登録日:2009/05/27 Wed 15:16:57
更新日:2025/09/20 Sat 16:21:52NEW!
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『零〜紅い蝶〜』(英:Fatal Frame Ⅱ Crimson Butterfly/PROJECT ZERO Ⅱ CRIMSON BUTTERFLY)は、2003年11月27日に発売されたTECMO(現コーエーテクモゲームス)が
PS2にて展開していた和風ホラーゲーム『零』シリーズの第二作目。
タイトル通り紅に染められたメインビジュアルとパッケージ。
余りにも世界観にハマりすぎたメインテーマ曲の存在や主人公が可憐な双子の少女など、多くの部分で人目を惹きつける要素が多く、シリーズでも別格的な人気を誇る。
2004年11月にはXboxにて追加要素を加えた『FATAL FRAME』Ⅱ CRIMSON BUTTERFLY DIRECTORS CUT』が発売されている。
【概要】
広大とはいえ一つの日本家屋が探索対象だった前作に対し、今回の舞台は廃村全体となっており探索する廃屋も複数が存在している。
探索する廃屋は屋敷毎に構造はもちろん、謎解きのためのギミックも違っているのが特徴。……当然のように屋敷毎に怨霊の顔ぶれも変わるのでプレイヤーを飽きさせることがない。
前作の時点でシステム周りは多くのアイディアが盛り込まれていたが、今作では方向性を引き継ぎつつ更にブラッシュアップされたのが特徴。
戦闘時に有用な特殊ショットが、前作では貴重な消費アイテムを用いなければならず、結果的に使い渋りをする羽目になったプレイヤーも少くなかったのに対して、
今作では霊を攻撃した時に自動的にチャージされるパワーを消費して行うようになったため、消費ポイントを回収しながら戦うことが出来るようになった&折角の特殊ショットも遠慮なく使っていけるようになったのも特徴。
前作では控え目だったクリア後のコスプレ要素も今作では主人公が美人姉妹ということもあってか大幅に増加。……何ともTECMOらしい要素だが、膨大なポイントを必要とするので全て手に入れるのはキツいかもしれない……。
尚、コスチュームを変えるとちゃんとイベントシーンに反映されるので収集意欲を刺激される。
ゴスロリやレザー衣装では細かなメイクにも注目だ。
前述の通りで、初期三部作どころかTECMOの手を離れた後の『零』シリーズを含めた全体の中でも特にというか別格的な人気と知名度を誇る。
2012年6月には
Wiiで本作のリメイク版となる『零〜眞紅の蝶〜』が
任天堂から発売された。
そして、2025年には都合2度目となる再リメイクが発表された。
また、本作のメインテーマ曲として付けられた天野月子(現:天野月)によるテーマソング『蝶』も、ゲームの内容と共に大きな話題を集めた。
ゲームとつっこさん双方の知名度を大きく上げると共に、以降の『零』シリーズでもつっこさんのテーマソングが付き物と(期待されるように)になっていった。
【あらすじ】
双子の姉妹、天倉 澪と天倉 繭は、幼い頃の数年間を過ごした故郷がダムに沈んでしまうことを知って、二人で沢遊びに来ていた。
しかし、繭が突然現れた紅い蝶に導かれるように歩いていってしまい、澪は慌てて繭を追い、森の中へ入っていく。
いつの間にか周囲は夜の闇に包まれており、繭を見つけた澪はやがて山奥の廃村に迷い込む。
そこは何十年も前に災厄に見まわれ一夜にして地図から消えてしまった村・皆神村だった。
【主な登場人物】
・天倉 澪
(声:
神田朱未)
今作の主人公。
スパッツな妹。
繭の双子の妹であり明るく活発な性格。
幼少時に繭が足を怪我してしまったのが自分の責任だと思い込み、常に繭の事を気にかけている。
霊感はあるが、繭ほどではない。
名字こそ違うが、射影機の開発者である麻生博士の子孫でもある。
・天倉 繭
(声:
川澄綾子)
澪の双子の姉。
ひかえめでおとなしい性格。霊感が強く、霊に対して耐性を持っていないため取り込まれやすい。
中盤以降は生きてるのに霊リストに入ったりする。
幼少時に山道から滑り落ちた事が原因で右足が不自由。よく妹に置いてかれる。
Hardでは繭の澪に対する心情を聞く事が出来る。
詳細は
個別項目も参照。
・黒澤 八重
紗重の双子の姉。
儀式を行う直前に紗重と共に逃げ出すが紗重が村人に捕まり、八重は自分だけが助かったことや村が消えたことのショックで記憶を失った。
あれ?
