オリーブオイル

登録日:2012/02/21 Tue 18:26:12
更新日:2025/10/04 Sat 14:45:54
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オリーブオイルとは、オリーブの果実を圧搾すると取れる植物油もこみちである。


【概要】

食用のほか、化粧品、薬品、石鹸等の原料となる。実際に日本薬局方にも蜂蜜と同じく処方薬として「オリブ油」の名前で登録されている。
また、キリスト教(カトリック)の信者が臨終の床にあるときに司祭から施される儀式「病者の塗油」にも用いられる。


【主な生産地・消費地や違いなど】

特に地中海沿岸地域で多く生産・消費される。
主な産地としては真っ先にイタリアやもこみちを思い浮かべると思うが、「オリーブオイル=もこみち」……じゃない「オリーブオイル=イタリア」の図式になる理由は、同国が長年ド派手な宣伝を行い、市場を支配してきたから。
ただイタリア以外にも安価で品質の良いオリーブオイルはある。ギリシャ、フランス、スペイン、トルコ、チリetc……。
なお消費量世界一はギリシャ。消費量日本人一はもこみち。

一口にオリーブといっても国や地域によって栽培する品種が異なり、品質や風味が違うし年によって当たりはずれがある。
また、同じ国でも地方ごとの気候により味が違う。わかりやすいのはイタリア。まあワインと一緒ですな。しかし超高級ワインのように寝かせても味はよくならない。というか劣化していくだけなので、賞味期限までに使いきろう。


【我が国においての受容】

一般のスーパーでの品揃えはさほど良いとは言えないが、通販ならば「もこみちか!」とつぶやきたくなるくらい検索に引っかかるだろう。
また、デパート等のイベントで開催されるイタリア展ではオリーブオイルの試食ができる。生ハムもワインもチーズもうまいよ!


【健康に良いとされる理由と注意点】

油ゆえ健康に悪いイメージを持たれがちだが、オリーブオイルの80%を占めるオレイン酸にはメタボリックシンドローム等の生活習慣病を予防する効果がある。逆に様々な生活習慣病を引き起こすリノール酸等の飽和脂肪酸は少ない。
実際に昔からオリーブオイルを大量に使う食習慣を持つギリシャの人々の心臓病の発生率は、他の欧米諸国の約1/3というデータがある。
もちろん油なのでカロリーは高いが、食事制限者が健康的にカロリーを摂取する手段として、多くの医師や団体から推奨されている。

……しかしいくら油脂の中では比較的ヘルシーといえど、結局は油。前述のように心臓病発生率を抑えるというメリットはあっても、地中海周辺地域では中年男性の肥満率が非常に高く、やはりオリーブオイルの使いすぎが原因の一つに数えられている。
また日本人の身体は油を多量に摂る生活には向いておらず、人によってはお腹を壊すので、自分にあった量や質のものを適量使いましょう。


【使い方】


  • パンに塗る、つける
オリーブオイルの味がわかりやすい。

  • 焼いた肉や魚に軽くだばー

  • 食材をスパイスやにんにく、ハーブ等と一緒に漬ける
オイル漬け。漬けるのは野菜、肉、魚、チーズ、豆腐など何でもアリ。漬けダレは料理に使うもヨシ。
ただし保存食ではあるが、水分の多い食材は早めに食べよう。

  • トマト&モッツァレラチーズにかけて塩と黒胡椒をパッパッ
カプレーゼ。バジルも忘れずに。

  • 酢と塩胡椒を混ぜてサラダにだばんば
いわゆるドレッシング。レモン汁やバルサミコ酢もブレンドしちゃった日には美味しさ爆上がり。
塩胡椒の代わりにクレイジーソルトでも手軽でうまい。

熱したオリーブオイルににんにくのスライスと唐辛子を投入、香りが出たら茹でておいたパスタを軽く絡ませてできあがりーの。シンプル故に作り手の腕が問われる料理。
なおパスタの本場、イタリアでの別名は「絶望のスパゲッティ」「貧乏のスパゲッティ」「涙の素パスタ」。理由は具が入っていないから。レストランで頼むと可哀想な人扱いされる。真の貧乏パスタはパスタ+クレイジーソルトらしい。

  • オリーブオイルとニンニクと唐辛子で具材をグツグツ
具材は海老、チーズ、キノコなど。スペイン料理ではアヒージョと呼ばれる。オイルをパンにつけて食べるのを忘れずに。
干しタラなどゼラチン質のある具材をグツグツさせないように煮てクリーミーに仕上げるとピルピル。

  • 刺身を並べて塩胡椒ふってレモン汁かけてから回しかける
カルパッチョと呼ばれる。オリーブオイルよりレモン汁を先にかけると臭みが和らぐ。

  • 鍋に具材とオリーブオイルと塩を入れて蒸す
オイル蒸しと呼ばれる。
具材は野菜、肉、魚なんでもよい。素材の甘味と旨味を引き出してくれる。

  • 料理の香り付けにたらり
間違ってはいないが、やりすぎるともこみちになる。

  • 生卵をのせたご飯にひとまわし
洋風卵かけご飯。味付けは醤油、黒胡椒、粉チーズなどをお好みで。
オリーブオイルが生卵特有の香りを和らげてくれる。

  • お米を炊くときにちょこっと入れる
お米がコーティングされてツヤツヤになる。なお香りは気にならない。
おにぎりを作る時もご飯にオリーブオイルを混ぜると時間が経ってもパサつかずもっちりした食感が続く。


【テイスティング】


パンにつけて食べるのもいいが、もっと深くハマりたい場合は少量をグラスに注ぎ、手で軽く温めて飲む。
個性を知るには6種類ほど揃え、口の中を整える為に水か林檎のスライスを用意する。
フルーティ、ほろ苦さ、スパイスな風味、林檎のような香り……等々。

テイスティングの際は、無理に気取らずまずかったら素直にまずいと言おう。全てが美味なわけではないのだから。
オリーブオイルはワインともこみち並に奥深いのだ。


【ランク】

★ピュア
オリーブオイルを精製し、香りや味の少ない「油」の状態にしたもの。
オリーブオイルらしさは少ないが、逆に言えばサラダ油のように普通に油として使っても癖が少ない。
エクストラヴァージンオイルの香りは加熱すると飛んでしまい勿体ないので、加熱前提ならこちらでもいい。

★ブレンドしたエクストラヴァージン
毎年同じ味になるよう調整されたオイル。
ブレンドもののエクス(ryでもっとも価値があるのはスペイン産のようだが、好みによるので一概にそうだと言い切れない。

★エクストラヴァージンオイル
最高級のものは実を手摘みし、搾油する。単一の畑のオリーブだけでつくる場合が殆ど。
なお加熱調理に使うとせっかくの品質が無駄になる。
加熱料理には仕上げに使い、料理の熱で立ち上る香りを楽しむ。

ていうか調味料扱いでOK。



追記・修正の仕上げは、オリーブオイルでお願いします。

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最終更新:2025年10月04日 14:45