英雄(doa)

登録日:2012/02/27(月) 06:06:51
更新日:2024/12/18 Wed 06:48:37
所要時間:約 4 分で読めます




英雄とはdoaの三枚目のシングルの曲である。
また、一枚目のアルバム「Open_d」の先行シングルでもある。

楽曲データ

作詞・作曲・編曲 徳永暁人
doa
演奏時間 3分17秒
発売日 2004年11月24日
レーベル GIZA studio


そもそも『doa』とは?

『英雄』を知っていても『doa』というグループをあまり知らないという人も一定数いることだろう。
『doa』は2004年7月14日に1stシングル『火ノ鳥のように』でメジャーデビューを果たした3人組のロックバンドである。
プロのレーシングドライバーという異色の経歴を持つボーカリスト・吉本大樹、『BAAD』*1の元メンバー・大田紳一郎、ビーインググループの楽曲を多数手掛ける作曲家・徳永暁人の3人で構成されており、楽曲ごとにメインヴォーカルを変えるというスタイルを売りにしていた。

彼らはB'zなどと同じくBeing系アーティストなのだが、実は後述するタイアップ作品以外では目立ったタイアップなどがなく、Beingとのタイアップでお馴染み『名探偵コナン』とも最後まで縁がなかった数少ないバンドでもある。

約20年に渡り精力的に活動してきたが、2023年8月にGIZA studioを退所して独立、そして翌2024年8月に同年末を以て解散する事が発表された。


歌詞の内容


この曲の最大の魅力は歌詞にある。

この曲の歌詞は、


兎に角熱いのである。

曲名にもあるようにこの曲は「英雄」とは何たるかを歌った曲。

だがこの曲の英雄は国を救ったり世界を救ったりした奴が英雄という訳ではない。

サビの歌詞では『誰かのために強くなる勇気』『挫折しても立ち上がる強さ』を歌っており、人によってはこんな事が英雄のハードルとしては低い、と思ってしまうかもしれない。

だが人間にとってこんな事は予想以上に難しい、という事が解るはずだ。

サビ以外にも日々のの生活への諦観を感じさせるようなフレーズが含まれており、これもサビの熱さを際立たせていると言っても過言ではないだろう。

項目だけではこの曲の熱さは伝えきれないので、CDや各種音楽配信サービスなどで実際に聞いてみてほしい。

…と、このように単体でも充分名曲なのだが、この曲の真価は以下のタイアップ作品との相乗効果にあった。


衝撃のタイアップ

実はこの曲、2004年に特撮ヒーロー番組、それも円谷プロ制作の平成ウルトラシリーズの主題歌として使用された曲だった。
他のウルトラシリーズの主題歌と違い、歌詞に「ウルトラ」やヒーローの名前(本作ならネクサス)が入っていないので、一度聞いただけではウルトラマンの主題歌と解らないかもしれない。(尤も、前例がないわけではないが。)

そして問題はこの曲を主題歌としたウルトラマンである。そのウルトラマンとは……、






















なのである。




知らない人のために軽く説明すると、

  • 今までのウルトラ怪獣とは毛色の違いすぎるグロ怪獣
  • 主人公に降りかかる数々の苦難
  • 怪獣の情報を徹底的に隠蔽する防衛隊上層部
  • ウルトラマンを敵とみなして攻撃する防衛隊

…このように畳み掛けるほどの鬱展開とこれらを土曜日の朝7時半に放送していたことで特撮ファンを中心に伝説を残した『ウルトラマンネクサス』とは正反対の熱い曲だったのが、この曲の知名度を上げた一因かもしれない……。




…と表面上は思われがちだがネクサスのテーマは「あきらめるな」であり、実は歌詞はしっかりマッチしている。


姫矢准編(1~2クール)のOPとして使用され、姫矢編のラストである第24話も「英雄 -ヒーロー-」というサブタイトルがつけられた。
この『英雄』は作品を象徴として、最終話のEDでも使用された。

ちなみに千樹憐編(3クール)のOPも、同じくdoaの『青い果実』が使用されている。
こちらも憐の心情を歌ったクールに熱いロックナンバーとなっている。

一部にウルトラマンにはもったいないという意見もあるが、
この曲自体が英雄=ウルトラマンを題材にしているのであり、
この英雄こそ真のウルトラソングと言えるのであって、決してもったいなくは無い。

