登録日:2009/11/16(月) 19:43:19
更新日:2025/04/03 Thu 22:02:56
所要時間:約 6 分で読めます
装甲悪鬼村正の世界で古来より戦場を支配した最強の兵器。
読んで字の如く甲冑であるが、太刀などの武装も含んで云う。
戦となれば着用者たる仕手の身体を鎧で覆い、超常の力を行使する武者となる。
着用者たる仕手(して)の熱量(カロリー)を消費し、生身とは比べ物にならぬ剛力を発揮し、
背中に装備された合当理(がったり)という所謂
ジェットエンジン(数打はプロペラ)のような物と揚力を生み出す翼である母衣(ほろ)で飛行すらも可能。
武者の飛行は『騎航』と言い劒冑の着用は『装甲』と言う。
仕手は己の技量で劒冑の力を駆使し、戦神のごとき力を発揮する。
拳銃程度の銃弾は重厚な甲冑に阻まれ、生身で接近戦を挑もうものなら肉体が反応できない速度で切り伏せられる。
生身と比較するならば蟻と戦車…比べてはならないレベルである。
劒冑を倒し得るのは同じく劒冑のみ。
作品世界での戦闘といえば劒冑同士の戦いであり、劒冑同士の空中格闘戦や剣技による一騎打ちは『装甲悪鬼村正』における醍醐味である。
また作品世界における剣術などの流派では、劒冑の扱いを主眼におかれるのが一般的なようだ。
主人公
湊斗景明の湊斗家に伝わる
吉野流や柳生常闇斉の新陰流六波羅派など。
製法によって大きく二通りに分けられ、旧型を『真打(しんうち)』、新型を『数打(かずうち)』と。西洋ではそれぞれ『ブラッドクルス』『レッドクルス』と呼ぶ。
また、装甲競技(アーマーレース)と呼ばれる劍冑を使ったレースに使用される『レーサークルス』も存在する。
こちらは拳銃でも損傷を負う程の軽装甲だが真打に匹敵、あるいは上回るほどの速さと運動性を備えている。
【真打劒冑/ブラッドクルス】
古来の製法によって造られた劒冑。鍛冶師が自らの肉体を最後の素材として打ち込めることで完成する。
完成=製作者死亡、となるため、量産出来ない大変貴重な代物(鋳造途中に製作者が命を落としてしまうことも少なく無い)。
着用者の身体機能の強化に加え、自己修復機能を持ち、数打とは比較にならない戦闘力を持つ。
特に業物と呼ばれる逸品は超常の能力『陰義(しのぎ)』を使うことが出来る。
真打劒冑には製作者である鍛冶師の人格が宿り、OSとして着用者のサポートを行う。このOSは機械的なものだが稀に生前の人間性を色濃く残しているものもある。
待機状態も個体毎に形状が異なり、中には独立行動する能力を持つものもある。
ちなみに真打の名称は実在の武具からつけられており、その能力や設定にもその武具の逸話などが盛り込まれている。
○主な真打劒冑/ブラッドクルス
●
村正
攻撃力:4 防御力:4
速度:2 運動性:3
仕手:湊斗景明
陰義:磁力制御
独立形態:蜘蛛
「鬼に逢うては鬼を斬る。仏に逢うては仏を斬る。ツルギの理ここに在り」
『善悪相殺』の呪いがかかった真紅の妖甲。正式名は三世右衛門尉村正。
陰義である磁力制御は応用力が高く、相手を吹き飛ばしたり、自らを加速させたり、
バリアの役割も果たす。
必殺技は磁力の反発を利用した光速の斬撃『電磁抜刀(
レールガン)』。
●
正宗
攻撃力:3 防御力:5
速度:2 運動性:3
仕手:
綾弥一条
陰義:因果覿面
独立形態:カミキリムシ
「世に鬼あらば鬼を断つ。世に悪あらば悪を断つ。ツルギの理ここに在り」
藍色の劒冑。正式名は相州五郎入道正宗。
正義を体現するために造られたが、あまりに壮厳な姿から天下一名物と讃えられ、一度も使われることなく死蔵される。
