豪血寺一族


豪血寺一族シリーズ概要

豪血寺一族ゲーム仕様



豪血寺一族シリーズ概要

ニコニコで人気の格闘ゲームシリーズ (主にステージの一つが)
ゲームそのものよりもその背景BGMの方が有名になったゲームはそうそうないだろう。
しかし、当然それ以前からも格ゲーファンの間では有名な作品であり、シリーズが今なお続く、色んな意味で話題にもなる名作である。
実際、他のBGMも名曲揃い。ちなみにサウンドを手掛けたのは「ギースにキッス」の作曲で御馴染み田中敬一氏である。
『豪血寺一族2』からPCMストリーム再生を駆使してボーカル曲をふんだんに取り入れ、
NEOGEOでは大容量ROMカセットと高速アクセスのメリットを利用して全編ダイレクトPCM再生という、豪快な手法でボーカル曲を作り上げている。


この作品以降イラストレーターとして名を上げていった村田蓮爾氏が手掛ける「濃い」キャラ達も印象的である。
しかし、ぶっ飛んだ設定ややたらに甲高いボイス(それも殆どのキャラ)、
そして何よりまごうことなきババアが主人公と言った所から、大人気にはなれなかった通の一品であった。

ちなみに
  • ステージには高さがあり広い」
  • 「全てのキャラに空中ジャンプ及び空中投げがある」
  • 「ダッシュ攻撃」
  • 「全ての通常技にキャンセルが出来る」
  • 「戦闘中の変身システム」(ただし変身可能なキャラそのものは先行作品にある)
  • 「先行入力型の防御システム」
というシステムは『豪血寺一族』シリーズが初であると言われている。

豪血「寺」というものの、寺ではなく財閥であり、
「一族及びこの財閥の長となる人物を一族の中から決める」のがこのシリーズの大まかなあらすじである。
そのため「登場するファイターの殆どに血縁的な関係がある」という裏設定がある
(ただし『闘婚』はシシー及びシシーの兄の結婚相手選出大会、『煩悩開放』はシシーが暇潰しに開いた大会という設定である)。

背景の人のお陰で、稀に退魔師一族と信じてる人や(確かに『3』で悪魔と対決した事もあるが)、
坊主キャラ(陳念)とタイトルのお陰で寺が云々と信じている人もいるが、それは間違いである。
ただし、同じアトラスが開発したRPG『ペルソナ2 罪』に、スタッフの遊びとして「豪傑寺」なる寺が登場した
(『豪血寺』ネタに限らず、『ペルソナ2』はアトラスの過去作品ネタや内輪ネタが散りばめられている)。
そこの住職は生身で木々を飛び移る天狗のような人物らしい。

MUGENではそれなりにキャラが作られているもの、
キャラがコンプリートされるのは遠い先の事のようである。AIが搭載されているキャラも少ない。
ただ『闘婚』のラスボスであるプリンセス・シシーには強AIがあり、かなりの強さを誇る。

なお、具体的な作品の設定は以下の通り。
+ 豪血寺一族の設定

豪血寺一族の設定

時は江戸時代まで遡る。
名だたる剣豪野牛十兵衛(柳生十兵衛に非ず)の隠し子である新十郎は佐々木小次郎の従兄弟の娘であるお菊に出会い、結ばれる。
隠し子故に父の「野牛」姓は名乗れず、しかし新十郎は母から聞かされた父の血筋を誇りに生きてきた。
剣豪の血筋であるという意味を込め、姓を豪血寺と名乗り、豪血寺新十郎となる。これが豪血寺一族の起こりである。

新十郎とお菊には7人の子が出来た。
上の子から
  • 新太郎(長男)
  • お市(長女)
  • 顔十郎(次男)
  • お紺(次女)
  • 止次郎(三男)
  • 六朗太(四男)
  • 超七郎(五男)

実はお菊はもう1人子を生んだのだが死産してしまい、墓へと葬られる。
しかし、なんと本来六男となる筈だったその子は奇跡的に息を吹き返し、蘇った。
墓守の佐七はたまたまその子を発見し、捨八と名付け育ての親となった。

新太郎

長男の新太郎は勝海舟と共にアメリカに渡り、後に2人の子を儲けた。
男子一、女子一、男子は新之介と女子はお彩と名付けられた。
奥方に関する資料は残っていないが、日本名を名付けられている事から日本人ではないかと考えられる。

世は西部開拓時代の世であり、新之介は騎兵隊に入隊。
辺境に赴きインディアンと交流。そこで一人の娘と縁ができ、結婚する。
その新之介の曾孫に当たるのがホワイト・バッファローである。

お彩はジョージ・ウェインという人物と結ばれ二人の子を産んだ。
二人は伸之介・ジョージJrと綾・エイミーと名付けられた。
伸之介・ジョージJrは後にジョニーという子を儲け、更に後、ジョニーも子を儲けた。
その子供がキース・ウェインである。

お市

長女のお市はアーサー・クレイトンという人物(名前からすると英語圏の人と思われる)と縁あって結ばれ、
ロナウド、セイラ、トーマスという三人の子を生んだ。

セイラはラインハルト・フォン・ハミルトンという貴族と結婚し、一人の子を産んだ。
エドワードと名付けられたその子は、リサとポールという二人の子を儲けた。
そのリサもまた一人の子を儲けた。その子供がアニー・ハミルトンである。

アニーは後にキース・ウェインと結婚し、クリス・ウェインという男子を儲ける事になる。

トーマスはダイアナ・ベルテという女性と出会い結婚した。
二人には双子が生まれ、エリザベスサンドラと名付けられた。
そのサンドラもまた子を儲け、ナタリアと名付けられた。
そのナタリアの子がアンジェラ・ベルテである。

お紺

次女のお紺は本家を継ぐ形で兵次という婿と結ばれた。
二人には三人の子が出来、玉吉、お志摩、お由と名付けた。

このお志摩こそ世界有数の財閥の一つとなった豪血寺財閥を築き上げた人物、豪血寺お志摩である。
生まれた時から予知能力等の不思議な力を持ち、徳川埋蔵金を掘り出し莫大な富を手に入れた。
お志摩には双子の娘が出来た。
この双子こそ豪血寺お梅豪血寺お種である。

