戦争という題材のせいもあるが、とにかく敵味方共に主要人物が次々死亡していく。
主人公
カミーユ・ビダンと
ジェリド・メサの因縁が話の軸になっており、それに巻き込まれるような形で親しくなった人物が次々に戦死してしまうやるせない展開が続く。
この傾向は終盤になるにつれて極まっていき、遂には最終回で主人公であるカミーユまでもが精神崩壊して錯乱するという悲惨な末路を迎えてしまう。
この結末はファーストで見せた
ニュータイプのかすかな可能性すらも叩き潰すものであり、その意味でも後味が悪い。
カミーユは直接の続編である『
機動戦士ガンダムΖΖ』の最終回において回復の兆しを見せてくれたのが救いである。
こちらも戦争という題材も理由ではあるがどんどんキャラが死んでいく。
追加で登場したパイロットが名前を覚える間もなく戦死していく悲惨な展開が続く。
さらに描写についてもえげつないものが多く、ウッソの肉親が極めて凄惨な形で死亡するのは有名である。
展開が鬱なだけでなく
監督が鬱
。『マトモに立って歩けない』『お偉いさん殺して俺も死ぬ』等の逸話も数多く存在する。
しかしそんな極限状態の監督が執念で完走しきった今作にはプロや一般を問わず根強いファンや影響を少なからず受けた作品が存在するのも事実である。
ブレンパワード以降の富野監督の特色として挙げられる牧歌的で明るい作風、いわゆる「白富野」の代表格として知られる作品だが、
イングレッサの街が対艦ビーム砲で焼き払われ夥しい犠牲者が発生した第2話を皮切りに、地球人とムーンレイスが互いに激しい憎悪を燃やし合い戦争状態に突入。
戦場の描写よりは政治的駆け引きの方に重点が置かれた物語であり、明るい展開も多いものの、やはり凄惨な殺し合いや生々しい人種差別描写も時折描かれている。
しかしながら、それらを乗り越え迎えた最終回は、「ガンダムシリーズの歴史の終着点」としての美しさもまた感じさせる。
「遺伝子操作」、「人種間対立・人種差別」、「復讐の連鎖」をテーマとしているだけあり、始まりから終わりまで陰惨なものが漂い続ける作品。
戦争は戦争でも「外交の延長」では最早なく、「生存競争」「敵性種族の根絶・駆除」が目的になっているだけあり、
シリーズでも「敵を殺すこと」への執念と「人が死ぬ様」の凄惨さはシリーズでも一線を画している。
軍人や戦争を煽る指導者だけでなく民間人までも倫理観が崩壊しており、生命をショッピング感覚でデザインする、
思い通りの子供ができなかった事を不満に思って捨てる、思い通りの子供を作る為に大量の犠牲者を出す……と、
全編を通して人の命が異常に軽い。
主人公自身も無理解から来る無神経な言動やままならない現実、呆気なく死んでいく大切な人を前に精神を徐々に蝕まれて行き、
そして
自分自身も人類の業の象徴だったと知らしめられ、最後の戦いを終えた後は精神が崩壊する寸前に至る……と、
主人公に
救いらしい救いがほとんど無いまま終幕となってしまった。
続編『
DESTINY』も
概ね同様である。
20年経って公開された劇場版『
FREEDOM』でも相変わらず人の命が異常に軽く、実は主人公の精神も壊れていたことが明かされた。
劇場版でのストーリー自体は、主人公たちがしがらみから逃れ幸福に向けて歩み出したことが示される明るい雰囲気で締め括られているものの、世界観の根底にある社会構造的な問題については解決したわけではなく、むしろ闇が深まったとさえ言える。
チンピラ同然の少年たちが虐げられていた境遇から成り上がっていく様を描いた群像劇。
第2シーズンでは主人公サイドにとって大切な人物が理不尽な理由で次々に死んでいく展開が続き、視聴者の心を抉っていく。
やがて徐々に後ろ盾を失っていき、偶々(彼らにも通じる底辺からの成り上がりでもあった)
野心家とコネがあった事で彼と敵対し、主役側も敵視していた権力者等から社会的にも追い詰められていくという逃げ場のない状態に陥る。
そして、最終回目前にして主人公の片割れであるオルガが仲間を守り落命し、ついに野心家と完全対決となった権力者による
物量波状攻勢により主役側の戦力はボロボロ。
野心家はかつて自分が切り捨てた元親友の(主人公に倒された部下の身体まで酷使しての)猛攻に斃れ、主人公であった
三日月も、最終回で壮絶な戦いの果てに落命した。
あがき続けた少年たちの末路は巨大な権力に潰され破滅を迎えることであった。
ただ一応一部主人公達の仲間は助かり、権力者のその後の政治等一連の事件の結果として世界はよりよい方向に向かっていったことが語られており、わずかな希望はにじませている。
また、同じく鬱展開として挙げられた上記の『Ζガンダム』との類似性や新選組がモデルということについても作品のプロデューサーを担当した小川氏によって言及されている。
今までの
