フランキー


「どんな凶器を抱えてようとも、
 そこにいるだけで罪になるなんてことはねェ!!」

漫画『ONE PIECE』の登場人物。
モンキー・D・ルフィの7人目の仲間にして船大工。
本名は「カティ・フラム」だが、諸事情でその名を捨てているため本項目名もこの表記で記載する。
アニメの担当声優は 矢尾一樹 氏→ 木村昴 氏。少年期は 野田順子 女史。

異名は「鉄人(サイボーグ)フランキー」
アロハシャツ一枚にブリーフタイプの海パンという変態染みた格好が特徴。
初登場時はリーゼントヘアーも特徴だったが、2年後の新世界編以降は再改造により髪型を自在に変化させる機能を追加したため、
ページ冒頭の画像のような坊主頭がデフォルト扱いになっている。

「南の海」出身で、物心つく前に「偉大なる航路」に入り10歳の時に海賊の親に捨てられ、
ウォーターセブンの廃船島でかつてゴールド・ロジャーの船も作った船大工の魚人トムに拾われて育てられた経緯を持つ。
しかし、26歳の時に「プルトン」の設計図入手を画策したCP5主官スパンダムによって、
自身が35号まで建造したバトルフランキー号を悪用されてしまい、あわや罪人となりかける。
兄弟弟子のアイスバーグとフランキーを庇ったトムが、ロジャーの船を作った罪を消すための「海列車を造った功績による恩赦」を使った事で釈放されたものの、
代償としてトムが罪人として連行される事になり、これに我慢ならなかったフラムは、
トムの連行を阻止すべく無理やりでも海列車を止めようと立ちはだかるが、止められるはずもなく轢き飛ばされて行方不明となる。
世間一般ではこれで死亡したとされたが、実は重傷を負いながらも一命を取り留めており、
落ち延びた廃船島にあった有り合わせの鉄屑で自身に改造を施す事により、なんとか生き延びた。
以降は親しい人間しか知らない愛称であった「フランキー」を名乗り、アイスバーグと再会。
この時、古代兵器プルトンの設計図*1を託されウォーターセブンを去るよう助言されるが、フランキーはこれを拒否。
ウォーターセブンの荒くれ者達を集めてフランキー一家を設立し、
荒くれ者のまとめ役を気取りながら解体業をしつつ、ウォーターセブンに来た海賊達を捕まえるなど陰ながらトムが愛した街を守っていた。

元々海賊の親に捨てられたため海賊に良い思いを抱いておらず、
部下のザンバイ達がウソップから奪ったゴーイングメリー号の修理代を強奪した事で、
当初はルフィ達の対立相手として登場するという、後に仲間になるとは思えない形で登場した。
だが、この時メリー号を巡り一味を離脱していたウソップとの出会いが、フランキーの麦わらの一味に対する印象を大きく変える事になる。
元船大工としての責務から既に寿命が来ていたメリー号を強引に廃船にしようと試み、ウソップに竜骨の損傷をその目で見させて諦めさせようとするが、
ウソップ本人は既に船の限界に気付いていた事を明かし、バカバカしい話と前置きした上で空島で見た「メリー号の化身」の事を話す。
それが船乗りに語り継がれる伝説の「クラバウターマン」と呼ばれる船の妖精と悟ったフランキーは船の破壊を中止し、伝説をウソップに教える。
相応に大工歴の長いフランキーですらクラバウターマンを見た者に出会ったのは初めてであり、
逆に言えばそれほどまでに一味がメリー号に深い愛着を抱いていた事を悟ったのである。
フランキーとしても船を壊す事はできても「殺す」事はできなかった。しかしメリー号の限界は如何ともし難いもの。
一味を仲違いさせた原因を作った負い目もあってか、現実的な意見で船の廃棄を勧めつつウソップに一味に戻るように促すが、
船に宿った命を見捨てるも同然の行為だとウソップは拒否。
意見は不一致のまま、乱入したCP9に拉致されてしまう。

囮となってニコ・ロビンを逃がそうとするも失敗し、ロビン共々エニエス・ロビーに連行され、ロビンの真意を知る。
だがそこでルフィ達のエニエスロビー襲撃を目にし、トムの時の自分と異なり強大な世界政府にも屈しない信念に心打たれたフランキーは、
古代兵器復活の可能性を握るロビンの奪還をルフィ達に賭け、所持していた「プルトン」の設計図をCP9の目の前で焼却。
呉越同舟の形でルフィ達と共闘した。
激戦の末にCP9は全員倒すが、バスターコールにより絶体絶命の事態に追い込まれたフランキーだったが、
そこでカクにより激流に流されたはずのメリー号に救われ生還に成功。
そして遂に限界を迎えたメリー号の「死」を見届け、その生き様に深い感銘を受けた。

事件後、ルフィ達から奪った2億ベリーで購入した宝樹アダムの木材により、
長年の悲願だった夢の船を造る目途が立ったため、ルフィ達やメリー号への礼も兼ねて作った船をルフィに譲渡する事を提案。
これが一味の新たな船「サウザンドサニー号」であった。
だが、完成と時を同じくしてエニエスロビー襲撃の件でフランキーは世界政府に手配されてしまう
(他の関係者は青雉により麦わらの一味に人質にされた一般人という事にされた)、
もはやウォーターセブンにいるのは危険と判断した子分達はフランキーをサウザンドサニー号に乗せて旅立たせようと画策。
フランキー自身は本心では海に出る事を望んでいたものの、死なせてしまったトムに対しての償いと子分達が気掛かりだった事から躊躇していたが、
アイスバーグからの後押しもあり遂に船出を決断。麦わらの一味に加入したのであった。