陰義は、受けた陰義をそのまま相手に返す『因果覿面』。性質上、陰義を真正面から受けないといけないドM仕様。
陰義とは別に正宗七機巧と呼ばれる陰義に匹敵する武装を備えるが、これまた仕手にもダメージがいくドM仕様。
●ウィリアム・バロウズ
攻撃力:3 防御力:3
速度:4 運動性:3
仕手:大鳥香奈枝
陰義:自在操作矢
独立形態:コントラバス
盾と一体化した石弓を装備した弓兵のブラッドクルス。弓聖ウィリアム・テルを模して造られた贋作だが、基本性能は本物と同格。
贋作弓聖の蔑称で呼ばれる所以は陰義にある。詳しくは「
テルの矢は決して林檎に届かない」を参照。
他の真打は装甲時に一連の台詞を合言葉として言うが、バロウズだけは演奏することで装甲する特殊な仕様。
○六波羅
●髭切
陰義:不明
独立形態:馬
源氏の長の証として受け継がれてきた真打劔冑。
バランスのとれた性能を持つ。
●膝丸
陰義:不明
独立形態:馬
髭切と並び名物として源氏に伝わる兄弟騎。
色と立物以外は髭切と同じ外見であり、髭切が傷を受けると同じ場所に痣が現れるとも言われている。
身体強化等に優れ
仕手の技量も相まって化け物じみた強さを発揮する。
●銘伏
陰義:自己隠蔽
独立形態:七節
無銘の真打劔冑。
代々影働きに用いられてきたもので黒い装甲とボロ布が特徴。
●九州肥後同田貫藤原正国
陰義:
火炎放射
独立形態:陸亀
槍を主兵装とする珍しい一品で強固な装甲を持つ。
ガメラ。
●荒覇吐
陰義:熱量吸収
独立形態:‐
竜騎兵用の強化外装。
発掘された巨大な真打劔冑をベースに六波羅の研究者が改造を施し製作された。
発振砲を始め各部に多数の武装が配され圧倒的な攻撃力と防御力を持つが、その運用には外部からの電力と仕手以外からの熱量供給が欠かせない。
○GHQ
●アスカロンⅦ
陰義:不明
独立形態:黄金の鞘
GHQ所属のブラッドクルス。"竜殺し"の剣を模した英国王室製の業物。
○その他
●
井上真改
陰義:液体操作
独立形態:百足
GHQに接収された劒冑の一つ。かつては天皇の蔵に置かれたこともある名甲。
●
月山従三位
陰義:霧隠れの術
独立形態:猿
GHQに接収された劒冑の一つ。現存する中でも最古の部類に入る。
●
"ニッカリ"青江貞次
陰義:幻覚
独立形態:蛾
GHQに接収された劒冑の一つ。
ニヤついたような頭部を持つ、青江一門が稀に打ち出す仕手を
殺人鬼に変える劔冑。
●
黒瀬童子
陰義:不明
独立形態:不明
岡田家に伝わる由緒正しい劒冑。
●バートリィ
陰義:吸血
独立形態:手袋
かつてトランシルバニアにいた美しい貴婦人のため、ドゥルコという鍛冶師が作り上げた「貴婦人のための劒冑」。
そもそも装甲すら持たず変形もしないという異例の劒冑であり、基本性能は皆無だがその分陰義の性能に特化しており
武者の装甲も完全に無視して相手の血液を吸い取り、生命力を仕手に還元する能力を持つ。
●村雨
陰義:不明
独立形態:犬
瀧澤琴乃が鍛造した真打劒冑。大和劒冑、ブラッドクルス、レーサークルスなど様々な劒冑のエッセンスを含んだ世界最新の真打。
主武装は右腕に接続された大槌。
●ウィリアム・テル
陰義:矢の自在操作
独立形態:コントラバス
シュヴィーツ国宝と名高いブラッドクルス。
「放った矢が仕手の視線を追う陰義」により必中必殺の魔弾を放つ”弓聖”。
バロウズのオリジナルであり頭部の形状以外は外見上の差異は無い。
●
始祖村正
陰義:磁力制御/基素操作
独立形態:甲虫