どこかで名前を見たような…
・黒澤 紗重
恐すぎる
ヤンデレな妹。
八重に置いて行かれたと思い込み、誤った儀式や彼女の憎悪や悲しみで儀式は失敗する事となる。
彼女との鬼ごっこは恐すぎるの一言。
生前は樹月に好意を寄せていた様子。浮遊霊としても時々登場。
詳細は
個別項目も参照。
・立花 樹月
(声:
保志総一朗)
弟の睦月と儀式を行ったが、睦月を想う心が強すぎたため儀式は失敗してしまい、ショックで髪が白くなってしまう。
自分たちが味わった悲劇を八重と紗重に味わってほしくないために脱出を教唆して蔵に幽閉された。
物語が行き詰まったらヒントをくれる優しい方。
頭は良さそうだが八重と澪を間違えてる。何故か浮遊霊登録される。
ネタバレすると、樹月には迷い込んできた澪と繭にそれぞれに取り憑いた八重と紗重の姿が視えているため。姉妹が入れ替わっているのは村が存在していた当時は双子の順番が後に生まれた方を“姉”としていた時代だったためである。浮遊霊として撮影できてしまうのは……まぁ察して。
・立花 睦月
本編では出番は無いが千歳が言うには良い人。でも千歳は樹月おにいちゃんの方が好きっぽそう。
生前は身体が弱かった様子。地縛霊としては登場する。カッコいい。
・立花 千歳
(声:米本千珠)
素晴らしすぎる妹。
樹月と睦月の妹で紅い蝶…いやホラゲーの中でも一二を争う最強の萌キャラ。
いつもは人見知りの為押し入れに隠れてるがたまに出て来る。出てくるときは鈴の音が鳴る。
呪ではなく萌で殺す恐ろしく可愛い娘。
周囲を暗闇にする能力を持つ。
彼女のいる部屋は強力な強化レンズがあるため、取ったら戻るというプレイヤーが続出。浮遊霊としても登場。
詳細は
個別項目も参照。
・桐生 茜
黒澤姉妹や立花兄弟より更に昔に儀式を行った「双子巫女」の片割れであり、儀式を終えて現世に残った「鬼隻」の少女。
儀式によって妹が常世へ渡ったことで精神を病み、人形師であった父・善達(声:筈見純)が作った等身大のお人形を妹と思い込むようになる。
紗重らが儀式を行う番が回ってきた時には、既に一族は滅んで空き家になっていた。
声が低くて口がキモい。
・桐生 薊
黒澤姉妹や立花兄弟より更に昔に儀式を行った「双子巫女」の片割れであり、儀式を終えて常世へ旅立ったはずの少女。
父・善達は残された茜が心を病んだことを憂い、薊を模した等身大の人形を作って茜に寄り添わせるが、その人形にはいつしか悪霊が宿り、躯と化してしまった。
声が高く攻撃時に首を傾けるのが薊の人形、声が低い方が茜の霊(本体)のため、戦闘では声が低い方を探せば簡単に倒せる。
作中では人形とは別に、本人の霊も登場し、人形を壊すよう懇願して回っている。
・黒澤 良寛
(声:有本欽隆)
黒澤家当主紅贄祭の祭主であり八重と紗絵の父親。
過去に彼自身も儀式で弟を失っており、村のためなら非情な選択もやむを得ないと考えているが、紗重と八重に対する愛情と罪悪感はあった様子。
・宗方 良蔵
真壁の弟子。
樹月と睦月とは親友で、八重と紗重を逃がしてやって欲しいと頼まれており、忠告に従い大償の時は村を離れていたので難を逃れ、消えた村の跡にいた八重を保護した。
はて?