ビルドシリーズと比べると雰囲気が微妙に異なる作風やタイトルにある『
Re:RISE(再浮上)』という単語が示している通り、最低でも
一回は落とすような展開が多いのが特徴。
特に第20話にて展開される、とあるキャラの過去描写は
前作を知っていると
物凄くやるせなくなること必至。
具体的には三期の
ユベルにまつわる全て。
他のシリーズも人間の生死に関わる重い展開が
やたらと多いが、ユベル関連はその中でも屈指と言われている。
なお四期もここまでではないが、
未来へ進もうとする若者の意思を全力でへし折りに来るような鬱展開がなされた。
その程度は原作者の
高橋和希氏を以てして「
(二期までで成長した十代を折らせる為とはいえ)やりすぎた」と明言するほど。
セカンド内二期にあたる遺跡のナンバーズ編が該当。
神代兄妹の失われた記憶が敵であったことが徐々に暗示されていくが、
主人公側に伝わるきっかけが全くなく、視聴者だけが真相を知っているというもどかしい展開がずっと続く。
ZEXALII同様に、視聴者は戦いのいきさつを知っているのに
主人公は滅茶苦茶に振り回されているだけという展開が長い。
それに加えて、「
少女が何人も誘拐される」「
既に世界の一つが滅びている」「
負かした相手を平気でカード化する」といった、人の大量死にも匹敵する展開が多い。
全部鴻上博士のせい。
特に二期終盤・三期は鬱展開、というか理不尽のオンパレード。
絶望的な状況に抗う少年少女たちの姿を描いた作品。
世界観設定の時点で世界が末期状態であり、主人公達の故郷の外の世界はまさに地獄絵図だが、主人公達を取り巻く裏事情もかなり凄惨にして悲惨。
たとえ
レギュラーキャラであっても呆気なく散るため、ファンは常に心配している。
圧倒的な力を持つ新主人公機の登場や新たな能力の発現などのイベントも、この作品では後の鬱展開のフラグにしか見えない。
どうせ みんな いなくなる
最近では珍しくもない異世界召喚作品だが、召喚された世界は狂気と暴力に満ちた世界だった…。
しかもここは未来の地球であり、太陽が寿命を迎えるためどう足掻いても滅亡しか待っていないという。
伏線があったとはいえ、それまでのドタバタギャグから180度変わる13話や、あまりにもショッキングな形で引き起こされるレジェンズウォー。
特に後者は
シュウの母・ヨウコが黒水晶に封印された回が年内最後の放送となり、年明け後に総集編を挟むなどしたため、(作中内では然程時間は経ってはいないが)シュウが再起するまでリアルタイムで約一ヶ月もかかった。
しかし、これらのエピソードがなければ、再起したシュウの奮闘やシロンの自我の覚醒、そして最終話の感動もなかったと言っても過言ではない。
だが、オチは…。
井上敏樹がシリーズ構成&脚本を担当した日曜朝の爽やかアニメ。
アニメ作品では珍しく氏の作風全開で、恩師が突然狂乱したり、人質をとりあえず半分殺したり、挙句の果てには卵生の人型種族の卵を全部割ったりする。
今まで息子を顧みなかった母親が初めて作ってくれた手料理に、作中で初めて(そして唯一)主人公が涙を流すシーンは牙を代表する展開として語り草である。
黒いタツノコ、別物リメイクのタツノコの本領発揮。なお作画は本領を発揮しない。
家族を自ら殺さねばならぬ宿命に加え、救いは廃人化という展開。
次作では復活。
地球人と異文明人の宇宙スケールの戦争を描いたロボットアニメ。
不幸な邂逅を果たした地球人とバッフ・クラン人は、互いに超エネルギー「イデ」を望んだばかりに、
局地的な諍いから始まり、最終的には星同士の泥沼の戦争に突入してしまう。
意識を持ったエネルギーであった「イデ」は幾度となく二つの種族を和解させようと導くが、戦争は止まらない。
そして、ついに「イデ」が二つの種族を見限る「その時」がやってきた――。
TVシリーズを再構成した劇場版では鬱度とエグさがパワーアップ。
兵士でも民間人でもオッサンでも少女でも関係なく執拗なまでに人間が死んでいき、
その描写についても悪意すら感じるほど生々しく悲惨。
特にとある登場人物の衝撃的な死亡シーンは未だに語り草。
そもそも
新選組がモデルという時点で全滅が確定路線。
新選組の悪い意味での名物である内部粛清を皮切りにしてそれまで比較的明るかった物語は一転。
終盤の戊辰戦争をモチーフとした展開では味方の囮としての特攻・予想だにしない暗殺などで敵味方を問わず怒涛の勢いでキャラが死んでゆく。
最終決戦では仲間が欠けたことで合体ロボ『バクシンガー』すら出せなくなり、主人公たちは捨て身の白兵戦で若い命を散らすのであった。
登場人物達の過去。
サンライズ初期のロボットアニメ作品。
地球人を滅ぼそうとするガイゾックの繰り出すメカブーストとの戦いを描く作品だが、主人公・勝平たち神ファミリーを取り巻く状況や敵の行う手段が子供番組と思えないほどに残酷で容赦がない。
