ピトフーイ(鳥)

登録日:2012/04/20 Fri 12:03:40
更新日:2024/07/09 Tue 23:00:33
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「おいたん、ピトだお」




ピトフーイとはスズメ目に属するとあるグループの鳥の総称である。現在6種が確認されている。亜種含めると20種程。
体長は大体大人の拳くらい。
尚、ピトフーイはニューギニアにしか生息しておらず、大体ジャングルの中にいる。




概要


一般的にピトフーイというと和名『ズグロモリモズ』(英名『フーディド・ピトフーイ)を指す。じゃあ、あだ名はフーディン…いや、何でもない。
てかあいつは間違いなくコイツの天敵だし
真っ赤な体毛が特徴である。可愛い。

雑食性で虫とかも食べる。

…と、ここまでなら単にレアな鳥だが、コイツにはがある。しかも最強クラスの。

ピトフーイの仲間6種のうち1種を除くと全て毒持ちで、その中でもズグロモリモズが最も毒性が強く、一般的にピトフーイと言えばズグロモリモズがあたる。

毒性がある鳥は確認されている中ではピトフーイとズアオチメドリという別の種類の鳥だけで、どっちもニューギニアにしか生息していない。



◆毒性

毒性は生物界でも最強クラス
毒はホモバトラコトキシンで、神経を麻痺させる作用と筋肉を急速に収縮させる作用を持つ。
毒の強さは青酸カリの4800倍で、神経毒かつ心臓毒。人間は死ぬ。フフフフーイ。

ホモバトラコトキシンはアルカロイド*1のひとつで、低分子量の猛毒。

ヤドクガエル類最強の毒を持つモウドクフキヤガエルが持つバトラコトキシンとよく似た分子構造の化合物で、
ネット上では両者が混同されていることも多くはっきりした情報がない。

ただいずれにしても同等の毒性を持っていることは間違いないらしく、その毒性は少なくともフグ毒の4倍以上

参考までにマウスへの皮下注射でのLD50値だとフグ毒が11.5μg/kgだが、モウドクフキヤガエルのバトラコトキシンは2μg/kgなので約5〜6倍の強さを持つ。


毒を含む部位は羽根や皮膚の部分で、要は触れたらアウト。

だが、本人には積極的に毒を注入する能力はなく、この毒はあくまで外敵や寄生虫などに対する護身用のものなので、
見つけてもコイツみたいに能動的に狩にこない分、毒持ちのなかではまだ安全な方である。


尚、ピトフーイ自体が発見されたのは1830年で、毒を持つことがわかったのはそれから160年後の1990年だった。















うぐっ! 熱いっ!








舌が焼ける! 鼻が、口が痺れるっ!


という出来事があったかは分からないが、毒があると判明したのはニューギニアのジャングルを調査していた調査団の一人が、
ピトフーイの羽毛を舌に乗せたところ、一瞬にして「くしゃみ」や口と鼻の粘膜の「麻痺」、更に「灼熱感」等の症状を覚えたことがきっかけ

なぜ乗せたし


毒が判明した後は、この毒は元から持っていたのかと学者の間では議論となったが、後々にエサとしている甲虫に同種の毒を含有していた事が判明し、エサから蓄積している事に至った。




ピトフーイと二次元


  • 黒甜瑣語
江戸時代の随筆『黒甜瑣語』には、矢で射られた紅い鳥が池に落ち、
男がそれをとろうと池に入ったら男はたちまち死んでしまい、男の亡骸を引き上げようとした者も三人までが同じように死に
死んだと思われた紅い鳥は生きていてまた何処かへ飛んでいったという話があるが、この紅い鳥がフーイのことかは不明である。

  • 中国の伝承
毒蛇を食べるために自らも毒を帯びた鴆(ちん)という鳥がいるとされるが、それがフーイのことかは不明である。
ぬらりひょんの孫』という漫画では主人公に協力する妖怪(人間型)として登場。

  • IT探偵シリーズ
この鳥の話題が(あまり本筋に関係なく)登場する。ホモバトラコトキシンという妙に耳に残る言葉が印象に残って知ったという人も多い。

作中に「ピトフーイ戦槌」という毒の追加効果を持ったハンマーが登場する。詳しくはブーストハンマーの項目へ。

その名もそのまま「ピトフーイ」というキャラクターが登場。略して「ピトさん」と呼ばれている。
詳細はキャラクターの項目へ。



追記・修正お願いしまフーイ。

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最終更新:2024年07月09日 23:00
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*1 天然の有機化合物の総称。従来は植物性化合物の呼び名だった