顔十郎

次男の顔十郎は伊賀へと里子に出された。里親の姓が破鳥であるので破鳥顔十郎となる。
顔十郎は柱次郎、お豊という二人の子を儲ける。
柱次郎も後にまた大蔵と陸郎の二人の子を儲ける。

大蔵は臣、幻内、さくら子の三人の子を儲けた。
この幻内の子が破鳥才蔵、さくら子の子供が破鳥匠である。

また、さくら子が幼い頃に犬に襲われた所を弧空院干滋(後述)によって助けられるという事があった。

なお、雪上火澄は忍者繋がりでこの辺の家系の出身である可能性が濃厚である。

止次郎

三男の止次郎は5人の子が出来た。
秋舞(シュウマイ)春巻(ハルマキ)夏倫(カリン)安仁(アンニン)成龍である
(奥方に関する資料は残っては居ないが中国系の人物であったと考えられる)。
長男の安仁の元には三人の姉妹が生まれた。
上から麗池(レイチ)磊池(ライチ)梨池(リーチ)である。
三女である梨池には二人の子が出来、ミンミンと広浪と名付けられた。
この広浪の子が陳念である。

六朗太

四男の六郎太には四人の子が出来た。
四人はお玉、お良、伝十郎、お留と名付けられた。
唯一の男子である伝十郎は宗一郎と常次朗という二人の子を儲けた。
次男である常次朗は大山ミツに婿入りし、初江と徳児という二人の子を儲けた。
徳児は礼子という女性と結婚。一人の子を儲ける。
その子には二人の名前から取って礼児と名付けた。
これが大山礼児である。
一方、初江の子供が大山凛である。

超七郎

五男の超七郎は幾度も結婚をするものの、ことごとく妻に離別されてしまう。
結果として子ばかりがたくさん残り、家は大貧乏となってしまった。
已む無く本家筋に助けを求め、代償として代々他の豪血寺一族を助ける「黒子」となった。

捨八

死の淵から甦った実質的な六男である捨八は後に駕篭屋を起し、三人の子を儲けた。
鈴之介、定吉、捨佐衛門である。

長男である鈴之助は親の暖簾を継ぐものの、遊ぶ事を覚えてしまった。
駕篭屋は女将に任せ、遊び仲間の外人から教わった写真の技術から写真屋を開くものの旅先で死去する。
鈴之助には月之丞と鈴之進の二人の子供が居り、長男である月之丞が駕篭屋を継いだ。
鈴之進は鈴之助の旅に引きずり回されていたが、鈴之助の死去の後、旅先で結婚する。
そうして儲けた子供が、徳之進、干滋、春樹、お彩という四人の子供である。
この次男の干滋こそ弧空院干滋である。

ちなみに干滋は豪血寺お梅と無理矢理結婚させられるが、二週間で家出したため子供は残していない。
三男の春樹には周作という子供が出来、周作には治という子が出来た。
治は四人の男子を儲け、上から卓、健次、猛、金田朗と名付けた。
この四男の金田郎こそ弧空院金田朗である。

捨八の次男である定吉は、後に吉原で最も人気となる簪屋を営むようになった。
そしてその腕を買われ、花魁と共に海を渡り、パリ万国博覧会へと行った。
そこでたまたま出会ったアラブの王様に気に入られ、お抱えのデザイナーとなる。それを機に研斬という性を名乗った。
そしてベリーダンスの女王と謳われたサハド・アスラン・ナディアと出会い、結婚。
ウルド、ローレンス、ヴェルナンディー、スクルド、タッタという五人の子供を儲ける。
長女ウルドの子コレットと次男タッタの子ダレルが結ばれ(姉さん女房だった)、4人の子供を儲けた。
上からフランチェカ、ソフィア、セーラ、リュートと名付けられた。
このリュートこそサハド・アスラーン・リュートである。

三男である捨佐衛門は名前に反抗を覚え、家出してしまう。
横浜から漁船に乗り、大阪を目指すものの四国へと着いてしまった。
その後九州の長崎へと向かい、出島で土産専門店の走りとなる版画屋を開いた。
そして結婚し、それを機に鈴木の性を名乗った。
お蘭、鱈衛門、桜次朗、求作という四人の子を儲け、求作が版画屋を継いだ。
ある時、求作が仕入れにロシアに行ったのだが、ロシア革命が勃発してしまう。
同じくロシアに来ていた紀ノ屋文吾と共にロシアを脱出。
その時に紀ノ屋文吾にいたく気に入られて娘を貰ってくれと頼まれた。
そして文吾の次女、双葉と結婚し、あおいという女子を儲けた。
また、柳の木の下で子供を拾い、この子を元樹と名付け育てた。
あおいは花小路錬三郎という人物と出会い、結婚し、紋子と登美子という二人の子供を儲けた。
紋子も二人の子供を儲け、兄を貢、妹をクララと名付けた。
この妹のクララこそ花小路クララである。
なおこの兄妹には12歳の年の差があり、そのためか貢はクララに激甘になってしまっている。
クララは後にある空手家と結婚し、花小路ポプラという女子を儲ける事になる。

また乙霧レミも、基本出場者が全員親戚同士なのにわざわざ「ポプラと(中略)遠い親戚」と説明があるため、
はっきりと明言されていないが、この辺の家系である可能性が大きい。

その他系譜不詳

家系図はあくまで『2』の頃に発表された設定のため、その後のシリーズでは家系図に登場しないキャラクターも多く登場している。
そのため『3』や『新』以降に新登場した者の多くは、豪血寺の血を引いている可能性は高いものの詳細不明である。

誰の子孫かは不明だが、分家の中でも強大な財力を持つ名家の一つだった(恐らくドイツの)ゲルトハイマー家の頭首が、
『3』のルドルフ・ゲルトハイマーである。
あまりにも力を付け過ぎたルドルフは本家の乗っ取りを企み、これが原因でゲルトハイマー家は豪血寺を追放された。
また、『3』でゲルトハイマーが拾った元孤児のデミアン・シェイドも、個人エンディングで豪血寺一族の頭主に就任している事から、
実は豪血寺の血筋であった可能性が非常に高い。