南北朝末期に鍛造された初代村正の劒冑。
【数打劒冑/レッドクルス】
近代に入って発明された、能力の統制を機械式計算機で行うタイプの劒冑。
鍛冶師の生命を消費しないので量産が可能である(とはいえ一領作るだけでも莫大な資金が掛かる)。
その能力は真打ほどではないにせよ、他のあらゆる兵器を圧倒するに充分であり、現在はこちらが軍事用劒冑の主力となっている。
規格化されたタイプが殆どだが中には製作者の頭がどうかしているとしか思えない代物もチラホラ。
本編の前後から技術進歩によってその性能は真打に追いつきつつある。
レーサークルスもこちらに属するが競技用という特性上スピードが重視されることから装甲を限界近くまで削っているため戦闘能力は軍用に遠く及ばない。
○六波羅
●竜騎兵甲 八八式
独立形態:単輪
自動車(モノ
バイク)
六波羅の前世代主力騎。丸みを帯びた装甲が特徴。
既に旧式となりつつあるが一部の将校は使用を続けている。
●竜騎兵甲 九〇式
独立形態:単輪自動車
六波羅の現行主力騎。
八八式に比べると関節部の露出は少ないが運動性を確保するため全体の装甲が薄くなっている。
●竜騎兵甲 九四式
独立形態:単輪自動車
六波羅の新世代主力騎。
新世代の避弾経始を元に装甲を傾斜させると共に合当理の熱量圧縮効率を高めたことで装甲の厚さを保ったまま運動性も確保に成功している。
●竜騎兵甲 零零式
独立形態:単輪自動車
六波羅の開発した最新鋭数打。
色以外の本体デザインや性能は九四式と同じだが、極低度の金打声を発振し目標を瞬時に加熱・燃焼する発振砲(ヴァイドロカノン)を装備している。
○GHQ
●ST-05 ワーウルフ
独立形態:二輪自動車(モーターバイク)
GHQで制式採用しているレッドクルス。
格闘戦を主眼に高い機動力を誇る。
●GR-03ガルム
独立形態:軽量自動車(バギーカー)
GHQで制式採用しているレッドクルス。
対地制圧を主眼に厚めの装甲を持つ。
●GR-08 トロール
独立形態:軽量自動車
GHQが制式採用しているレッドクルス。
ガルムの進化系とされる。
●ST-09 ユーウォーキー
独立形態:二輪自動車
GHQで制式採用されている最新式レッドクルス。
高度な隠身甲鉄能力を持つことから「ステルスドラコ」と呼称される。
基本性能が高く、部分的には真打にも匹敵する。
○レーサークルス
●アベンジ
田村甲業ワークスチームが製作したレーサークルス。
「逆襲」の名とレーサークルスの中でも特異で曲線的なボディを持つ。
他のレーサークルス同様装甲は紙同然だが加速性に優れる。
「フハハハハハ!こんなこともあろうかと、誰でも追記・修正が出来るようにしておいたのだ!」
- 村雨の陰義は氷じゃなかったっけか。 -- 名無しさん (2014-12-18 18:02:30)
- 数打が分からぬ。素材を用いずにOSに機械演算を用いる必要が有るのだろうか…… -- 名無しさん (2015-10-05 20:12:35)
- 宇宙編だと量産型銀星号とか出てきた -- 名無しさん (2016-09-25 15:36:23)
- この世界で人工知能や疑似人格の研究が発展したら、より真打に近い特性を持つ数打が現れ出すようになったり、「真打と同等かそれ以上の能力を発揮できる劔冑用人工知能が現れたことを境に“ヒトの心”の定義の論争が激化する」なんてことも起こりうるかもしれないんだろうか……? -- 名無しさん (2022-01-03 20:28:28)
最終更新:2025年04月03日 22:02