄腕のヒットマンとして名を馳せ、組の運営に天才的手腕を発揮した傑物。
しかし、現在はその肩書と経歴からは想像できない穏健な人物で、カタギにまで彼に世話になったという者もいる程。
桐生と錦山の事は息子同然に想っており、それ故に錦山の豹変に頭を悩ませている。
桐生の仮出所直後にシンジを通してコンタクトを取り、彼にある事を託す。

柏木修
CV: 咲野俊介

風間組若頭。風間の右腕。
顔の大きな傷跡と険しい顔つきから恐ろし気な印象を与えるが、実際は厳しくも義理人情を尊ぶ任侠タイプの極道。
桐生とかつての錦山にとっては頭のあがらない兄貴分的存在である。

嶋野組

東城会直系団体。
組員の真島を始め、東城会でも屈指の武闘派として知られる。
関西にルーツを持つためか、関西弁で喋る組員が多いのも特徴。

◆嶋野太
CV: 楠見尚己

東城会直系嶋野組組長。風間と肩を並べる東城会の大幹部の一人。
ヤクザの組長らしく豪胆で残忍な男で、同じく古参で穏健派でありながら自分以上に強い存在感を持つ風間とは反りが合わない。
堂島の弟分でもあったため、彼を殺害した(と思われている)桐生に激しい敵意を抱いている。
圧倒的な腕っぷしを誇る一方で狡猾な野心家でもあり、東城会の頂点を獲るために裏で策謀を張り巡らせる。

真島吾朗
CV: 宇垣秀成

嶋野組若頭で真島組組長。
強い者との喧嘩を何より好む超武闘派極道で、隻眼ながら桐生に匹敵する実力者。
狂気的な言動と部下にも容赦ない無慈悲な性格から「嶋野の狂犬」の異名を持つ。
桐生とは「桐生チャン」「真島の兄さん」と呼び合う知己の仲で、自分と渡り合える実力者である桐生を気に入っており、自らの手で倒す事に異常な程に執着している。
100億円には興味を示さず、ただ桐生と喧嘩をするためだけに遥を誘拐したりソープにトラックで突っ込んだりと、無軌道な行動で桐生を振り回す。

強烈すぎるキャラクターと声優の怪演により、シリーズ屈指の人気を誇る男。
今でこそナンバリング作品で主人公を務める事もある程の重要人物だが、意外にもリメイク前『1』での出番はプロローグ、吉田バッティングセンターと桃源郷での戦闘のみで、単なるボス敵の一人に近い扱いだった。

『極』では10年のブランクで失われた桐生の強さを取り戻すべく、「どこでも真島」システムによってありとあらゆる場所に出没する。
アイドルになる、ゾンビ化するキャバ嬢になる等やりたい放題を極め、その神出鬼没ぶりはストーカーを通り越して最早怪人。
『0』からシリーズを始めて真島のファンになったプレイヤーがどうしてこうなったと嘆いたとか。

堂島組

元・東城会直系団体。
かつては東城会最強と言われる程の大勢力だったが、1995年時点では小さなビルの一室に事務所を構える程にまで縮小してしまっている。
堂島組長の死後、風間組に吸収され消滅した。

◆堂島宗兵
CV: -

東城会直系堂島組組長。初登場地点で既に故人。
東城会の二代目を支えた大幹部の一人で、桐生と錦山にとっては極道としての親にあたる。
欲しいと思った者は如何なる手段を使ってでも手に入れると言われる程の強欲な人物。
上記の通り一大勢力の長だったが後に失墜し、錦山曰く「過去の威光を振りかざすだけ」の俗物となり果てている。
1995年のある日に由美を気に入り無理やり攫おうとしたため、助けようとした錦山によって自分の事務所で射殺された。
本編の事件には直接関わらないものの、数多くの人生を狂わせた間接的な元凶と言える人物。

桐生の協力者


警視庁捜査四課、通称「マル暴」に属する刑事。
元は捜査一課の所属で、10年前に桐生(実際は錦山)による堂島殺し事件を担当していたが、桐生が犯人でない事に気づき事件を深追いしたため、これを嫌った上層部により四課に異動させられた。
後に家族にも逃げられ、現在は暴力団の事件を追い続けるしがない日々を送っている。
東城会に追われ窮地に陥っていた桐生を救い、消えた100億円と東城会三代目会長暗殺の真相を掴むべく相棒として行動を共にする。

◆麗奈
CV: 三原じゅん子/田中敦子

神室町のクラブ「セレナ」を経営する美人ママ。
桐生と錦山とは十数年来の付き合いで、後に由美が店員として働く様になってからはより親密な関係となっていた。
桐生の帰還後は戻る場所の無い彼に「セレナ」をアジトとして提供してくれる。

◆一輝、ユウヤ
CV: 土田大(一輝)、三宅健太(ユウヤ)

桐生の服役中にできた神室町のホストクラブ「スターダスト」の穏健な店長と情熱的な店員。
みかじめを取らないことで世話になっている風間との繋がりで出所後の桐生に協力する。