どこかで名前を見たような…。
・真壁 清次郎
(声:有本欽隆)
村の祭りを調べに来た民俗学者。
村の調査に役立つと考え、友人である麻生博士から射影機と霊石
ラジオなどを借り受けていた。これが澪たちの脱出にかなり役立った。
実は村に招き入れられたのは儀式までの時間稼ぎとなる生贄の楔とするためで、姉妹から脱出を手ほどきされていたのに学術的興味心から居残り命を無駄にした人。
その結果、儀式の失敗により凶悪な怨霊「禊」として黄泉帰り、闇と共に村を滅ぼした。
浮遊霊では生前の姿と禊が登場する。
・槇村 真澄
ダムの作業に訪れた作業員で、行方不明になってしまう。
2周目以降は彼の頑張りを追うことができるが、村を調査しいいところまで行くものの黒澤家にて縄の男(楔)に切り刻まれ死去。怨霊となる。
地縛霊、浮遊霊としても登場。
・須堂 美也子
今回の初戦霊。
真澄の恋人で彼の身を案じ、一人山奥に足を踏み入れてしまうある意味ヤバい人。
再会は叶ったものの足を痛めたため逢坂家で真澄を待っていたが、怨霊となって帰ってきた彼に絞殺される。
地縛霊、浮遊霊としても登場。
・暮羽
(声:
田中理恵)
眞紅の蝶の新キャラ。
村の外れにある暮羽神社の巫女で、長い白髪が印象的な美女。
双子の姉妹が死産だったため、生まれながらに「鬼隻」となっており、ほとんどの感情を失い、
死後の世界への憧れを見せる。
本編でも浮遊霊として登場するが、
お化け屋敷の案内が主な仕事。
・村人
たくさん出てくる。
男は竿、鎌、松明や切り刻まれてるやつ、女は体ブリッジ、切り刻まれてる、首折れてるやつなど様々。
・横切る子供 走り去る子供
4章布の廊下に登場する浮遊霊。撮る難しさはこの作品どころかシリーズ屈指の難しさを誇る。
・鬼ごっこをする少年・少女
物語のサブイベント度々登場。三人で襲いかかってくるため人によっては
ラスボス以上の強さを誇る。
笑い声が非常に怖い浮遊霊としても度々登場。
【用語解説】
◆皆神村
本作の舞台となる、闇に閉ざされた古びた村。
◆双子巫女
かつて皆神村にて行われていた神事、紅贄祭の主体となっていた存在。
必ずしも女性である必要はなく、男性が務める場合は「双子巫子」と表記される。
その名の通り双子であることが前提条件であり、白い着物に映える紅い帯締めの紐が特徴的。
行われる儀式も結末も前作に負けず劣らずの鬼畜の所業である。
◆鬼隻
紅贄祭を終えた「双子巫女」の片割れ、現世に残った姉(兄)のことを指す。
◆大償
皆神村が永遠に開けない夜の中に閉じ込められる原因となった災厄。
◆虚
皆神村において、その名を口にしたり文字に残したりすることすら禁忌とされていた、隠された場所。
そのため文章では「×」と伏せ字にされている。
その正体は、黄泉(死者)の国へと繋がる深く巨大な穴。
前作の「黄泉の門」のように門の形をしているわけではないものの、「黄泉との境界」という意味では紛れもなく「黄泉の門」と呼べる存在である。
◆紅贄祭
黄泉との境界である「虚」を鎮めるために執り行われていた神事。
その内容とは、姉(兄)が妹(弟)の首を絞めて殺害し、その亡骸を「虚」に投じるというもの。
皆神村では、双子という存在は「本来一人の人間として生まれてくるはずであった魂が二つの肉体に分かれて生まれたもの」とされており、「二つに分かれた体が一つに合わさるとき、双子に神の子としての力が生じる」として双子を巫女(巫子)とした紅贄祭が執り行われていた。
また、今作にてシンボル的に扱われる紅い蝶は、常世に渡った双子の片割れの魂が現世に現れる際の姿であると同時に、姉(兄)が妹(弟)の首を絞めることで、妹(弟)の亡骸に残った両手の跡、つまり扼殺痕のメタファーでもある。
だが、現世に残る「鬼隻」としての役割を負わされた姉(兄)にとって、もう一人の自分であり生まれ落ちてから同じ時間を過ごしてきた最愛の存在を自らの手で殺すという行為は精神的な負担が大きく、前述のように桐生家の茜と薊の場合は儀式こそ成功したものの茜は心を壊してしまい、立花家の樹月と睦月の時には余りにも樹月の弟への想いが強過ぎたのか、殺すことには出来たが儀式は失敗するという結末を迎えている。