家系図の資料に記されていないものの、一族にしか分からないはずのポチの言葉や才蔵のポパペパ語を理解している事から、
血縁に含まれると考えられる人物もいるが、確定情報ではない。
九戸文太郎九戸真太郎城門光オロフ・リンデロードプリンセス・シシープリンスなどがその可能性が濃厚と推測される。

同じく系譜不詳だが、西暦2115年の未来に於いてソーリス=R8000という人物の存在がDNA鑑定で確認されているのが、
現時点で一番未来の豪血寺一族情報である。

一族外の人物

『最強伝説』のチャック、『煩悩解放』のボビー・オロゴンは外部から招かれた最強の格闘家という設定のため、一族の血筋とは無関係である。
そもそも後者は実在の人物だし
また、『3』にて豪血寺一族を抹殺しようとするブリストル・ウェラーも当然ながら血縁ではない。
『闘婚』にゲスト出演した『レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ』の4人も、それぞれ豪血寺の人々と関連は持っているものの血縁関係は恐らく無い。
……はずであるが、リン・ベーカーは何故か一族にしか分からないはずのポチの言葉を理解出来ている。まさか一族だったりするのか……?


ストーリー

豪血寺財閥を築き上げた豪血寺お志摩にはお梅とお種という二人の子供が居た。
二人は胎内に居た頃からすら仲が悪く、互いに蹴り合っていたという。

お梅は幼い頃より豪血寺一族の頭首としての権限(名誉、財閥所有、一族の頭首権限)に目を付けた。
頭首となるために最も邪魔になるであろう、双子の妹であるお種を虐待し続け、
最後にはお種を亡き者にするため、寝ている間に箱に詰め海に流してしまった。
この時の両者の年齢は六歳である。
なお、母であるお志摩は予知の結果からかお梅を何も咎めなかったと言う。

お種は奇跡的にとある農家によって助けられるものの、あまりのショックのためか記憶を失くしてしまっていた。
そして貧乏な農家の娘として育てられる。
お種が十五歳となった頃、育ての親よりあるものを見せられる。
それは「お種暗殺計画」であり、お種が詰められていた箱の中に入っていたのだ。
全てを知った彼女はこの時より豪血寺一族に復讐するために修行に明け暮れることになる。

時は流れ…箱に詰められ海に流された時から七十年以上も経っていた。
老婆とはなったものの、お種は遂にお梅の実力に対抗し得る力を身に付けることが出来たのだ。
力を手に入れたお種は五年に一度開催される頭首格闘決定戦へと出場する事にした…。


豪血寺一族シリーズ・ゲーム仕様一覧



豪血寺一族



1993年11月にアトラスからリリースされた、豪血寺一族シリーズの記念すべき第一作目。
海外版のタイトルは『Power Instinct』。
翌1994年にはスーパーファミコンとメガドライブに移植された。

+ 豪血寺一族 ストーリー
豪血寺一族、この一族は頭首を決めるべく格闘技大会を5年ごとに開催している。
今年はその5年目。現頭首豪血寺お梅は60年間頭首の座に君臨していた。
エントリー資格は一族の血を引いている者、ただそれだけである。
そして今回の大会には、お梅の妹お種も参加していた。

時をさかのぼること165年前…………
剣豪としてその名を江戸の世にとどろかせている一人の武士がいた。
男の名は野牛十兵衛。
剣の達人と恐れられた彼であったが、「無類の女好き」という裏の顔があり、無数の武勇伝と共に多くの子孫を残していった。
その中のたったひとつの血筋が、後の世において恐ろしく強大な存在となるのである……。
ある時、武者修行の旅先で、一人の娘と激しくもはかない恋に落ちてしまう。
四季が過ぎ、二人の間に男の子が生まれた。十兵衛は丈夫そうな子供であることを見届けると、名前もつけないうちに再び修行の旅に出てしまう。
残された母親は、夫「十兵衛」から一文字とってその子に「新十郎」と名づけた。
……野牛という姓こそ名乗れぬ母子であったが、……
雄々しく成長する新十郎に、母は父親「十兵衛」のことを聞かせる決心をする。
“世に名高き剣豪の血が自分にも流れている”
新十郎はこのことを何よりも誇りとして生きていくようになる。
やがて母がこの世を去り、父・十兵衛も他界したことを風の便りに聞く。
さすがに傷心の日々が続いたがそんな折り、新十郎に突如縁談が舞い込んでくる。
相手はお菊という娘で、二人は八人の子宝に恵まれ幸せな人生を送っていく。
幾度もの春が訪れ、秋が過ぎ、時代は江戸から明治へと移っていった。
新十郎69歳。すべての人に名字を持つことが許されることになる。
父のことを誇りに生きている新十郎は、「我が一族は、剣豪の血筋を受け継ぐ一族也」
と意義を込めた名字を考えた。

“豪血寺”!!

この豪血寺の文字が表すとおり、家訓の真髄は力と血筋を賛美することにあり、その血筋が弱者へ継承されることを忌み嫌った。
新十郎の残した姓と家訓は更に強い血筋が受け継がれていくことを託したものであった。
豪血寺三代目頭首“お志摩”が掘り当てた埋蔵金と油田の力で、豪血寺家は世界三大財閥のひとつに数えられるまでになっていた。
この結果、財産目的の、己の欲望のためだけに頭首の座をねらうものがかなり増えていくこととなる。
怪しげな呪法を研究する者、ひたすら体を鍛えあげる者、伝統武術を習得しようとする者などなど……
余りにも頭首の座を狙う者が多く、業を煮やしたお志摩は一族すべてに対して通達した。
「この度、豪血寺家主催の格闘技大会を挙行することに決定した。この大会で優勝した者には、豪血寺家頭首の座をその日から五年間与えるものとする。
 また、その期間が終了すると同時に、再び頭首の座を賭けて格闘技大会を行うこととする。」
大正の世が終わり、時代は昭和を迎えようとした時、血で血を洗う頭首の座獲得のための格闘技大会が始まったのである。

