BGMはバックグラウンドミュージック (Background music)の頭文字を取った略称で、
なにか別の主体となるものの背景として流れる音楽のこと。
BGMはその場の主役にはならないが、その場を演出するために使用される音楽である。
こと対戦格闘ゲームにおいてでは、キャラクターのバックボーンやイメージを伝える、もう一つのキャラ造形としても機能したり、
また
ステージの雰囲気に合わせた楽曲が作られている。
ゲームのBGMは初めは本当に「おまけ」程度の代物であり、ゲームによっては効果音しか無かった物も珍しくはなかった。
しかし、家庭用ゲーム機や
アーケード?基板に、音楽を奏でるPSGやFM、PCMといった音源が搭載され、
音楽自体も幅広い表現力を持つようになり、単なる「おまけ」からゲームを盛り上げる「影の主役」として、
今では重要なファクターとして機能している。
今の音源の主流は、生演奏や多彩な楽器を使用して録音した音源を圧縮し、ダイレクトに再生するスタイルが主流となっている。
記憶に強いのは
豪血寺一族シリーズのボーカル曲等だろう。
また、よくゲームの冒頭ロゴにある「CRI ADX」や「CRI WARE」も、
ゲーム中での圧縮音源の再生や繋ぎ目のないリピートを実現するCRIミドルウェア社の再生ツールとして見かける事も多いだろう。
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一度は見かけた事はあるはず |
殆どのゲームBGMの再生ツールとして採用されているメジャーツール。
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今でこそ多彩な楽器や曲の流れで非常にバリエーションに富んだ楽曲が多い対戦格闘ゲームのBGMだが、
ストIIや初代餓狼伝説の頃は、曲作りにある共通点があった。それは「1ループにおける時間」である。
この頃の対戦格闘ゲームのBGMはどれも1分前後で1ループが終了する長さで作られていた。
これは「試合が長引いた際に、タイムアップ寸前くらいの長さで1ループする」という感じで作られた楽曲が多かったというのがある。
特に業界内でそういう作りにしようとか、こういう決まりにしようというのは一切無かったのだが、
自然と一試合でしっかり聞かせようという当時の作曲者達の意識がこういった共通点を生みだしたのかもしれない。
また、その中で各メーカーのサウンドチームがCDやライブなどで生演奏するという事も生まれ、
カプコンのアルフ・ライラ、SNKの新世界楽曲雑技団、データイーストのゲーマ・デリック、タイトーのZUNTATAといった専門の音楽制作集団も生まれた。
かつては大規模なライブも開かれており、格ゲーサウンドもその一シーンを刻んでいった。
やはり数多くのタイトルがある対戦格闘のジャンルにおいてでも、名曲が数多く生まれている。
それらはその曲を聴けば、すぐにキャラが思い浮かぶという上記にある「キャラ造形」とも深い関わり合いを持つ事が多い。
ストIIの
リュウのテーマ、餓狼伝説の
ギースのテーマ等、
その人物を象徴する曲の数々が名曲として記憶に残る物として今なお愛されている事がある。
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参考動画 |
CAPCOM格ゲーBGM集
SNK格ゲーBGM集
Gulty Gear BGM集
カプエス2BGM集
北斗の拳BGM集
ドラゴンボールZ 超武闘伝BGM集
幽遊白書2 格闘の章BGM集
天外魔境真伝 BGM集
ワールドヒーローズ2 BGM集
ニンジャマスターズ BGM集
超人学園ゴウカイザー ボーカル曲集
豪血寺一族3 GROOVE ON FIGHT BGM集
レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ BGM集
ダブルドラゴン BGM集
ブランディア BGM集
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MUGENの
ステージBGMは、
ステージのdefファイル内のbgmusicに記述することで設定できる。
配布されている状態ではBGMが付いていない
