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国の標語:廃墟からの芽吹き |
国歌:スレフィの歌 |
主要言語 |
スレフィスレメン語 メロー語 エルミア語 |
首都 |
ヘイユム |
最大の都市 |
スフレヘンス |
政府 |
スレフィ内閣 |
国家元首の称号 |
首相 長老 |
政治体制 |
立憲長老制 |
人口 |
93億6000万個体 |
主な宗教 |
イシュメニ崇拝 |
通貨 |
ルンス(Lyns) |
建国年 |
1717年 |
加盟年 |
1717年 |
領 有 |
母星 |
スレミス |
首都星 |
エズムース |
その他惑星 |
ブレゼンセンス |
領有星系 |
エンス・レミエゼンス星系 フエズニス星系 ブイズニム星系 |
スレフィエ国(スレフィスレメン語:Slefhie mels sfhens)はラヴェルト宙圏の民主主義国家である。スレフィエはその人口の大半がスレフィ(Slefhi)と呼ばれる植物種族で構成されており、自然共生を重視している。
種族
詳細についてはスレフィエ国/種族を参照
スレフィエ国の固有種族は植物種族であり、総称として
スレフィ(Slefhi)という語が用いられる。
スレフィは元々惑星スレミスなどに居住していた
主人と呼ばれるヒューマノイド種族のペットとして生み出された。スレフィにはキメラ技術が用いられており、ベースとなる植物に動物遺伝子を組み込んで創造されたと推測されている。しかし、ベースとなった植物は既に絶滅したと考えられており、動物遺伝子のベースとなった動物種も判明していない。スレフィは様々な種・品種が創造され、現在では7つの種族、6つの植物種、数十の品種が存在している。
政治
ヴァルエルク式民主主義を参考にスレフィエ独自の文化・民俗に合った立憲長老制を採用している。
現行のスレフィエ15月憲法にイシュメニ種族の長老の存在が明記されており、その権力が制限されている。
長老はイシュメニ種族長老会の長であり、長老会の合議によって選出される。任期はないが、概ね10~20年で交代する。憲法には長老よりもスレフィ内閣が優位であると明記されており、スレフィ内閣の長は首相と呼ばれる。首相は政府首班であり、内閣を攻勢する閣僚への人事権と指揮権を有し、ヘイユム議会の解散権を持つ。不信任や弾劾を受けた場合の解散権が認められていない。軍隊の指揮権は首相にある。
イシュメニ種族長老会
スレフィ内閣
木陰機関
軍事
スレフィエの軍隊は宙軍、陸軍、特殊作戦軍に分かれている。
ヴァルエルクの軍事技術と戦闘教義の影響を受けているが、火器の主体は実体弾兵器であり、実体弾兵器研究が盛んな国との技術協定も行っている。
ギゼヴトラ・ZHL条約に加盟しており、ZHL兵器はこれまで一度も製造・保有・輸出したことがない。
スレフィエの独自技術が活かされており、耐久力と回復力に特化している。
宙軍
星系防衛ドクトリンを採用している。
星系を防衛するための要塞や防衛プラットフォームを有しており、軍艦は機動力を犠牲にして武装と装甲が発達しているため、星系防衛に適している。
全ての軍艦が通常装甲やシールドの他に植物体再生装甲を有している。この再生装甲は暗闇では動物細胞の生体再生装甲よりも回復速度は劣るが、恒星の付近では驚異的な回復速度を誇る。光合成発電が可能である。
武装面では荷電粒子砲などのレールガン系統を用いている。
機動力は低く、通常空間航行では巡洋艦クラスの軍艦ですら全速航行のヴァルエルクやメロアの戦艦に追従できないことがある。
陸軍
遅滞戦闘ドクトリンを採用している。
森林やジャングルでのゲリラ戦に特化した戦い方が得意であり、敵軍を誘い出して全方位からの遊撃を行う。また、負傷しても種族特有の治癒力によってすぐに戦線に復帰することができる。戦闘を長引かせて敵軍の補給が不十分になってからがスレフィエ陸軍の本領であり、いかに敵軍をそこまで持ち込むかが重要であると考えられている。
イシュメニを除く多くのスレフィはこのようなゲリラ戦に適した緑色の肌と小柄な体躯を持ち合わせている。
戦闘車両は全て植物体再生装甲を有しており、全地形対応の多脚戦車を運用している。
特殊作戦軍
ゲリラ戦に特化したゲリラ・コマンドー部隊とかエージェント部隊とかがいる。
文化
スレフィ種族は長い間ヒューマノイドとの接触なく独自に発達した亜人文化を持つ。
生物学的な特性上、ジェンダー、婚姻と農業(農耕)といった概念がほとんど発達しなかった。
ヴァルエルク保護国時代にはヒューマノイド文化がいくつか流入した。
開国前は衣服を着用していなかったが、ヴァルエルク保護国時代に被服文化が輸入された。
経済
スレフィたちは元々光合成によって単独でもほぼ生存が可能であったことから、農耕という概念が存在しなかった。また、交易・取引という概念に関しても希薄であり、護衛の代わりに
グイを渡していたとされる。