「数メートルの巨大ロボットが街中で戦えば周囲にも多大な被害が及ぶ」という、従来のロボットアニメではあえて無視されてきたことに真正面から取り組んだ結果、ヒーローが守るべき市民から迫害されるという非常に重苦しい展開に。
観ていれば市民側の悪感情も理解出来るように作られてはいるものの、それがかえって重さと生々しさを助長している。
中盤からは理解者も増えてきたものの、ガイゾックの作戦も凶悪さを増していき、特に文字通り人間に爆弾を埋め込んで社会の中に送り込む人間爆弾については非常に有名。
血も涙もない手口の残忍さもさることながら、神ファミリーが事態を解決できなかったことからも多くの視聴者にトラウマを刻み込んだ。
終盤には家族や仲間が次々と死んでいき、勝平はラスボスに自分の正義を否定される。
それだけに、身も心も憔悴して帰還した勝平を、今まで彼が命懸けで守り抜いてきた人々が温かく迎えてくれるラストシーンは感慨を覚えさせるが、お蔵入りになった小説版ではこのシーンも市民が「宇宙人の最期の生き残り」である勝平を始末しに来たことが暗示されるという、どこまでも救いのないものだったという…
葦プロ製作のロボットアニメ。
地球への移民を画策するアルデバロン軍との戦いを描く。
当初の目的は侵略であったが、戦争の激化に伴い熾烈な殲滅戦に発展。
やがて最悪ともいえる結末を迎えてしまう。
主題歌で「明日を救え バルディオス」と歌われているが、結局明日を救えなかった。
海のブルーになるんです。
第25話にてまさかの
主役機殉職。
一応その回は最終的に
新型機が駆けつけたお陰で何とか事なきを得た上、殉職した主役機も後に完全復活を果たすのだが、それでも番組の顔である主役機が死亡するという展開は当時の視聴者達に大きなショックを与えた。
ゲストキャラが悲劇的な最期を迎える22話、人間と
猫との関係性を描いた27話、人間の善性について問い掛けた29話など、たまに来る鬱展開エピソードの後味の悪さは特筆モノ。ただし29話は、ラストで
元ネタ同様に小さな希望が示唆されている。
第1話にて所属しているクラブのリーダー格に裏切られる、チンパンジーに敗北して挫折を味わう、必殺技を会得するも調子に乗って使い過ぎた結果愛機を壊してしまう、親しくなった中国人の少年の野生の血を目覚めさせてしまう、亡き兄と同じ名を持つ謎の人物の正体と兄の死の真相を知って闇落ちし人間不信になってしまう…など、
主人公に立て続けに迫りくる苦難の数々。
中には
悪意はないが裏目に出たパターンで周囲から精神的に追い詰められる事もあったため尚更タチが悪い。
原作ストックの問題で
アニメオリジナルのストーリーで完結せざるを得なかった事もあり、序盤の時系列改変や中盤以降のアニオリ展開等、人間讃歌的な展開でシメた原作と異なり、
全編にわたって『死の受け止め方』『命の重み』『人間、特に錬金術師の業』という部分にテーマを置き、少年漫画的な要素を抑えて原作本来のジャンルであるダークファンタジーを前面に出した、重苦しい湿っぽさと哀愁を持つアニメ。
夕方アニメとは思えない鬱展開が、ファンと
エルリック兄弟の心を抉った。
中盤以降のアニオリストーリーからホムンクルス周辺の設定の変更などに伴い、そういった鬱展開が顕著となってきたため、『
原作レイプ』と批判する声も多い。
他方では原作の「
お父様」に相当する超越的存在がいないため「エルリック兄弟や
イズミ師匠など劇中登場する多くの錬金術師が『自身の良かれと思ったエゴを錬金術で叶えようとして、業を生み出してしまう』被害者でもあり加害者でもある」と、
原作でも既にあった人間の弱さや愚かさ・錬金術そのものの誘惑・危うさ・業やらを強調するなど、『別作品/外伝として見れば面白い』『コレはコレで良い』いう声も少なくない。そのため
賛否両論である。
ティアナが自身の力不足に苦悩し続ける序盤の展開もそうだが、本編中盤、
ナンバーズが機動六課本部を襲撃する様子を描いた第16・17話
「その日、機動六課」は
リリなの史上最も辛く哀しい戦いであった。
ナンバーズに姉である
ギンガが重傷を負わされた姿を見せつけられ、激昂した
スバルは戦闘機人に覚醒してナンバーズの一人・チンクを圧倒するも、チンクの反撃で重傷を負わされた挙句、
自身のIS「振動破砕」の反動によって愛機・マッハキャリバーが損傷した末に機能停止し、その隙にギンガも拉致されてしまい、何もできなかった自分の無力さに号泣する。
やがて機動六課で保護されていた
ヴィヴィオも
ルーテシアに攫われ、
エリオをはじめとする一部メンバーが負傷し、
本部も壊滅的ダメージを受けてしまうのだった。
また、
この時明かされたエリオの出生の秘密もシリーズトップクラスで重いものであった。