サイの花屋
CV: 藤原喜明

西公園の地下に作られた秘密の歓楽街「賽の河原」のボスにして「伝説の情報屋」。
数多くの手下と神室町中に設置された1万台の監視カメラを使って情報を集め、それらを法外な額で売る傍ら、賽の河原でVIP相手の娯楽施設も運営している。
「フェア」である事に拘りを持っており情報をタダで渡す事は無いが、金の持ち合わせが無い場合は代わりに仕事を依頼したりツケにしたりする等、意外と融通が利く人物。
とある一件から桐生を気に入り、情報収集の面で彼をサポートする。

その他登場人物

◆澤村由美
CV: 上村郁子/坂本真綾

かつて「セレナ」でホステスとして働いていた女性。
桐生・錦山とは「ヒマワリ」で共に育った仲で、2人から好意を抱かれていた。
麗奈とも良好な関係を築き幸福な人生を送っていたが、その美貌に目を付けた堂島によって手籠めにするべく攫われる。
錦山が堂島を殺した事で難を逃れるも事件のショックで記憶を失い、挙句桐生が収監されている間に行方をくらませてしまう。
その後10年間行方知れずだったが、東城会の100億円が消えた際に金が入っていた金庫の前に彼女の指輪が落ちていた事で、100億円を盗んだ主犯として東城会から追われる身となる。
記憶を失っている間も「ヒマワリ」には度々訪れており、遥からは「由美お姉ちゃん」と呼ばれ慕われていたが...?

◆美月
CV: ?

遥の母。現在は行方不明。
桐生の刑期中に「セレナ」でホステスとして働いていたが、数年前に自分の店を開くため、突如姿を消してしまう。
後に高級クラブ「アレス」を開店するもその元手には不審点が多く、店の場所もほぼ知られていない。
由美の妹を名乗っているが、当の由美自身は妹の存在を誰にも話したことが無かった。

林弘
CV: 菅田俊

五代目近江連合舎弟頭補佐。
近江の尖兵として遥の確保を命じられた彼との戦いにより、桐生は遥が近江も巻き込んだ事件の渦中にあることを知ることになる。

劉家龍(ラウ・カーロン)
CV: 龍澤慎一

中国大陸系マフィア「蛇華(じゃか)」日本支部のボス。武術の達人。
12年前には堂島組と協力関係にあったが、偽造パスポートの件で揉め事を起こし、当時堂島組の組員だった桐生を攫い拷問にかけた。
嶋野と結託し、神室町のカラーギャングをけしかけて遥の誘拐を画策する。

寺田行雄
CV: 乃村健二

五代目近江連合本部長、兼寺田組組長。
東城会の敵対組織でありながら錦山の後ろ盾となり、錦山組の勢力拡大の一端を担った。
本編では何故か嶋野や劉に遥に関する情報を流すが、その腹の底は依然として計り知れない。




【映像作品】

いずれもゲームの忠実な再現ではなく、本作のキャラクターとストーリーを下地としたオリジナル脚本となっている。

2007年に公開された実写映画。
桐生役は北村一輝。
詳細は該当項目を参照。

  • 龍が如く~Beyond the Game~
2024年10月よりAmazon Prime Videoにて配信予定の実写ドラマ。
桐生役は竹内涼真。


【余談】

  • シリーズのルール
上記の通りかなりバイオレンスな作風のゲームだが、「自分からは喧嘩を売らず、相手に絡まれないと人を殴れない」「違法薬物・子供の死は描写しない」の2つは徹底的に遵守されており、以後のシリーズでも絶対のルールとなっている。
また、本作で桐生は組を破門にさせられたが、それと同じように、自分の所属組織と距離を置いた状態で初めて行動を開始する作品が多いのも特徴。
プロデューサーの名越氏曰く、作品のメッセージ性を守るために敢えて不自由性を設けたとの事。

  • 海外展開
制作当初は海外展開はしない方針だったが後に撤回。
Yakuza」というそのまんますぎるタイトルで英語版が発売され、後に続編も順次ローカライズされた。
なお、PS2版は永らくシリーズ中唯一英語吹替が存在する作品だった。
海外のファンにも好評らしく、これがきっかけで日本固有のヤクザ文化に興味を持つようになった者も少なくないばかりか、中には日本の歌舞伎町を実際に訪れて「ヤクザがいなかった…」とがっかりするマッチョなファンもいたとか。




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最終更新:2025年05月07日 06:10

*1 オープンワールド、フリーローミングとも呼ばれる。プレイヤーがストーリーに縛られる事なく広大な世界を自由に動き回り、探索出来るゲームの通称。

*2 ベスト版を含む。

*3 家庭用ゲーム機向け作としては初となるPS系列以外でのリリースである。

*4 シリーズ全体で見た場合はスピンオフの『クロヒョウ』シリーズがPSPにてリリースされている。

*5 極道組織からの永久追放。

*6 「絶縁」同様極道組織から追放されるが、復帰できる可能性がある。

*7 セリフはあるがオリジナル版・『極』共に声優の情報が無いため不明。