そして、現代…………

概要

独特の濃い雰囲気を持つ「豪血寺一族」シリーズの第一作目。キャラクターのイラストは村田蓮爾氏。
対戦格闘ゲームの世界では『ワールドヒーローズ』と並ぶ奇抜な格闘ゲームとして知られ、カルト的な人気を誇る。
使用出来る全キャラクターが絶大な財力・権力を持つ大財閥「豪血寺」家の血縁という設定で、
その頭主の座を賭けて5年に一度開かれる一族主催の武闘大会に集まったというもの。
キャラクターの外見自体はそれほどイロモノ臭はしないが、設定や性格に問題のあるクセの強い人物しか登場しない。
特に豪血寺お種・お梅双子姉妹は、お互いを亡き者にしようと考える 老婆 という、
奇抜を通り越して誰が得をするのか分からないキャラクターである。
しかも 投げ技で相手の精気を吸って若返る という前代未聞の能力を持っていた。

キャラクター

  • 使用可能キャラクター
  • CPU専用キャラクター
豪血寺お梅(現頭主、最終ボス)

システム

操作系はレバー+4ボタン。弱パンチ、強パンチ、弱キック、強キックの4つに割り振られている。
全キャラに2段ジャンプと空中投げが搭載された初めての格闘ゲーム。
ステージはジャンプシステムに合わせて縦軸2画面分の高さがある。


豪血寺一族2



1994年10月にアトラスからリリースされたシリーズ2作目。
海外版のタイトルは『Power Instinct 2』。
翌1995年10月には『豪血寺一族2 ちょっとだけ最強伝説』のタイトルでPSに移植された。

2の概要

  • ストーリー
前大会の闘いでお梅を倒し頭主の座に就いたのは、双子の妹のお種だった。
それから一年が過ぎたある日・・・事件が起こった。

            「しばらく留守にする。後の事は任せた。 豪血寺お種」

お種は一枚の書置きを残して失踪した。

            ──豪血寺家訓曰く、頭主のおきて第十三条
            頭主の座を一週間あけた場合。頭主の座を、退かなければならない。
            党首の座が欠落した場合五年を待たず、格闘技大会により次期頭主を決めなければならない。

再挑戦の七名に新たな五名、そして、前頭主のお梅を加え、再び熱い闘いが始まる!

+ 豪血寺一族2 詳細ストーリー
絶大な権力と富を手にせんがために、一族の猛者が集まる格闘技大会。

お梅は、類い稀なる格闘技の才能に恵まれ、十八歳で頭主の座を手にしてから六十年の間、
幾度となく行われた大会において一度たりとも負けず、その地位を守り続けた。

地位と権力を極めたころ、それを誇示せんとし、お梅は自らの名を冠したプレイランド「お梅ワールド」を建設した。
しかし、それもつかの間、一昨年に開かれた大会でお梅は敗北し、頭主の座を退くことになった。
お梅に次いで頭主となったのは、前頭主お梅の妹お種であった。
天賦の才能では、お梅に負けぬものがあったお種が、ついに姉を超える日が来たのであった。

激闘の末、念願の頭主になったお種の最初の命令は、姉お梅の富と権力の象徴「お梅ワールド」を改造し「お種ワールド」を作ることだった。
お種ランド完成式典前夜、皆が様々な思いを胸に眠っているとき、一人の黒子の声によって静寂が破られた。

「た、大変です!お種様が…」

黒子が握りしめていた手紙にはただ一言、「しばらく留守にします。後をよろしく」とだけ書かれていた。
不安な面持ちで顔を見合わせる黒子たちの脳裏を掠めたのは、豪血寺一族の家訓だった。

”豪血寺一族現頭主が頭主放棄の意思を見せ、一週間以内にその意志を覆さない場合その地位を放棄するとみなすことができ、
一週間後に再び頭主決定格闘技大会を開催することが出来る”

五日経ってもお種からの連絡はなく、大会規定に基づき世界中の一族に通達が出され、各地から大会参加者が集まってきた。
八人の前回挑戦者に五人の新たな参加者が加わり、十三人の血族が完成間近のお種ランドに集結した。
一週間後ついにお種は戻らず、自動的に頭主の座を剥奪された。しかし、一同は疑問を抱いたままだった。
お種は自らの意志で頭主の地位を放棄したのだろうか?それともあの手紙はお種を誘拐した犯人の偽装工作なのか?
謎が謎を呼ぶ頭主決定格闘技大会が、今始まるのだった!!

内容は前作から一年後に急遽開催された頭主決定格闘技大会というもの。
前大会の優勝者は主人公のお種という設定になっており、宿敵である実姉・お梅を倒して見事頭主の座に就いたものの、
その一年後に書置きを残して失踪し、一族家訓により頭主の座が空位になった事で開かれた格闘技大会である。
ちなみに大会会場は「OTANE LAND」。
+ ネタバレ
お種の失踪は、頭主返り咲きを狙った前頭主・お梅と母お志摩の陰謀だった。
お梅派の黒子一個師団に拉致され海に投げ捨てられたお種だが、姉達の陰謀を挫くべく力ずくで帰ってくる。
そして最後に復権を狙ったお志摩を倒し、大会に優勝した者の前に立ち塞がるのが生還したお種である。

キャラクターは前作に加えて5人増え、失踪したお種と入れ替わりにお梅が使用可能になった。
お梅の変身は健在で、新規キャラクターうちクララ、干滋、金田朗の3人もタイプは違うが変身能力がある。
変身も必殺技を当てて変身するもの、超必殺技で力を使って逆にヨボヨボになるものなどバラエティーに富む。
また、豪血寺シリーズの特徴の一つである「忍耐メーター」がはじめて実装された。
これは『サムライスピリッツ』の怒りゲージのように攻撃を受ける事もしくはこちらの攻撃をガードされる事で蓄積し、
MAX状態では一発奥義(超必殺技)が使用出来る。
また、MAXになった瞬間に堪忍袋の緒が切れた事で怒りの叫び声を上げて相手を弾き飛ばす事が出来る。

同シリーズのもう一つの特徴である「BGMがボーカル曲」も今作からのもので、
ステージ背景と歌が連動した独特の雰囲気は非常にインパクトがあった。
MP3等のコーデックが存在しない時代だった事もあり、データ容量の大半がボーカル曲に費やされたという。