さらに次の話では、攫われたヴィヴィオが黒幕・
スカリエッティの手によって
レリックを埋め込まれて泣き叫び、やがてギンガも洗脳されて敵になってしまい、視聴者(とスバル)のメンタルをますます削ることになった。
蒼樹うめデザインのキュートなキャラクターのポスターに惹かれて、内容を知らずに親と劇場版を見に行った子供が泣き出したという被害報告も。
脚本家の作風を知る者は前もって覚悟出来ていたが、子供には『
プリキュア』かと思ってたら後述の『
デビルマンレディー』が始まったようなものだろう。
こちらもキュートなキャラクターデザインに反して諸設定や展開がなかなか重い。
「ダエモニア化した人間は救えない、かつダエモニア化した人間に関する記憶は消去される」という基本設定や、ダエモニア化してしまった従姉妹を自分の手で殺してしまったこと、初めての任務中にその時の記憶が蘇るも周囲から従姉妹に関する記憶が消されてしまっていたこと、そしてダエモニアの声を聞くことができてしまうという自身の能力に苦悩する序盤のあかり、さらにはせいらがダエモニアを憎んでいる理由などもそうだが、後半はぎんかがダエモニアと対消滅、るなが黒幕の手によってダエモニア化する、あかりたちが所属する組織が黒幕の扇動によって暴徒と化した人々の手で焼き討ちされる…といった怒涛の展開が目白押しとなっている。
そして終盤ではあかりがるなを助けるべく黒幕とある契約をするが…
1期終盤の流れ。
自分の身勝手のせいで「チームの夢」、「友人」、「廃校阻止という目標」を失くしてしまったことで塞ぎこんでしまった
穂乃果。
遂には自分で始めたスクールアイドルすらやめると宣言してしまい、
海未からも「あなたは最低です!」とビンタと共に事実上の絶交宣言をされる。
かくしてスクールアイドルμ'sは、事実上の完全崩壊となってしまった。しかし…
東京のイベントに参加するも得票が0だったことで現実を思い知らされる6人、過去にスクールアイドルとして活動するもすれ違いにより関係が険悪となって解散してしまった3年生、
梨子の代理を務めることになるも
千歌との関係が上手くいかなくなったことで思い詰める
曜、優勝候補と謳われながらも予選のミスにより塞ぎこんでしまった
理亞など。
だが最大の鬱は何といっても、浦の星女学院が後一歩のところで廃校撤回条件を満たせず廃校が決まってしまったことだろう。
1期11話の展開。
主に1期における
恋関連と2期におけるマルガレーテ関連。
特にマルガレーテ絡みは
かなりの賛否を引き起こしており、3期では少しずつマイルドになっていったものの、8話で合流するまではLiella!を敵視する姿勢を貫いており、さらに2期でのこともあって彼女の事を快く思わないファンも少なくなかった。
「なんで『春日影』やったの!?」
構成員のバックボーンが暗い。
- キーボーディスト、いいトコのお嬢様だが、その実家は闇が深い。
- ギタリスト、多重人格で実母からの扱いが暴力・虐待とは違う意味で良くない。
- ベーシスト、過去に張り切り過ぎてプロデビュー直前で当時の所属バンド滅亡
- ドラマー、第一話早々大やらかし(ただ、家庭環境は正常)
- ボーカリスト、恐るべき背景。
対象年齢が女児とは思えない人間ドラマが展開される。
オーロラドリーム時点から当たり前のようにメインキャラが闇落ちし、一見幸せそうなものの闇を抱えた家族が登場、
大技を跳んだ結果心神喪失等々鬱要素てんこ盛り。
続編のディアマイフューチャーは比較的明るくなったもののドロドロの三角関係から
前作主人公が闇落ちと根本はそのまんま。
そして…
色んな意味でプリティーリズムの集大成。
メインキャラの家庭環境が約2名を除きろくなものではなく、三角関係が
3組誕生、クズな大人大量発生と女児置いてけぼりの展開がフルスロットル。
中盤の
べる様絡みの展開は壮絶で、第24話(通称:
プリズムダイブ)に至っては
それまで数々の鬱回を作ってきたスタッフ陣すら絶句したとか。
更にそこからは
りんね絡みで別方面で不穏な空気が漂うように……
前シリーズの反省を踏まえて明るい作風になっているが、それでも1stシーズンの
大神田グロリア校長関連と2ndシーズンの
紫京院ひびき関連など少なからず鬱展開はある。
特に後者に至っては、
主人公達の懸命な行動がひびきのせいで悉く水泡に帰す展開が相次ぎ、
実に3クールに亘ってカタルシスの無い展開が続いた。
アムドライバーとバグシーンの戦いが
マッチポンプであった事が明かされ、アムドライバー同士の戦争が勃発、主役陣の間でも裏切りや死が多発した。
荒木憲一がシリーズ構成&脚本だったため、アニメでのダークチップが過激に。
