「私 美人に目がないんです!!
ガイコツだから目はないんですけども!! ヨホホホホホ!!」
漫画『
ONE PIECE』の登場人物。
麦わらの一味の音楽家にして、ルフィの8人目の仲間。
アニメの担当声優は
チョー
氏。
通称
「鼻唄のブルック」もしくは
「ソウルキング」。
年齢は出会った当初は88歳、新世界編で90歳と一味では最年長。
動くガイコツというトンチキな外見だが、これは彼が超人系悪魔の実「ヨミヨミの実」の能力者であったため。
この実は食した者に死亡しても一度だけ蘇生する現象を齎す、という数ある悪魔の実の中でも特異な使い切りの効果を備えていたのだが、
ブルックは運悪く年中霧がかかった「魔の三角地帯(フロリアントライアングル)」という場所で死んでしまい、
悪魔の実の効果で黄泉の国から魂だけ舞い戻ったものの、深い霧のせいで肝心の身体を探すのに手間取り1年もの歳月を費やしてしまい、
ようやく身体を発見した時には既に白骨化しており、しかしそんな状態なのに実の蘇生効果はしっかり機能したため、
動くガイコツとして蘇ったという経緯があった。
なお、アフロはカツラではなく地毛。
ホラーな見た目に反して性格は陽気で明るく女好きで「ヨホホホホ!」とよく笑い、
スカルジョークを飛ばしたり、美人にセクハラめいた要求をすることもある。
一方で
一度死んだ身のためか、命や死に対してはかなりシビアな考えの持ち主。特に命を粗末にする人間を殊の外嫌う。
こんな見た目だがブルック自身は怖がりで、
オバケや
幽霊の類は大の苦手。
一味どころか全キャラを通してもかなりの高齢キャラなため、海の古い伝承や海流などについて詳しく、
本編時点では失伝している古い情報にも精通している。
一方で後述の経緯から何十年も隔てられた環境に置かれていたため、世間の情勢については疎い。
元々は西の海のとある王国の護衛団及び奇襲部隊に所属する立場だったようだが、何らかの理由で海賊となった経歴の持ち主。
しかし、登場時より50年前に「恐ろしく強い海賊」との戦いの末に所属していた海賊団を全滅に追い込まれ、
上述した経緯でブルックだけ蘇ったものの、船も故障していたため魔の三角地帯を独りで50年彷徨っていた。
しかもそんな中で本編より数年前に運悪く出会った王下七武海
ゲッコー・モリアに影を奪われ日の光の下に出る事が出来なくなり、
影を奪い返そうとするも
リューマに返り討ちにされて逃げ出し、魔の三角地帯で立ち往生を余儀なくされる状態になり、
もはや脱出を絶望視していた所でたまたまルフィ達と出会い、成り行きでモリア一派との戦いで共闘し、
影を取り戻せたことや「ある事実」を知ったことを機に麦わらの一味に所属することになった。
長らく海をさ迷う過程で1人ギャグに走っては気を紛らわし、自殺を選ぶことも発狂することもなく50年も脱出を諦めなかった精神性は凄まじいものがある。
過去に親に捨てられたり師が命を捨てるきっかけを生み10年間贖罪に徹していた過去を持つ
フランキーでさえ、
「おれがお前なら……とうに命なんて断ってる!」と断言する程に悲惨な境遇だが、それでもブルックが折れなかったのは切実な「目的」を支えとしたためで……。
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ネタバレ注意 |
ブルックの目的は、かつて仲間だったアイランドクジラという世界一大きくなる種類のクジラの「ラブーン」という個体との再会。
ブルックがヨーキという船長率いる音楽家達で構成されたルンバー海賊団に身を置いていた時期に、
群れからはぐれた幼いラブーンを面倒を見ており、ブルックは特に仲が良かった。
やがて勢力を増した彼らは偉大なる航路の踏破を試みるも、幼いラブーンを同行させるのは危険と考え、
西の海で無理やり置いていこうとしたがそれでもついて来てしまったため、ラブーンにこの先の旅路は危険という判断から、
突入時に海賊船が中破して滞在した双子岬にて交流を持った灯台守のクロッカスに預けていくことを決意。
「必ず帰ってくる」とラブーンに誓って岬を後にした過去があった。
しかし、ヨーキを始め船員の一部が未知の疫病にかかり航海不能になり、パンデミックを危惧した彼らは脱退し、
別の船で一か八か「凪の帯」から偉大なる航路の脱出を試み消息不明になる。
残ったメンバーで航海を継続するも、上述したようにルンバー海賊団は「魔の三角地帯」で同業者との戦闘で全滅。
ブルックだけが蘇りあまりの年月の孤独と脱出不能の状態だったため何度か死への思いに駆られたらしいが、
「ラブーンがもし約束を忘れず待っていてくれたなら、投げ出すわけにいかない」と考えてなんとか踏み留まり続けていた。
そして何の因果か、麦わらの一味の中で東の海から来たルフィ達一行はクロッカス及びラブーンと出会っていた。
ヨーキ達が脱退した一件が運悪く「その海賊団が保身で怖気づいて偉大なる航路から逃げ出した」と歪曲した形でクロッカスに伝わってしまい、