2のキャラクター

豪血寺お志摩はお梅・お種姉妹の母親でありさらに高齢の老婆であるが、娘達と異なり変身はしない。
  • 使用可能キャラクター
  • CPU専用キャラクター
豪血寺お種(最終ボス)

2のシステム

操作系はレバー+4ボタンで、前作と同じく弱パンチ、強パンチ、弱キック、強キックの4つ。
今作からシリーズの特徴とも言うべき「忍耐メーター」が追加され、MAX時に一発奥義(超必殺技)が使用出来るようになった。

  • 忍耐メーター
攻撃を受ける事及びこちらの攻撃をガードされる事によって蓄積するパワーゲージ。サムライスピリッツの怒ゲージと同種のもの。
ゲージMAX時はゲージと引き換えに一発奥義(超必殺技)を使用出来る。ストック上限は1本。
また、ゲージMAXの瞬間は怒りの叫び声と共にオーラで敵を弾き飛ばす。怒りモーション中は無敵。
この弾き飛ばしは全身に攻撃判定があり、通常攻撃並みの攻撃力を持つ。

  • 2段ジャンプ
シリーズの特徴の一つである全キャラ使用可能な空中ジャンプ動作。
1段目で攻撃を出しても2段目のジャンプは可能だが、その攻撃が相手にヒット(ガード含む)した場合は2段ジャンプ不可になる。

  • ダッシュ 「→→」
ダッシュ中に出した攻撃は通常時の2倍のダメージを与える。
代償としてダッシュ中に攻撃を受けると倍のダメージを受ける。正に諸刃の剣。
ダッシュ中に←で即バックステップに切り替える事が出来る。

  • バックステップ 「←←」
後方に素早く移動するステップ。発生時に無敵判定を持つため緊急回避にも使える
前ダッシュと違い、攻撃は出来ない。(ダッシュ中に←で出した場合のみ攻撃が可能)。

  • 変身
豪血寺お梅、豪血寺お種、花小路クララ、弧空院干滋、弧空院金田朗が使用出来る特殊技。
一定時間キャラクター自体が変化して技性能が大きく変化する。
変身方法は、投げ技(お梅、お種)、飛び道具必殺技(クララ)、一発奥義(干滋)などキャラクターによって異なる。


豪血寺一族2 ちょっとだけ最強伝説(PS)

1995年10月にアトラスから発売されたPS用対戦格闘ゲーム。
基本的にはAC版『豪血寺一族2』の移植であるが、家庭用オリジナル要素として「タッグバトルモード」が追加。
このモードは次作である『豪血寺外伝 最強伝説』のタッグ要素を加えたもので、追加キャラも一部使用出来るが、
対人戦専用かつ、キャラクター性能などはあくまで『豪血寺一族2』がベースである。
だから「ちょっとだけ」とタイトルに強調してるだと?
また、移植度に関しては変身する度にロードがかかって試合が止まったり、一部背景やキャラの通常技が削除されているなど、
お世辞にも高いとは言えなかった。


豪血寺外伝 最強伝説



1995年にアトラスからリリースされたシリーズ3作目。
海外版のタイトルは『Power Instinct Legends』。

外伝の概要

前回の大会は、頭首返り咲きを狙ったお梅の陰謀だった。しかしそこまでして開催した大会で優勝したのは弧空院干滋だった。
新しく頭首の座に就いた干滋は、暇潰しと称してタッグ形式の武闘大会を開催する。
今回は優勝者=頭首ではないため、シリーズ初の豪血寺の血族以外のキャラクター「地上最強の男・チャック」が参戦した……というストーリー。

今作はタッグチーム形式になっており、最初にキャラクターを2人選ぶが、
対戦形式は順番を決めて1対1で戦う勝ち抜き戦スタイルである。
使用可能なキャラクターは前作と同じだが、花小路クララは変身能力が削除され、
変身後のスーパークララと冥犬ポチは独立した別キャラクター扱いになった。
そのため、弧空院金田朗は冥犬ポチが独立した関係で違うキャラ(小悪魔的なもの)に変身する。
逆にサハド・アスラーン・リュートは変身能力が追加され、変身するとオウムになる。
また、同一キャラクターを2人選択する事が出来るため(黒子除く)、必ずしも複数キャラの操作を覚える必要はない。

外伝のキャラクター

タッグのため2キャラを選択するのだが、何故か同キャラを選択する事も可能。
血族以外のキャラクターとして「地上最強の男・チャック」が最終ボスとして登場。
  • 使用可能キャラクター
  • 隠しキャラクター
チャック(最終ボスチーム、同キャラタッグ不可)
ゲーメストの記事でチャックはリーダー専用と書かれているが最初のリーダー選択時にチャックを予め出しておけばパートナーとして使用可能である

外伝のシステム

基本は『豪血寺一族2』と同じだが、ボタン同時押しによる「ごっつい攻撃」「迎撃防御」が追加された。

  • ごっつい攻撃
強攻撃よりも威力の高い通常技。立ち、しゃがみ、空中版(主にジャンプ大Pと同じグラフィック)と3つ存在し、
性能も浮かし・吹き飛ばし・中段と、キャラによって色々異なる。
なお、空中版は相手キャラと当て方によっては、世紀末ゲーよろしくバスケが出来たりするという困りものでもある。

この時代からバスケは存在していた

  • 迎撃防御
ガードキャンセルが可能な防御。
専用のガードポーズを取り、ガード成立時に攻撃ボタンを押すとカウンターを繰り出すというもの。
必殺技はもちろん通常技でも可能なのでお手軽ではあるものの、一定時間が過ぎるとスカリポーズが出てしまい、隙だらけになるので多様は禁物。
また、地味に必殺技の削りも無効化する事が出来る。

  • ダッシュ必殺技
ダッシュ中に特定の必殺技を使うと残像が付き性能が変化する。溜めが必要な技の場合は溜めずに使える。


グルーヴ・オン・ファイト 豪血寺一族3



1997年にアトラスからリリースされたシリーズ4作目。
海外版の名前はそのまま『Groove on Fight』。Glove onFight』ではない。
サブタイトルは 3 だが、外伝を挟んでいるためシリーズとしては 4作目 にあたる。
セガサターン互換基板であるST-V基板でリリースされり、後にセガサターンに移植された。