第2期から過激な要素や展開が要求され、クロスフュージョン同士の戦い、熱斗のPETが破壊、デューオによる地球消滅、中でもブルースのダークロイド化は視聴者の心に大きな傷を残した。
「STREAM」の以降から主要キャラの死が多発した。
誰一人報われず何一つ得られない展開、黒幕と呼べるのは女の嫉妬と超常現象。風子ちゃんマジ不幸。
人が死亡するわけではないが、様々な悪意に苦悩し、特殊能力に蝕まれていき、最終的に「自分1人だけが生き残って世界を崩壊させる事」と「自分1人だけが死んで世界を救う事」のどちらかを選ばされる主人公。
しかし主人公は「どちらも選ばなかった」。それをルール違反だとして処罰される事になるが…。
原作となる小説からそうだが、終盤で祖父との死別、風車小屋の火災の原因だと誤解される、村八分にされ仕事を失う、絵のコンクールで落選、家賃が払えなくなったために家を捨てる…といった、ネロに立て続けに振りかかる不幸。
最終回では風車小屋の火災の真相が分かる、ネロの絵に感銘を受けたコンクールの審査員の一人だった画家がネロを引き取って弟子にしようと訪ねてくる、ネロに辛く当たっていたアロアの父・コゼツが雪の中に落としてしまった二千フランの金貨をネロが拾って届けてくれていたことを知って改心する…といった幸運がやってくるも時すでに遅く、ネロはパトラッシュと共にルーベンスの二枚の絵を見てそのまま……
第13話から半年間に渡り、それまでは度々喧嘩しつつも兄妹のように仲の良かった主人公とその幼馴染の確執が展開される。
中でも「私が生きている限り、あんたなんか絶対に許さないわよ!」という主人公のセリフはなかなかインパクトがデカい。
物語終盤、「地獄の味遍路」の末に記憶喪失となってしまった味皇。
彼の記憶を取り戻すことに失敗した味皇料理会の面々や一馬が次々と姿を消していき、陽一も自信を失い情緒不安定となってしまう…。
TV版3話の
如月の悲劇。
劇場版ではそれを乗り越え、ようやく
睦月の元へ帰ってこれた。…と思ったら、
今度は体にできた痣が切っ掛けで徐々に深海凄艦と化していく。
水道で腕の痣をこすり落とそうとする場面は、
日高氏の演技力もあって実に痛々しい…。
なお、世界線の異なる第二期「いつかあの海で」では
史実における戦局が絶望的になってる時系列から始まった結果、なんと
第一期の主要メンバーの大半が開始時点でいなくなっており、全く登場しない。
ただし、こちらは艦娘の退役が描写されているため、
必ずしも第一期メンバーがいつ海世界において死んでいるわけではないというのが救いか(実際、いつ海本編開始前に沈んでいるはずの艦娘も登場している)。
圧倒的な力を持つ故に破壊し続ける運命を強いられた主人公、次々と命を落とす9割近くの登場人物、終始容赦ない展開。
ラストでは僅かながら希望を感じさせるシーンが用意されているものの、全体的に救いがない。
中学生にはキツ過ぎるバックファイア及び宿命。
2期ではもっと恐ろしい呪いが降りかかり、主人公が壊れる。
洗脳された主人公の仲間が別の主人公の仲間を殺したため、敵のボスに挑むも敗北しかばった味方が死ぬという
バッドエンド
。
……ここまでは原作通りなのだが、流石に
「毎朝おはスタでこのまま流すのはマズい」とアニメ版はこのバッドエンドのまま事実上打ち切られた
。
原点回帰
。その上、このシリーズよりカード上の背景ストーリー、原作漫画、アニメのすべてでストーリーが統一されるようになったため、原作漫画の重い話の大筋を変えずに日曜朝八時半から流される。
それでいながらV期由来のギャグ回も半分くらいはある為、
鬱回とギャグ回の落差
がより一層の悲壮感を押し付ける。
また、このシリーズではWotC由来のカラーパイが裏に流れており、一期では
光文明=
白と
火文明=
赤の
正義観の違い
が、
二期では
自然文明=
緑の
不器用さ故の空回り
が救いようのなさとなって直に襲いかかる。
特にお子様への配慮か
バッドエンドからメリーバッドエンドに改変された二期最終回
などは、
そこにいる者は誰も悪くない
のである。
加熱するファンと死にそうな庵野の落差が生んだ世紀末の魔物。
その作風は前述の「劇場版イデオン」の影響を受けているともいわれる。黒富野といい、「作家を追い詰めるとどういう事になるか」がよく分かる作品だとも言える。
モブもネームドも皆殺し、主人公の精神は病む一方、精神世界での立ち直りの末に迎える赤過ぎるラストシーン。監督が鬱病と言われても納得してしまう。
前作『破』から
14年もの歳月が経過しており、その間エヴァ初号機の中で眠りについていたシンジはヴィレに初号機がサルベージされた事で目覚め、14年の間に変わり果てた「世界」と、受け入れ難い己の「罪」をまざまざと見せつけられる。
そこで知り合った友達、そして変わってしまった世界のために行動をするも、最悪の形で裏目に出てしまう。