クロッカスも叶いもしない希望を待つよりはとその話を伝えるもラブーンは頑なにそれを信じず(そして実際その通りだった)、
彼らの帰還を50年以上たった本編時点でも双子岬で待ち続けていたのだ。
ブルック自身も50年も経過していたため、ひょっとしたらラブーンが落命しているのではないかと考えたこともあったようだが、
モリアの一件が全て片付いた後の宴で、ルフィ達一味が偉大なる航路の入り口でラブーンに会ったこと、
そして彼が今もなお自分達ルンバー海賊団を待ち続けていたことを知らされ号泣。
蘇生してからこれまでの約50年、辛いことばかりで良い事など一つもなかったが、何度も自害を考えながら50年もの歳月を踏みとどまり続けて、
その末に報われたこの日を「生きててよかった」と心から喜び、ラブーンとの約束を今度こそ果たすべくルフィに自ら仲間入りを願いアッサリと承諾される。
なぜなら、かつてラブーンと交わした約束は「偉大なる航路を踏破した先での再会」。
亡きルンバ―海賊団達と共にという部分は果たせなかったが、引き返すのではなくルフィ達と共に踏破の約束はしっかり完遂した上で再会することが、
ブルックなりの海賊としての意地とラブーンへのけじめであった。
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戦闘能力 |
仕込み杖のレイピアを武器にしており、本気を出せば目視も難しい速度でフェンシング風の戦闘スタイルを用いる。
ヨミヨミの実は当初「1回限定で蘇る」というだけの力と考えられており、使い切った本編時点では「実の呪い」であるカナヅチだけが残り、
能力特有の攻撃手段無いと思われていたものの、ブルックも50年間隔絶した場所で過ごしていたため知らなかったが、
本来死んでいるはずのブルックの「魂」は、現世にしがみ付くために非常なエネルギーを発生させる現象が起きていることが発覚。
このため、その気になれば身体から魂だけ一時的に離れて幽体離脱する形で動く事が可能で、壁などをすり抜けて諜報もできる他、
骨の体が繋がり、動けるのは魂のエネルギーによるもので、体(骨)そのものが傷つかない限りはたとえ首を切り落とされようともダメージを受けず、
仮に骨の一部が破損しても牛乳を飲んだら数秒で再生する描写もあった。
それどころか切り離された関節を魂のエネルギーでくっつけて復活できる再生能力を獲得している。
おまけに肉を無くしたことで電気、細菌兵器、水分吸収攻撃が効かない身体を得ている他、
映画版では生物探知型電伝虫のサーチライトに引っかかっても反応しない副産物がある。
最大の特徴として、魂の放つ強力なエネルギーにより、魂に通じる行動をより強く相手に訴えかける事ができる。
例えば、魂のエネルギーを上乗せして音楽を奏でれば、聞いた対象の感性をより強く刺激することが可能になる。
また、骨の身体故に食事をとらなくても生きていけるらしく、遭難時代は50年ほぼ飲まず食わずだったと語っている。
ただし、死にはしないだけで、本人の発言によれば飢えはしっかり感じる模様。
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ちなみにビジュアルのモチーフは'90年代にメジャーデビューしたバンド・シアターブルック
(『
デュラララ!!』アニメ版のOP曲「裏切りの夕焼け」で知った人も少なくないだろうか)のボーカル・佐藤タイジ氏とされており
(特に白骨化してもなお残り続けているモジャモジャヘアーはまさしくである)、
タイジ氏自身にも「ブルックって俺だよね」とツイートしていた事もある程に認知されている。
なお、チョー氏は役作りのために、ブルックが登場する前の『ONE PIECE』は敢えて読まないようにしているという。
さらに余談だが、同作ではチョー氏の妻・チョー子女史の作曲した楽曲「ねこまむしの旦那に会いに行こう」をブルックが口ずさむ回があったり、
同曲から名前を拝借したネコマムシというキャラが「ゾウ編」から登場しており、チョー氏は感激のあまりその回が掲載されたジャンプを近所のコンビニで買い占め、
店員に怪しまれたという愉快な逸話が語られている。
MUGENにおけるブルック
CobraG6氏による
MUGEN1.0以降専用のキャラが公開中。
これにより、ニコニコMUGENwikiで麦わらの一味が全員揃った事になる。
スプライト及び技は『大海賊闘技場』準拠で、フェンシングによる攻撃を用いた近接戦が得意な性能をしているが、
超必殺技の演出が一部簡略化されているなどの変更点がある。
AIは未搭載。
この他に、Mikel8888氏製作の『
JUS』風キャラ、Kenshiro99氏製作の『大海賊闘技場』風キャラが存在する。
後者はホルン氏の外部AIが公開されている。
出場大会
最終更新:2025年10月15日 18:14