スレフィエ国の文化では主要民族である
知的種族スレフィの間で培われてきた文化について主に解説する。
大宇宙連合会議加盟後は多少ヒューマノイド種族の常識が取り入れられつつあるものの、スレフィの伝統的な価値観は未だに根強い。
生活面
グイ
スレフィたちは無機養分の補給のためにしばしばグイ(Ghui)と呼ばれるミネラル分を含んだ石のような飴を口の中に入れていることが多い。リン栄養素の補給のためにマッチの先端をくわえていることもある。
排泄
スレフィの多くは余分な塩分や蓄積した重金属などを固めて口から排出する。この行為はスレフィによって汚い行為であるとされ、他の者に見られると恥ずかしい気持ちになる。一般的に洗面所などにゴミ箱があり、そこに捨てている。
コミュニケーション
褒め言葉
葉っぱがツヤツヤなことを褒めたり、生命力に満ち溢れている様子を褒めたりすると喜ばれる。
花の香りを褒めるのはあまり喜ばれない。
罵倒語
「モヤシ」は侮蔑語である。大抵のスレフィが怒る。
ただし、葉緑素を持たない従属栄養に特化した亜種族もいるため差別語でもあり、かなり乱暴な言葉である。
ファッション
スレフィは元々被服(服を着る)という概念を持たなかった。なぜなら、胴体でもわずかに光合成が行えるため胴体を布などで覆ってしまうとその分の生産量が落ちてしまうからである。また、スレフィの胴体はあくまでも茎であり、胴体を露出しても特にタブー視されることはなかった。
被服文化を持たなかったため、火山噴火や核の冬など気温が急激に低下するイベントでは組織液に糖分を溜め込んで凍結を防いだり、ペンギンのように多数の個体が身を寄せ合ったりすることで適応した。
ヴァルエルクに発見された後、「文明的ではない」として半ば無理やり着させられた歴史を持つ。現在では国際社会の配慮のためにスレフィ自身が進んで着衣をするようになった。しかし、樹皮を持つイシュメニだけは被服の例外とされている。
ソワンスやフイシーは上半身にチャック付きのシャツを着用する。ブレゾンス、スヒム、レヌーなどはパンツのような下着を着用する。小さめのチャック付きのシャツを着る場合もある。
受粉防止キャップはパートナー以外との受粉を避けるために使われ、カップルとして成立した時にその証として多くの場合はプレゼントされる(自費で購入するケースもある)。そのため、受粉防止キャップを着用している個体にはパートナーがいると見なされる。
恋愛や性の文化
性差
ジェンダーに関してはスレフィ種族が雌雄異株と雌雄同株でかなり異なる。しかし、
スレフィエ国で最も個体数の多いスレフィ種族が雌雄同株のスイワンスであるため、開国前から男女の格差は小さい社会を形成していた。
育児
種子スレフィ(赤ん坊)は土に植えられ、水と栄養分をもらって育てられる。しばらくすると土から顔を出して、経口で栄養補給できるようになる。さらに成長すると四肢が伸びて土から這い出て自由に活動することができるようになる。
育児をするスレフィに協力することは社会的に求められるところがあり、近くに住むスレフィが幼体の面倒を見ることは社会的規範であると考えられていた。
開国前までは種子スレフィが土壌微生物や野生動物にやられて死亡率が高かったためよく他のスレフィが育児を手伝っていたが、近年では育児キットの開発や高品質な人工土壌の普及で死亡率が低下した結果、育児の手伝うケースは減少しつつある。
婚姻
スレフィには元々婚姻という概念がなく、繁殖に関するタブー視は希薄である。風媒・虫媒で見ず知らずのスレフィの花粉を受け取ることは一般的な繁殖手段であった。
大宇宙加盟以降はヒューマノイド種族に影響を受け、現在では雌雄異株のスヒム、レヌー、イシュメニはパートナーを形成ことがある。パートナーを形成しないことも少なくない。
スイワンス、ブレゼンス、フイシーなどのスレフィにも婚姻文化が広まりつつある。
開国以前は突然受粉することがよくあり、それを拒否しない風潮があったが、現代では受粉を防ぐために受粉防止キャップを着用する場合もある。
また、珍しい例だが三人以上で結婚することもある。これはパートナー全員がスレフィでないと法的には認められない。
国外のヒューマノイド種族が帽子を被っている姿を見るとスレフィは受粉防止の意思表示をしていると勘違いすることがある。
兄弟姉妹の順序
子供が生まれる際、種子として土に植えられ、芽吹く際に地面から出てくる時が生まれた順番である。
そのため、土に植えられた順番が後でも早く土から出てきた場合は兄・姉となる。
兄弟姉妹の上下関係はあまりなく、「同じ花から生まれた特別な関係」という関係性であるが、何番目に生まれたかで
命名の接尾辞が異なる。
家族観
基本的には一人の親と複数の子という関係性である。
伝統的なスレフィの社会では共同体に属する複数人の成体が子供を協力して育てるケースもあり、そのような地域では親子というよりもむしろその共同体の子供という位置づけで育てられる。
差別
葉緑素差別
開国前から元々葉緑素を持たない亜種族や、先天的に葉緑素が少ない遺伝病の個体に対する差別があった。
現代でも葉緑素差別は社会問題となっており、たとえ褒める時であっても葉の色について言及すると相手によっては嫌な顔をされる場合がある。
色差別
葉緑素の差別の影響でそもそも色に言及することが望ましくないという風潮がある。逆にこれを逆手に取ったジョークがある。
民族意識
四つ葉
全てのスレフィは幼少期に子葉をつける。子葉の枚数は四枚であり、スレフィにとってこの四つ葉は生命と繁栄の象徴である。
関連項目
最終更新:2022年11月30日 04:27