理学部

登録日:2011/08/05(金) 18:30:08
更新日:2025/02/07 Fri 23:22:34
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理学部とは、大学の学部の一つで、自然科学の研究が行われる。
学科に、物理学科、化学科、数学科、生物学科、地球科学科などを持つ。
理学部を持つ大学は少なく、また私立大学では普通理工学部になっている。
各学科の特徴を偏見込みで説明すると

  • 数学科
工学部と物理学科を馬鹿にしている節がある。あるいはとにかく数学大好き。
普通実験がないため学校生活は楽だが、数学科の知識を生かした就職は厳しい。教師くらいしかない。
でもたまに金融や保険で勝ち組になれる。アクチュアリーとか。
しかしその金融とかも人の感情とか情報とか外因とかが複雑に絡み合っているので、結局参考情報程度*1にしかならなかったりするのが現状。

  • 物理学科
工学部や数学科に見下されてる節がある。
想像できる通りだいたい男の園。そしてやっぱり就職厳しい。さらに実験で忙しい事も。
こう見ると散々だが、厨二病をくすぐる勉強ができる。また天文学は宇宙物理学としてここや地球科学科に含まれる。
詳細は理解されないが概要は説明しやすいor理解しやすいと言う意味では恵まれているというか、分かりやすい。
ちなみにかの東京大学理科I類の中の最難関はここだったりする。

  • 化学科
女の子はわりといるし就職もまあまあ。
だが超絶ブラック。次から次へと実験がやってくる。
化学科を出ると覚醒剤くらいなら作れるようになるらしい。
化学が好きで入ったは良いが、物理学に泣かされたりする学科。

  • 生物学科
女の子が比較的多いが就職は厳しい。
DNAブームは去ってほとんどオワコン扱いをされている。
何らかの勘違いで動物が好きという理由で入ると大概失敗する。動物とは触れ合えず、化学の勉強ばっかりしなければならない事がある。
数理生物学や生物統計学など数理モデルを応用する分野が有名だが、実際に研究している生物学者はほとんどいないため、入っても化学の勉強ばっかりしなければならない事がある。(流石に非常勤講師や専門外の教授による講義はあるがそれではしっかり学ぶことはできない。)
ちゃんと調べて入りましょう。

  • 地球科学科
え、就職どうするの…?
授業では野外実習という名の山登りや崖登りをする。(ピクニック気分で行くと大怪我をするのは言うまでもない)
鉱物ばかり相手にするわけではなく、地球に関する事、例えば大気や地震なども研究する。
日本は地震が多かったり何だったりで研究費的にはかなり恵まれている(一部の大学において)。
古生物学(化石とか恐竜とか)もここに含まれる。
前述した数学~生物学科はそれぞれ関連性が高いのに対し、地学は地学で独立した部分が多いためか理学部の他の学科からは異端の目で見られがち。
あと、野外研究の賜物かガッチリした体の教授が多い…気がする。


理学部と他の理系学部の大きな違いは、ある現象、理論に対して

「どのようにしてこうなるか」

という点に興味を持つ所だろう。
工学部などが「どう利用するか」と考える点と対照的。

これが工学部との大きな溝になっており、

「理学部の奴らは役に立たたない事ばかりやってる。しかも細かい所にこだわりすぎ」
「工学部の奴らは理論をまるで理解していない。しかも論理的に間違ってても気にしない」

と両者が思っていることも珍しくない。
工学部批判、あるいは工学部に卑屈になるのは理学部の持ちネタである。

しかし理学部の発見を工学部が利用するという関係があるため、工学部が理学部を役立たせ、理学部は工学部を発展させる、と実はお互い助け合っている。
理学部は数十年、数百年後に役立つ研究をしていると思ってもらいたい。


さて、理学部について書いたが、理学部を一言で表すと

不遇

という言葉が一番当てはまるのではないだろうか。

理学部を持つ大学が少ないため知名度はない。
上記の通り産業的にあまり役立たない研究も多い。
そこに数学や理科に対するイメージの悪さが加わり、世間の理学部に対する扱いはそれほど良くない。
まあ良くないと言うのは言い過ぎなのだが、理解されることはほとんどない。


例えば初対面で自己紹介をしたとしよう。するとまず高確率で

医学部?」

と言われる。音が似てるから。
なので「理学部です、理科の理の」とか「サイエンスの方の」と言って説明するはめになる。
(難関大学だと稀に「この間ノーベル賞が出た」と紹介できるが、
大概相手には「よくわからないけどなんか凄いらしい」としか伝わらず無駄にハードルを上げるだけなのでやめた方がいい)


さて、無事理学部という事が伝わると、今度は

「何をしてたの?」「何をしたいの?」

などと聞かれる。理学部の知名度は低い。
そこで「数学や理科の研究」や「高校の勉強の延長」みたいな事を言うと

「何でそんな事するの?」
「楽しいの?」
「それするとどうなるの?」
「何か役に立つの?」

と言われる。本当に言われる。
相手が馬鹿にする気がなかったとしても勝手に馬鹿にされた気持ちになるかもしれない。
感情をグッと堪えて「将来役に立つかもしれない。例えば相対性理論GPSの…」とか説明を始めると

「よくわかんない」

と言われ会話が終了する。悲しい事である。


ここまで書いて何だけど、相手の気持ちを察するとそんなことを言われるのは当然なことは分かると思うので、なるべく相手の気持ちになって考えましょう。
理学部の生徒からすれば理不尽に感じられるけど、理学部と関わりのない相手からして見ても割と理不尽なのです。
頑張って生きましょう。



これに関連して理学部の性質上、産業に役立たない研究をする事もよくあるため、就職が厳しいことが多い。
就職無理学部とはよく言ったものである。
しかしそんな扱いを受ける理学部だが、なくてはならない意義深い学部という事を覚えておいてもらいたい。


ぶっちゃけると理学部と言うだけで頭が良さそう(記憶力や理解力の面で)に見えるのが救いで、
本気で周囲を見渡せばもっと就職が難しい学部はいくらでもある。
他にも結局の所大学で学んだ知識は一部の業種以外はあまり会社で生かせなかったりもするので、実際のところは常識・基礎学力・人柄を重視することも多い。
めげずに頑張ろう。



  • 余談
ノーベル賞などの関係で、理学部の場合は日本のトップは京大と言われる事がある。




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最終更新:2025年02月07日 23:22

*1 真剣に研究しているお方には悪いのだが、数十年に一度の出来事とか言っておきながら数年に一度起きたりすることとかザラ