唯一の救いは新世紀と違い自らの手で殺してはいないこと。そして
『シン』という救いがあることだろう。
レイと第三村を通して一度は全てを拒絶していたシンジは再び立ち上がる事ができた。
もはや説明不要の無印第45話の展開。
そして最終シリーズ『セーラースターズ』第30話にて、悲劇は繰り返されてしまう…。
物語の最終盤、重篤の
ハナちゃんを救うために、
どれみ達は先々代の女王との戦いの末に1000年の眠りについてしまう。
そして、残されたどれみの妹の
ぽっぷは…
一週間後には第3期『も~っと!』が始まるが、「#」としては第49話「さよならハナちゃん」で完結する内容になっている。
だいたいローズマリーのせい。
もはや説明不要の絶望の仮面回。
序盤における
真琴関連もそうだが、物語の中盤ではようやく和解した
レジーナが目の前でジコチューに戻され、彼女から憎しみをぶつけられた
マナが完全に心をへし折られてしまい、その上
キュアエースにプリキュアの資格を剥奪されたことで
精神を病み、2日間も学校を休んだ上に自室に閉じこもり、拒食状態にまで陥ってしまう…。
主に
ひめと
いおな関連。
特にひめはアクシアの箱を開け、
幻影帝国を復活させてしまった全ての元凶であり、物語の中盤でその事を
いおなの口からバラされてしまったことで
「めぐみもゆうこも自分のことを嫌いになった」と強く思い込み、塞ぎ込んでしまう。
しかしこんなのはまだ序の口。終盤では、
支援者である神と、真のラスボスにまつわる衝撃の展開が待ち受けているのだから…。
物語の中盤、
はるかが「プリンセスになる」という夢を本格的に目指すきっかけとなったカナタ王子が記憶喪失に。
さらにはるかが変身してクローズと戦う中、カナタから
夢を真っ向から全否定されてしまった事で、はるかは
変身能力を失い、心が闇に染められてしまった。
次の回では紆余曲折を経て復活するも、本放送時は駅伝放送の為に2週間待つ羽目になったため、多くの視聴者をヤキモキさせた。
だいたいエリシオのせい。
物語の終盤では、エリシオが創り出した「空っぽの世界」で、
感情を失い記憶も改竄されてしまったプリキュア達がその支配下に置かれてしまう。
1クール目の終盤、
仲間2人のような取柄がないことに悩んだ
はなが変身能力を失い、そんな自分を助けようとしたはぐたんがアスパワワを使い果たして覚めない眠りに就いてしまったことに責任を感じて塞ぎ込んでしまう。
…だがこんなのはまだ序の口。物語の中盤には、はなの凄惨にして衝撃の過去が明かされるのだから……。
物語の中盤、
ダルイゼンにメガパーツを埋め込まれ、再び謎の病に苦しめられる
のどか。
ラビリンの助けで何とか体内からメガパーツを追い出す事に成功するが、ダルイゼンによく似たテラビョーゲンのケダリーが誕生。その戦いを通じて
ダルイゼンこそが幼い頃の自分に寄生し、約5年間も苦しめてきた元凶である事を知る。
そしてキングビョーゲンとの最終決戦時、追い詰められた末に自分に「助け」を求めてきたダルイゼンに対し、地球の未来のためにのどかが下した悲しい決断は……。
上記の他にも、終盤にて
グアイワルの罠にはまった結果キンググアイワルを誕生させ、仲間を危険な目に合わせてしまったことを後悔し泣き崩れる
ひなたも、人によっては鬱になる場面であろう。
終盤にて明かされた主人公サイドと
ラスボスの因縁は、さながら男版「明日のナージャ」であり、
欲しい物を手に入れる為なら他者が不幸になっても構わないというラスボスの思想は、同作の悪役であったローズマリー(
マリちゃんの事ではない)そのものであった。
主に2クール目における
バッタモンダーとシャララ隊長関連。
さらに終盤ではアンダーグ帝国の支配者たるカイゼリン・アンダーグとその側近の
スキアヘッドにまつわる、
衝撃の大どんでん返しが多くの視聴者を驚愕させた。
第6話にて、些細な事から
いろはと喧嘩し、さらにライオンのガルガルを前に犬ゆえの本能で足が竦んで動けなくなったにも拘らず無理をしていろはを助けようとした挙句、彼女の足を引っ張る形で敗北したことで、ますますいろはとの仲が拗れてしまう
こむぎ。
そして夜、自分はいろはの役には立たないと強く思い込んだこむぎは一匹家を去ってしまう…。
これまでは比較的ほのぼのとした作風だっただけあって、このような唐突な鬱展開は多くの視聴者の心を抉った。
もっとも次の回では冒頭から鬱要素が一気に減ったけど
上記の他にも、
ユキと
まゆのすれ違いや絶滅動物の話題、ペットの寿命問題など、
裏番組とはまた違った切り口でさらっと鬱要素を入れてくる。
また終盤では、
ガルガルやガオガオーンの親玉であるガオウの正体にまつわる大どんでん返しが待ち受けていた。
