原文 
Sur les rochers
1  sang on verra
2  plouuoir
3 ,
Sol Orient.
4  Saturne Occidental
5 :
Pres d'Orgon
6  guerre
7 , à Rome grand mal voir,
Nefz 
parfondrees 8  & prins
9  le 
Tridental 10 .
日本語訳 
(1) rochers : rouchers 1568B 1568C 1568I, Rochers 1672
T.A.Eds. 
Orient.  1557U : Orient,  T.A.Eds. (sauf  : Orient 1589PV 1610 1627 1644 1650Ri 1716, Oilent 1600)
(注記)1627 は次の詩と連続した上で詩番号の打ち方が変則的になっている。
校訂 
日本語訳 
岩々の上に血が雨下するのが見られるだろう。
東方の太陽、西方の土星。
オルゴンの近くで戦争、
ローマ では大いなる災厄を見る。
船舶は水底に沈められ、三叉の衝角を持つ船は奪われる。
訳について 
 大乗訳も山根訳も4行目が問題となる。
 山根訳4行目「船は沈没 制海権は奪われる」は、
Tridental を「制海権」と訳すことに、議論の余地がある。
信奉者側の見解 
 ロルフ・ボズウェル は英訳をつけただけで解釈はしていなかった。その英訳の中では、Tridental がトレンティーノ(Trentino)となっている。
 
 アンドレ・ラモン は当時進行中だった第二次世界大戦に関する予言とし、ローマで見られる大悪をムッソリーニのこととした。Tridental はイギリス海軍の艦船のこととした。
 
 五島勉 は、Tridental とは、アメリカ海軍のトライデント(Trident)原子力潜水艦と、それが搭載しているトライデントミサイルのこととした。オルゴンは中性子爆弾の基地建造が予定されているガスコーニュ地方のことで、古くはオルゴン地方と呼ばれていたと主張した。
 
懐疑的な見解 
 フランスの地名でオルゴン(Orgon)というのは、DNLFによれば、ブーシュ=デュ=ローヌ県の1箇所しかなく、ガスコーニュ地方の古称とする見解は裏づけが取れない。
同時代的な視点 
 ピエール・ブランダムール は、1行目は凶兆を、2行目は太陽と土星が衝となる星位を示しており、それが後半に描かれた戦争や災害の暗示になっているとした。
 
 ピーター・ラメジャラー は、2003年の時点では、『
ミラビリス・リベル 』が描く
イスラーム 勢力の侵攻に関する予言を下敷きとしており、オルゴンはアルピーユ山脈から北上する場合の重要な通過点に位置しているとしていた。また、血の雨については、当時いくつもの言及があり、例としてリュコステネスが報告した1553年にエルフルトで降った血の雨を挙げた。しかし、2010年になると、「出典不明」とし、解釈を事実上撤回した。
 
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最終更新:2010年10月21日 21:53