究極生命/完全なる生命
無原罪の、穢れなき、新雪のごとき生命を創ろう
まるで神の所業だが、問題あるまい。天の御方は穢れている
ネロス・サタナイルこと
明星が理想とする生命体の事。
“完全”という名が付いているが、これは進化の究極だとかそういう意味ではない。サタナイルの考える完全とは神の御業をその手で再現すること。すなわち己のような
原罪を持つアダムの子孫ではない、穢れのない真のヒトの創造。
ヒトの始祖とは全知にして全能であり、何者にも傷付けられず、何者にも汚されず、
絶対の力と
完全なる美を持つ存在でなければならない。
しかし
人類の始祖アダムは禁断の果実を食し、知恵を得たがゆえに
罪を背負ってしまったのだとサタナイルは語る。ゆえに末裔たる我々もまた罪を背負った不完全な存在と化してしまっているのだと。
これは偏にヒトの始祖である
王冠の独裁者が全知全能ではなく、不完全な存在である事の証であり、ならば自らが究極生命を創り出し、愚昧な神を討滅し
神の座に成り代わろうとサタナイルが傲慢にも思い立ったのが物語の全ての始まりである。
シンを持たない新たなヒトを創り出すことで神の領域に達することがサタナイルの目的。
完全生命は
魂にシンを持たないため、天国の門を開き得る唯一無二の存在。
サタナイルのような
大罪を有する者達は高次元に干渉可能でもアビスの重力に引かれ
王冠へと至ることができない。そのためアダム・カドモンに代わりに門を開かせることを目的にしていた。
このアダム・カドモンを目指してサタナイルが開発したのが、シンを持たない生体兵器・
天使である。
しかし、(サタナイル曰く「軍部の介入を許した私のミス」により)天使たちには自我が芽生えなかった。これは“我思う故に我あり”を信条とするサタナイルからすれば天使は失敗作に過ぎない出来損ないであり、失敗作なりに有効利用しつつ処分を図ったのが本編数千年前の出来事——
プロジェクト・パラダイスロストである。
明星が世界を制した
第三神座にて、
シャマシュという知的生命体が登場している。それらは段階的に群体化され、自他の概念が無い存在であった。
しかし個性を持った
背教徒に変じてしまった者もおり、第三神座がアップデートを前提としていた事からサタナイルが目指していた究極生命にはまだまだ程遠かったようだ。
備考
アダム・カドモン(Adam Kadmon)とは、ユダヤ教のカバラにおける「原初の人間」を指す言葉。楽園で罪を犯す前の人間。
もっというと、神が自分に似せて作った最初の人間なので、人間というより殆ど神である。ご利益は人間の設計図。
殆ど神であるアダム・カドモンを生命の樹の一番上である流出界からレベルダウンさせると
創造界では男女に分割されてしまい、さらに形成界では各々の民族に分割されてしまう、
そして活動界で晴れて個人としての人間にまで分割される。
なので個人が逆にレベルアップして生命の樹を昇ってアダム・カドモンに至れば神にも等しい存在になれるというわけである。
エイヴィヒカイトの理論も同じ。
関連項目
- パラロスの地の文読んでると、たしかにサタナイルの理想通りに究極生命を目指してアップデートしまくったら神座列伝で解説されてる世界になるわな -- 名無しさん (2020-08-01 20:44:32)
- 人類の始祖は全知全能であったが、禁断の果実を食し知恵を得たがゆえに罪を背負った存在となってしまった。邪宗門の碑文よりよっぽど伝承の方がマグサリオンに掠ってるような… -- 名無しさん (2021-07-17 18:51:33)
- 最初の人間が「悪は何処だ!屑は何処だ!」「死ね!死ね!呼吸をして良いと誰が言った!」とか言うてたんですが・・・ -- 名無しさん (2021-11-18 10:16:19)
- たとえどんな罪でも平等にぶった斬るから次世代巻藁として頑張って産まれてこいよ!が人類創造の真相だなんて思わねぇよ…… -- 名無しさん (2021-11-18 11:11:44)
- 知恵を得た=「みんな」を理解し殺して不変に溶かしたとかいうダイナミック神話 -- 名無しさん (2021-11-18 15:46:25)
- (; 🔵‿ゝ🔴)「自分(わたし)に似せて作ったというより合体事故だし…どうしてこうなった?」 -- 名無しさん (2022-05-13 04:45:03)
- ミトラさんは何やっても上手くいかないから・・・ -- 名無しさん (2022-05-13 09:45:25)
- まさかサブタイトルになるとは -- 名無しさん (2023-12-15 22:53:36)
最終更新:2025年02月04日 16:07