ステージも多いが、
BGMを設定してあげることで雰囲気や盛り上がりも大きく変わってくるので、こだわってみてもいいのではないだろうか。
原作の曲をそのまま使ってみるもよし、アレンジバージョンを使ってみるもよし、格ゲーとは関係ない曲を使うもよし。
BGMのチョイスには、そのプレイする人達のセンスがあるので、一概にこれといったものはない。
それ故、思いもがけない組み合わせが、盛り上がりを呼び起こす事がある。
ニコニコMUGEN動画においてでも、試合中のBGMによって気持ちを高揚させる効果もあり
動画を作る場合には是非ともBGMのチョイスも目に置いてみてはいかがだろうか。
幸いにもニコニコ動画にはゲーム音楽というありがたいジャンルタグがあるので、
このタグの登録された動画をめぐるだけでも様々な音楽に出会える。
nicomimi
などでこれらからMP3ファイルを生成して使うのも一興だが、余裕がある人は近所のレンタル屋でサントラを借りてみるなり
思い切ってサントラを1つ買ってみるといいかも知らない。きっと素敵な曲との出会いがある。
余談だが、MUGENのBGM再生機能は実は割と性能が良く、大抵はリピートする際には圧縮した音源を再度展開するため
曲が終了したら再び展開する時間が生じて間が空いてしまうのだが、MUGENの場合一旦曲データを読み込んだらその行程無しでリピートする事が出来るので、
曲を加工すれば繋ぎ目のないリピート再生をする事も可能である。
但し、パソコンの機種やスペックによっては途中で途切れたり
キング・クリムゾンする(曲の途中が消し飛ぶ)などの症状が出る場合もある。
MUGENはVistaには非対応なため、特にこの現象が起きやすい。
更に補足すると、イントロや必殺技のステートに
flag = Nomugic
という一時的にBGMを止める記名があると必ず音が途切れる。
例えば「1ラウンド目で
テーレッテーをすると、2ラウンド目以降から曲が変になる」、「イントロの後、曲の途中から再生されてやっぱり音が途切れる」等の不具合がある。
ただ、Vista用の応急処置として、音楽再生をするプラグイン"
in_mad.dll
"を最新バージョンに差し替え、
再生する音楽を比較的高音質・低圧縮でMP3エンコードをすると、上記の症状を回避する事が可能である。
しかし、元々最新バージョンのdllには対応して無いため、再生が開始するまで間が開く事がある。
そこで、ニシャス氏が画期的な音楽再生プラグインを開発した。
- wmaが再生可能
- F7、F8でBGMの音量をリアルタイムで調整可能 F6でミュート どちらもSEやボイス音量には影響なし
- 特定のプログラム起動時にミュートをONにする指定機能
- テキストファイルに再生したい音楽ファイルを書き込み、ステージBGMに指定することで
複数の音楽ファイルが再生できるプレイリスト機能 ループ時に曲を変更可能 個々の音量調整も記述できる
と、従来には無い機能も充実している。
また再生面でも非常に安定しており、上記の従来での問題点の解消やVista環境での安定再生も行える。
それに、これを導入しても従来の設定方法も使えるので、改めて設定をし直す必要もない。
そして09/9/12には新機能を更に追加したv2.0.0が配布となった。
前バージョンでの不具合や機能強化に加え、更に下記の機能が追加となった。
- フォルダ再生機能
- かんたん音楽追加機能
- ステージBGM仮割り当て機能
- ID3v2タグ削除機能
- 情報ディスプレイ機能
- MUGEN強制ポーズ機能(デフォルトのポーズと違いMUGENそのものを完全停止させる)
- 曲の再生開始、停止時間指定機能
- mugen.cfgを開く機能
- 調整音量の記録保存
他にも細かい機能が追加、強化調整されている。
導入の仕方等も丁寧に説明されているので、これまでBGM面で不安定な挙動が気になっていた方は試してみてはいかがだろうか。
また、動画の演出のために敢えてBGMを設定せず、ムービーメーカーなどで編集する段階でBGMを付けるという方法もある。
気分や戦況によってBGMを変化させる演出なども可能になるため、こちらの方法を採っている動画も多い。
しかし、これらの処置を施しても上記の不具合が完全に改善されるわけではないので御注意。