第6話にて、アイドルプリキュア達の大ファンで、自身もそのプリキュアになりたがった紫雨こころだったが、プリキュアたちの本当の仕事を目の当たりにした彼女は戦意喪失し、「キュンキュンしてない」と嘆く。
次の回では紆余曲折を経てキュアキュンキュンに覚醒する予定だが、姫プリ同様本放送は駅伝放送の為に2週間待つ予定であり、多くの視聴者をヤキモキさせている。
レオモンの死に激昂した
タカトにより暗黒進化した
ギルモン、過去のトラウマを刺激され最終話近くまで精神を病んでしまう樹莉、
プログラムに浸食された現実世界等。
最終話ではそのプログラムを何とか封印することに成功するが、その代償として子供達はパートナー達と別れざるを得なくなってしまう……。
だいたい倉田のせい。
人間ドラマ色の強い回や妖怪の末路について救いのない・後味の悪いエピソードも多く、中でも妖怪が単なる加害者ではなく、人間の存在に圧迫されていきそれに反抗するおぼろ車や穴ぐら入道の話の結末は特にやるせない。
おどろおどろ回のようなやりきれないエピソードが多いが、黒幕の正体及び
ヒロインとの関係性が明かされた1年目クライマックス、第二次妖怪大戦争が勃発した最終話付近は重苦しい展開が続いた。ちなみに
前者ではもう一人のヒロイン、後者では主人公が一度死亡している。
そして
前日譚となる劇場版では、
TVシリーズでも焦点を当てていた「人間の悪意」がこれでもかと言わんばかりに描かれる。
日本沈没(映画)ではなく、アニメの方。
Netflixオリジナルアニメ。
スピーディにどんどん死ぬ。とにかく救いはない。
畳みかけすぎてキャラも感情を置いてけぼりになる。
リヒト「何故だ!?何故俺は死んでいない!?何故俺が!!俺だけが!!生きているんだあああああああああああああああああああああ!!」
自分たちを迫害したオルベリアの人間たちを絶望させようとするが、戦いの果てに妹や仲間を全て失い、ただ1人生き残って逆に絶望するリヒト。
詳細は
ブラックエッジ(キングスレイド)を参照。
海外アニメだった前2作と違い、完全日本制作に切り替わったことで、セイバートロン星が爆破されたり、登場キャラが死んだりするといったシリアス展開が目立っている。
序盤からセイバートロン星完全制圧、ライノックスの裏切り、苛立ちを隠せないラットルやチータス、あまりに絶望的な状況によりチーム解散の危機に陥るサイバトロン…などなど。
あまりに重すぎる作風とキモいメカデザインから一時はシリーズそのものが終了の危機に。
日本語版は声優のアドリブ大暴走によってある程度緩和されているが、それでも陰鬱で暗い空気を完全に覆せてはいない。
中盤から後半にかけて、人類とテオティの板挟みになって苦しむ碓氷アブト。
- 新幹線変形ロボ シンカリオン チェンジ ザ ワールド
前2作
と裏番組の主人公が良くも悪くも「迷わない」人物なのに対し、本作の主人公・大成タイセイは(思春期らしい)繊細な少年で事あるごとに悩み、迷い、周囲の足を引っ張ることもしばしば。
加えて他のシンカリオン運転士も何かしら問題を抱えており頻繁に衝突する、味方組織の筈のERDAのトップもタカ派で主人公への理解・配慮に乏しい、そして
敵であるアンノウンの正体やシンカリオンが造られる事となったきっかけ等、前作まで
や裏番組のある意味牧歌的な雰囲気とは対照的に、全体的にギスギスした空気が漂っていて日曜朝から重い。
デュエマじゃなくなっても深夜32時台アニメは健在だった
主要登場人物のほぼ全員に何かしらの壮絶な過去が存在し、そのリアルな描写が情け容赦なく視聴者の心を抉ってくる。
理由は不明だがブルーレイの発売も中止になってしまった。
しまいには全ての元凶が他でも無い自分自身だった事を思い知らされた主人公が、一度は絶望の底に沈んでいく事に。
最終話でも主人公の姉が壮絶な戦いの果てに消息不明になってしまうなど、お世辞にもハッピーエンドとは言い難い結末となっている。ただし姉に関しては後に発売された『帝』で生存が確認された。
「大河内一楼が脚本」という時点で嫌な予感がした、もしくは本作以降大河内作品を警戒する様になったという者も少なからずいるだろう。
油断から
大量殺戮が起こる、
ヒロインの凄惨な死、裏切られる主人公……と、胃の痛い展開には枚挙に暇がない。
最後は一応平和な世界になった事だけは救いと言えるか。
本格的戦記アニメを志向して制作された異色作であり、侵略国家ディガルド武国による暴虐の数々が容赦なく描かれる。
中でも物語前半で描かれたゼ・ルフトの街をめぐる顛末は
主人公達唯一の希望となる人物が既に命を落としており、ディガルドの圧政をただ見ていることしかできないまま一切逆転なしでバラバラに撤退を強いられるという救いのかけらもない展開に。
その後も、圧倒的な戦力差の前に殺戮されていく人々や、一枚岩になれない