GoFの概要

犬猿の仲だったお種とお梅の姉妹が年月を経て結託し、タッグ制の頭首争奪格闘大会を開催する。
その裏で、豪血寺一族を抹殺しようとする謀略が動いているのだった。
西暦2015年という設定になり、全登場キャラクターが血族であるという設定はあるものの、
旧作のキャラクターはババア姉妹以外登場しない。
一応、関係の深い人物として旧キャラクターの子供であるクリス・ウェインと花小路ポプラがいる。
最終ボスのブリストルは悪魔絵師こと金子一馬氏のデザイン。
豪血寺一族とは無関係で、慈善家を装ったデビルサマナーであり、大量の悪魔を召喚する必殺技を持つ。

+ ちょっぴりアレな話
実はGoFの登場キャラには他のシリーズには無いとある裏設定が存在する。
それは登場人物の大半が物凄くカオスな裏の面を持っているのだ。
具体的に言うとゲイ、バイ、ロリコン、ショタ、レズ、モノフェチ、フリークスetc……
キャラの中には見た目やプロフィールで分かるキャラもいるが、後は誰がどれに当てはまるのかは全くの不明である。
……そもそも何故こんな裏設定を作ったのかすら不明なのだが、豪血寺のキャラ自体が非常に濃いため何を今更との声もある。

前作『最強伝説』と同じくタッグチーム形式になっているが、
タッグシステムそのものは『X-MEN VS. STREET FIGHTER』のような任意交代制に変更された。
試合は相手チームを二人とも倒せば勝利となる。
控えキャラクターの体力ゲージが少しずつ回復する、援護攻撃、二人協力技のデュエルアタックなど、基本は他のゲームと大差ないが、
倒されたキャラクターが画面内に倒れたまま残り、持ち上げて投げ付ける飛び道具として使えるあたり、やはり『豪血寺』である。

動作の硬直が長めで、自由に動かすにはやや慣れが必要。全体的にダメージは大きめ。
基本的なコンボで5割を超えたり、永久技があったりとやや大雑把な所はあるが、
事実上の新作でありながら『豪血寺』らしさを損なう事はなく、バランスはともかく完成度は高い。

GoFのキャラクター

お種とお梅は背中合わせにお互いを紐で縛り付けた二人で一人のキャラクターである。どっからこんな発想が出たんだか…
デミアン・シェイドはAC版ではサブキャラだが、家庭用で使用可能キャラクターになった
(2番目の中ボス戦でルドルフと共に出てくるが、ルドルフ撃破→ブリストル登場イベント発生→出番の無いままデミアン退場の流れ)。
  • 使用可能キャラクター
ラリー・ライト、クリス・ウェイン花小路ポプラ乙霧レミソーリス=R8000M.A.D(マックス=アックス=ダックス)
天神橋筋六、雪上火澄(ゆきのうえ・ひすみ)、豪血寺お梅&お種(中ボス1)、ファルコ(中ボス1の相方)、ルドルフ・ゲルトハイマー(中ボス2)
  • セガサターン版で追加された使用可能な隠しキャラクター
デミアン・シェイド(一応本編でも中ボス2の相方)
  • ボスキャラクター(セガサターン版のみ使用可能)
ブリストル・ウェラー(最終ボス、実質別キャラの2つの姿を持つ)

GoFのシステム

操作系はレバー+6ボタン(なお、他シリーズは4ボタン)。
弱パンチ、強パンチ、弱キック、強キック、ごっつい攻撃、回り込み攻撃の6つに割り振られている。
2段ジャンプ、ダッシュ性能は前作に準じるが、出始めなどに短い無敵判定が付加されている。
ストレスメーター(パワーゲージ)は前作までと同じくMAX時に無敵+弾き飛ばし攻撃判定がある。
一方で、ゲージストック上限は前作までと異なり事実上の無制限になっている。

  • ストレスメーター
いわゆるパワーゲージ。攻撃を受ける、攻撃がガードされる、タッグパートナーが倒される、挑発される等で増加。
ゲージストックを消費してストレスシュート(超必殺技)やデュエルアタック(協力攻撃)が使用出来る。
豪血寺シリーズの伝統に則り、1ゲージごとのMAX時に怒り爆発し、全身無敵状態で相手を弾き飛ばす攻撃判定が発生する。
なお、先述の通り ゲージストック上限は無い
パートナーが倒されている時のみだが、ボタン長押しでゲージ溜めが可能。

  • ごっつい攻撃
通常攻撃よりもごっつい攻撃で、中段判定で吹っ飛ばし属性がある。追撃も可能。
前作まではボタン同時押しだったが、ごっつい攻撃ボタンで出せるようになった。

  • 回り込み攻撃
相手の後方に回り込むように移動し攻撃する。上段のみ無敵判定がある。

  • 超ごっつい攻撃  「ごっつい攻撃+回り込み攻撃」
ごっつい攻撃よりもごっつい攻撃。超ごっついのでガード不能だが、ごっつすぎて発動が遅く使いにくい。

  • 迎撃防御  「強P+強K」
攻撃を受けると相手を一瞬だけ行動不能にする特殊防御。「弾き」に近い。

  • ダウン追撃  「(相手がダウン中に)↑+弱K」

  • 交代タッチ  「弱P+弱K」
ステージ背景で待機しているタッグパートナーと交代出来る。
タッチ中に相手からの攻撃を受けると交代に失敗する。

  • ストレス溜め  「(パートナーが倒されている時に)弱P+弱K」
タッグパートナーが倒されている時のみ使用可能。コマンドは交代タッチと同じ。

  • 援護攻撃  「→+弱P+弱K」
ステージ背景で待機しているタッグパートナーが相手に攻撃する。
仕様上、弱パンチも出てしまうが、逆にそれを利用してコンボに組み込む事も可能。
またコマンド受付時間を利用したずらし押しで弱キックを出しながら援護攻撃を出す事も出来る。

