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概要

 国際協調を是とする共存の時代。小さな紛争は絶えずとも、技術革新が進み、文明間の距離が縮まりました。
 共立世界〈パルディ・ルスタリエ〉は、共立公暦1000年。通称、共立世界と称される領域を軸に創作を続けています。過酷な星間戦争の歴史も、遥か遠い昔の記録となって久しい頃。世界はクランナム・アンダクストール文明共立機構)と呼ばれる最大の国際連合体によって統制されており、内政不干渉の原則のもと、各国政府が主催する娯楽産業としての戦闘システム(バトルシューティング)を発展させてきました。通称、闘争競技と呼ばれるその戦いに多くの市民が熱狂する一方、大戦時代の惨禍も根強い教訓として共有され、軍産複合体は流血を回避するための様々な研究を続けています。参加者の死を伴わない新たな演習方式の発展は多くの雇用と利益を生み出し、時には世論誘導を行うための有力な手段として利用されました。貧困を含むあらゆる問題は不可視化されて久しく、先進国の市民であれば誰でも高度な行政サービスを受けられます。少し検索をかけると、束縛されたシステムに異を唱える人々が存在し、管理AIからの「脱獄」を試みる逸脱者の暗躍も危険視されました。彼らの抵抗は共立世界を導く指導者層の注目を集め、より良い社会を築くために必要なデータとして活用されているのです。

 この1000年の間に改良を重ねた量子技術・バイオナノテクノロジーの向上は、やがて科学法術(令咏術・タクトアーツ)と総称される異能技術の発展を促し、人々の生活に多くの恩恵をもたらしました。更に遠古代から伝わる形而法術などの体系もあり、近年は現象魔法として利用されています。第3世代量子ビルド・ネットワーク(通称、T.B.N.S.)の発展は、意識の大量転送をも可能とし、これにより、多くの人々が死の恐怖を克服しました。各種ワープ航法の発展から個人レベルの並列転送が実現すると、その有効範囲も年々飛躍的な向上を遂げていきます。エネルギー問題は克服されて久しく、この世界は無限の法則から成り立つテクノロジーの恩恵を享受しています。個々人の夢が共存する、その先には何が生まれるのでしょうか?一人の旅人として気ままな道程を歩むも良し。あなたに然るべき覚悟があるなら、一人の政治家として国家間の外交に並走することもできます。超常的な神の視点から物語を紡ぐのも良いでしょう。私達は、あらゆるジャンルの創作者を歓迎しています。

共立世界地図

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  • 世界規模で見た場合の広さは概ね140pc(456.63光年)程度の空間として想定。銀河外散開星団説を採用しています。
  • 最小の表現区分としては星系単位を採用。色付きの○は星系を、◎は首都星系であることを表します。
  • それぞれ異なる色で塗りつぶされた丸い領域(星系マーク)は、共立機構に加盟する各構成主体(国家・組織)の支配下にあることを表します
  • オレンジ色の円形は通常、居住領域ではない恒星系であることを表しますが、一部世界承認を得ていないオブザーバー星系なども存在します。
  • 円滑な交易のために各々補給ステーションが建設されており、様々な船が行き交います。
  • 黄色の線は星系間を繋ぐゲート航路として設定される他、共立世界における通常航路として扱われます。
  • 緑色の線は長距離移動を可能とするワープ航路として、オレンジ色の線は国際条約によって規制されない自由航路であることを表します。
  • 各種の航路は必ずしも見たままの長さを表すわけではないことに注意してください。三次元図においては遠近、奥行きの概念を考慮しなければならないからです。
  • 図上に広がる薄い膜は区画宇宙域(セクター)を表し、今日では過去・現在と大きな繋がりを持つ一種の社会文化圏として区別されています。
  • 三次元図における高低差の関係で領域が重なる場合は、該当星系の周囲を所属セクターの色で覆うことによって空間の位置関係を補っています。
  • 同じセクターの星系間では基本的に大きな高低差などは存在しない解釈を取りますが、設定の都合で一部平均から外れた星系も存在します。

主な国家・組織


国際機関

世界均衡の立役者

 文明共立機構、通称、Andakstoor(アンダクストール、共立機構)は、この世界の全てを包括した最大の国際連合体であり、暴力装置としての側面もあります。その原動力は、かつて複数の星間国家が繰り広げた新秩序世界大戦の災厄に由来し、そうした悲劇が二度と繰り返されることのなきよう、前身機関たる国際共立監視軍の発足に至ったのが全てのの始まりでした。現代で最強戦力と謳われる平和維持軍を独自に運用し、国際紛争の仲裁に務めるなど、共立機構は今日の世界情勢を左右する大きな責任を担っているのです。その構成主体となる各国は共立機構代表総議会に議席を持ち、同三原則(主権擁護、平和協調、内政不干渉)に基づく制約のもとで一定の外交努力を継続しています。




主な大国と陣営

科学と利害の調停者

 セトルラーム共立連邦、通称、Armdeitoor(アルムディトール、連邦)は、共立機構に加盟する構成主体の一つで、優れたテクノロジーを持ちます。例えば、仮想空間上に無限の創造世界を構築する量子ビルド・ネットワークを始め、意識体の保全を可能とするライフサイクル・システム、跳躍途上における双方向即時通信技術を確立させるなど、様々な応用技術の発展に寄与してきました。中でも令咏術と呼ばれる異能技術の普及は当世界における急速な文明社会の発展を促し、良くも悪くも人々の生活を一変させた歴史を持ちます。価値観の変化を厭わない大統領の施策によって多くの技術者が定着し、そのマンパワーをフル活用する科学大国として栄えています。対外的には星間貿易の要所を占めて久しく、周辺セクターとの関係が自国の安全保障に直結することから、積極的に国際紛争の調停に努めているのが現状です。




