ここでは逆点火ロケットについて解説する。
目次
逆点火ロケットとは
ロケットが後ろ向きに動いている時に点火する事で、ロケットの推進力を強化するテクニックである。
以下の映像のように、ロケットがとんでもない速度を出すようになる。(左下の速度計注目。単位はkm/h)
使い方
逆点火は、ロケットに後ろ向きの速度を与え、その後点火する事で行うことが出来る。
ロケットに与える速さはわずかでも効果はある。しかし、ある程度の速度までは推力リミッターがあるため効果が薄い。
推力リミッターを無効化するには、52*(「推力」の値 ) m/s 以上に加速する必要がある。(4倍ロケットの場合、748.8km/h)
また逆点火後の推力は点火時の速さに比例して増加する(疑似限凸)。
逆点火ロケットを推力として用いる場合、なるべく速い速度で点火するのが良いだろう。
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逆点火ロケットの推力計算式 |
逆点火ロケットの推力計算式
逆点火時のロケットの速度をv[m/s]として、(500/52)*v [N]の推力である。
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Tips: 3倍
デカップラー6個で逆点火した場合、速度は18万km/hに達する。当然バニラで最速の物体である。
逆点火の方法
逆点火をする為には、ロケットが後ろ向きの速度を持つ必要がある。
その為の方法はいくつかあるが、おおよそ二つに分類される。
ロケット自体を加速させる
ロケットだけを逆向きに加速させて点火させる方法だ。
デカップラーでロケットを射出する、ホイールや
トラバサミの回転運動を利用し瞬間的に速度を与える等の方法がある。
基本的にマシンが静止した状態で行う必要がある。
デカップラーでロケットを加速する方式
画像の例では、
デカップラーを若干斜めに傾け上向きに飛ばす事で、
デカップラーに当たらないようにしている。
まっすぐ後ろに発射し、
グラバーで掴み推力として使うのも良いだろう。
必須ではないが、ロケット点火を
センサーで行うと逆点火が安定する
サンプルマシンデータ
発射映像 通常のロケットよりも遥かに速い速度が出ている。
トラバサミでロケットを加速する方式
トラバサミは単体のバニラパーツでは最速と言われるほど閉じるスピードが速い。
トラバサミの先にロケットをつける事で、閉じる勢いを利用して逆点火をすることが出来る。
サンプルマシンデータ
ロケットを反転させる
ロケットを点火した後、
ステアリングヒンジや
トラバサミで反転させる方法だ。
ロケットをマシン進行方向と逆向きに搭載する。ある程度の速度まではマシンが加速し、十分な速度に達した後ロケットを点火させ反転させる。
ある程度までマシン自身が加速する必要がある為、逆点火ロケットの推力はそのマシンの速度に左右されてしまう
逆点火二段式ボムロケット
逆点火ロケットを利用したボムロケットだ。
上段のロケットである程度の速度を稼ぎ、下段のロケットを点火、その後
ステアリングヒンジで180度回転させる事で加速する。
見てわかる通り、逆点火ロケットの構造自体はシンプルで小さい為、飛行機に加速装置としてつけても良いだろう。
サンプルマシンデータ
仕組み
ロケットには通常、推力リミッターが存在する。上限速度以上に達するとロケットの推力が0になる。
この上限速度はロケットを点火した際の速度によって決められる。
しかしロケットを逆点火した場合、この上限速度が負の値になることがある。
この状態になると推力リミッターが正常に動作しなくなり、ロケットは常に100%以上の推力を発生させる。
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もっと詳しい説明 |
もっと詳しい説明
ロケットの推力は以下の式で求められる。(詳しくは 炸裂式ロケット)
※太字で書かれた変数はベクトルです。
Fは推力ベクトル[N]、pは「推力」で設定した値、 uはロケットの前向きの単位ベクトル、 vは速度ベクトル[m/s]である。 v0はロケット点火時の速度(初速度)を表している。Vtはロケット前方向に対しての速度を表している。
Vtは0以上、上限速度以下に丸められる。上限速度は点火した直後は ( u・ v0)+52p である。
この時注意したいのは、ロケットの上限速度には、ロケット点火時の速度 (初速度 v0) が含まれている点である。
ロケットが後ろ方向に速度を持っている時に点火した場合、u・v0 は反対を向いたベクトルとなる。逆点火時の速度が52pを超えている場合、上限速度である (u・v0)+52p は負の値をとる。
こうなってしまうと不可解な事が起きる。上限速度が -10の場合、Vtは0以上、-10以下に丸める事になる。これを満たす値は存在しない。
UnityEngineのClamp関数では、最大値が最小値を下回った場合、小さい方の数字返される事になっている。この場合だと、Vtの値に関係なく、上限値の -10が返される。つまりロケットの速度に関わらず、常に同じ推力になる。
またロケット推力式のVt部分に負の大きな数字を入れると、推力が大きくなることが分かるだろう。逆点火時に後ろに大きな速度を持っていればいる程、Vtは負の大きな数字を持つ。このことから逆点火ロケットは初速が速ければ速いほど出力が大きくなる。
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関連項目
最終更新:2024年04月07日 21:50