  • ストレスシュート
今作での超必殺技の事。前作までの名称は一発奥義だった。
ストレスメーターのゲージを1本消費する。

  • デュエルアタック  「タッチ中に↓↓+P」
タッグパートナーと協力攻撃。
ストレスメーターのゲージを1本消費する。

  • パートナー投げ  「(倒れている味方の近くで)↓+強P」
体力ゲージがなくなり倒されたタッグパートナーを相手に向かって投げ付ける。敵のパートナーでも可能。
倒されたパートナーはステージ背景に残るため、その近くで使用出来る 飛び道具 である。

  • 友情パワー
タッグパートナーが倒されると攻撃力が上昇する。また、ストレスメーターが大幅に増える。


新・豪血寺一族 闘婚 -Matrimelee-


2003年3月にノイズファクトリーが開発・リリースしたシリーズ5作目。
海外版タイトルは『Power Instinct Matrimelee』。ROM容量は682Mbit。

闘婚の概要

オリンピック以上の知名度を誇る(?)「豪血寺」家党首決定戦。
その豪血寺一族に、某国から主催するイベントに参加してほしいとの依頼が舞い込んだ。
実はイベントの本当の目的は、某国王位継承者の結婚相手選び。
某国では、世界が認める強者(?)である豪血寺一族なら最適と考えたらしい。
結婚相手の条件は、強き者であること!果たして、王位継承権は一族の誰の手に?!
世紀のマリッジバトル「闘婚」の火ぶたが切って落とされた!!

舞台は『GoF』から遡り『豪血寺一族2』の約1年後。豪血寺一族は、某国のイベントに招待される。
しかし、真の目的はその某国の王位継承者の結婚相手を探す事であった。

『GoF』から実に6年ぶり(話が直接繋がる『2』からは8年も)の新作となった本作。
キャラクタードットは全て一新され、またこれまでアトラス自身の自社基板でのリリースから、
当時はまだ現役稼働中であったMVS・NEOGEOへのプラットフォーム移行、開発もノイズファクトリーへと変更となり、
正に「新」と呼ばれるほどの変化を持って登場となった。
そもそもノイズファクトリー自体、アトラスの大阪開発室で『豪血寺』シリーズを手掛けたメンバーが独立起業した会社で、
社長の伊集桂子氏も同シリーズの生みの親である「ちゅうこさん」その人であり、もちろん本作でもディレクターとして関わっている。

そしてこれまでも「歌付BGM」としての知名度があったシリーズで、
「PCM1チャンネルだけでダイレクトに録音した音源を流してBGMにする」という大胆なストリーム再生によって、
かの「レッツゴー陰陽師」を世に広めたタイトルにもなった。

闘婚のキャラクター

グラフィックは新規だが『豪血寺一族2』のキャラクターの多くが使用可能。さらに新キャラクターが追加された。
今まであった変身能力は削除され、ジジイババアはもちろんクララはスーパークララに変身出来ず、金田朗は変身後の冥犬ポチのみである。
開発会社つながりで前年にリリースされた『レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ』から4キャラが隠しキャラとしてゲスト参戦した。
  • 使用可能キャラクター
  • 使用可能な「レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ」からのゲストキャラクター
  • ボスキャラクター(ネオジオ版のみ使用可)
プリンセス・シシー(最終ボス)

闘婚のシステム

操作系はレバー+4ボタンで、A(弱パンチ)、B(強パンチ)、C(弱キック)、D(強キック)の4つに割り振られている。
ストレスメーター(パワーゲージ)のストック上限は最大3本になり、今回から挑発(正式名称手合わせ動作)でもゲージが増えるようになった。
超必殺技も1本消費のストレスシュートと2本消費の一発奥義の2種類を使用出来るようになった
(ただし一部キャラによっては禁じ手という3本消費する技がある)。
ストレスメーターMAX時の怒り爆発でモーション中無敵+相手を弾き飛ばすシステムは健在。
また、吹き飛ばした際やられ判定が残るので、当たったタイミング次第では追撃も可能。
そのためラウンド終了時にゲージが溜まった場合開幕前のコール時に爆発し、
しかも今作から開幕前移動が可能になったので、間違って突っこんだら試合が始まる前からダメージを受けてしまう恐れがある。
変身システムと空中ごっつい攻撃と迎撃防御は削除され、ガードキャンセル、前転、後転が追加。
また、『GoF』の特徴を発展させたのか、黒子を呼び出して、投げたり盾にしたり出来る
その他に、対戦中にお互いに挑発をすると 正しくボタン入力が出来るかを競う 「手合わせ」というのがある。


新・豪血寺一族 煩悩解放(PS2)

2006年5月25日にノイズフィクトリーから発売されたシリーズ6作目。
設定上の時間軸はAC版『新・豪血寺一族 闘婚 -Matrimelee-』の続編にあたる。

煩悩解放の概要

シシーが暇潰しに開催した格闘大会で、今回は優勝商品にシシーとの結婚権は無い。
最終ボスのボビーは、シシーの父である王様が彼女の機嫌取りに呼び寄せた最強の格闘家という事になっているが、
実在の外国人タレントのボビー・オロゴン氏をモデルとしたキャラクターで声も本人のものである。
流石シシーの親が見付けてきた格闘家というべきか、トランクスにグローブ姿の格闘家らしい外見とは裏腹に、
攻撃手段は変な人型オーラや股間からビームなど、格闘とは縁遠いものばかりである。

『闘婚』に無かった要素として、豪血寺お梅お種、弧空院干滋、花小路クララ、弧空院金田朗の変身が『豪血寺一族2』及び『外伝』振りに復活。
豪血寺お梅&お種、弧空院干滋(ヨボヨボ時のみマッチョ時はストレスシュートヒット後)は投げ技、クララは必殺技でスーパークララに変身出来るようになり、
前作で変身後の冥犬ポチだけが参戦していた金田朗は、変身前の姿として新たに参戦を果たした。
なお、ゲスト参戦していた『レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ』のキャラクターは版権の関係からか削除されている。
『闘婚』の最終ボスであったプリンセス・シシーは、今作の本編では単なるサブキャラクター程度の出番しかなく、対戦専用で使用可能。

煩悩解放のキャラクター

『レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ』のゲストキャラクターが削除され、旧作キャラクターの弧空院金田朗とアンジェラ・ベルテが復活した。
弧空院金田朗は変身システムの復活により冥犬ポチと同一キャラクターになっている。
  • 使用可能キャラクター
  • 隠しキャラクター(対戦専用で使用可)
プリンセス・シシー(ストーリーデモで登場)、ボビー・オロゴン(最終ボス)