ディガルド討伐軍の姿が容赦なく描かれ、全編通して非常にハードな作風が貫かれた。
そして、番組終盤で明かされた
機械兵の真相は今なおシリーズ屈指のトラウマ展開として知られているが、実は
構想段階では更に悲惨な設定だったとか…
そしてそれらのシリアスの余韻が、萌え推しの2期と3期EDでぶっ飛ぶまでがセット
大仰なギャグシーンやデフォルメ強めのキャラデザなど、低年齢層を意識した要素が多く盛り込まれた作品だが、話のノリこそ明るいものの世界観自体はかなり過酷。
直接の描写こそ少ないが、物語の裏では夥しい数の人間とゾイドがデスメタル帝国の手で虐殺されたり故郷を焼かれており、善人であっても生きるために後ろ暗い手段に手を出さざるを得ないキャラも少なくない。
過去作では基本的に憧れの対象だったゾイドも、本作ではむしろ「破壊と殺戮をもたらす存在」として多くの市民から恐怖と嫌悪の対象となっており、旅の途中で街に立ち寄ったフリーダム団が住民から「ゾイドを他所にやってくれ」「出て行け」と邪険に扱われるのは最早お約束であった、
デスメタル帝国が本格的な攻勢に乗り出した番組後半はよりハード色が強化。
中でも、洗脳され、大量殺戮の片棒を担がされたアボカドのアンキロックスを前にアラシが苦渋の決断を迫られた第44話は特に後味の悪い結末に。
戦時中の日本に振り回され、それでも懸命に生きた兄妹。親戚の家での居所の悪さに二人だけで生きようとするも……。
夏休みの終戦記念日前後を中心に金曜ロードショーで放送される事が多いが、何度観ても内臓が抉られる気分にさせてくれる。
人間になることを願うあまり悪い意味で人間的になっていく主人公と、親の愛に飢えているなど闇を抱えている大半のメインキャラたち。
宣伝ではそうしたエグさやグロさにほとんど触れていなかったため、「親子向け冒険ファンタジー」を期待して絶望した人が後を絶たなかったとか。
おおかみへと心が向き始めていた雨と、人間へと心が向き始めていた
雪。
2人はその価値観の違いから険悪な関係になってしまう。
最終的に2人は完全な和解を果たすことなく離別し、
事実上の喧嘩別れとなってしまった。
すずが現実世界で歌えなくなった理由となる凄惨な過去。
更に中盤では、すずがルカちゃんに「相談」を持ちかけられてから、しのぶくんへの想いが破れる事、心の支えが消えてしまう事に号泣してしまう。
そして何より重いのは、竜のオリジンのバックボーンであった…。
後半のアルベルトにまつわる全て。
シー・モンスターの少年ルカとアルベルトは、人間世界に来る前は微笑ましく友情を育んでいた。
だがアルベルトは、人間世界に来てからルカが人間の子ジュリアと仲良くなり、価値観が変化していくことが許せず嫉妬や孤立感などを肥大化させていき、ついに暴走。
心が離れつつあった友を、
夢や他者との関係を壊すことで束縛しようとした結果……
最大限の拒絶で返され、自我崩壊にも等しい精神状態に追い込まれてしまう。
その後明かされた、(おそらく唯一の肉親である)父親が蒸発し天涯孤独の身で育ったという過去も相まって、なおさら痛々しいものがある。
さらに没案の中には、
闇堕ちどころかラスボス化することが示唆されたものさえ存在する。
このように後半では、何にでもワクワクできた純粋な子供たちが成長していく過程で道を踏み外し、友情が壊れていく姿がリアルに描かれる。
「世界が広がる喜び」や「差別や恐怖心へ対する処方箋」として知ることの大切さをテーマに据えた本作。
その一方で、「他者との埋めがたい差が見えたり、友人すら陥れることまで出来るようになってしまう」といった負の側面もガッツリと描かれる。
そもそも人間側の「シー・モンスターは見つけ次第抹殺」という基本スタンスからして、殺伐としたものを感じた人も多いだろう。
が、二人はシー・モンスターでありながらそうした差別意識すら利用し互いを蹴落とし合うので、なおさら陰惨な展開になっている。
それまでいい子だったルカの行動は衝撃的でトラウマものであるが、アルベルトの行動もまた、リアルなら絶縁不可避レベルだろう。
他者との関係は、双方にメリットがあって初めて成り立つもの。
付き合うメリットがなくなるばかりか、害すら与えるようになってきたら、たとえ友人関係でも壊れるのは時間の問題なのである。
もっとも、育った環境の悪さゆえに社会性や他者を尊重する心が欠けていたと考えると、やり切れないものがあるのだが……
ただ、アルベルトが自身の過去を打ち明けたことにより、ルカは真の意味で彼を理解し、自らの弱さを乗り越えることができた。
これにより、二つの種族の和解も成し遂げられている。
アルベルトも最後はちゃんと救われ、ルカの夢を後押しできるまでに成長。
スピンオフでは町で楽しく暮らす様子が描かれると同時に、彼が真の意味でトラウマを乗り越える展開が待っている。