ノスフェル

登録日:2021/07/18 Sun 17:49:35
更新日:2025/04/30 Wed 10:14:41
所要時間:約 7 分で読めます





ノスフェルは円谷プロ制作の特撮ドラマ『ウルトラマンネクサス』に登場するスペースビースト
そして、多くの視聴者のトラウマとなった怪獣でもある。


【データ】

別名:フィンディッシュタイプビースト*1
体長:5~50メートル
体重:3万9000トン(最大時)


【概要】

EPISODE.11「人形 -マリオネット-」から登場する、生皮をひん剥かれたグロテスクなドブネズミのような姿のビースト。

長い舌と鋭い爪が武器で、体の大きさを自由に変えられる。
また、額からの光線で人間を体内に取り込むことができる。
当然ノスフェルを攻撃すると、生け捕りにされた人間にもダメージが及ぶため、人質をにする能力としては非常に厄介。

そして最大の特徴は、身体を粉々に爆破されても短期間で再生・復活できるという、スペースビーストの中でも屈指の強力な自己再生能力。
弱点である口内の再生細胞を破壊しない限り何度でも蘇る難敵*2
再生器官が喉にあるのはサラマンドラオマージュとなっているが、サラマンドラが1話で倒されるのに対してこいつは完全に倒されるまで7回も費やしている。

ネズミのような姿や背部の棘などザ・ワンと共通する要素が多いため、ザ・ワンの細胞を受け継ぐ上級ビーストとも言われる。


ビーストヒューマン

みんなのトラウマ。
ノスフェルに殺害された人間が、ビースト細胞を植え付けられ蘇った所謂ゾンビ
中身は生前の記憶をある程度保有しただけの全くの別人である。
人間に近い外見だが、腕が生々しい筋肉に覆われており、時間が経てば手がノスフェルと同様の鉤爪に変貌する。
おまけに、げっ歯類のように木材で歯を研ぐという習性を持つ。

カレーのついでに木材を食べるよう強要するシーンがトラウマになった視聴者は数知れない。


【来歴】

劇中では溝呂木眞也に操られて行動していた。*3
孤門一輝がナイトレイダーに配属される半年前に、斎田リコとその一家を襲撃。
彼女の両親と弟を殺害し、リコもまた溝呂木に射殺され、その死体はダークファウストの媒体として利用される事になった。

第12話では溝呂木の命令で、孤門を始末するためにダークフィールドに乱入。
鉤爪で孤門に襲いかかるが、リコとしての人格を取り戻したファウストに庇われ失敗に終わり、ウルトラマンネクサスのクロスレイ・シュトロームで爆散した。
しかし、この一撃が致命傷となったリコは孤門の腕の中で消滅し、彼の心に深い傷を負わせた…。

再生能力によって復活した後は、第13話の終盤で動物園で孤門と知り合った山邑一家を襲撃する。
ちなみに、この一家が標的にされた理由は長女の名前が理子(リコ)だったから。ひでぇ
第14話では山邑夫妻をビーストヒューマンに変え、薫・理子兄妹を別荘へ監禁する。
自身は地底に身を潜め、ビーストヒューマンもろとも理子を体内に取り込む。

そのままネクサスとメフィストの戦いに接近するが、孤門が放ったメガキャノンバニッシャーが直撃して爆散した。

だが、孤門が理子がノスフェルの体内に捕らわれているとは知らずに発射してしまった為、理子は重傷を負ってしまう。 *4
さらに質の悪いことに、薫はメフィストのテレパシーでメガキャノンバニッシャーが発射される直前に理子がノスフェルに取り込まれている事を知った為、妹を傷付けた孤門を怒り狂いながら糾弾した。
「助けてもらってその態度はないだろ」と思う人もいるかもしれないが、突然両親を化け物にされた挙げ句、罪の無い妹まで戦いに巻き込まれてしまえば、当然精神は不安定になる。
また、孤門は事情を知らなかった上、ビーストの殲滅はナイトレイダーの義務でもあり、過去には上層部から「一般人ごとビーストを攻撃しろ」という非情な命令を下されたこともあるので、一概に責められない。とどのつまり全部溝呂木とノスフェルが悪い。

しかし、この出来事はまたもや孤門を大きく苦しめ、第15話のノスフェル戦の最中でフラッシュバックが起きてマトモに戦えなくなってしまい、とうとうTLTを脱走するまで追い詰められてしまう。*5この時和倉も孤門に対して責任を感じていた。

第15話では弱体化して小柄になっていたが、凶暴性は変わらず石堀光彦を負傷させている。石掘☆自演乙☆光彦

第16話では再び巨大化してナイトレイダーと交戦。
孤門を欠いたナイトレイダーを苦戦させるが、奮起した孤門とネクサスが駆け付けると形勢逆転。
ネクサスに顎をこじ開けられ、孤門にディバイトランチャーを撃ち込まれ再生器官を失う。
最期は、ジュネッスのオーバーレイ・シュトロームで分子レベルまで分解され消滅した。