煩悩解放のシステム

操作系は前作『闘婚』と同じ。黒子関係の削除、手合わせ動作の削除(普通の挑発になった)、変身システムの復活以外の変更点は特に無い。
独自要素としては対戦時に限り「煩悩カード」というシステムが加わり、
CPU戦やミッションモードで溜めた煩悩ポイントでカードを購入し、1回の対戦で3枚使用する事が出来る。
カードの効果は様々で、特殊カラー(原色や純白等)への変更・必殺技キャンセル・各ゲージ回復等がある。
ちなみに、『煩悩解放』で削除された黒子システムはこのカードを使用する事で代用可能(ただし使用制限あり)。
この他、敵に攻撃がヒットしてもストレスゲージが溜まるようになった。


豪血寺一族 先祖供養



2009年7月24日にリリースされたシリーズ7作目で、後述するが現状シリーズ最終作。
TAITO Type X基板を使用。開発はノイズファクトリー、販売はピーアイシー(NESiCAxLive版はタイトーが配信元になっている)。
『煩悩解放』から3年、旧『豪血寺一族』シリーズから実に12年ぶりの新作で、久し振りにアトラスが大きく関与している
(もっともこの当時アトラスは既にアーケード事業から撤退しているため、権利許諾のみ)。
アンジェラ・ベルテの祖母および大伯母である双子の老婆サンドラ・ベルテ(姉)とエリザベス・ベルテ(妹)、礼児の従兄妹の大山凛、
才蔵の従兄弟の破鳥匠、シシーの兄だと思ったらそっくりな別人だったプリンスが新登場する。
いずれも豪血寺らしく非常に濃いキャラとなっており、既存キャラに負けず劣らずの存在感を醸し出している。そしてまたババアが増えた
また、リストラされたかと思われた『闘婚』勢も隠しキャラとして全員が参戦している。
システムでは忍耐メーターの仕組みも変更となっており、これまでゲージが溜まれば完全無敵の衝撃波が入ってストックが1本溜まる仕様であったが、
今作では3本フルに溜まった時のみ、完全無敵の衝撃波が出るようになっている。
また、ゲージは攻撃・防御のどちらでも溜まるようになっており、攻撃してフルになったか、防御してフルになったかで、
以下のようにゲージ属性が変化する仕様となっている。
  • 攻撃してフルになった場合:攻撃力の増加で一発のダメージがでかくなる「攻め」を重視したタイプ
  • 防御してフルになった場合:相手のどのような攻撃をも跳ね返すスーパーアーマー状態となる「守り」を重視したタイプ

ゲーム自体もかなりスピードアップしており、浮かせて攻める空中コンボがかなり充実。
シリーズのこれまでの作品と比べて「空中コンボ」を最重点とした作りとなっている。
起点となる「ごっつい攻撃」は立ち状態としゃがみ状態の二種があり、発動中はスーパーアーマー状態となる。
代償として使用時にはガードゲージの1/3を使用するのだが、ガードゲージが無い場合はスーパーアーマーが解除され、
ここで攻撃を食らうとガードクラッシュ状態になり反確となってしまう。
また、出だしと終了直後もスーパーアーマー効果は無くなってしまうので注意が必要。
この他に、アーケードでは珍しくお題となる技を出してノルマをこなす「手合わせ演舞」、
自由に攻撃を仕掛けてボーナス点を競う「フリー演舞」というボーナスステージが用意されている。
今までのシリーズとはかなりのシステム変更とゲーム性の転換が図られているようだ。
その後、バランス再調整版として、2012年2月22日にNESiCAxLiveでの配信が開始された。
しかし2017年にノイズファクトリーが廃業したため、事実上の最終作である。
豪血寺一族30周年記念にシリーズ復刻企画も予定されていたが、
「あるキャラクターがポリティカル・コレクトネスに抵触する懸念があるためアトラスから許諾が得られなかった」と残念な報告がされている。

ストーリー(先祖供養)

豪血寺財閥頭首お梅の号令のもと、先祖供養祭の一環として「格闘技大会」を開催することを全世界の一族関係者に通達した。
大会の優勝者には、伝説とされる豪血寺家の「生き神様」のお姿を拝謁し触れることができるという。
伝説では「生き神様」に触れると望みが叶うと言われていた。
各々優勝を目指し、集まった一族たちで格闘技大会が開催された。伝説の幸運を手にするために…。

キャラクター(先祖供養)

  • 新キャラクター
サンドラ・ベルテ、エリザベス・ベルテ、プリンス、大山凛破鳥匠
  • 隠しキャラクター
  • CPU専用キャラクター
豪血寺新十郎(最終ボス)


MUGENにおける豪血寺シリーズ

ニコニコMUGENで見るのはほとんどが『闘婚』のキャラである。特にボスのシシーの出番が多い。
旧作キャラも数多く作られており、中でも異様な存在感を放つ豪血寺お梅・お種姉妹は比較的活躍の機会がある。

独特の声とビジュアルを持つキャラが多く、性能やAIも異端な物が多い。
頻繁にバグるプリンセス・シシー、3ゲージ即死コンボを持つ花小路クララ、小パンループを扱う大山礼児、強いか弱いかよく分からないキース・ウェイン
その他も異様に一発が高火力なキャラや、アベバーポパペパプなど全く自重していない。
あまりの暴走っぷりから名勝負製造機と呼ばれる事もしばしば。ある意味世紀末より世紀末である。
今後はシリーズ中最もマイナーな『グルーヴ・オン・ファイト』のキャラクターにスポットが当たる事を期待したい。
ステージも『豪血寺』の「レッツゴー陰陽師」はもちろんの事、『闘婚』のライブ会場ステージが国内で多く作られている。
ライブ会場は床の柄や背景で踊っているアーティストの種類が豊富で動画での使用率も高く、
それらを『』風にアレンジしたステージを、AZAMI氏と柊竹梅氏が製作している(前者は閉鎖で入手不可能)。


最終更新:2023年08月11日 12:10