スレフィたちの初期の文明では無機塩類を固めた
グイが通貨として用いられていたようである。グイは長らく通貨としてその地位を占めていたが、大宇宙加盟後からは
エルミア共和国の貨幣経済の影響で
ルゾという通貨を使い始めた。
「ルンス(Lyns)」という名前はエルミアの通貨
「エルン(Ern)」に由来する。
保護国時代にはヒャマ(植物アンプル)やグイ(無機塩類キャンディ)が大量生産されるようになり、養分となる鉱物の生産、精製を中心に工業化、貨幣経済の浸透が進められた。現在でも鉱物生産、鉱物精製は盛んである。
技術
原種性カルス
スレフィ種族の原種に近い植物細胞のカルス。ヴァルエルクの生物学者によって発見され、有用性が報告されている。
いわゆる”ご主人様”が創造した細胞に極めて近いものと考えられており、未知の機能が次々と発見されている。
植物体装甲や葉緑素発電など様々な技術に応用されている。
国内では自種族に近い細胞を研究やテクノロジーに応用することに反対するスレフィたちもいる。
葉緑素発電
スレフィエの太陽光発電は葉緑素を活用した高効率・高耐久・自己修復機能を有している。
外国にも輸出可能。
植物体装甲
植物体再生装甲とも。
船体装甲として利用される特殊な繊維を持つ植物体。真空・放射線環境に適応しており、ダメージを受けても水と無機養分と太陽光を与え続けることで元の形状に戻る。ハニカム構造をしており、六角形の一つ一つが一個体になっている。特殊な薬品処理をしない限り増殖能力を持たず、10年程度の寿命がある。
精製抽出技術
原料から資源を抽出するための技術が経済規模にしては多少優れている。
資源
リン鉱石が大量に採取できる。リンは化学肥料や農薬として農業に欠かせない他、工業用の触媒、発煙弾の製造等に使われる。
惑星
スレミスと惑星ブレゼンセンスは海底にウランやプルトニウムの化合物が堆積しており、放射性物質を比較的容易に採取できる。
その他の資源は並程度の産出量があるが、スレフィエ社会で需要があるとは限らないので輸出に回されているのもあるだろう。
領域
エンス・レミエゾンス星系
惑星スレミス
スレフィエの母星として知られる。
主人によって建設された建造物は遺棄され、廃墟となっており、スレミスはそのような廃墟陸地の大半を占める比較的温暖な大陸型惑星である。
現在でも陸地の大半は放射線量が高く、スレフィを含む放射線耐性のある種族のみが全球で活動することができる。このような理由から、
スレミスはヒューマノイド同士の戦争によって居住不能となった可能性が高いと推測されている。
フエズニス星系
惑星エズムース
スレフィエの首都星として知られる。
スレミスと同様に
主人と同一の文明によって植民された廃墟の惑星であり、スレフィが生み出された後に植民が行われ、開拓の際に連れ込まれたものであると推測される。エズムースには戦争の痕跡はあるもののスレミスとは異なり、滅亡・遺棄の直接的原因は気候変動によって熱帯型惑星になったためだと思われる。
スレフィにとっては光合成しやすく雨によって水分供給を行いやすい反面、競合植物に日光を遮られてしまうこともある。そのような場合は光刃斧などを使って切り倒すなどしている。
スレフィエ国初期にはこの惑星エズムースで最初に議会が開かれたことや
スレミスよりも人口が多いことなどを理由に首都星に指定された。
ブイズニム星系
惑星ブレゼンセンス
ヴァルエルクの援助によってスレフィによる植民が成功した惑星。
ブイズニム星系は16世紀頃にはラヴェルト宙圏諸国に知られていたが唯一ハビタブルゾーンに存在する岩石型惑星がヒューマノイドには居住不可能な廃墟惑星のブレゼンセンスしかなかったため、
リーエス連邦も
エルミア共和国も領土に編入することはなかった。
ヴァルエルク保護国時代にヴァルエルク政府の意向によりエルミア政府の了解を得た上でブレゼンセンス開拓が行われた。
ヴァルエルクの入植後調査によれば惑星ブレゼンセンスも
主人と同一の文明によって植民された可能性が高いと見なしている。滅亡の原因は惑星スレミスと同じく高濃度の放射線量によるものであると考えられている。また、ZHL兵器(核兵器)の不発弾が見つかったことから、原因は戦争であるとされている。
国際関係
自由解放連合諸国との関係
友好度:◆◆◆◆◇
保護国時代からスレフィエの近代化を推進してきた宗主国。親分である。
スレフィエはヴァルエルク式民主主義を参考にして立憲長老制を確立し、ヴァルエルクの支援で医療、教育、インフラなどを開発・整備した経緯がある。
かつてはヴァルエルクに完全に追従する姿勢を取っていたが、開国以降の経済発展に伴う発言力の向上により、ヴァルエルクに完全に追従せずにある程度は独自路線でやっている部分も存在する。また、関係対等化を求める国内の動きやエルミアへの友好を模索する動きも見られる。
スレフィたちの一部の習慣は開国時にヒューマノイドと合わせるべく変化したが、その大半はヴァルエルク人の好みによるものと言われている。