ただし、儀式上の理屈としては上記の通りで、儀式の成功によって双子の魂が永遠に一つになる=二度と離れることがなくなったという解釈であり、人としての生を終えた側も紅い蝶として舞い上がり自由になったとするものとなる。
【エンディング】
- 紅い蝶(ノーマルエンド)
- 虚(アナザーエンド)
- マヨイガ(途中離脱エンド)
- 約束(箱版追加エンド)
- 凍蝶(眞紅追加エンド)
- 陰祭(眞紅追加エンド)
紅い蝶では難易度がエンディングの分岐条件だったが、
眞紅の蝶では、①村の特定のスポット全てを繭と共に訪れイベントを起こす、②
ラスボスの倒し方で分岐するようになり、イージーでもどのエンディングでも見ることが可能になった。
ちなみに事前情報無しの場合、紅い蝶エンドか約束エンドに分岐しやすい。
EDテーマ曲は、天野月子が歌う「蝶」。
つっこさん直々に書き下ろしたという歌詞は本編の内容を完全にトレースしており、
情念たっぷりにこぼれるように叫ぶように響く歌声は、ラストシーンで放心状態のプレイヤーの精神にトドメを刺す。
【眞紅の蝶での変更点】
月蝕でもあったシステムで、ボタンを押し続けて触らないとアイテムを拾ったりできない。
ランダムで触っている最中にゴーストハンドがつかみかかりダメージを受ける。
ゴーストハンドにつかみかかられる前に触るのを止めれば回避できる。
ただし戦闘中に一緒にシャッターを切る程度。
倒された怨霊がパワーアップして復活するシステム。
雑魚はランダム、ボスは最終戦で必ず闇帰りし、体から紫色のオーラが立ち上り攻撃が激しくなる。
ただしオーラのせいで居場所が分かりやすい、積極的に攻撃するので攻撃のタイミングが取りやすいなどの利点もある。
ステージを歩いて抜けるミニゲーム。
リモコンの動きに対してビビリポイントが蓄積され、クリア後にビビリポイントやステージ中の行動に応じて暮羽が評価してくれる。
ステージごとに、霊を撮影する、人形を取るなどのノルマがあるものもあり、ビビリポイントを規定以上溜める、後ろから追いかけてくる霊に捕まるなどで
ゲームオーバーになる。
ぶっちゃけ自分でやるより、素人さんにやらせてそのリアクションを楽しむ方が楽しいかも。
前作の『蝶』から新曲『くれなゐ』に変更された。
同じく天野月が歌う相変わらずの名曲だが、歌と映像のマッチが絶妙だった紅い蝶エンドでは「蝶が良かった」との声も聞かれる。
しかし、新エンドでは好評の声も多い。
追記・修正お願いします。
- 樹月は八重と澪を間違えてるんじゃなくて、正確には澪にとりついた八重に話しかけてるらしい。 -- 暮羽 (2014-03-22 21:46:18)
- くれなゐも良い曲だよね -- 名無しさん (2014-03-22 23:14:51)
- 新規追加EDの感想が最高のBADENDと最低のGOODENDって評価には非常に納得したわ -- 名無しさん (2014-03-23 01:17:31)
- 姉ちゃんと仲深めたらBADになるってどういうことなの…… -- 名無しさん (2014-10-04 00:23:19)
- 眞紅の蝶は年齢が変更されたらしい -- 名無しさん (2015-08-05 23:08:22)
- 彩斗兄さんが悪属性ではないが闇(病み)属性だった場合、こんな感じになってたのかなあ…… -- 名無しさん (2024-07-17 19:43:35)
- 眞紅の蝶の現行機への移植待ってるんだけどまだなのかな? -- 名無しさん (2024-10-20 17:58:22)
- 2度目のリメイクか -- 名無しさん (2025-09-13 02:13:15)
- 眞紅の追加エンディングは続投して欲しいなあ -- 名無しさん (2025-09-13 06:22:50)
最終更新:2025年09月20日 16:21