 ジェルビア星間条約同盟、通称、Heldo(ヘルドー、共立同盟)は、セトルラーム主導の集団的安全保障同盟で、平和維持軍の不足を補うことを目的として立ち上げられました。当同盟の理念は、共立機構において掲げられる同三原則(主権擁護、平和協調、内政不干渉)を踏襲するもので、より機動的な部隊運用能力の向上に務めるなど即応性を重んじる体制となりました。また、一部地域における復興支援活動も継続することから、現行秩序の維持に欠かせない大きなファクターとして期待されます。批准国の殆どがイドゥニア星系連合加盟国で構成される現状、大国に抗う術を持たない多くの中小国が連携し、国益重視のセトルラームを抑制している面もあります。




古き伝統を守るもの

 ユミル・イドゥアム連合帝国、通称、Fuaaram Derirtoor(ファーラム・デリルトール、連合帝国)は、イドラム皇帝家を盟主とする連邦君主制国家であり、現在、帝国直轄領(通称、イドゥアム帝国)を含む5つの加盟国から構成されます。このうち、連合の大部分を占める直轄領ではトローネ皇帝による独裁が続いており、その他のコミュニティを牽引する事実上の統一国家として認知されました。その長い歴史の中で、広大な領域を征した連合帝国は共立機構ツォルマリアに次ぐ膨大な人口を擁し、交通・造船事業を始め、多くの分野においてトップクラスの生産量を誇ります。また、文化保存にも力を入れていることから、他の国では使われなくなって久しいレンガ作りの建物が多数残りました。帝都カーマフォルトを含む殆どの主要都市が鉄筋コンクリート構造のビルで埋め尽くされており、レトロブームを楽しむ多くの外国人にとって憧れの聖地となっているのです。



 ルドラトリス安全保障盟約、通称、Heller(ヘレール、安保同盟)は、ユミル・イドゥアム連合帝国主導の包括的防衛同盟で、侵略抑止の価値観で一致するセトルラーム及びラヴァンジェの二ヶ国とともに結成されました。対外的には「内政不干渉の原則」を掲げており、干渉傾向が強い資本主義国家と対峙するものです。実態としては中庸の姿勢を貫くセトルラームと、他国の干渉に対して厳しい態度を取るラヴァンジェ間のバランスを取っているのが現状で、リーダーシップを取る連合帝国の姿勢が問われます。陣営内外における帝国広報の荒唐無稽な政治宣伝を含め、数々の妨害工作が疑われて久しく、一部国家において悪の枢軸たるイメージが定着しました。




自立と尊厳の執行者

 オクシレイン大衆自由国、通称、elþá þâr(エルサー・ソール、大衆自由国)は共立機構に加盟する国家の一つです。星間機構の圧政を逃れた技術者たちとその家族が新天地で作り上げた国家であり、二度の革命を通して自由主義的な体制を手に入れました。素朴な軍事大国であり、オクシレイン宙軍の規模は共立世界のなかでも有数と言えるでしょう。共立機構に対する態度は懐疑的であり、他国とは緊張した関係性を保っています。このような介入主義的な面がある一方、人道に悖る災害や出来事が起こったときは率先して援助を贈るなど義に厚い面も注目されています。





 ネルヴェサ―民主同盟、通称、ÞANE(サーネ、黒丘同盟)は、オクシレイン主導の包括的防衛同盟で、自由と民主主義の価値観を共有します。対立軸となる安保同盟との関係は時代によって異なりますが、経済的利益を重視するオクシレインの指導力のもとに融和的な外交政策へと転じた経緯があります。同盟全体としては、人道主義の段階的普及を掲げるソルキア連合の解釈を取って久しく、陣営の枠組みを超えた高度の駆け引きが継続しています。指導者個人の好き嫌い(諸説あり)に依存した一部独裁国家の外交姿勢に激烈な不満を表す加盟国も存在し、貿易の主導権を握るオクシレインの姿勢が問われます。




その他の主要国

静寂なる魔の先導者

 ラヴァンジェ諸侯連合体、通称、Drafvaandzhret(ドラフヴァーンドジェレット、諸侯連合体)は共立機構に加盟する構成主体の一つで、殆どの人口が惑星ベルディンの軌道上に浮かぶ居留地に住んでいます。地上は「痕跡の魔術書」を巡って争われ、文明を崩壊へと導いた最終戦争の傷跡を深く残しており、その領域の殆どは「泉域」と呼ばれる瘴気に満ちた領域に包まれてしまったからです。瘴気に耐性を持つのは思春期までの少年・少女たちだったため、彼らの一部は地上で危険な任務に着いています。文明を崩壊させた現象魔法は現在でも諸侯連合体の国家現象魔法研究所により研究され、附属する機動魔法部隊は魔法災害や違法術式の摘発などを目的とする特務組織として発足しました。ラヴァンジェは共立機構の中でも停滞した文明ですが、覚醒したときに一体何が起こるのか未知数の文明でもあります。ラヴァンジェ自身もそれを自覚しながら、それによる潜在的な影響力を普段影に隠れたラヴァンジェの静かな力としています。



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最終更新:2025年04月23日 19:21