登場当初こそウソップの一味離脱の遠因となったこともあり読者からのヘイトは高かったが、
物語が進むにつれて一見荒くれ者だが親しい人間には義理堅く人情家な性格だった点や涙脆い一面ある事が描かれ、
大きく印象を変えるキャラとなっている。
作者曰く、最初から仲間になることは決まっていたが読者を混乱させるため、登場当初はあえてフランキーを嫌いになるように描いたらしい。

また、元々はアニメ版のスタッフから「矢尾氏が一味に入るようにしてほしい」という要望を受け、
氏が演じる前提の所謂「当て書き」で作られたキャラクターでもある
(矢尾氏は既にジャンゴやMr.2ボン・クレーを演じていた事もあって尾田氏とは親交があった)。
そのため人柄なども矢尾氏をモデルにしているが、一方でフランキーの好物であるコーラは甘い物全般が苦手なため元々あまり好きではなく、
フランキーを演じるようになってからイメージを崩さないために人前ではコーラを飲むようになった、なんてエピソードも。
矢尾氏の中の人ネタもスリラーバーク編に披露している
同じCVの『超獣機神ダンクーガ』主人公・藤原忍のキメ台詞「やってやるぜ!」を5体合体の時にぶっこんだ)。
しかしながら2024年末には矢尾氏がX(旧・Twitter)上にて、
「俺が理想としてるフランキーとの間に溝ができてしまった」と演技への苦悩を吐露すると共に降板を発表。
同時に「ス~パ~な後釜を用意した!」と述べ、後任への期待を託した。
その後、年が明けてのイベントにて木村昴氏が「ス~パ~な後釜」となる事が明かされた。そう言えば木村氏は大のコーラ好きとして有名である
なお黄猿の様に旧声優を意識して似せた演技では無く、ロジャーやミホークの様に新声優の新たなるキャラ像を出している。

+ 戦闘能力
サイボーグ故に頑強な鋼鉄の肉体と常人を上回るフィジカルを持つだけでなく、
様々な仕込み武器や重火器を体内に内装している。ちなみに動力源は何故かコーラほう、動力源がコーラですか…大したものですね
力押しの戦い方は勿論、飛び道具や搦め手も多数備えた豊富な武装を持つが、
体内のコーラが尽きるとこれらの武装は使えなくなり、パワーも不十分になる。
コーラ以外の飲み物では、いかなる原理か髪型が変化して性格も変わり、さらに戦闘力がガタ落ちする
また、自分で自分を改造したので背中だけは手が届かず生身のままであり、明確な弱点となっている(大規模な改造を経た2年後でも変わらず)。

2年前の海列車の上での戦闘ではケンタウロス形態に変形できるが、足が胴体の前にせり出すつくり(ネロから「逆じゃねェか」とツッこまれた)。
…といっても移動するための形態ではなく、組み伏せた相手を前後の足で拘束するための形態。
肩がせり上がって(脱臼して痛みを伴うらしい)相手を追っかける事で追尾する砲撃を放つ事も可能。
腕を膨らませて圧縮した空気を放つ「風来砲(クー・ド・ヴァン)」が最大攻撃。ちなみにケツからも出る(「風来噴射(クー・ド・ブー)」)。

2年後には腕や肩が肥大化し(手には細やかな作業をするための小型アームを内臓)、足はキャタピラに変形可能になりどんどん人間離れしている。
乳首が光る機能も追加。
ベガパンクの研究を参考にした事でビームの「フランキーラディカルビーム」を放てるようになった。
そして合体ロボ「フランキー将軍」により自分より大きな相手に対してもまったく引けを取らない戦いが出来るようになった
(奇跡の新素材「ワポメタル」を使用しているため、柔軟な変形が可能になっている)。
動力源は相変わらずコーラのようだが、最新話までコーラ切れに陥った描写はなく容量が増えたものと思われる。


MUGENにおけるフランキー

Mikel8888氏による、『JUS』風ドットで製作されたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
技や姿は偉大なる航路の章準拠。
優秀なコンボ性能と多彩な飛び道具を備えたオールラウンダーなキャラとなっている。
コーラを飲んでライフを回復させるユニークな特殊技もある。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画(公開先へのリンクあり)


「仕方ねェ!!世話してやるよ!!!
 おめェらの船の『船大工』!!!このフランキーが請け負った!!!」

出場大会

  • 「[大会] [フランキー]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
アラバスタ編で存在が示唆された兵器。
元々はウォーターセブンの船大工達が作った物らしいが作った当事者達も恐れており、
野心を持つ悪人に現物のプルトンが渡った事態に備えた抑止力として、船大工の間で設計図が密かに継承されていた。

師が謀殺される遠因となったこの設計図にアイスバーグもフランキーも複雑な思いを抱いていたが、
同時期に古代文字を読めるという触れ込みでロビンが手配されたこともあって、
古代兵器復活の危険がある以上、この設計図を捨てることは過去の船大工達の意志を無下にすることと同義のため、
スパンダムに狙われていると分かっていても処分に踏み切れずにいた。


最終更新:2025年07月26日 21:51