友好度:◆◆◆◆◆
平和的な共和制を敷いており、宗主国ヴァルエルクと同じ陣営に属していた(1790年代まで)。
メロアとは隣国で同じ民主主義国家であり、幼馴染的な友好関係にある。これはメロアが協商連合に所属するようになってからも相変わらずで、異なる陣営でありながらも以前とあまり変わらない関係を継続している。
北の
メレンノ帝国や
ベリオン共和国の脅威に共同で備えることでいくらか経済・技術支援が受けている。逆にスレフィエからは土壌の貧しいメロー星へのリン鉱石輸出や農業(スレフィの間では育児)支援を行うことが可能。
スレフィエ国で原料を輸入して加工品として販売したい。
民主主義と法を重んじているアポラとヴァルエルク式民主主義を導入したスレフィエはイデオロギーの相性が良く、また立地面でもやや近いこともありかなり友好的である。
また、アポラの幾度にも及ぶ危機では、その度に支援や人材派遣等を行った。
アポラへの積極的な支援を行った点で評価が高い。アポラ支援仲間。
一方でウビウリ政府が傭兵稼業を認めていることや協商連合に所属している点でマイナス。
ウビウリの特殊な資源の原料を輸入して精製している。
1790年代以降、スレフィエがメロアとの友好を重視して協商寄りの政策を採用した場合、さらに関係が深まることが予想される。
平和的な共和制を敷いているエルミアとはまあまあ友好的である。
エルミア政府としては自分たちの影響圏下に置きたいと思っているのだが、ヴァルエルクとの外交摩擦を懸念して最小限に留めている。
スレフィエとしても産業・技術・軍事のバランスの良いヴァルエルクからの支援のみならず、技術に秀でたエルミアからの支援を受けたいと思っているが、宗主国であるヴァルエルクの機嫌を損ねたくないのでなかなか踏み切れないようである。
スレフィエの領有する惑星は特殊な資源があるわけでもなく、資源産出量もリン鉱石等を除けば普通レベル。土壌は肥沃だが放射能汚染でサーヴァリア人にとっては使い物にならないなど、ビジネスチャンスが完全にないわけではないものの活用できるレベルになるまでの投資が必要であり、距離もそこそこ遠いのであまり関係は深くないといったところ。
スレフィエ政府側としてもヴァルエルクの経済支援だけで十分な気がしているため、単独でサーヴァリアと手を組むことはあまりなさそうだ。
親分であるヴァルエルクが仲良くしたりしなかったりするため、どう評価したらいいか分からなくなっている。
ただし、友好国のメロアに接近し追従する場合、一時的にサーヴァリアの各財閥との関係強化に踏み切る可能性がある。
ヴァルエルクの影響であまり良い国だと思われていない。スレフィたちは
管理主義を機械工業化のイデオロギーだと勘違いしているほどに情報が少ない。
スレフィエ国内で民主主義社会を維持している限り、技術支援はヴァルエルク、あるいは立地的に近いエルミアから受けることができるのでスレフィエ国政府はヴァルエルク並に遠く政治体制も異なるジエールとは友好関係を模索して得られるメリットは少ないだろうと考えている。
しかし、スレフィエ国が反民主主義路線を採用した場合には技術支援の最有力候補になるだろう。
見た目が捕食者なので印象が悪い。しかも拉致政策を推進しているのでさらに印象が悪い。
反民主主義路線を採用したとしても、スレフィエの周囲にはグロスクロイツ共産主義、リドスウニファ体制、ファルトクノア軍政等の強力なイデオロギーが存在しているため、
ニーネン=シャプチの政治体制を採用するとは考えづらい。
民主主義国だが元首の権力が強く比較的強硬な態度を取るためそこまで友好的ではない。
機械化を推進している国家であるだけに、自然と共に生きるスレフィエとは相容れない部分があるようだ。
一方でマーカスの
アンドロイド市場はスレフィエ社会に
アンドロイドが受け入れられるよう、植物生命体を模したスレフィ型
アンドロイドを開発しようとしたりキャンペーンを行ったりしている。
問題点
スレフィエ国で主に論争や混乱を生んだ国内・国際問題。
伝統の維持
開国時、ヴァルエルクの文化が流入して被服文化が定着し、逆にスレフィエ古来の文化が失われつつある。そのせいで異文化病という元来の文化とは異なる習慣を続けたことによる健康への被害が懸念されている。
異文化病の例
被服によって服を着ている身体の部分が光合成できなくなり葉緑素がなくなってしまう現象。健康に影響はないと言われているが、スレフィエ国内の研究機関の報告では様々な健康リスクが懸念されている。
そもそも種族によって雌雄異株、雌雄同株が分かれており、全てのスレフィは風媒または虫媒によって繁殖するため、特定のパートナーを作る習慣がない。そのためジェンダー概念を導入することで得られるメリットは少ないが、ヒューマノイド種族の多い国際社会への配慮が求められている。
関連項目
最終更新:2023年06月17日 01:46