そして、第17話の一年前の監視カメラの映像を最後に、孤門達と実に7週間も連続で視聴者を苦しめたノスフェルの出番は終わりを告げたのだった。


ノスフェルの爪痕はその後のストーリーにも影響を残しており、
何とか一命を取り留めた理子はノスフェルの細胞のせいでノスフェル以外の記憶が全部消されるという悲惨な目に遭ってしまい、バンピーラの一件まで廃人同然と化してしまっていた。
だがしかし、リコの死を乗り越えビーストとの戦いに身を投じる決意をする孤門の成長にある意味一役買っているなど、決して悪影響ばかり与えてきたわけではなかったのであった。


【総評】

単純なキルレシオでは、かのシルバーブルーメ等には大きく劣るものの、ノスフェル自身の強さや『ネクサス』前半の暗い雰囲気も相まって多くの子ども達にトラウマを植え付けた怪獣。
その傷跡は深く、「ウルトラシリーズで一番トラウマになっている怪獣は?」という質問に未だにノスフェルの名前が挙がることが多い。

さらに、ノスフェルは視聴者だけでなく商業面にもダメージを与えた。
ノスフェルの登場する山邑一家関連のストーリーは、よりにもよってクリスマスと正月に放送されたのである。
クリスマスプレゼントやお年玉等の年末・年始商戦という玩具を売るには大切な時期であるにもかかわらず、新春一発目のメガキャノンチェスター初登場回では、
あろうことか「防衛チームの武器が一般人を負傷させる」という販促としては最悪な展開になったので、バンダイ社員と卸売業者を絶望の淵に追い込んだ。
そう言う面でも、ある意味最凶のビーストと言えるだろう。

一応ソフビも発売されているが……他のビースト達と比べるとグロさは抑え気味だが、それでも特有のハイディティールさと肉色全開のリアルな塗装は相変わらずであり、やっぱり売り上げは良くなかった。


【その後の活躍】

椎名高志によるコミカライズ版『ウルトラマンネクサス』では連載第4話に登場。
児童誌の月刊連載という事もあり、リコ=ファウストの命を奪う役割は前話に登場したラフレイアに譲る形となり、TVシリーズでの悪事も総カット
最終的には溝呂木の見せたリコの幻影を吹っ切った弧門のディバイトランチャーによる銃撃で直接撃破されるという、概ね原作の展開を1話分に圧縮した扱いとなっていた。

ウルトラマンギンガS』のパラレルワールドを舞台にした外伝小説『マウンテンピーナッツ』では、事実上のラスボス怪獣として登場。
超過激なテロリストまがいの環境保護団体とビーストヒューマンを盾にして大虐殺を敢行するなど、子ども向け番組というタガが完全に外れた小説媒体なのを良い事に、さながら水を得た魚の如く大暴れ。
持ち前の再生能力で初代ウルトラマン相手に善戦する活躍を見せた。
ちなみに撃破後には とある人物 の変身態だった事が明かされているが、これについては『ギンガS』における当のキャラの描写と重大なイメージの齟齬を招きかねないという声も多く、本小説が多くのシリーズファンから否定的に受け取られている一因となっている。

小説 ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア~超時空のアドベンチャー~』では、『ティガ』の世界に住むチャリジャにより拉致され『ガイア劇場版』の世界に放り出される。
同じくチャリジャが解き放ったガルラ、ネオジオモスサイコメザード、カオスジラークと共にウルトラマンガイアを苦しめたが、
『ティガ』の世界からやってきた特捜チーム GUTSの猛攻を受けた挙句ガッツウイング2号のデキサスビームを顔に受け真っ先に斃される。
不屈の生命力で立ち上がるも(『ティガ』の10年後である)『ダイナ』の世界からやってきたスーパーGUTSとの同時攻撃を食らい、
最後はアスカ・シンが発射したガッツイーグルα号のビームを弱点の口内に受けて完全に絶命した。
その後、死体の細胞は他の怪獣共々デーモンギラレス14世に転生する。スペースビーストの細胞が拡散しなくて良かった


【余談】

  • 名前の由来は吸血鬼ノスフェラトゥから。




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  • ※土曜朝7時30分です。
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最終更新:2025年04月30日 10:14

*1 「Fiendish」=「悪魔のような~」

*2 再生細胞ごと破壊しても無駄で、ピンポイントで再生細胞を先に破壊してからでないと復活してしまう。

*3 ここだけならノスフェルが被害者に見えるが、そもそもスペースビーストは人類とは相容れない怪獣なので遅かれ早かれ犠牲者を出し続けた可能性が高い。

*4 ただし、ネクサスはそのことに気づいており、ノスフェルと共に巻き添えになってしまった時には、怒りをあらわにしていた。

*5 皮肉にも、薫はMPによってノスフェル関連の記憶が消去されている。