むしろウルトラマンだからこそかっこいいのである。

そして最終話まで見た人は、なぜこの番組にこの主題歌だったのか知ることになるのだ。


OP映像

イントロからTLTの湖底基地・フォートレスフリーダムが映し出され、廃墟のなかで佇むネクサス(ジュネッス)に切り替わる。
Aメロの歌いだしでは火花の中疾走するネクサス(アンファンス)とファイティングポーズをとるネクサスがクロスフェードし、Bメロに入るとナイトレイダー隊員が1人ずつ紹介される。(孤門→凪→石堀→詩織→和倉の順。)
サビからはクロムチェスターの発進シークエンスに入り、第22話からはクロムチェスターδも追加される。
ラストサビに入ると、エボルトラスターを掲げて変身する姫矢→ストライクチェスター(第22話からはハイパーストライクチェスター)の合体シーン→爆炎をバックに膝立ちするネクサス(ジュネッス)に切り替わり、最後にナイトレイダー隊員とネクサス(ジュネッス)が一斉に並んで締めくくられる。

最終話ではEDとして使用され、映像は今までのダイジェストで構成されている。
そして曲が終わると以下のテロップが表示され、『ウルトラマンネクサス』の物語は完結する。




NEXUS


それは受け継がれてゆく魂の絆






余談

  • ネット上での人気
この『英雄』は特撮ソングの垣根を超えて高い知名度を誇り、某笑顔動画では黎明期から多数のMADが作成された。
あまりに曲が有名になりすぎたせいでこの曲が『ネクサス』の主題歌だと知らないユーザーも続出した。
この急激なMAD人気に対し、当のウルトラマンネクサスは、

「英雄」がウルトラマンネクサスの主題歌だったことも思い出してあげてください

……とエイプリルフール企画で発言している。


  • CDでの収録状況
『英雄』を始めとする『ネクサス』の主題歌は全てBeing系列のレコード会社から発売された。
そういった版権の都合もあってか、従来ウルトラシリーズの楽曲を制作していた日本コロムビアから発売されたサントラ盤には主題歌は未収録で、放送終了後も数年間は同社のシリーズ楽曲アルバムに収録されない事が多かった。

しかし2010年代に入ると『英雄』と『青い果実』が両方収録されたり、ED曲を含む全曲が収録される機会も増え始めている。
それでも、TVサイズ版に関しては3クール目のED曲『赤く熱い鼓動』を除いて未だ音源化が実現していない*2ため、そちらのCD化も望む声も少なくない。


  • doaの解散を受けて
先述の通り、doaは2024年末を以て解散を表明しており、その旨を報告した公式X(旧Twitter)での投稿に円谷プロ公式アカウントが 引用した。
その内容は『英雄』と『ウルトラマンネクサス』の2つのハッシュタグのみでコメントは一切なく、ネクサス(ジュネッス)が爆発をバックに膝立ちしているスチールを添えたもので、円谷プロなりのdoaへの労いともとれる正しく粋な計らいといえるものであった。

これ以外にも孤門役の川久保拓司氏を始めとする出演者や多くのネクサスファンやdoaファンがコメントを寄せており、如何にこの曲が愛されていたかが窺い知れる。
彼らの熱い歌声は、これからも多くの人々に響き続けることだろう。



追記・修正は『英雄』と『青い果実』以外でもdoaを語れる人にお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 楽曲
  • 英雄
  • doa
  • ウルトラマンネクサス
  • 男ならぁぁぁ!!
  • 女もそうさぁぁぁ!
  • 英雄さぁぁぁ!!
  • MAD御用達
  • ウルトラマン
  • 主題歌
  • OP
  • 諦めるな!
  • au
  • 歌う項目
  • 神曲
  • ウルトラシリーズ
  • 熱い
  • 迫力満点
  • 英雄
  • ウルトラ主題歌一覧
  • 徳永暁人
  • 特撮
  • 名曲
最終更新:2024年12月18日 06:48

*1SLAM DUNK』のOP『君が好きだと叫びたい』で知られるロックバンド。

*2 TVサイズを収録した主題歌CDでは『ネクサス』のみ未収録、もしくはフルサイズでの収録が現状。